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汚れし者25



 水野さんから、いきなり老人介護班の班長にならないかと誘われた私は、戸惑いを隠せないまま黙りこくっていました。
 そんな私に、水野さんは策略的な笑みを浮かべながら言いました。

「もし飯島さんが本気で協力してくれるというなら、私が自治会長になった時には、あなたに自治会の幹部の席を空けておくわ」

 すかさず栗原さんが、声もなく絶叫しました。
 きっと二人は事前に打ち合わせしていたに違いなく、栗原さんは「凄いじゃない飯島さん! こんなチャンス二度とないわよ!」としゃがれた声で私を煽り、「是非とも班長をやらせてもらうべきよ」と、何故か小声で説得してきました。

 私は、すぐ目の前で喋りまくっている栗原さんの息が、とても臭いと思いました。こんな口臭なのに、水野さんの旦那さんはよくこんな臭女を肉便器にしているなと驚きました。
 が、しかし臭いから肉便器にされたんだろうなとすぐに気づき、私は栗原さんのその凄まじい口臭を哀れに思ったのでした。

 そんな悲しい口臭に包まれながら、水野さんのその勝ち誇った目を見ていると、自然に私の口から「わかりました」という言葉が漏れました。
 しかしその返事は、決して自治会の幹部になりたいという意味ではありません。まして、本気で『すずらんママ友会・老人介護班』などというものを立ち上げ、地域の老人の世話をしたいなどと思ってもいません。思うわけがありません。
 私がそう返事をしたのは、この人達が作り上げる汚れた渦に巻かれたいと思ったからでした。

 いわゆる私は、あの酒屋裏の『寝取られ場』には、もう飽きてしまっていたのでした。夫に公認で他人に犯されるというその出来レースに、もはや私は興奮が得られなくなってしまっていたのです。
 そんな茶番劇に嫌気がさしていた私は、新たな刺激を求めました。

 そこで私は、スーパーキヨシゲのお爺ちゃんを思い出しました。
 以前、早朝の公園で、あの痴ほう老人にオナニーを見せた興奮が今でも忘れられなかったのです。
 さっそくスーパーキヨシゲの奥さんを尋ねた私は、無償でお爺ちゃんのお世話をさせて欲しいと願い出ました。
 スーパーキヨシゲの奥さんに大変感謝された私は、何の疑いもなくお爺ちゃんの部屋に案内されました。
 重度の痴呆症のお爺ちゃんは、スーパーキヨシゲの裏庭の奥にひっそりと佇む離れ小屋に隔離されていました。
 その窓の無い隔離小屋のドアを開ける瞬間、私は初めて丸尾末広の漫画を見た時と同じ興奮に包まれていました。

 痴ほう老人の性的虐待は私を激しく興奮させてくれました。
 お爺ちゃんは、おっぱいを曝け出せばいつまでもおっぱいを舐めていますし、陰部を剥き出せば、そこがどれだけ汚れていようと何時間でも舐めています。

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 だから私はスーパーキヨシゲの隔離小屋に入り浸りとなっていました。
 もはやスーパーキヨシゲのお爺ちゃんは私の性奴隷です。
 あの酒屋裏でM妻として徹底的に調教されていた私が奴隷を持つなどおかしな話ですが、しかし私は絶対的なMではないのです。自分よりも弱いもの、例えば、小動物や幼児や病人や寝たきり老人といった弱者に対しては、私は異常なほどにサディストになれるのです。
 恐らくそれはMとして蓄積されてきたストレスであり、それが自分より弱いものを見つけた時に爆発するのでしょう。
 だから私はキヨシゲのお爺ちゃんを虐めました。散々性奴隷にしては虐め、そのストレスをここで発散していたのでした。
 しかしお爺ちゃんには自分が虐められているという自覚はありませんでした。お爺ちゃんは、何が何だかわからないまま、ただただ人間の本能を必死に剥き出しているだけでした。
 そんなお爺ちゃんの萎れたペニスを摘まみ上げ、私はその薄汚れたペニスを散々罵ってやります。小さい、臭い、皮かむり、と、汚い言葉で貶しながらそのペニスを乱暴にシゴいてやるのです。
 するとお爺ちゃんは私に叱られているのだと勘違いし、まるで幼児のようにわんわんと泣き始めます。そのお爺ちゃんの泣き顔が、MでありSである私に堪らないエクスタシーを与え、いつしか私は、この痴ほう老人虐待というSMプレイにハマってしまっていたのでした。

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 そんな理由で老人介護をしていた私ですから、本気で老人介護などやりたいと思うわけがありません。
 私が水野さんに「わかりました」と返事をしたのは、キヨシゲのお爺ちゃん以外にも、もっと大勢の性奴隷老人を欲しいと思ったからです。

 しかし、私のその返事を聞くなり、二人の顔はまるでヒマワリが咲いたようにパッと明るくなりました。

「ありがとう。それじゃあさっそく『すずらんママ友会・老人介護班』の立ち上げに取りかかりましょう」

 水野さんがそう嬉しそうに栗原さんに笑うと、「了解しました」と頷いた栗原さんは、「きっと橋本先生も喜びますね」と呟きながら熱い熱い太陽を見上げ、その汚れた目をキラキラと輝かせたのでした。

 私はそんな二人に、「あの……」と眉を顰めながら言いました。
「なに?」と水野さんが眉を優しい八の字にしながら私を見ました。

「ママ友会には所属していないんですが、二丁目の松浦さんという若いママさんが、独自で無償の在宅介護をしていると聞きました。経験者が多い方が助かりますので、その松浦さんという方も介護班に誘ってみてよろしいでしょうか……」

 すると水野さんは「大歓迎だわ!」と少女のように喜び、「経験者ならきっと即戦力になるわ。とにかく、メンバーは全て飯島さんに任せますから、その調子でどんどん班員を増やして下さい」と満足そうに頷いたのでした。

 その松浦さんと言うのは、いわゆる『老人フェチ』と呼ばれる性癖を持つ、東さんの乱交仲間でした。
 寝たきり老人の体臭や垢に欲情するらしく、特に寝たきり老人のオムツを外した直後の肛門の味が大好物だという、極めてグロテスクな変態女でした。

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 そんな松浦さんは、去年、寝たきりの義父の肛門を舐めている所を夫に見つかり、二十四才という若さで離縁されてしまったシングルマザーでした。
 離縁された彼女は、宅配便のアルバイトで生計を立てながら、二人の幼い子供と安アパートで細々と暮らしていましたが、しかし、どれだけ悲惨な生活に堕ちようともその性癖だけは治らず、早くも先月から介護ボランティアだと名乗っては区営住宅の独居老人宅に片っ端から忍び込み、ボケた老人達の体中を舐め回しているのでした。

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「松浦さんは筋金入りの変態よ。お爺ちゃんのチンポだけじゃなく、お婆ちゃんのマンコだって舐めちゃうんだから」

 そう東さんに太鼓判を押されている変態だけに、松浦さんが介護班に加わってくれたら面白い事になりそうだと、密かにそう目論んでいますと、ふと私は、もう一人、東さんから教えてもらった介護系の変態がいた事を思い出しました。

 私は、恐る恐る「それと……」と水野さんに言いました。
 水野さんは少し苦笑い気味に「まだ何かあるの?」と私を見て笑いました。

「将来介護士になりたくて在宅介護のボランティアをしている子がいるんです。ただ……その子はまだ学生なんですけど……学生でも介護班に入れてもよろしいでしょうか?」

 すると水野さんは、「さっきも言ったけど、メンバーは全てあなたにお任せしますから、あなたの好きなようにしてもらって結構よ」と、やる気を出し始めた私を嬉しそうに見つめながら微笑んだのでした。

 その学生は、酒屋裏の寝取られ場の常連でした。
 輪姦よりも年配者との単独プレイを好む女の子らしく、六十過ぎの高齢者達からは大人気の変態女子なんだと東さんは言っていました。
 看護学校に通っている彼女は、学校が運営する在宅介護のボランティアに参加しながらも、お爺ちゃん達にその若い甘い蜜を吸わせていました。十七才でありながらも素晴らしい巨乳の持ち主らしく、その若い乳肉に老人達はイチコロで溺れてしまうのだと東さんは笑っていました。

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 私は、その女の子は絶対に必要だと思いました。若くて巨乳で可愛い十七才。そんな女の子が薄汚い老人達に汚される姿を想像しただけで、私のあそこはムズムズと疼いてくるのです。

 さっそく東さんに相談して、彼女達を『すずらんママ友会・老人介護班』に勧誘してもらおうと思いました。
 そう思うと、居ても立ってもいられなくなり、私は水野さんに「それでは、早速、みんなに声を掛けてみます」と言い、「頑張ってね!」と笑う栗原さんに早々と会釈をして、その場を立ち去ろうとしました。

 するとその時、ふと背後から『フヤャン〜フヤャン〜フヤャン〜』という、何やら不思議な電子音が聞こえてきました。
 その音に、そこにいたママ友達が一斉に振り返りました。
 噴水の横の木陰に、数人の小学生の男の子達がいました。その男の子達は、今流行の『妖怪ウオッチ』の時計を腕にはめ、そこから発せられる青い光線をママ友達の集団に向けていました。
 LEDに照らされた栗原さんが「何よあなたたち、あっちで遊びなさいよ」と言うと、その男の子の中の一人が「おばちゃんたちには妖怪が取り憑いている!」と叫び出しました。

 一瞬の間を置いて、ママ友達が一斉に笑い出しました。

「あら、私にはどんな妖怪が取り憑いてるのかしら?」

「しわくちゃの姑さんが取り憑いてるわよ!」

「うっそぉ、笹川の奥さんだって、肉まんを食べている妖怪が取り憑いているわよ!」

 そうママ達が勝手に盛り上がり始めると、たちまち男の子達はつまらなそうな顔になり、「あっちで妖怪探そうぜ」と呟きながら林の中に消えていったのでした。

 もちろん、その妖怪が取り憑いている云々というのはアニメの中での作り話です。
 しかし、私には本当に見えました。元々妄想癖のある私には、ママ達の背後に浮かぶ妖怪が見えたのです。
 それは、勃起したペニスを剥き出しにした男やパチンコに狂っている老婆、そして一万円札をペシャペシャと数えている中年男などで、そんな変態妖怪たちが私にははっきりと見えたのです。

 ふと水野さんを見ると、その背後には高校生の男の子が取り憑いていました。黒いズボンの中から白いペニスを突き出し、水野さんのお尻に向けてシコシコとそれをシゴいていました。
 よく見ると、その男の子は橋本さんの息子さんでした。少年は、水野さんのお尻にぴゅっぴゅっと精液を噴き出しながら、赤いパンティーのクロッチをペロペロと舐めているのです。
 ふと私の脳裏に、グラウンドのネット裏にある公衆便所のタンクの中に押し込められていた真っ赤なパンティーが、鮮明に浮かびあがりました。
 すると、あの公衆便所の個室にパンティーを置いていたのは水野さんなのではないだろうかという妄想が、私の頭の中に溢れ出しました。
 あの薄汚い公衆便所で、水野さんは卑猥に汚れたパンティーを餌に、橋本さんの息子さんを餌付けしていたのです。
 そしてそのまま個室の中で少年を犯し、中年女の濃厚なセックスの虜にしていたのです。
 だから水野さんは、あの公衆便所を見回りのルートから外していたのです。ママ友達に少年との関係がバレないように、そこを立ち入り禁止区域にしていたのです。

 そんな勝手な妄想を抱きながら私は、栗原さんと話している水野さんの顔をソッと覗き込みました。
 そんな私に、「なに?」と驚く水野さんの顔を見た瞬間、水野さんと少年が薄汚れた個室の中で交わる姿が、私の脳裏に鮮明に浮かび上がりました。

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 私は水野さんの目をジッと見つめたまま、前屈みにしていた体をゆっくりと起こしました。
 そして水野さんと栗原さんの顔を交互に見ながら、

「夢の中で夢を見た事がありますか?」

 と、尋ねました。

 すかさず栗原さんが「なによ突然……」と訝しげに私を見つめ、「夢の中の夢? そんなの見た事ないわよ」と呟きました。
 しかし水野さんは違いました。
「私はあるわよ」と静かに答えながら私をジッと見たのです。

「夢の中で眠っている自分をよく見るわ。夢の中で怖い夢を見て慌てて飛び起きる自分がいるの。でもそれも夢の中での出来事だから、もう一度慌てて目を覚ますの。そんな変な夢を何度か見た事があるわね……」

 そう小さく微笑む水野さんに、私は心の中で呟きました。

(それは夢ではありません。夢の中で夢を見たというのは、あなたの妄想に過ぎないのです。あなたは気付いていませんが、もはやあなたの精神は病んでいるのです。二度夢を見た事があるというのは、それは妄想狂の初期症状だからです……今にあなたはその妄想の中から抜け出せなくなります。目を覚ましても目を覚ましても夢の中から抜け出せなくなるのです。そのうち夢と現実がわからなくなり、そのままあなたは気が狂い、そして身も心も汚れて行くのです……)

 そう心の中で呟いている私を見て、水野さんは「それがどうしたの?」と笑いました。
 そんな水野さんの笑みに「いいえ、なんでもありません。それじゃあ……」と明るく答え、私はそのままベビーカーの向きを回転させたのでした。

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 真夏の公園はギラギラと輝いていました。
 蝉が狂ったように鳴き喚く中を歩いていると、まるで温風ヒーターのような風が次々に私の首筋をベロリと舐めて行きます。
 そんな攻撃的な太陽の光りと、ひっきりなしに鳴き続ける蝉の声、そして貪よりと湿った熱風を全身に感じながら、ふと私はこれは夢なのだろうかと考えました。

 モワモワと熱気が沸き上がるアスファルトを踏みしめながら、これが夢なら一刻も早く目を覚ました方がいいと思いました。
 なぜなら、ベビーカーの取っ手にぶら下がる温度計は三十六度を示しているからです。
 これだけ暑いと、娘の熱中症が心配なのです。

 しかし、ここで目を覚ました所で、どうせまた同じ夢が続くのです。

「それなら無理に目を覚ます事もないか……」

 青空に浮かぶ巨大な入道雲を見上げながらそう呟くと、寝ていたはずの娘が突然ケラケラと笑い出しました。
 この子はいったいどんな面白い夢を見ているんだろうと、日よけシートの上からベビーカーの中を覗いてみると、娘は白目をむいていました。唇からはぷくぷくと白い泡を噴き、小さな拳をギュッと握ったままケラケラと笑っていました。

 そんな娘の姿も、そんな笑い声も、きっと夢なのです。

 そう思うと何故か無性に可笑しくなり、私も娘と一緒になってケラケラと笑い出しました。この愉快な夢の中を二人してケラケラと笑いながら進みました。
 すると、前からやってきたお婆さんが、私たちをジッと見つめながらピタリと足を止めました。
 遊歩道の真ん中で立ち竦むお婆ちゃんは、訝しげな表情で私たちが来るのを待ち構えていました。
 お婆ちゃんのその視線はベビーカーの娘に注がれ、まるで冷蔵庫の奥で忘れ去られていた賞味期限切れのお刺身パックを発見した時のような表情をしています。
 すれ違う瞬間、お婆ちゃんはいきなり私の前に立ちはだかり、素早くベビーカーの中を覗き込みました。
 お婆ちゃんは小さな目をギョッ! と見開くと、その老いた顔から一瞬にして顔色を失いました。
 そして震える手で娘を指差しながら「子供!」と私に叫んだのでした。

 私はそんなお婆ちゃんに優しく微笑みながら、

「大丈夫ですよ。二度夢ですから」

 と、そう告げると、そのままお婆ちゃんを避けて進みました。

 お婆ちゃんの「あんた!」と言う声が、生温い熱風に乗って聞こえてきました。

 それでも私はお婆ちゃんを無視して進みました。

 なぜか陰部はヌルヌルに濡れていました。

 そんな私は汚れ者です。


(汚れし者は二度夢を見る・完)



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