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毒林檎3

2013/05/30 Thu 17:59

毒林檎3



 部屋は思っていた以上に綺麗だった。
 あの劣悪なロビーから想像して、壁に血痕が飛び散っていたり、埃だらけの黒ずんだシーツがあるのではないかと思い描いていたが、しかし、ドアを開けた瞬間、新宿公園から差し込む日差しに輝く真っ白な壁とシーツが目に飛び込み、俺はひとまず安心したのだった。

 部屋に入るなり、俺は素早くトイレに入った。
 さっきトイレに行ったばかりだったから、女に怪しまれるかも知れないが、しかし、計画が実行される前にどうしてもチェックしておかなければならないものがあったのだ。
 それは、体臭だった。
 計画通りに行けば、俺はこの後すぐに昏睡してしまわなければならない。という事は、俺はあの綺麗な人妻と交わる前にシャワーを浴びる事ができないのである。
 それはあまりにも恥ずかしすぎた。根はプライドがやたらと高い俺は、他人に体臭を嗅がれるなど以ての外だった。しかも相手は凄い美人であり、更に俺は、今から数時間は完全無抵抗にならなければならないのである。
 そう焦った俺は、まずは脇の下に手を突っ込んでみた。案の定、脇の下はじっとりと汗ばみ、抜いた手の甲をクンクンと嗅ぐと、ワキガもどきの据えた臭いが漂って来た。
(ほら見ろ!)と独り言を呟きながらも今度はズボンを下ろした。股の足の付け根に人差し指を突っ込むと、金玉と太ももの間をスリスリと擦った。
 そしてその指を抜いて恐る恐る匂いを嗅いでみると、ミツカン酢そのものの強烈な酸っぱさが鼻を刺激した。
 絶望を感じながらも、一応、絶体絶命であろうと諦めているペニスを摘まみ上げた。
(ここが臭く無いわけがない)と確信しながら仮性包茎の皮をペロッと剥くと、案の定、皮を被っていた亀頭の半分が真っ白だった。
 それをジッと見下ろしながら(どうしよう……)と絶句した。
 これから除霊をするというのにシャワーなど浴びていたら、たちまち女に怪しまれてしまう。例え、今ここで濡れたティッシュでチンカスを除去し、脇と股を簡単に拭いたところで匂いは消えないのだ。
(どうすればいいんだ!)と、頭の中で叫んだ瞬間、ふと、「除霊前に体を清めさせて頂きます」、と嘘をついてシャワーを浴びる方法があると咄嗟に思った。
 そうだ、それなら実に尤もらしい。冷水を浴びるとでも言えばきっと女は信じるだろう。
 そう思った俺は、ベロリと剥いていた皮を元に戻そうとした。
 が、しかし、そこで突然、何やら俺の脳髄に異様なエロシチズムがジワッと溢れた。
 それは、普通の性的興奮とは明らかに違っていた。

 子供の頃、学校帰りに、田んぼのあぜ道で野糞をしている百姓のおばさんに出会した事があった。おばさんは、俺に気付かないままおもいきり尻を突き出し、バナナのような糞をメリメリと捻り出していた。そんなおばさんの尻の奥に、パックリと口を開いた奇妙なワレメが剥き出しているのが見えた。小6だった俺は、まだ女の性器を見た事がなかった。だから俺はおばさんに見つからないよう慌てて草むらの中に身を潜め、雑草に頬を押し付けながらおばさんの股の裏を覗き込んだのだった。
 おばさんの性器は、腐った桃のようにグニョグニョして気色悪かった。うわぁ……と顔を顰めながらも、それでもそこを見続けていると、あぜ道にボトボトと糞を落したおばさんは、今度はシャャャャャと小便をし始めた。真っ赤に爛れたワレメの中心から噴き出る小便は、ほんのりと黄金色に染まり、西日に照らされながらキラキラと輝いていた。小便を終えたおばさんは、糞も小便も拭き取らないままモンペを履くと、そのまま何食わぬ顔で帰っていったのだった。
 おばさんの姿が見えなくなるまで草むらに隠れていた俺は、辺りに誰もいない事を確認すると、トカゲのように草むらの中から這い出した。そして、おばさんが残していったモノを間近に覗き込み深い溜め息を付いた。
 バナナのようなその糞は、西日に照らされているせいか、やたらと黄色かった。俺は、やめろ、やめろ、と自分に言い聞かせながらも、それでもそれを嗅がずにはいられなかった。
 道端に這いつくばりながら、まるで犬のように野糞をクンクンと嗅いだ。そんな俺のペニスは、痛いほどに勃起していた。あまりの臭さにクラクラと目眩を感じながらも、それでも俺は異様な興奮に包まれていたのだ。
 そして俺は、遂にそこに指を突き刺した。第二関節までヌプヌプと差し込むと、妙に心が休まる温かさが指に伝わり、まるで温かい湯船に浸かった時のような気分になった。その指を抜き、それをジッと見つめる俺は、(それだけは絶対にやめてくれ)と、自分にお願いした。しかし、俺の中のもう一人の俺は、その願いを聞いてはくれなかったのだった。
 気が付くと俺は、黄色くて温かいそれをペロッと舐めていた。異様な臭みが口内に広がり、同時にピリピリとした痛みが舌に走った。こんなものを飲み込んだら死んでしまうと思った俺は、慌てて田んぼの水でうがいを繰り返した。
 しかし、その晩、俺は狂ったようにオナニーに耽った。何度射精しても、すぐにあの時の赤く爛れたワレメと糞尿の香りが蘇り、俺は朝までペニスをしごきまくった。
 そしていつしかそれは、百姓のおばさんに廃墟の農家で犯されるという異様な妄想にまで膨れ上がり、そのネタは高校生の頃まで俺を楽しませてくれたのだった。

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 脳髄に感じたその異様なエロシチズムは、忘れかけていたあの懐かしい糞尿の香りを蘇らせた。
 それは明らかにあの時と同じ興奮だった。
 自分の体臭と恥垢に刺激され、あの時の変態性欲が蘇ったのだ。

 異様なエロシチズムに心を掻き立てられた俺は、人妻にこの恥垢を舐めさせたいと素直にそう思った。それを思えば思うほど異様なエロシチズムはどんどん膨れ上がり、ペニスは破裂せんばかりに勃起した。
 俺は汚れたままのペニスをズボンの中に戻すと、使用していない便器の水を流した。
 脇の下も、股間のミツカン酢もそのままだった。きっと恐らく肛門にも、ティッシュのカスがこびりついている事だろう。
 それでも俺は、異様なエロシチズムにクラクラと目眩を感じながら、汚れたままのその姿でトイレを出たのだった。

 部屋に戻ると、さっそく原田凉子がキッと俺を睨んだ。その目には、(続けざまに二度もトイレに行くなんて不自然でしょ?)と言いたげなイライラ感がありありと浮かんでいた。
 そんな原田凉子の目を見返しながら、「除霊前には両手を冷水で清めなくてはなりませんのでね」と正論の反撃してやると、原田凉子は体裁悪そうに俺から視線を反らし、ベッドに腰掛ける女に「気分はどうですか?」と聞いたのだった。

 女はぐったりと項垂れたまま、自分の太ももをジッと見つめていた。そんな女の全身から漂う脱力感は、とても演技とは思えぬほどリアルだった。
 俺は女の背後に立つと、その細い背中にソッと手をかざした。
「相当体が冷えてますね……」などと、最もらしい事を呟きながら、原田凉子のメールに書いてあった「性嗜好障害者」という言葉を思い出していた。

 そのメールを受け取った時、俺はさっそくその聞き慣れない言葉を検索してみた。
 性嗜好障害者というのは、いわゆる「性依存症」のことであり、

『依存する対象は実際に相手のある性交渉だけでなく、自慰行為やポルノの過度な耽溺および収集、強迫的な売買春、乱交、露出や覗き行為、性的ないたずら電話、インターネットを介したアダルト・チャットなど全ての性的な活動が考えられる。依存者はそれらに性的な興奮や刺激に溺れることが習慣化し、徐々に自己コントロールを失っていく。ギャンブル依存や買い物依存などと同じく「行動への依存」に分類される』

 と、ウィキペディアにそう書いてあった。
 つまりこの女は変態なのだ。眠っている男に性的悪戯をしたいという変態行為に依存する変態性欲者なのだ。
 しかし、部屋に入ってからの彼女はどっぷりと沈んでいた。脱力感に陥り、まるで廃人のようになっていた。
 明らかにそれは、今から変態行為をしようとしている変態性欲者のテンションではなかった。

 俺はそんな女の背中を摩り、腰を摩った。原田凉子からは「体を摩るときは、デタラメでもかまいませんから何かお経らしきものを唱えて下さい」と言われていたが、そんな馬鹿げた事はしたくなかった。だから俺は女の背中を摩りながら「ふー、ふー」と腹式呼吸をしていた。
 そんな俺の手が女の腰を滑り、ベッドに腰掛ける丸い尻へと伸びた。薄いナイロン系のスカートはツルツルと手触りがよく、その中にあるプルプルの尻肉の感触まで伝わって来た。
 いいケツをしてるな……と思いながら、俺は女の真っ白なうなじに「ふー、ふー」熱い息を吹きかけた。
 それを繰り返していると、突然女が「ガッ!」と体を強張らせた。まるで脅える少女のように両手で胸を塞ぎ、座ったままアルマジロのように丸まってしまったのだ。
 細い肩をブルブルと震わせながら塞ぎ込んでしまった女の背中を見ながら、ふと俺は、この女には「性嗜好障害者」とは別に「男性恐怖症」という不安障害があった事を思い出した。確かあのメールには、それが原因で「パニック障害を引き起こす危険がある」と書いてあったはずだった。
(しまった!)と思い、俺は慌てて原田凉子に振り返った。
 すると原田凉子は、またしてもキッと俺を睨みながら、口パクで(早く寝て下さい!)と手を振っている。
 俺は焦った。もしここで彼女がパニック障害など起こしたら、この計画は終わりなのだ。俺はこの綺麗な人妻とヤル事もできず、下手をすれば原田凉子にセクハラで訴えられかねないのだ。

 慌てた俺は、すかさず「んんんん……」っと唸りながらベッドに膝をついた。
 そして「すみません……なんか……急に体調が……」と呟きながらベッドにドサッと倒れ込んだ。
 座っていた女が、倒れ込む俺の体を素早く避けた。「だ、大丈夫ですか石橋先生!」と原田凉子が慌てて駆け寄り、俺の胸を摩りながら「具合が悪いんですか?」と聞いて来た。

「すみません……大丈夫です……ちょっと目眩がしただけですから……」

 そう言いながら起き上がろうとすると、原田凉子は、「動かない方がいいです、そのまま少し休んでて下さい」と俺の体を押さえた。
 俺は、原田凉子の腕に抱かれながら、「そうですか……すみません……」と呟き、素直にそれに従った。

「ゆっくりと降ろしますからね……」

 そう言いながら原田凉子は、俺の頭部をベッドの枕の上に下ろそうとした。
 濃紺のスーツの胸元が俺のすぐ目の前に迫っていた。ふと見るとブラウスのボタンが二つ外されており、おのずと俺の視線は、ブラウスの隙間から見えるそのムチムチとした白い谷間に釘付けとなった。

 原田凉子は、スレンダーであるにも関わらず胸と尻だけはやたらとパンっと張っていた。会社では、「アレは胸と尻に何か入れてんだよ」と疑われていたが、しかし、今俺は、そのパンっと張った物が本物だと言う事に気付かされた。

 そんな原田凉子の腕に抱かれながら、ゆっくりとベッドに仰向けにされる俺は、「最近……色々と疲れてたものですから……」と消え入るような声で呟き、そのまま瞼をゆっくりと閉じた。
 目を閉じた瞬間、原田凉子の口紅の匂いが濃厚になった。そして、今さっき見たばかりのムチムチの白い谷間が鮮明に浮かび上がり、不意に亀頭の先がズキンっと疼いたのだった。

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(つづく)

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