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堕落のアッコちゃん(9)

2013/05/30 Thu 17:30

●9アッコちゃんタイトル



 震える指がピンク色の亀頭を摘んだ。硬くも無く柔らかくも無いその感触に、まだ本物に触れた事のなかった明子は興味を抱いた。
 しかし、暫くそれに触れていると、何ともいえない不快感がジワジワと湧いて出て来た。それは、これが公衆便所から持って来たままの状態であり、洗われもせず、消毒される事もなく、そのままの状態だからだった。

 突然指先が痒くなり慌てて手を引いた。以前、手を洗っていない松崎に膣を触られ、凄まじい強迫観念にとらわれた事があったが、しかし、今回はそれを遥かに越えていた。このオモチャは誰の膣に挿入されていたかもわからず、もしかしたら肛門に使われていたかも知れないのだ。

 明子は箱の中からティッシュを大量に抜き取ると、気が狂ったように指先を拭きまくった。ティッシュはたちまちボロボロになり、紙縒りのように丸まったティッシュが床に落ちると、ふと、『田添神社女児殺人事件』のサイトに掲載されていた『捜査官の報告書』の一文を思い出した。

『女児の死体は、死後八日もの間、汲取式便器の穴に押し込められていた。まさか便器の底に女児の死体が押し込められているとも知らず、事件後、その便器を使用した者が二名いた。女児の死体は、加藤が排出した大便以外にも約二名の大便と使用したトイレットペーパーで隠されてしまい、その為、死体の発見が大幅に遅れた。真夏ということから腐敗も早く、すぐさま死体にはウジが集った。ウジやその他の害虫が、死体の、目、鼻、口、陰部、といった粘膜から体内に侵入し、女児の内臓を食い荒らした。発見された女児の死体は、溜まった体内ガスで風船のように腫れ上がり、飛び出した目玉はドロドロに溶けていた。犯人の体液が残る膣には大量のウジ虫が群がり、まるで膣におにぎりが詰め込まれているようだった』

 その報告書を思い出しながら、床に散らばるティッシュのカスを見ていると、だんだんそれがウジ虫に見えてきた。
 脳に渦巻く黒い魔物がスピードを増した。一瞬、目の前が真っ暗になり、クラクラと激しい目眩を感じた。

 レイプされ、首を絞められ、そしてあの狭くて暗くて臭い穴の中に押し込められた小学二年生の上原静香は、三人の糞を浴びせられ、ウジ虫に体を蝕まれた。いったい上原静香がどんな悪い事をしたと言うのか。たかだか八年間しか生きていない上原静香がどんな罪を犯したと言うのか。

 目眩の中でそう思った明子は、この世に神はいないと確信した。その瞬間、脳の魔物が大きな声で笑い出した。頭の中で「はははははははははははははははははははははははははは」という笑い声が響き、強烈な頭痛に襲われた。
 笑い声はいつまでも続いていた。両手で耳を塞ぎながら踞ると、誰かが背後から明子にソッと囁いた。

『この地球上で、善だ悪だと騒いでいるのは人間だけなのです。何が善で何が悪なのか決めているのも人間なのです。人間は勝手すぎます』

 ハッと顔上げて振り返ると、そこには十字架に括り付けられたキリストが笑っていた。真っ白なキリストは目玉をギョロギョロさせながら明子に向かって「バーカ」と舌を出した。

 そんなキリストの口の中は、スプレーを噴き掛けたように真っ赤だった。
 明子はその真っ赤な口の中に「私は本当は馬鹿なんです! 東大なんて入れるわけがないんです!」とそう叫ぶと、いきなりペニスのオモチャを握りしめた。

 それは便所に捨ててあったモノだった。誰が使ったかわからないモノだった。イソジンで消毒するどころか、水洗いすらしていないモノだった。
 それでも明子はそれを必死にシゴいた。加藤や昌史がやっていたようにそれを上下にシゴきまくり、もう片方の手で自分の陰部を弄った。

「やめて下さい。殺さないで下さい」

 そう呟きながらペニスのオモチャを手鏡から引き剥がすと、いきなりカーテンを開け、それを窓ガラスにピタン! っと張り付けた。
 ピンク色の亀頭に顔を近づけると、微かに納豆のような匂いがプーンっと漂って来た。
 不意に、中年の女が暗い個室の便器にしゃがみながらソレを膣にヌポヌポとピストンさせているシーンが浮かんだ。床に這う全裸の加藤が中年女のしゃがんだ股を覗き込み、中年女の前に立つ昌史伯父さんが、中年女の口元にペニスを突き出していた。
 その中年女は、お母さんのようにも見え、三塚さんのようにも見えた。
 中年女は、気が触れたかのようにニヤニヤと笑いながら、「いく、いく」と唸り、シュッシュッと小便を噴き出した。便器の穴の中に押し込められていた死体に小便が噴きかけられ、そこに群がるウジ虫がざわざわと蠢いた。
 そんな中年女を見下ろしていた昌史伯父さんが、「舐めろ」と言いながら中年女の唇にペニスを押し付けた。中年女の唇の中から真っ赤な舌が伸び、昌史伯父さんの亀頭をチロチロと舐め回した。

 そんな妄想の中、ふと気が付くと、明子は舌を伸ばしていた。そして納豆のような匂いが漂うペニスのオモチャをネトネトと舐めていた。

アッコちゃん17

 それにはどんな菌がついているかわからなかった。もしHIVに感染している人が肛門に使ったものであれば非常に危険だった。
 それでも明子はそれを舐めた。黒い渦に脳を冒されてしまった明子にはそれを舐めずにいられなかった。今の明子は、HIV感染者であろうとホームレスであろうと関係なかった。例え、女児を惨殺した加藤にでさえ素直に受け入れたであろう。

 明子はそれを咥え、顔を上下に動かした。インターネットで見た、アダルト動画の見よう見真似で、「うぐ、うぐ」と声を漏らしながら喉の奥までそれを飲み込んだ。
 ふと、オモチャを張り付けた窓の向こうに三塚さんの家が見えた。と言う事は、三塚さんの家からも、ペニスのオモチャをしゃぶっている明子が丸見えだと言う事だった。
 もし、こんな所を三塚さんに見られたら、と思いながらもそれを続けていると、ふと、緑の芝生が一面に植えられた庭の奥にある部屋に、茶色い服を着た人影が一瞬見えた。
 明子は慌てて窓ガラスからオモチャを引き剥がした。そして窓の下に身を隠しながら(見られていたかも知れない)と背筋を凍らせた。
 しかし、脅えながらも明子は、(アレは誰だろう)と、ふと思った。というのは、この時間、娘の華恵ちゃんは学校に行っており、家には三塚さんしかいないはずなのである。
 しかし、一瞬だけ見えたあの茶色い服は、確かにズボンだった。あのお洒落な三塚さんが、あんな地味な色のズボンを履くわけがないのだ。

(男かも知れない……)

 そう思った瞬間、明子の頭に、いつも上品な三塚さんの姿と、そして、先日見たゴミ袋の中のコンドームが同時に浮かんだ。

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(……まさか……)

 半信半疑の明子だったが、しかしその茶色いズボンが見えた部屋は寝室だった。子供の頃、華恵ちゃんの家には何度も遊びに行った事があるため、その部屋が寝室だと言う事を明子は知っていたのだ。

(間違いない……おばちゃんは、浮気をしている……)

 明子はそう確信すると、ゆっくりと立ち上がった。そして、まるで夢遊病者のようにフラフラしながら部屋を出ると、そのまま階段を下りた。

 リビングから庭に出た。三塚さんの家と明子の家の間は、二メートル近い塀で仕切ってあった。
 しかし、明子は覚えていた。子供の頃、いつも華恵ちゃんと行ったり来たりして遊んでいた塀の端にある秘密の抜け道を、明子はまだ覚えていたのだ。

 塀の隅には、まるでその抜け道を隠すかのように、大きなヤマボウシが数本植えられていた。
 葉っぱを掻き分けながら奥を覗いてみると、五十センチほどの隙間が見え、そこから三塚さんの家の庭に植えられている洋木の葉がはみ出していた。
 何の為にこんな隙間を作ったんだろう。子供の頃はそんな事を思った事もなかったが、今になって思うとこの隙間が不思議でならなかった。

 重なり合っているヤマボウシの葉の中に潜り込み、向こうの庭の様子を伺った。しかし、庭は見えるが寝室までは見る事ができなかった。
 やはり庭に忍び込むしかないと思いながら、髪にくっついた蜘蛛の巣を手で払った。よく見ると、茂みの中には得体の知れない小さな虫がウヨウヨしていた。正常な明子なら叫び声を上げて逃げ出していたが、しかし、今の明子はそんな虫も気にならなかった。しゃがんだノーパンの股間に、雑草がツンツンと突き刺さっていても平気だった。覗きを目的に三塚さんの家の庭に侵入しようとしている明子は、明らかに異常だった。

 身を屈めながら隙間をすり抜けると、そのまま大きな庭石の裏に潜り込んだ。松の木の下を潜り、石の端からソッと顔を出すと寝室が真正面に見えた。大きなベッドが二つ並んだ寝室は、カーテンをしていないため丸見えだった。

 若い男が一人、ベッドに腰掛けていた。俯いて携帯を弄っているため顔は見えないが、しかし、あの短髪の前髪をツンツン立たせたダサい髪型はなんとなく見覚えがあった。
 しかし、三塚さんの姿はそこに見当たらなかった。他人が、家主のいない寝室でベッドに座って携帯を弄るなど考えられなかった。しかもそれは若い男だ。夫が単身赴任中の家で、若い男が寝室で寛いでいるとなれば浮気以外に考えられないのだ。

 明子の胸の鼓動は狂ったように高ぶった。もしこれが浮気だとすれば、生のセックスシーンが見られるのである。しかも相手は、上品で気位の高い三塚さんだ。あんなセレブな奥さんが、いったいどんな風に乱れるのかと想像すると、明子の鼓動は更に高まり、ノーパンのミニスカートの中に手を入れられずにはいられなかった。

 暫くすると寝室のドアが開いた。白いバスローブを羽織った三塚さんがクスクスと笑いながら寝室に入って来た。若い男は素早く携帯をポケットにしまった。そして何を話しているのかは聞こえないが、同じようにニヤニヤと笑いながら三塚さんに何か話しかけていた。

 そんな若い男の顔がはっきりと見えた。おもわず明子は「えっ!」と声を出してしまった。なんとその男は、近所のガソリンスタンドで働いているお兄さんなのであった。

(つづく)

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