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裸のOL11



 スクラップにされた自動車の隙間を抜け、背丈ほども伸びている雑草を掻き分けながらアパートの裏へ行きました。アパートの裏は別の会社の資材置場になっているらしく、そこには砂利の山がいくつも並んでいました。
 何度かここに来た事のある私は、アパートの裏から彼らが食堂にしている1階の部屋が覗ける事を知っていましたので、雑草に身を隠しながらその窓をソッと覗きました。すると食堂の電気は消され、台所の流し台の小さな蛍光灯だけが淋しく輝いていました。

 そんな台所の洗い場には大量の食器が乱雑に押し込まれ、彼らが朝食を終えたのを物語っていました。ということは、既に彼らは出勤したという事でした。
 私はアパートの2階を見上げました。全ての部屋の電気は消され、物干し竿に吊るされた大量の作業ズボンだけが暗闇の中で夜風にヒラヒラと靡いています。私は押え切れない感情に胸をハァハァさせながら、食堂の隣にある廃部屋のバリバリにガラスが割れた窓によじ登ると、ブヨブヨに腐った畳の上にゆっくりと降りました。
 床に散らばるガラスの破片を踏みしめながらジリジリと奥へと進み、まだ若い堀ちえみの水着のポスターが貼ってあるトイレのドアをソッと開けました。
 汲み取り式のトイレの中から強烈なカビ臭と糞尿の匂いがムワっと溢れ出し、おもわず私は「うっ」と手の平で口を押えました。そうしながら恐る恐るトイレの中へと入ります。汲み取り式の便器の穴を跨ぎながらソーっと穴を覗き込み、穴の底に転がっていた「ザ・テレビジョン」の表紙に写る、晴れ着を着た小林幸子とふいに目が合いゾッとしました。

 立ったまま便器を跨ぎながら服を脱ぎ始めました。衣類はトイレの汚れた床に1枚1枚脱ぎ捨てました。最後に白いショーツをスルっと足首から抜き取ると、ショーツのクロッチがびっくりするくらい濡れており、改めて自分の欲情に驚かされました。
 私は全裸にヒールを履いただけの姿でトイレを出ました。本当はヒールも脱ぎたかったのですが、あまりにもガラスの破片が多くてそれは不可能でした。
 全裸の私は廃部屋の玄関へと行くと、静かにドアの鍵を開け、ほんの少しだけドアを開きました。
 ドアの向こう側にはスクラップになった自動車がひたすら並び、その向こうにはコンビナートの赤白模様の煙突がモクモクと白い煙を夜空に不気味に浮かび上がらせていました。
 何度も何度も辺りを窺い、そこに誰もいない事を十分に確認すると、全裸の私はドアの隙間から外に出ました。
 全身を生温かい潮風に包まれながら小走りでアパートの階段へ向かいました。もしここで誰かに見られたら一巻の終わりです。私は激しい興奮に目眩を感じながらも、縞鋼板の階段はヒールの音を響かせると冷静に思いました。そこで慌ててヒールを脱ぐと、階段の隙間にヒールを押し込み階段の裏にヒールを隠したのでした。

 素足でヒタヒタと階段を上がると、とりあえずアパートの廊下の闇に身を潜めました。
 そのどこか暴力的な匂いを漂わすアパートの雰囲気は、その危険な空気だけで私の興奮を激しく高めてくれました。しゃがんだまま1部屋1部屋を通り過ぎ、胸を破裂させんばかりに興奮しながら一番奥の集団部屋の前へと到着すると、興奮し過ぎた私はドアの前で遂に失禁してしまいました。

(こんな事をしていたら本当に殺されてしまう!)

 ドアの前で私は、太ももをタラタラと流れていく尿を見つめながら下唇を噛んでいました。
 引き返すなら今だと何度も何度も自分に言い聞かせました。しかし、そんな恐怖に包まれながらも、私は集団部屋のドアノブをゆっくりと回します。もしその部屋に誰かがいたらどうしようという恐怖が更に私を異常興奮のどん底に叩き落としてくれるのです。

 カチャ……っとドアが開くと、私はほんの少し開いたドアの隙間から部屋に侵入しました。
 玄関には段ボールが積み重ねられ、ボロボロのビーチサンダルがひとつ転がっているだけでした。玄関のすぐ横にある台所には異様な香辛料の匂いが立ち籠めていました。
 その刺激臭にとたんに咽せながらも、まるで野良猫のように四つん這いで部屋の奥へと進みました。
 奥には6畳の部屋が2つ並んでいました。1部屋に3つずつ布団が敷かれており、その敷きっぱなしの布団はまるで災害者への救援物質のような古臭くも汚れたものばかりでした。
 そんな布団の周りには各自の私物がゴミのようにして固められておりました。ポータブルDVDやノートパソコンといった高価そうな物もあれば、齧りかけのリンゴの食べカスや煙草の灰が捨てられている食べかけのコンビニ弁当といったものが散乱しています。又、そこにある新聞や雑誌はほとんどが自国の物らしく、中国語やペルシャ語が書かれた雑誌が乱雑していました。
 そんな雑誌の中に白人女性の裸体が載ったポルノ雑誌が紛れ込んでいました。その雑誌に書かれている言葉はロシア語らしく、そこに写っている金髪の女性達もロシア人のようでした。
 私はまだほんのりと温もりが残っている布団の中に潜り込むと、そのホームレス的な饐えた臭いに包まれながらロシアのポルノ雑誌を1枚1枚捲りました。
 雑誌は完全ノーカットでした。妖精のような美しい金髪美女が毛むくじゃらの大男の巨大なペニスを口一杯に頬張り、そして別の男から肛門にペニスを捻り込まれていました。そんな金髪美女の眉間にギュッと作られた縦シワが妙に私を欲情させ、とたんにその苦しそうな眉間の縦皺に感情移入してしまった私は、その金髪美女の気持ちになりながら股間を弄りました。
 私の性器からは大量の蜜が溢れ、それは私の太ももの裏側を伝っては薄汚れた布団にシミを作りました。私がこんなシミを布団に作っているとも知らず、この布団の持ち主は今夜もこの布団で寝むるのだろうかと思うと急に激しい興奮に襲われ、ハァハァと悶える私は隣の布団に転がっていた枕を手にすると、それをグショグショに濡れた股間に挟み込んだのでした。

「もっと舐めて下さいもっと舐めて下さいもっと舐めて下さいもっと舐めて下さい」

 私は、薄汚い男達に乱暴にクンニされているのを想像しながら、そば殻の枕をジャリジャリと音を立ててアソコに擦り付けました。
 そしてそれを股間に挟んだまま再び枕元に積まれている私物を漁っていると、その中から汚れたブリーフを発見し、嬉しさのあまりに叫びそうになりました。
 それは、フロント部分に『YG』とプリントされた、実に安っぽいブリーフでした。
 全体的に汗臭いそのブリーフは、何日間も洗っていない形跡を残しておりました。股間部分には黄色くなった小便のシミらしきものがポツポツと付着し、強烈なアンモニア臭を発しています。
 私は全員の私物を漁り、強烈に汚れたブリーフを1枚1枚見つけ出しました。そしてそれを順番に嗅いではその咽せ返るような汗臭さとアンモニア臭に男達のペニスをリアルに想像し、ジャリジャリとするそば殻の枕を股間に擦り付けました。
 そんなブリーフの中に1枚だけ酷く股間を汚しているモノを発見しました。
 それは小便の残り汁のシミとは違い、あきらかにアレだとわかる白くパリパリになったシミでした。
 そんな痛々しいシミを目にした私の脳裏に、ふいに「夢精」という言葉が浮かびました。

(あぁぁ……水鉄砲のように激しく噴き出す精液を身体中に掛けられたい……)

 そう思いながら、私はブリーフの股間にパリパリに乾いているその洗濯糊のような乾いた精液を唇に押しあてました。
 布団の上に仰向けで寝転がり、おもいきり股を開くと、不法就労の外国人労働者に性器を舐められているのを悶々と想像しながら、開いた性器に彼らが使っているそば殻枕を押し付けます。そして、汗臭いペニスを無理矢理口の中に押し込められる自分を想像しながら、パリパリに乾いたブリーフのシミをペロペロと舐めました。
 ブリーフに固まっていたシミは私の舌でトロトロと溶け始め、精液独特のツーンとした香りを甦らせました。そんな精液を必死に舐めながら、このブリーフの持ち主が性病を持っていたらという恐怖に包まれると、更に私はその恐怖に欲情し、枕元に転がっていた15センチほどのヘアースプレーの缶を握りしめると、それを迷う事なく膣の中に押し込みました。
 そんな冷たいスプレー缶は私の被虐的な気分をより昂らせてくれました。
 私は誰の布団かもわからない布団の上で大きく股を開きながら、外国人労働者達に代わる代わる犯されるシーンを思い浮かべては、太いスプレー缶を膣の中にヌルヌルとピストンさせています。非常に危険です。目を背けたくなるほどに卑猥で醜い姿です。
 何度も何度もイキそうになるのを必死で堪えながらススリ泣き、そして「もう許して下さい……」っと唸りながら、膣にスプレー缶を入れたまま、犬のように部屋中を這い回りました。
 そこで、畳の上に転がっている吸いかけのパイポを発見しました。それを、迷う事なくアナルに挿入しようとした瞬間、アパートの階段を誰かが上って来る足音が聞こえて来たのでした。


 アパートの階段を上がって来るその足音は、1人や2人のものではありませんでした。
 外はまだ真っ暗です。彼らが出勤してからまだ1時間ほどしか経っておりません。という事は、きっと彼らは仕事に干されてアパートに帰って来たのです。
 おもわず私は叫び出しそうになりました。ドカドカと近付いて来る足音を聞きながら私は半狂乱となり、布団の上で再び尿を洩らしました。

(本当に殺される!)

 そんな恐怖は今までに味わった事のないリアルなものでした。
 私は泣きながら押入れの襖を開けました。
 下の段には大量のゴミ袋が押し込められ、それは溢れ出て来るくらいであり当然私が隠れる余地はありません。しかし、上の段は大量のリュックやボストンバッグが乱雑に置かれているだけで、細い私の体ならなんとか潜り込めそうでした。私は、恐怖で力の入らない体をブルブルと震わせながら、必死で押入れの上の段に押し入りました。そして急いで襖を閉めると、下の段から飛び出したゴミ袋が邪魔をして、襖は10センチほどの隙間を開けたまま止まってしまったのでした。
 その瞬間、部屋のドアが乱暴に開き、ドヤドヤと男達が部屋に雪崩れ込んで来ました。
 間一髪でした。
 なにやら聞き慣れない外国語が部屋に響き渡りました。カッチ、カッチ、と天井からぶら下がる電気を付ける音が聞こえ、すぐさまパラパラと蛍光灯が点く音が響くと、押し入れの中に襖の10センチの隙間から白い蛍光灯の光が飛び込んで来ました。
 私は、息を殺したまま隙間から注ぎ込む蛍光灯の光をジッと見つめていました。襖の向こうでは聞き慣れない外国語が飛び交い、底知れぬ恐怖が次々に私に襲い掛かります。
 この襖を開けられたら殺されるという恐怖に、私は声を押し殺して泣きました。

 暫くすると、彼らのその声が、なにやらだんだんと激しくなって来ました。それはまるで罵り合うような、ケンカをしているような、そんな乱暴な声のトーンです。
 私は焦りました。布団の上には彼らのブリーフが散らばり、ヌルヌルに濡れたスプレー缶やぐっしょりと湿ったそば殻の枕が無造作に転がったままなのです。きっとそれを見た彼からが「これは誰がやったんだ!」と怒っているに違いないと、私は凄まじい焦燥感に駆られました。
 するといきなりドドド!という激しい振動が響き、同時に激しく怒鳴り合う声が私の耳をつんざきました。
 肌と肌がぶつかる乾いた音が響き、獣のような「ガヴヴ」と唸る声も聞こえて来ました。どうやら彼らは遂に殴り合いを始めたようです。
 その殴り合う原因が私だという事を一番良く知っている私は、襖の向こうのそんな殺伐とした空気をもろに受けながら恐怖のあまりに失神しそうになっていました。そんな私の体が再びガクガクと震え始めました。すると無情にも私の震えは襖へと伝わり、まるで地震が起きたかのように襖はガタガタと震え始めました。
 とたんに襖の向こうの喧噪がピタリと止まりました。静まり返った襖の向こうで、不法就労の外国人達がゴクリと喉を鳴らしながら震える襖を呆然と見つめている姿が私の脳裏に浮かびました。
 私の体の震えは更に激しくなりました。次第に私のアゴがガクガクと震え始め、私の口から無意識に「あぁぁぁぁぁぁ」という声が洩れ始めました。

その瞬間、いきなり襖が激しく開き、暗闇に潜む私の目を強烈な蛍光灯の光が襲ったのでした。

(つづく)

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