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ストレス6

2013/05/30 Thu 18:10

ストレス6




 刑務所を出所したその日の晩、七年ぶりのシャブをぶち込んだ。昭夫は、瞬く間に飛んだ。ふと気が付くとシングルベッドの上で必死にツイストを踊っており、そんな自分の奇行におもわず腹を抱えて大笑いしてしまった。
 ついさっきはピクリともしなかったペニスも、今では関羽の青龍偃月刀の如く威きり立っていた。無性に女が抱きたくなった。しかし、加藤はついさっき帰ったばかりで、今から女を用意してくれとも言いにくかった。
 仕方なくホテルのテレビでAVを見る事にした。茶色い封筒の中から七年間刑務所で働いた給料の報奨金を取り出すと、その中の小銭を有料番組投入口に全て入れた。
 映し出された卑猥な画面に、今まで眠っていた脳をキリキリと刺激されながら、猿のようにオナニーをした。何度射精してもペニスは衰える事は無く、そしてその快感も射精する度に増して来た。

「人生は素晴らしい!」

 そう叫びながらベッドの上に飛び乗ると、今度は必死になって『どじょう掬い』を踊り始めた。物凄いハイスピードの『どじょう掬い』だったが、しかし、一向に疲れる気配はなかった。
 どじょう掬いをしながら浴室へ向かいバスタブに湯を溜めた。湯が溜るまでの間、元妻の実家に電話を掛けた。七年前、昭夫に額を斬られた元義父が電話に出ると、昭夫はいきなりケケケケケケっと笑い出し、「おまえの女房に二回も中出ししたはずだが俺の子はできなかったのか」と毒づき、一方的に電話を切った。
 それを連続二十回続けた。一方的に意味不明な言葉を叫びまくり勝手に切った。途中、相手が受話器を外してしまったのか電話が繋がらなくなると、今度は、その近所のピザ屋や寿司屋に片っ端から電話を掛け、寿司やピザを大量に注文し、更には消防署に電話を掛けて元妻の家が火事だと大騒ぎした。
 そうしているうちに風呂の湯が溜った。が、しかし、うっかり蛇口は水しか捻っていなかったため、バスタブには氷水のように冷たい水が張られていた。
 それでも昭夫は風呂に飛び込んだ。勃起したままのペニスに、なぜかルームキーをぶら下げながら、そのままドボン! っとバスタブに飛び込むと、あまりの冷たさに、おもわず猛禽類のような奇声を発してしまった。
 そんな奇声が楽しくて堪らなかった。刑務所の中では大声を出す事も口笛を吹く事も禁じられていたため、その猛禽類のような奇声が出る事が楽しくて仕方なかった。
 しかし、何度も何度も叫んでいると、フロントから「大丈夫ですか?」と電話が掛かって来た。しかし昭夫は「ノープログラム」と間違った英語で答え、すかさず受話器を投げ捨てるように元に戻すと、再び冷水に飛び込んではターザンのような奇声を繰り返していたのだった。

 冷水に漬かっていると、幾分興奮も冷めて来た。まだシャブは残っていた。風呂から出たらもう一発キメてやろうかとワクワクしながら、バスタブの中で小便をし、そしてその水でうがいをして水風呂からザブッと上がった。
 冷水に浸かっていたせいで起ちっぱなしだったペニスはだらりと萎んでいた。まだ続いているAVをぼんやり見ながら煙草を吸い、ビールを飲もうと缶を握ると、そこに転がるビールの缶は全て空き缶だった。
 確か、エレベーターの横に自販機コーナーがあったはずだ。そう思った昭夫は、トランクスを履き、浴衣を纏った。
 ムショの中で痩せこけてしまった体は、まるでアフリカの難民のようだった。そんな浮き出た肋骨を浴衣の上から淋しく撫でながら廊下を進んだ。絨毯が敷かれた廊下は、まるで雲の上を歩いているような感じで、ムショでは考えられないような歩き心地だった。

 やっぱり娑婆はいいなぁ、と思いながらエレベーターホールに出ると、ふと、自販機コーナーの奥に浴衣を着た女が踞っているのが見えた。
 深夜のビジネスホテルの廊下で見る女の浴衣姿は、出所初日と七年ぶりのシャブという刺激と重なり、昭夫を必要以上に興奮させた。
 女に近付くと、女の浴衣には乳首や尻の谷間がくっきりと浮かび上がり、女がノーパン&ノーブラだと言う事がはっきりとわかった。それを見た瞬間、(やっぱり神様はいる)と、昭夫は本気でそう思った。
 女の体はムチムチしていた。こんな体を縄で縛り、パックリと開いたオマンコの中にこのペニスを死ぬほど擦り付けてやりたいものだ、と思いながら、勃起したペニスを浴衣の上からスリスリと摩った。

(商売女か……露出狂か……それともただのバカか……)

 昭夫はそう考えながら、とりあえず「どうしたの?」と聞いて見みると、女は異様に脅えながらも五百円玉を落としてしまったと答えた。
 その女の挙動不審さに商売女の線は消えた。商売女なら、例え他人の前で半裸であっても、もっと堂々としているはずなのだ。
 昭夫は、それは困ったねぇ、と呟きながら、一緒に五百円玉を探すふりをした。床に顔を押し付けながら自販機の下を覗いた。もちろん、それはそうしているフリであり、昭夫の視線はしっかりと女の尻に注がれていた。
 大きな尻だった。目の前で丸い肉がポテポテしていた。そこにうっすらと透ける尻の谷間に目を凝らしながら、その谷間にペニスをヌルヌルとピストンさせたいと熱い息を吐いた。
 途端に居ても立ってもいられなくなり、このままここでこの女を犯したい衝動に駆られた。しかし、もしこの女をここで犯したとして、この女が意図的な露出変態であればいいが、これがただの風呂上がりの女だったらとしたら、出所初日にして再び塀の中へと逆戻りだった。
 そう思うと、あの忌々しい冷たい手錠の感触が手首に甦り、たちまち昭夫は恐怖と興奮の中で身動きできなくなってしまった。
 しかし、その女の尻はあまりにも妖艶すぎた。その尻に顔を埋める事が出来るのなら、懲役二年くらいは我慢してもいいとさえ思ってしまった。
 欲情した昭夫は、わざとらしく自販機の下を弄りながら、ジワジワと女の尻に顔を近づけていった。この場でヤってしまうのは無理だが、しかしここでこの尻を見ながらオナニーはできると思った。女がこうして五百円玉を探しているうちに、女の尻に精液をぶっかけてやろうと思ったのだ。
 昭夫はトランクスの端からペニスを捻り出すと、女の尻に顔を近づけながらペニスをシコシコとシゴき始めた。あと数センチで鼻先が女の尻に当たってしまいそうなくらい接近していた。
 すると、ふとそんな女の尻から、なにやら饐えた匂いがプンっと匂った。久しぶりに嗅いだ淫臭だった。さっきのデリヘル娘の腐った魚のようなシャブ臭さとは違い、それは、発情した素人女の洗っていない陰部の匂いだった。
 そんな匂いに脳味噌を掻き回された昭夫は、丸い尻のラインに沿って顔を移動させた。その淫臭がムンムンと漂って来る個所を見つけ出そうと、麻薬犬のようにそこらじゅうを嗅ぎ回ったのだった。
 しゃがんでいる女の股の真裏を覗き込んだ。ホテル名が点々とプリントされた白い浴衣に、黒い陰毛とチョコレート色した肛門がうっすらと透けていた。そして、そんな尻の中心に小さなシミがポツンっと出来ているのを発見した。それは、まさしくいやらしいシミに違いなかった。明らかに女のアソコが濡れているという証拠だった。
 一気に沸き上がって来た熱い息がハァァァっと溢れた。すると女は、しゃがんだままの体勢で前屈みになり、自販機の下に手を突っ込み始めた。
 女の尻がプルンっと突き出していた。ここに精液をぶっかけたら最高だろうと思ったが、しかし昭夫は、そんな女のしゃがんだ股の中を見てみたいと思い、ソッと女の横に並んだ。
「ありますか?」などと呟きながら、自販機の中を覗いている女の白いうなじを見た。しゃがんだ女の股は開いていた。小便をするかのようにしゃがんだ女は、案の定、ノーパンだった。
 一緒に自販機の下を覗くふりをしながら、恐る恐る横目でそこを見た。
 ムチムチとした真っ白な太ももがM字に開いていた。その真ん中に栗毛色の陰毛がウヨウヨと生え、その中にダラダラとヨダレを垂らす卑猥な赤貝が歪な形をしながらベロリと口を開いていた。
 女は、陰部を曝け出しながらも、「これかなぁ……」などと呟いては、自販機の下を弄っていた。そのわざとらしい仕草は、どう見ても演技だった。
 そこを見られている事に気付いていないわけがなかった。しかも女はノーパンなのだ。普通なら、ノーパンだという事だけで慌てて部屋に逃げ帰るはずなのに、しかしこの女は堂々と股を開いているのだ。
 この女は露出狂だと思った。わざと陰部を他人に見せ、密かに欲情している変態なんだと思った。
 そう思った昭夫は、ドキドキしながら「ねぇ」と女に声を掛けた。女は脅えた目をゆっくり昭夫に向けた。無言で女をジッと見つめたまま、じわりじわりと股を開いた。太ももの間に押し込まれていたペニスが、しゃがんだ浴衣の中でビンっと飛び出した。
 女の視線がゆっくりと下がり、それを捕らえた瞬間、女の目がギョッと見開いた。女は妖艶な目でペニスを見つめながら、半開きの唇からハァハァと熱い息を洩らし始めた。そんな前屈みになる女の浴衣からは大きな乳がだらりと零れ、女が息を吐く度にそれが床の上でタプタプと揺れていた。
 女は昭夫の下半身と昭夫の目を交互に見ていた。そんな女の目は恐怖に震えていた。昭夫は女の目をギッと睨みつけた。すると女はたちまち目を伏せ、虐待される子犬のように震えたのだった。

(こいつはMだ。変態露出狂のマゾ女だ)

 長年の経験から昭夫はそう確信した。
 しかし、コレ系の変態女の背後には、旦那が潜んでいるケースが多い事を昭夫は知っていた。今までにも、深夜のサービスエリア等でSな旦那に卑猥な命令をされているM妻を何度も目撃した事があったからだ。
 そんなM妻は旦那の指示を受け、サービスエリアで休憩しているトラック運転手を相手に陰部を露出し、オナニーを見せ、フェラチオをした。そして挙げ句の果てには無惨に中出しされ、それをSな旦那は欲情しながらこっそり覗いているのだった。
 そんな旦那がどこかに潜んでいるのではないかと不審を抱きながら、昭夫はソッと女の顔を覗き込んだ。そして「一人でここに泊まってるの?」と聞くと、女は、迷う事なく無言でコクンと頷いた。
 そんな女の仕草を見て、この女は真性の変態だと確信した。この女は、誰でもいいからセックスして欲しいのだと思った。だから昭夫は、堂々と女の乳に触れてみた。案の定、女は抵抗しなかった。
 昭夫はニヤリと微笑むと、その手をすかさず陰部に伸ばした。女の性器は、熱く火照っていた。ローションを垂らしたかのようにヌルヌルに濡れていた。
 しゃがんだ女の股にぴちゃぴちゃといやらしい音が響いた。穴の中に指を入れても抵抗しなかった。女は真っ赤な顔をしながらジッと俯き、声が出るのを必死に堪えているだけだった。
 五百円をあげるから部屋に取り来いと言うと、女はあっさりついて来た。歳はまだ若そうだった。ほとんどスッピンに近く、目の周りにソバカスが広がっていた。とびっきりの美人ではないが、しかしブスではなかった。
 そんな女の虚ろな目は、昭夫のSな心を異様にくすぐった。その大きな胸とそのムチムチとした大きな尻は、実に虐めがいのある肉塊なのだ。
 廊下を進む昭夫は、これはかなりの上玉だと思った。こんな時に、こんな質の良い変態女と巡り会えたのは、きっと運命に違いないと思った。

(刑務所で宣教師が言っていたように、やっぱり神様ってのは本当にいるんだな……)

 昭夫は、そう幸せを実感しながら、部屋のドアを開けたのだった。

(つづく)

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