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ネカフェの裏・前編

2009/06/10 Wed 08:53

ネカフェの裏1



               1

マジックミラー越しに映る女は、エロサイトを真剣な表情で見ていた。
ピンポン玉くらいの大きさだろうかテカテカと輝く亀頭を眺めながら、女の細い指は机の下にあるスカートの中へと忍び込んで行く。
マジックミラーを覗き込む男は、女の細い指がパンティーの中でモゾモゾと動いているのを食い入るように眺めながら勃起したペニスを激しく上下させていた。
気がつくと、パンティーの中心から淫らな汁が滲み出し、女の座っていた事務椅子のシートに黒いシミを作っていた。
女はグショグショに濡れた膣の中に数本の指を入れながら、その中を激しく掻き回し始めた。
我慢できない男は、マジックミラーに映し出される女のオマンコに目掛けて大量の精液を飛び散らせたのだった。



いつものハプニングバーへ行くと、カウンターの隅から「こっちこっち!」と無言で私に手を振る男がいた。
「待ってたよ如月君・・・いつものアレでいいかい?」
そう言って「昆布茶」をバーテンダーに注文する工藤氏(52)。
私がいつもこの店で飲んでいる上質な昆布茶を工藤氏は知っていたのだった。

彼から電話を貰ったのは昨夜の事だった。
「ちょっと相談したい事があるんだ」と工藤氏に呼び出された私は、2日前から予約しておいた浜崎あゆみ似の援交ギャルとの約束をキャンセルし、呼び出されたこのハプバにやって来たのだった。

工藤氏は輸入車専門の中古車バイヤーを主とし、ゲームセンター、コンビニ、DVDレンタル店、ネットカフェ等を幅広く経営するヤリ手実業家だが、しかしその裏では、風俗嬢の派遣業やAV嬢の斡旋で荒稼ぎするという裏稼業の人間でもあった。

そんな工藤氏と私の付き合いは長い。
十数年前、私が「ブルセラBAR」を開店した時、その店の常連になっていたのが、この工藤氏だった。

「景気はどうだい。何かおもしろいアイデアはある?」
工藤氏は、たわいもない世間話をひとつふたつした後、ブランデーを口に含みながらさっそく本題に入って来たのだった。

               2

「実は、○○にあるネットカフェなんだが、どうも最近調子が悪くてね・・・」
工藤氏は苦い表情を浮かべながら二杯目のブランデーを口にした。

そのネットカフェは立地条件は最高に良かった。毎日若者が数十万人も流動する通りに面し、実に賑やかな一角に建つ物件だった。
しかしここ最近になって、いわゆるネット難民と呼ばれる者達がそのネットカフェに住み着き、店の雰囲気や治安が著しく悪化してしまった。
特にここに集まるネット難民はタチが悪く、ノゾキや盗みは日常茶飯事、先日も、隣りのカップル室にカッターナイフをチラつかせながら押し込んだ少年グループが、カップルから金員を強奪し、しかも女を集団レイプしてしまうという事件まで発生していたのだった。

「そのネット難民達はその事件が起きてからは店には寄り付かなくなったんだけどね、でも、若いコたちの間で『ここのネッカフェは危ない』なんて噂が流れ始めてさぁ、最近は客足がさっぱりなんだよ・・・」
工藤氏はテーブルの上のピスタチオの殻をピキッと潰し、苦々しそうに呟いた。

「あのネットカフェのテナントは区画整理の為に期限付きの賃貸契約になっていてね、立ち退きまではあと1年しか残っていないんだよ・・・それなのに、まだ全然元も取れてない状態なんだ。だからさ、この1年の間にせめて元金だけでも回収できる何かいい案を考えて欲しいんだよ・・・」
工藤氏はそう言いながら私の顔を見ると、祈るように両手を合わせるのだった。

丁度その頃私は、ある社長から「出会いカフェ」のプロデュースを依頼されていた。
その社長の物件は、場所も内装も「出会いカフェ」には申し分ないテナントだったが、しかし、私がキャッチした裏情報では、近々「出会いカフェ」の一斉摘発が実施されるというキナ臭い情報が入って来ている。そんな情報をキャッチしていた私は、大切なクライアントに危ない橋を渡らせるわけにはいかないと、「出会いカフェ」の企画を中止するよう、その社長を諭して来たばかりだった。

工藤氏が現在ネットカフェを経営する場所に「出会いカフェ」は最適な場所だったが、しかし、そんな理由から、工藤氏に「出会いカフェ」を勧めるわけにもいかない・・・

私は返事を出す前に、とにかくそのネットカフェを見せて欲しい、と工藤氏に依頼し、二人はさっそくハプバを後にすると、工藤氏の車で現地へと向かったのであった。

               4

土曜のPM9:00。この時間、これだけの規模のネットカフェなら、本来なら満室となっていてもいいはずだ。
しかし、ほとんどが空室状態であり、店内は閑散としていた。

店内はかなり広い。いたる所に本棚とDVDの棚が種類別に設置されており、中心のフロアを囲むように大小様々な個室が50室くらい並んでいた。
店内の内装も豪華で、そこら辺にある安っぽいネットカフェとは比べ物にならなかった。

「こんなにいい店なのに、もったいないですね・・・」
店内を見回す私がそう呟くと、工藤氏が「だろ?だろ?この床だけで600万掛かってるんだよ」と大理石張りのピカピカな床を靴の踵でカツカツと踏みながらそう嘆いた。

と、その時だった。カウンターにいたスタッフが、客室からのインターホンを受けた瞬間に一斉に慌てはじめたのだ。

「どうしたんだ」と、店長に詰め寄る工藤氏に、顔を引き攣らせた店長が工藤氏の耳元で囁いた。

「また、ノゾキです」

それを聞いてとたんに顔を真っ赤にした工藤氏は、なぜかレジカウンターの中に立てかけられていた金属バットを手にすると「この時の為にコレを用意してたんだよ」と、なぜか嬉しそうに金属バットを掌でパンパンと叩きながら、ノゾキ男の個室へと向かって行ったのだった。

               5

6号室を開けると、アニソンのカラオケなら2日間でも歌い続けてそうなオタクっぽい少女が、膨れっ面をして待っていた。

「隣りの男、そこの天井の隙間から携帯で私を撮ってた」

少女は不貞腐れながら天井の隙間を指差すと、「この店セキュリティー最悪」と吐き捨てるように呟いた。

そんなオタク少女に店長が謝罪している間に、工藤氏は御自慢の金属バットを片手に、隣りの5号室へと強行突入した。
隣りから聞こえて来る不穏な会話を察知していたのか、5号室の男は、工藤氏が部屋に乗り込んで来るなりいきなり直立不動で立ち上がると、「すみませんでしたー!」と素直に悪事を認めたのだった。

男の携帯に入っていた画像・動画のデーターを、オタク少女の目の前で全て消去させ、事を荒立てないようにと一時間無料券を数枚と系列店のカラオケボックスの無料チケット数枚を少女に渡すが、しかし少女は「ここの系列には二度と来ないからそんなモノいらな~い。それよりももし、ウチの画や動がネットに出回るような事があったら、その時は責任取ってもらうからね~」と捨て台詞を残し、そそくさと店を出て行ってしまったのだった。

「・・・あんな女が、さっそく2ちゃんねるなんかに店の悪口を書き込むんだよな・・・まいったよホント・・・」
工藤氏は持っていた金属バットをソファーの上に放り投げると、自分も同じようにソファーの上にドスンと腰を下ろした。

「あの天井の隙間・・・なぜ埋めないんです?」
私は店長からコーヒーを受けとると、工藤氏が座るソファーの正面に腰を下ろしながら素朴な質問を投げ掛けてみた。

「あれは、空調の通気口になってんだよ。ほら、ここは狭い個室ばかりだろ、あの隙間がないと全個室に冷暖房が行き渡らないんだよ・・・仕方ないんだよな、あの隙間は・・・・」
工藤氏はそう言いながら「あの隙間からの盗撮事件はこれで6回目だよ」と頭を抱えた。

私はごくごく素直に、あんな大理石の床に600万円もかけるくらいなら、全個室に小さなエアコンを設置してあの隙間を塞いでしまえばいいのに・・・と思う。が、しかし、この手のオーナーは、実用性より見た目を重視する。個室の快適性よりも店全体のインテリアに金をかけたがる見栄っ張りが多いのだ。お客様の為の店というよりも、自分のプライドの為の店、という考えの強いオーナーの店には、ありがちな問題点だった。

私はさっそくマンションに帰ると、膨大な量の資料をデスクの上に積み上げ、店の見取図と睨めっこしながら、無い知恵を絞りあれこれと企画を考えた。

「・・・期間は1年間か・・・1年で元を取るというのは難しいぞ・・・」

私は2箱目の煙草を吸いながら、一番のネックである「1年間」に頭を悩ませていた。
これ系の店の信用というのは、一度無くすと取り戻すのはなかなか難しい。ましてターゲット客はネットキチガイと呼ばれる人種が多く、こいつらがネット上に流す「悪い噂」というのは、瞬く間に全国に広がり、又、信憑性も高い為、誰もが信用してしまうのだ。
こんな状態で、1年間という短い期間に荒稼ぎするには、違法な方法しか考えられなかった。しかし、カジノをやるにしても出会いカフェを経営するにしても、また改装費が加算される事となり、ハードルが高くなってしまうだけだ。

「この店をこの店のままで荒稼ぎする方法か・・・・・」

私はリクライニングシートの上で大きく背伸びをしながら、ふと、隣りのオタク少女の個室を盗撮していたあの時の若者を思い出した。

若者が盗撮していた携帯動画には、天井の模様のアップが映っているだけで、オタク少女の姿はまったく盗撮されていなかった。
それなのに彼は、盗撮は不可能だとわかっていながら、テーブルの上によじ登り、狭い隙間に携帯を突っ込んでは、必死になって隣りのオタク少女を撮ろうとしていたのだ。

「こんな隙間じゃ何も盗れないだろ・・・これならネットで盗撮モノの動画を見た方がいいじゃない」と私が聞くと、彼は「はぁ・・・でもやっぱりリアルで盗撮したモノのほうが興奮しますから・・・」と答え、工藤氏から金属バットで叩かれそうになっていた。

そんな彼を思い出していると、私の中で、ふいにおもしろいアイデアが浮かんで来た。
・ ・・うん。・・・うんうん。・・・いいぞいいぞ・・・・うん、よし、これだ、これで行こう!

アイデアがまとまった私はリクライニングシートを飛び起きると、急いでマンションを飛び出し、さっそく現場へと向かって走った。

深夜の街には、少女達が行くあても無くブラブラと通りをほっつき歩いている。それを横目で眺めながら、「待ってろよお姉ちゃん達、今からおじさんがキミ達の遊び場を作ってやるからね・・・」と細く笑う私なのであった。

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私が考えたリニューアル企画は、ズバリ「女性専用・デザイナーズ・ネットカフェ」であった。

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同じネットカフェなら改装費はほとんどかからない。現在、壁にベタベタと貼付けてある安っぽいPOP広告や田舎のラブホテルのような照明を全て取り払い、女性が気に入るような、白をベースにしたシンプルなデザインにする。ソファーやテーブルなども、デザイナーズブランドのバッタ物を集めてくればかなり安くつき、今のカラオケボックスから持って来たポンコツソファーよりは断然見栄えがいい。
床の大理石を生かし、ハロゲンライトで上手にライトアップすれば、内装は女性が気に入ってくれそうな清潔感溢れるおしゃれな雰囲気になるはずだ。

次に設備。
現在のウサギ小屋のような狭い個室を半分撤去し、そのスペースに、無料で利用できるパウダースペースから、有料のネイルサロン、マッサージルーム、エステサロンまで備え付ける。これらのサービスは、格安のテナント料で外部からの店をテナント誘致する為、これらの施設に関する内装費は全てテナント側の実費で、大家であるネットカフェ側は一切負担しなくとも良い。

そして肝心の個室。
残った25個室を解体し、10個室へと縮小する。いわゆる、ひとつひとつの個室をゆったりとしたスペースにするのだ。個室にはPCはもちろんの事、その他にベッド、シャワー、冷蔵庫、大型テレビなどを備え付け、そこらのビジネスホテルよりも充実した清潔感あるおしゃれな個室にする。
食事はもちろんルームサービスだ。ホテル並にスタッフが部屋まで運んでくれる。
料理は女性が好む、パスタやピザなど軽食系をメインとし、その分、マンゴープリンやケーキなどのデザート類に力を入れる。ドリンクもソフトドリンクからアルコール類まで、とにかく女性が好みそうな物ばかりを選び、それらを24時間態勢でいつでも提供できるようにするのだ。

ここまで私が説明をすると、工藤氏は呆れたような顔をしながら鼻糞をほじり、「キミはもう少し頭がいいと思ったけどね・・・」と落胆の色を見せた。

私はひとまず企画書を閉じると、「なぜでしょう?」と工藤氏に笑みを浮かべた。

「あのね・・・そんな企画は、僕たちの業界ではずっとずっと昔からあるのよね・・・で、ところでいったい、それだけのサービスを充実させて、お客からいくら貰おうと考えてんの?ん?」
工藤氏は鼻の穴からビョ~ンと鼻汁付の鼻糞をほじくり出すと、それを親指と人差し指でコネコネさせながら聞いて来た。

「はい。女性のお客様の場合、30分300円からスタートしまして、以後延長10分ごとに100円の延長料を頂こうと考えております」
「たった10室で?たったの10室しかないのにか?10室だとフル稼働したとしても30分3000円だ、1時間たったの6000円だよ、それじゃあ一日に10万円も稼げないじゃないか、そんなはした金じゃ人件費にもなりゃしねぇよ」
工藤氏は「へっ!」とオードリーのように吐き捨てながら、人差し指に粘着していた丸まった鼻糞を、壁に向かってピュッと飛ばした。

「はい。その通りでございます。しかし私は今、『女性のお客様の場合』だけを説明したわけですが・・・」

工藤氏の貧乏揺すりがピタッと止まった。
リクライニングしていた姿勢から身を乗り出し、ゆっくりと私の顔を覗き込む。

「なんぞ・・・必殺技があるんかいな?」

工藤氏の言葉に故郷の方言が混じった。この方言が混じる時の工藤氏は真剣なのだ。

「もちろんございます」

私がそう言ってニヤリと笑うと、それに合わせたかのように工藤氏もニヤリと唇を緩ませた。
「ホンマ、如月ちゃんは人が悪いわぁ、最初から必殺技を教えてくれたらええのに・・・」とポツリと呟くと、「ほなさっそくその必殺技とやらを聞かせてもらいまひょか」と身を乗り出した工藤氏は、まるで蝿虫のように両手を擦り合わせたのであった。

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その日、オープン前の店先には、若い女性が列をなして扉が開くのを待っていた。
この行列は、リニューアルサービスの一環として打たれた「デザート食べ放題」を目当てとした女性客がほとんどだ。
イタリアン、フレンチ、チャイナ、そして和といった世界各国のスウィーツが無料で、しかも食べ放題となれば、若い女性達が黙っているはずがなかった。
又、この行列の中には、このネットカフェの中に支店を出した、有名エステや人気ネイルサロンを目当てとする女性客も多く混じっていた。特に「村山冴子エステサロン」は若い女性から人気があり、そのエステを経営する村山冴子はこの業界では押しも押されぬカリスマエステシャンとして絶大な人気を誇っていた。都内に数カ所ある彼女のエステサロンはいつも予約で一杯で、今から予約を取ろうとすると1年後の予約となってしまうとして若い女性の間では話題になっていたのだった。

そんな村山冴子が今日のリニューアルオープンの為にこのネットカフェの支店にやって来るのだ。彼女をカリスマと崇めるファンにとっては願ってもない幸運である。

「しかし、あれほどの大物エステシャンをこんなネットカフェなんかによく連れてこれたな・・・」
工藤は暗幕カーテンの張られた裏口に身を屈めながらそう言った。
「はい。実は彼女も変態なんですよ。私の出入りしているアングラクラブによく遊びに来てましてね、それで仲良くなったものですから・・・・」
「って事は、キミはあのババァとヤったのか?」
細い通路を進む工藤氏がいきなり足を止めて後ろに振り返った。
「まさか・・・あの先生はレズ専門ですよ。男なんかにはまったく興味はありません」
「・・・そっか・・・だろうな・・・カリスマエステシャンだもんな・・・オンナ触り放題だもんな・・・」
工藤氏は納得しながら再び通路を進み始めた。

二人は細い通路を抜けると六畳ほどの小さなフロアに辿り着いた。
この場所は、ネットカフェの個室の裏の部分に当たる。
この裏フロアから、1~10までの個室の裏へと潜入する事が出来るのであった。

フロアの中心には小さなカウンターが備え付けられていた。
ここが、「裏ネットカフェ」のキャッシャーとなる。
裏会員のお客は、この狭い通路をすり抜け、このフロアに辿り着くとここで料金を支払う。
裏会員の料金は30分3000円。その後の延長は10分1000円。表会員の料金の10倍の値段だ。

ここには、ベッドもシャワーもフレンチのスウィーツも無い。あるのは大きなマジックミラーと革張りのリクライニングシート、そしてクリネックス・ティッシュの箱がひとつ置いてあるだけだった。

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二人は、フロアに設置された巨大なマジックミラーの前に腰を下ろした。
このフロアの巨大マジックミラーからは表のネットカフェのフロアが見渡せるようになっていた。裏会員は、ここで気に入った女がどの個室に入るかを確認し、その女が入った個室の裏個室へと入って行くのだった。お気に入りの女が現れない場合は、そのフロアで気に入った女が来るのを待っていてもかまわない。裏個室に入るまでは料金は加算されない、それがこの「裏ネットカフェ」のシステムだった。

工藤の腕にズッシリとはめられていた金のロレックスがオープンの12時を指した。
オープンと同時にネットカフェのフロアには大量の女達が溢れかえった。

「おいおい・・・これ、本当に向こうから見えないんだろうな・・・」
マジックミラーに映る表の女達を見て、工藤が落ち着かない様子でそう言った。

「絶対に大丈夫です。このマジックミラーはNASAで開発された特殊な塗料をガラスに塗っておりますので、たとえこちらから光を当てたとしても向こうからは何も見えません。又、この塗料は防音にも効果がありますので、大声を出したとしても向こうに気付かれる事は絶対にございません」
天下のNASAがそんな物を開発するわけがないが、しかし、これはあくまでも私の妄想小説なのでお許し願いたい。

「しかし、問題は、個室の女が、裏の客の思っているようなスケベな行為をしてくれるかが問題だよな・・・裏の客は高い料金を払って時間を買っているわけだし、その時間内に女がそれなりの行為をしてくれればいいが、ただ煎餅をボリボリと齧ってマンガの本ばかりを見ている女の姿を盗み見していてもつまらんだろう・・・客からクレームが出るような事はないかね?」
工藤氏は気難しそうな表情を浮かべて私を見た。

「それは御安心下さい。裏会員の皆様には、その旨はよく説明しておきました。っというか、この裏会員の皆様というのは、究極の『のぞきフェチ』の皆様でございまして、女性の痴態ばかりが目当てではございません。彼らは、綺麗な女性の『素の姿』を見たいのでございまして、オナニーといったエロい姿ばかりを求めているわけではございません。ほら、あそこのジーンズの短パンを履いた女性を御覧下さい―――」

私は、表フロアでデザートを物色しているジーンズ姿の女性をマジックミラー越しに指を差した。

「―――あの女性、先程から短パンの下の部分をモゾモゾと触っておりますが、あれだけ股間に短パンが食い込んでおりますと、やはりアソコが気になるわけでして、あ、ほら、今、彼女、さりげなく短パンの尻をズラしましたよね、見ましたか?」

工藤はマジックミラーに顔を近づけ、女の短パンに釘付けとなる。

「ほら、またズラした!」

工藤は子供のように目を大きく開き「ホントだ!」と叫んだ。

「きっと彼女はTバックでしょうね・・・短パンが上にあがってくる度にTバックが股間に食い込むのでしょう・・・・と、いう感じで、マニアな裏会員はあのようなさりげない「素」のシーンを求めているのであって、逆に毎回オナニーなどをされていては「サクラ」かと勘違いされ、怪しまれてしまうのです」

工藤は「ほう・・・」と姿勢を元に戻しながら「ノゾキの世界というのも奥が深いんだな・・・」と感心するように何度も頷いたのであった。

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さっそく若い女が個室に入った。
私と工藤氏も、急いでその裏個室へと入る。

女は20代後半だろうかなかなかのイイ女だ。しかし、見た目は派手なファッションで若作りしているようだが、目尻のシワと浮き出た首スジは三十路を間近にひかえた女を物語っていた。この裏個室ではそんなものまでが見えてしまう、女の本当の姿を写し出す真実の鏡のようなものなのだ。

裏個室は三畳ほどの狭いスペースに、リクライニングシートがひとつとパソコンが一台置いてあるだけの質素な作りだった。工藤氏がシートに座り、私はしゃがみながら、二人とも裏会員の気持ちになってマジックミラー越しに彼女を眺めた。

女は個室に入るなり、いきなりベッドの上にドタンと倒れ込んだ。
ベッドの上でグググッと背伸びをすると、小さく「プスッ」と屁をこいた。

工藤氏が私を見つめ「うふっ」と微笑んだ。

しばらくベッドの上でゴロゴロとしていた女は、急にベッドを立ち上がるとパソコンのデスクに近寄りパソコンのスイッチを入れた。
女は画面を覗き込みながらデスクの椅子に腰を下ろした。

と、同時に私と工藤氏は、机の下を映し出すマジックミラーを覗き込んだ。

「ほう・・・なかなか綺麗な足だ・・・」
工藤氏は満足げにマジックミラーを眺める。
「股間のストッキングのラインが堪りませんね・・・・」
私は既に勃起していたペニスを、安定できる位置にずらしながら呟いた。

私はシートの隣りに置いてあるパソコンのスイッチを入れた。
立ち上がった画面上には、個室内をあらゆる角度から盗撮するシーンが映し出された。

「ほう・・・ここからも覗けるわけか・・・これは凄いなぁ・・・」
「はい。このパソコンでは主に、細かい部分をズームしたりして楽しむ事ができます。例えば、今、彼女がどんなネットを見ているか調べる場合には・・・」
私はデスクに座る彼女の背中を映し出していたA3というカメラをズームにしてみた。

個室を盗撮するカメラを通し、こちらのパソコンの画面に、今、彼女が見ているネットの画面が映し出された。

「今、彼女はキャバクラのサイトを見ていますね・・・恐らく彼女はキャバ嬢なのでしょう、このサイトに自分が紹介されているんでしょうね、それを確かめているようです・・・」

工藤氏は「どこの店だろう・・・こんなにイイ女なら口説きたいねぇ・・・」とアゴを擦った。

「この盗撮カメラで、彼女達が見ているサイトを確かめるというのも重要なポイントです。もしかしたらエロサイトを見ている可能性もあるわけで、そうなれば裏個室の残り時間が少ない客は、その後の彼女達の痴態を期待して延長するからです」

工藤氏は「さすがだな・・・」と私を見つめて笑った。

スカートの中を存分に覗き込んだ工藤氏は、またリクライニングシートへと移動し、パソコンに向かう彼女の顔を覗き込んだ。
女はパソコン画面を真剣に眺めながら、奥歯に人差し指を突っ込んでは何やらゴソゴソとやっている。多分、先程フロアで食べていた何かが奥歯に詰まっているのであろう、彼女はそれを取ろうと必死になって口の中の指を掻き回す。
しばらくして人差し指を取り出した彼女は、唾液で濡れた人差し指を見つめる。当然、私と工藤氏も彼女の指を覗き込んだ。
彼女の長い爪の中に何やら緑色をした物が詰まっていた。どうやらそれはホウレン草のような葉っぱだ。
それを見つめていた彼女は、ふいにその指先をクンクンと嗅ぐと、小さな声で「臭っ!」と呟いた。

工藤氏が複雑な顔をして私に振り向く。
「マニア達は、こんなのも見たいのかね?・・・・」
私はただ腹を抱えて笑うばかりだった。

               10

彼女が個室に入ってからそろそろ30分が経過しようとしていた。
彼女は、キャバクラのサイトを覗いた後、アマゾンでCDを探し、YouTubeでヘキサゴンのスザンヌを見ながら「バッカじゃねぇの・・・」と呟いたりしていた。

このままでは何もエロい事もなく時間切れとなりそうだった。

と、その時、デスクの上に置いてあるフロント専用のインターホンがプルルルッと上品な音を立てた。
彼女は受話器を取るなり「10分延長して下さい」と言うと、すぐさま立ち上がり、ブラウスのボタンを外し始めた。

「風呂だな・・・」
工藤氏が目を光らせた。
「この場合、当然、裏個室の会員も10分の延長をするでしょうから、このわずかな時間だけで4000円の売上げとなります」
私がそう言いながら工藤氏に振り向くと、工藤氏は「これが10部屋だと・・・短時間で結構な稼ぎになるな・・・」と満足そうに微笑んだ。

二人は再びマジックミラーへと顔を戻す。

ブラウスとスカートを脱ぎ終えた女は、手慣れた手つきでスルスルスルっとパンティーを脱ぐと、それをポンッとベッドの上に放り投げ、ムチムチの体を揺らしながらバスルームへと入って行った。

「では、我々も隣りへ急ぎましょう」
私と工藤氏はリクライニングシートの横にある扉を開くと、裏個室よりも更に狭くなった「裏バスルーム」という空間へと入って行った。

その裏バスルームからは、バスルーム全体が見渡せた。シャワーを浴びる彼女が等身大で見られるのが、この裏バスルームの特徴だった。

「この女、イイ身体をしているじゃないか・・・見てみろこのオッパイ、少し垂れ気味だがプルンプルンと揺れてるじゃないか・・・」
工藤氏はすぐ目の前でプルンプルンしているオッパイを眺めながら「どこのキャバクラだろう・・・」とまた呟いた。

「もしかしたらこの女は元キャバ嬢で今は風俗嬢かも知れませんね。あれほどまでに丁寧に陰毛をカットしているのは、風俗嬢くらいしかいないでしょう・・・先程見ていたサイトは、昔働いていた店で、まだ自分の写真がアップされているかどうかの確認かも―――」
「うるさい。そんな事はもうどうでもええのや。キミは黙ってなさい」
方言が混じり始めた工藤氏は真剣な眼差しでマジックミラーを見つめる。彼の股間にくっきりと勃起したペニスの形が浮かび上がっていた。

風呂の椅子に腰掛けた彼女は体を洗い始める。
掌でボディーソープを泡立て、その泡を、首筋、腋の下、胸、太もも・・・とまるで愛撫するかのように摺り込んでいった。

「ボディーブラシやボディータオルを備え付けなかったのは、ワザとでございます。彼女達がこうやって自らの手の平で体を洗っていくシーンを想定しておりました」

私の説明など、もう工藤氏は聞いていなかった。工藤氏は椅子に腰掛ける彼女の股間を覗き込むのに必死になっていた。

彼女は足の裏に手をやると、足の指の1本1本に泡の付いた指を差し込み、指の間を洗い始める。
もうここまでくると、下手なAVよりもずっとエロい。

いよいよ彼女の手が整った陰毛の茂みの中へと入って行った。陰毛でガシュガシュと泡立て、その泡を膣へと導く。女は座っていた浴室の椅子をズラすと、その場にしゃがみ込んだ。
それを覗き込んでいた工藤氏が「おお・・・丸見えだよ・・・」と口にする。

しゃがんだまま股を大きく開くと、中心に泡まみれの指を入れ、グジュグジュ・・・と膣を洗い始める。

「おい・・・この女、指を根元まで入れてオマンコ洗ってるぜ・・・やっぱりキミの言うように風俗嬢かも知れないなぁ・・・それにしても、しゃぶり付きたいくらいのイイ身体だ・・・」

女の股間を覗き込んでいる工藤氏は、床に頬を擦り付けながら独り言のようにそう呟き、勃起したペニスをこっそりと床に押し付けていたのであった。


               11


裏フロアに出ると、工藤氏は満足そうな表情で煙草を吸い始めた。

「素晴らしい。さすが愚人と呼ばれる変態だけはある。キミの発想は大したものだ。おかげで、今まで元気のなかった私のしめじも今日はピンコ立ちだったよ。危うく、アムロいきまーすってな感じで射精する所だった、いやはや、本当に楽しかった、礼を言うよ」
工藤氏は、おもいっきり竜の子氏のコメントをパクった。

「ありがとうございます」
私は深々と頭を下げながら、これでやっと溜まっていたマンションの家賃が払えると、内心ウハウハと喜んだ。

「しかし・・・」と、工藤氏の煙草を吸う手がふいに止まる。
「ここまで大胆に商売してると、摘発されるのも時間の問題だろう。これがバレた時には、このネットカフェを利用していた女達は大騒ぎだろうな・・・・」

確かに工藤氏の指摘の通り、この店は遅かれ早かれいつかは摘発されるだろう。日本の警察はそんなに甘くない。
その為に、工藤氏の会社にまで捜査の手が伸びないように、表向きこの店を運営する会社の社長には、私の変態友達のウシジマくんから紹介してもらった中村という男をダミー社長にしていた。
その中村は、あらゆる闇金に手を出し人生はボロボロだった。名義貸し料として毎月10万円を支払うという契約で、彼にこの危ない店の表向きのオーナーになってもらったのだった。

「通常、風俗関係の店の摘発の場合、最低でも三ヶ月から半年は内偵調査をすると言われています。稼ぐなら、その内偵期間中に一気に稼がなくてはなりません。幸い、私の知り合いに生活安全課の刑事がいますので、そちらのほうにも鼻薬を効かせておりますので、この店が内偵に入った時点で連絡をするようにとよく言って聞かせてますので、いきなり手入れを喰らう恐れはないので御安心下さい」

その生活安全課の刑事も私の変態仲間だ。彼は犬や猫にペニスを舐めさせる性癖の男で、彼がポメラニアンにアナルを舐められながらヒィーヒィーとペニスをシゴいているVTRを私は持っている。もし、彼が私を裏切った場合には、そのVTRをYouTubeで流してやるから覚悟しておけ!と脅かしてあるから、彼はまず私を裏切らないであろう。

「裏会員というのは何人くらい集まっているのかね?」
工藤氏はヴァレンティノの灰皿に煙草を揉み消しながら聞いて来た。

「現在、私の知り合いだけで56人です。この56人は猛烈なマニアですので、恐らくこの裏個室は彼らだけで24時間貸切りになると予想されます。これ以上の裏会員を増やすのも可能ですが、しかし、見ず知らずの者を会員にしますと、どこから情報が漏れるかが心配です。この56人の会員に関しては全員が口の堅い紳士ばかりだと、私が御約束します。ですから、今の所は手を広げる事を考えるよりも確実に元金を回収する事を考えた方がよろしいかと・・・」

工藤氏は深く頷くと「取りあえずはキミに全て任せるよ」と笑顔でそう答えた。

二人がそう話していると、ふいに裏4号室の扉の上にある赤いライトが点灯した。
「あれは何だ?」
工藤氏がその赤い灯りを見て動揺した。恐らくサツの手入れだと勘違いしたのだろう。
「あれは表4号室を利用している女性客がバスルームに入った事を知らせるライトです。シャワーと連動して点灯するようになっておりますので、女性客がシャワーを出した時点で点灯するようになっております」
「何の為に?」
「はい。フロアで待機している裏会員の為にでございます。シャワーシーンだけを見たいというオナニー目的のお客様も見えるだろうと予想しまして、あのライトが点灯したらすぐに個室に行けるように配慮致しました」

工藤氏は「さすがホテルマンだけはあるな、なかなかサービスが行き届いている」と笑いながら席を立ち上がり、「どれ、もう一度視察しておくか・・・」と言いながら1人そそくさと裏四号室へと入って行った。

ほんの十秒程して裏四号室から飛び出して来た工藤氏は、口にハンカチを当てながら「キミ。このサービスは場合によっては最悪な結果を生む事になるぞ」と捨て台詞を残すと、足早にフロアを出て行った。

私は工藤氏の言葉が気になり、すぐに裏四号室の裏シャワー室へと飛び込んだ。
そこには凄まじいババアが股をM字に広げながら股間にシャワーをあてていたのであった。

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