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汚れし者2



(二話・汚れゆく私)

 お恥ずかしい話ですが、元々私には異様とも思える性癖がございまして、それは変態や異常者と呼ぶほどの重症ではございませんが、普通の人から見れば、明らかに異様と思える性癖でした。
 それは、汚いモノに性的欲情を覚えるという奇妙な性癖でした。その汚いモノというのは、例えば、町内のゴミ捨て場に山積みにされた生ゴミの袋であったり、ボロボロに朽ち果てた廃墟であったり、悪臭漂う豚小屋の薄汚れた醜い豚であったりと、通常では考えられないようなモノばかりでした。
 ゴミ捨て場を見ればそのゴミ袋に埋まりながら犯されたいと妄想します。廃墟を見ればその中で大勢の男達に滅茶苦茶にレイプされたいと妄想します。そして豚小屋を見れば全裸となってそこに押し詰められている豚に混じりたいと妄想してしまうのです。

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 普通ならば臭くて汚くて醜いモノには目を背けるはずなのに、なぜか私はそれらを目にすると異様な妄想を膨らませ、驚くほどに陰部を濡らしてしまうのです。
 どうしてそんなモノに欲情するのか自分でもわかりません。私をそうさせる根源が何であるのか何処にあるのか皆目見当がつきません。
 ただ、ひとつだけ思い当たる伏はあります。あの出来事が影響しているのかどうかは定かではありませんが、異様な性癖の根源として考えられるとすれば、それは川崎に住んでいる叔父の家のトイレです。
 小学三年生の頃、排気ガスで灰色に染まった川崎市の工場地帯に、母に連れて行かれた事がありました。その町のヘドロ臭がムンムンと漂うドブ川沿いに叔父が住む古い木造平屋建てがあり、私は母に手を引かれてその薄汚い家に入ったのでした。
 家に入るなり、さっそく母と叔父が言い合いを始めました。恐らく母は叔父にいくらかの金を貸していたのでしょう、母は狐のような目で叔父を睨みながら、「自殺しろ! 生命保険で払え!」と狂ったように叫んでおりました。
 私の母はヒステリー持ちです。怒り出すと非常に口が悪くなり、相手が誰であろうと耳を塞ぎたくなるほどの汚い言葉で罵ります。
 そんな母の醜い言葉を聞きたくない私は、その怒声から逃げるようにして慌ててトイレに駆け込んだのでした。
 そのトイレは、床にぽっかりと口の空いた汲取式便所でした。小さな窓からは赤と白の煙突がズラリと並んでいるのが見え、その窓からはプラスチックを火で炙ったような嫌な臭いがムンムンと漂ってきました。
 あまりの臭さに、その立て付けの悪い木枠の窓を慌てて閉めると、今度は床の穴から凄まじい糞尿の臭いが漂ってきました。鼻を押さえながら恐る恐る穴を覗き込むと、既にそこは溢れんばかりに汚物が溜まっていました。すぐに手が届きそうな距離に、叔父のモノだと思われる黄色い下痢便がブバッと噴射されており、それは白い便器にまで点々と飛び散っているのです。
 最悪な状況でしたが、しかし、母のあの口汚い言葉を聞かされるよりはましだと思い、私はセーターの腕に鼻を押し付けながら必死に耐えていました。そんな便器の脇には、数冊の雑誌が無造作に積まれていました。そのほとんどが低俗な男性週刊誌で、ページを捲ると、いかにも頭の悪そうな女達が、気色の悪い笑みを浮かべながらお化けのような巨大な乳を曝け出していました。
 そんな雑誌を何気にひとつひとつ見ておりますと、その中に酷くおどろおどろしい写真が表紙に飾られた『マニア倶楽部』という雑誌が紛れ込んでおり、それを目にした瞬間、私はたちまち戦慄を覚えたのでした。

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(↑この雑誌の表紙は「熟女装AV嬢あきこ&ちはるの独白」の西尾明子さんです)

 閉め切った小窓の向こうでは、何やら鉄を叩いているような、カン、カン、カン、という金属的な音がひたすら響いていました。トイレのドアの向こう側からは、「月末にはあの子の左目の手術をしなければならないのよ!」と泣き叫ぶ母の声が聞こえてきました。
 けれど私は目の手術なんてしません。私は目など悪くもなく、至って健康です。しかし、母はいつも私を目の病気にします。貸した金を取り立てに行く時も、借りた金を取り立てられる時も、母は、月末に私の目の手術があると嘘をつくのです。だから私は、この日、叔父の家に連れて来られたのでした。
 私は、そんな母の金切り声を聞きながら、『マニア倶楽部』のページを恐る恐る捲っていました。一枚捲る度に私は「うえっ」と顔を顰め、その卑猥で残酷な写真の数々に寒気を感じていたのでした。
 そんな写真ばかりの雑誌の真ん中辺りに、一枚だけ漫画が混じっていました。それを見た瞬間、私は今までにない戦慄を覚え、「ひっ!」と小さな悲鳴を上げながら慌てて雑誌を閉じてしまったのでした。
 しかし、雑誌を閉じて数秒もしないうちに、もう一度その漫画が見たくなりました。恐ろしいと思いながらも見たくて見たくて堪らなくなりました。
 私はしゃがんだ膝をガクガクと震わせながら、恐る恐るページを捲りました。雑誌の中には、縄で縛られた女の人や、全身に蝋燭を垂らされる女の人の写真など、見るも無惨な写真が沢山ありましたが、しかし、あの漫画を一度見てしまった私には、そんな写真が普通に見えました。
 そのページを開くと、またしても私は「うえっ!」と唸ってしまいました。顔面の皮をベロリと捲られた少女が、剥き出しにされた目玉を男子生徒に舐められていました。その男子生徒は静かに目を閉じながら、恍惚とした表情で舌を伸ばしていました。
 何がどうなるとこれほどまでにグロテスクな状況になるのか意味がわかりませんでした。それでも私は、まるで苦い物を食べた時のように顔を顰めながらもそれを細部に至るまで真剣に見つめ、異様な恐怖と異様な興奮に包まれていたのでした。

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 後に知った事ですが、あの漫画は丸尾末広という人が書いた物でした。あの日以来、あの漫画を目にする事はありませんでしたが、しかし高校生の時、自宅のパソコンのインターネットで偶然にもあの漫画を見つけ、そこで初めてあれが丸尾末広という人が書いたものだという事を知ったのでした。
 今となっては、この丸尾末広の漫画も、ただの悪趣味な漫画としか思いませんが、しかしあの頃は、この丸尾末広の漫画は私に凄まじい衝撃を与えました。
 今でもこの漫画を目にすると、あの時の母の叫び声と汲取式便所の糞尿の臭いが鮮明に蘇り、何やら異様に川崎という町が恐ろしくて堪らなくなります。
 恐らくこれがトラウマと呼ばれるものなのでしょうが、しかしそのトラウマと、この異様な性癖とどう繋がるのかは専門家ではない私にはわかりません。わかりませんが、あの時の状況と丸尾末広の猟奇的な漫画は、今の私の異様な性癖と何かしら関係しているように思えてならず、もしかしたら、それが今の私の異様性癖を形成しているのかも知れません。
 叔父の下痢の臭いと母の病的な叫び声。灰色のスモッグに煙った川崎の町と、そして丸尾末広の猟奇的な漫画。それらがトラウマとなり、それが私の脳の中で何らかの異常反応を起こし、結果、汚いモノに欲情してしまうという異様な性癖を作り上げてしまったのではないでしょうか。

 いずれにせよ、そんな異様な性癖を持っている私でしたから、あの男の精液に触れ、その匂いを嗅いだ瞬間、すぐさま異様な興奮に包まれてしまいました。
 私は、遠くで息子とサッカーをしている夫をジッと見つめ、夫がこっちを見ないかとドキドキしながら、精液が絡み付く指を恐る恐るブラウスの中に忍ばせました。
 コリコリに勃起した乳首に指が触れるなり、それが精液でヌルっと滑りました。おもわず「んっ」と声を漏らしてしまい、慌てて辺りを見回しました。そして周りに誰もいない事を確認すると、私は再び指を動かし始め、乳首をヌルヌルと転がしたのでした。

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 あの男は恐らく路上生活者です。そうでなかったとしても社会不適合な破滅者に違いありません。
 そうです、あの男は汚いモノなのです。私に異様な興奮を与える汚れ者なのです。私の肉体と精神は、そんな汚れ者に火をつけられました。背後から精液をかけられるという屈辱的な放火をされてしまったのです。
 半開きの唇からハァハァと淫らな息が漏れ始めました。ブラウスから手を抜き取ると、再び背中に手を回し、そこに飛び散る精液を指で掬いました。既に温もりは感じられませんでしたが、そのヌルヌル感には汚れた卑猥感が嫌というほどに感じられました。
 迷う事なくその指を唇を這わせました。まるで紅を塗るかのように精液を唇に塗り込み、それを舌先でチロチロと舐め回しました。
 精液独特の塩っぱさと苦さが口内に広がりました。その味には夫で慣れていましたが、しかしこれは見知らぬ男の味なのです。白昼堂々いきなり他人の背中に射精する危険な汚れ者の精液なのです。
 そう思うと、異様な性癖を持つ私は居ても立ってもいられないくらいに興奮してきました。辺りを見回し、左手をブラウスの裾で隠しながらジーンズのボタンをソッと外しました。
 微妙に腰を浮かせながらジーンズのジッパーを半分下ろしました。半分顔を出した薄ピンクのショーツが穏やかな春の陽に照らされ、その奥で渦を巻く陰毛がうっすらと透けて見えました。
 再び背後から精液を掬って来ると、その指をヘソに這わせました。そしてそのままパンティーのゴムの中に指を潜り込ませると、わさわさと生える陰毛を掻き分けながら、その中心部へと下ろしていったのでした。
 案の定、私の陰部はドロドロに濡れていました。クロッチまでぐっしょりと湿り、裂け目の周囲に生えている陰毛はモズクのようにヌルヌルになっていました。
 私は迷う事なく精液の付着する指を裂け目に滑り込ませました。それは非常に危険な事でした。どんな病原菌を持っているかもわからない精液を性器に塗り込むなど狂気の沙汰であり、四ヶ月の乳飲み子を持つ母親のする事ではありません。
 我ながら狂っているとしか思えませんでした。だけど一度火が付いてしまった私は、もはや自分を止める事が出来なくなってしまっていたのです。
 開いた粘膜に人差し指を擦り付けました。親指の付け根でクリトリスをグリグリと刺激し、ヒクヒクと痙攣する太ももをジワリジワリと広げて行きます。
 それがバレる範囲には誰もいません。隣の木の下のベンチに高校生のカップルがいましたが、そこからは私の蠢く股間は見えません。それに、まさかこんな所で家族連れの人妻がオナニーしているとは夢にも思わないでしょうから、余程のリアクションをしない限り彼らに気付かれる心配はないのです。
 直接地面に腰を下ろしながら横座りしていた私は、ゆっくりと膝を立てると体育座りになりました。今まで股間で押し付けられていた裂け目がゆっくりと口を開き、そこに這っていた指は自然にツルンっと穴の中に飲み込まれてしまいました。
 二本の指を挿入しました。ザラザラする膣の天井を指腹でグイグイと押すと、地面につけたお尻が無意識にジリジリと動きました。私は膣の天井を刺激するとイキやすくなります。そこを擦ればすぐにイク事ができるのです。だから夫とのセックスのクライマックスはいつも後背位をねだり、夫の貧弱なカリ首で膣の天井をズリズリと擦られながら絶頂に達するのです。
 そんな部分を私は刺激していました。この穏やかな春の陽射しに照らされる公園で、密かにイこうと企んでいるのです。
 何度も申しますが、私には異様とも思える性癖がございます。それは変態や異常者と呼ぶほどの重症ではございませんが、普通の人から見れば、明らかに異様と思える性癖です。私はそんな異様な女なのです。それでも私は、二人の幼い子供の母であり妻なのでございます。

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(つづく)

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