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吐泥(へろど)42

2013/06/13 Thu 00:01

「あの女は誰と来たんだ……」

 そう言いながら窓を覗く木久蔵は、通路に正座しているサムソンの肩を右足の膝でドンっと突いた。

「知らないよ……知らないうちにあそこにいたよ……」

 サムソンはソッと私を見上げ、意味ありげに小さく笑った。

「高田のおっさんか?……おっさんがまた出会い系で捕まえてきたのか?」

 そう言いながらも木久蔵は「いや」と首を傾げ、「あのドケチ親父があんな上玉を連れてくるわけがねぇわな」と、勝手に一人で納得した。

「じゃあ、やっぱり店長か。店長だろ。また例の施設から連れてきたんだろ。な、そうなんだろ」

 そう言いながら、再び木久蔵が右足の膝でサムソンの肩をドンっと突くと、「だから知らないって言ってるだろ」とサムソンが木久蔵の尻を思い切り叩き、乾いた音をサウナに響かせた。

「いや、絶対そうだって。店長に間違いないって。ほら、先月の終わり頃にさぁ、店長がツイッターで呟いてたじゃねぇか、『新入りが入所しました』って。あれだよあれ、あん時、コメントの最後に『近日ゲスト予定』って書いてあったじゃねぇか」

 木久蔵は、一人でそう興奮しながら、サムソンに叩かれた尻をボリボリと掻いた。
 するとサムソンは、呆れたように笑いながら、「違うでしょ……」と呟いた。

「どうしてだよ。店長のツイッターに『ゲスト予定』って書いてあったの、お前も見ただろ?」

「見ましたよ。見ましたけど、違うと思いますよ……」

「どうしてそう言い切れるんだよ」

 そう木久蔵がムキになると、サムソンは「フン」と鼻で笑った。そして、再び私のペニスをシコシコとシゴき始めながら、「だってあの時のツイッターには、『十七歳の新人』って書いてありましたよ。あの女の人、どう見ても十七歳には見えないでしょ」と呟き、あたかも木久蔵をバカにするかのように、もう一度「フン」と鼻で笑った。
 しかし、それでも木久蔵は、あの女は店長が連れてきたんだと言い張った。店長でなければ誰があれほどのいい女をこんな所に連れてくるんだと言いながら、窓の向こうで三人の男たちに嬲られる妻を爛々とした目で見つめていた。

「——いずれにせよあの女は、店長が『クルクルパー』から連れてきたゲストだよ……そうだよ、そうに違いねぇ……」

 そう呟きながら木久蔵は握っていた妻のパンティーを鼻に押し付けた。
そのまま深呼吸するかのように妻の陰部の匂いを思い切り吸い込むと、「それにしても、いい女だなぁ……」と言いながら荒い息を吐き、恍惚とした目で妻を見ていた。

ウツボ222

 私のすぐ目の前で、妻の下着が他人に嗅がれていた。薄っすらと黄色いシミが浮かんだクロッチに鼻を押し当てた木久蔵は、その私しか知り得ない妻の匂いを存分に嗅ぎまくっていた。
 それを目の当たりにされながらサムソンにペニスをシゴかれていた私は、このままでは射精してしまうと焦り、慌てて木久蔵から目を逸らした。
 すると、足元で正座しているサムソンと目が合った。ニヤリと笑ったサムソンのその目は、あの女が私の妻だという事を疑っていた。
 それを悟られまいと、すかさず私はサムソンに聞いた。

「クルクルパーって何ですか?」

 サムソンは、私のペニスをゆっくりと上下させながら小さく笑った。

「ここの店長が役員をしている障害者施設のことですよ。正式には『しらゆりホーム』って言うんですけどね、ここの常連たちは、みんな『クルクルパー』って呼んでます」

 ひどい差別用語だと思った。差別される者が自分たちよりも困窮している者を差別する時その差別は更に毒念が増す、というが、まさにこれは、そのケースそのものだった。
 そう思いながらも、不意に記憶が蘇った。初めてネズミ男に会った時、確かにネズミ男は、『知的障害者福祉司』と書かれたカードを自慢げに見せびらかしていた。

「もしかして……その施設から女性障害者をここに連れてきたりしてるんですか?」

 私は恐る恐るサムソンに聞いた。
 するといきなり木久蔵が、私と窓の隙間に無理矢理割り込んできた。そして強引に窓際の席を奪い取ると、「あんた新規さんか」と話しかけてきた。

「ええ……」

 そう頷くと、突然木久蔵は妻のパンティーを両手で摘み、クロッチを大きく広げた。そして、薄っすらと汚れた部分に舌を伸ばし、そこを舌先でチロチロと舐めながら、「店長曰く、これが本当のボランティアなんだってさ」と笑った。

「ボランティア?」

 そう首を傾げるなり、サムソンが「極論ですよ」と呆れたように笑いながら言葉を続けた。

「障害者も変態セックスしたいはずだ。これが店長の持論なんです。男性障害者の中にはホモもいるだろうし、女性障害者の中にだって密かに淫乱性欲を抱いている者は沢山いるはずだ、って店長はいつもそう言ってるんです。だから店長は『しらゆりホーム』から知的障害者たちを定期的にここに連れてきては、常連客たちと変態セックスさせてるんです」

 そう平然と話すサムソンに、思わず私は、「そんな事して警察に捕まらないんですか!」と声を荒げていた。
 すると、隣で妻のパンティーをベロベロと舐めていた木久蔵が、「本人たちがそうされて喜んでるんだから捕まるわきゃねぇだろ」とジロリと私を見た。

「まぁ、確かにそうなんですよね。倫理的には絶対に許されない事でしょうけど、実際には、ここに連れて来られた障害者たちは、みんな変態セックスを楽しんでるんですよね……だから、店長のやってる事は、ボランティアと言えばボランティアになるんでしょうけどね……」
 サムソンは複雑な笑みを浮かべながら私を見てそう言った。

(狂ってる……)

 そう呟きながら私は、ここは私の異常レベルを遥かに超えていると思った。こんな狂気が平然と横行している場所に妻を連れてきてしまった事に、今更ながら背筋をゾッとさせていると、不意に木久蔵が「だからあの女もクルクルパーだべ」と呟いた。

「きっと、オマンコしたくてしたくてウズウズしてる変態クルクルパーだからよ、みんなでボランティアしてあげなくちゃな……」

 そう笑いながら木久蔵は、そのパンパンに腫れ上がった亀頭に、妻の恥ずかしいシミが浮かんでいるクロッチをピタリと被せた。
 そして肉棒全体をパンティーに包み込みながら、それをゴシゴシとシゴき出し、「待ってろよ……もうすぐこのオチンチンを、お前のヌルヌルマンコにぶち込んでやるからなぁ……」と唸り始めたのだった。

ウツボ223

 愛する妻が、この薄汚い変態親父に変態クルクルパーと呼ばれていた。
 なんとも幼稚臭く、実に侮辱に満ちた言葉だったが、しかし、もはや寝取られマゾにどっぷりと陥ってしまっていた私は、そんな侮辱もエロスとして受け入れていた。
 ついさっきまで妻の股間にピタリと張り付いていた布切れが、今は見ず知らずの親父の性器にピタリと張り付いていた。それだけでも狂いそうなほどに感じているというのに、窓の外では、いよいよ三匹の外道どもが、妻を手篭めにしようとしていた。
 それまで妻の股間に張り付きながら、せっせと指マンをしていた茶髪男は、いつしか露天風呂の真ん中で仰向けになりながらポカリと浮いていた。タプタプと波打つ湯にはペニスがヌッと突き出し、まるで湖から顔を出すネッシーのようだった。
 そうしながら茶髪男は、露天風呂の岩の上で項垂れていた妻に向かって「おいで、おいで」と手招きしていた。
 妻の背後にいたスキンヘッドが、「早く行けよ」と言わんばかりに妻の背中を押していた。
 それでも項垂れたまま動こうとしない妻の耳元に、右隣にいたムッチリ親父が何かを囁いた。まるで脅しているかのように妻を睨みつけながらヒソヒソと囁き、そうしながらも妻の左の乳を乱暴に揉みしだいていた。


「ヤっちゃえよ片桐さん……そんな変態クルクルパー女、そこでズボズボとヤっちゃえばいいんだよ……」

 そのムッチリ親父は片桐という名なのか、木久蔵はそうブツブツと呟きながら、妻のパンティーを狂ったように犯していた。
 そんな残酷な言葉と汚される妻のパンティー。そして、あまりにもスリリングな窓の外のリアルな風景。それらが私の頭の中をグルグルと回り、思わず私は、シコシコと上下するサムソンの手の動きに欲望のリズムを合わせていた。
 そのリズムが一致した瞬間、まるで『ところてん』が押し出されるかのような快感を感じた。その快感は太ももからジワジワとせり上がり、それが睾丸に到着すると、そのまま尿道に向かって一気に流れた。
 思わず「あっ!」と声を漏らすと、それを待ちわびていたサムソンが、まるで看護婦さんのような優しい口調で、「大丈夫ですよ、シャーっとぶっかけて下さいシャーっと」と呟き、亀頭の先を自分の顔に向けた。
(イクッ!)と頭の中で叫ぶと、同時に隣で木久蔵が、「あああああ、イクよ、イクよ、中で出しちゃうからね」と情けない声を出し、ピーンっと伸ばした両足をスリスリと擦り合わせた。
 それをまともに見た私の亀頭から、快楽の塊がビュッ!と飛び出した。そのビュッという快感に顔をだらしなくさせながら、改めて木久蔵の股間を見ると、妻のパンティーの中に木久蔵の精液がドクドクと溜まっていくのが見えた。
 サムソンは微妙な速度でペニスをしごきながら、もう片方の手で睾丸を優しく握りしめた。さすが同性だけあり、サムソンは射精時のコツを熟知していた。
 すかさず尿道に二軍がせり上がり、私は「んふっ!」という唸り声と共に二射目を飛ばした。それを顔で受け止めていたサムソンは、顎に精液を青っ洟のようにブラブラと垂らしながら、恍惚とした表情でニヤリと笑っていたのだった。

ウツボ224

 木久蔵が「おぉぉぉ……」と低く唸りながら、ペニスからパンティーを剥いだ。クロッチには黄ばんだ精液がポテポテと溜まっており、それを見た瞬間、ラブホテルで単独男に中出しされた時の妻の姿が蘇ってきた。
 ほんの数秒前に射精したばかりだというのに、既に私の中には新たなるヘドロが湧き出していた。
 このヘドロが脳から枯渇せぬ限り私は絶倫だった。肉棒は萎むことなく勃起を持続させ、射精はまるで水道と連結させた水鉄砲の如く永遠にビュッビュッと飛ばすことができた。
 そんな私のいきり勃つペニスを見ながら、木久蔵が、「シャブか?」と聞いてきた。そして精液をたっぷりと包み込んだ妻のパンティーを、無残にも屑篭の中にボテっと投げ捨てながら、「シャブなら俺にもくれ」と迫ってきた。

「シャブじゃないです……これは……ヘドロです……」

「ヘドロ?」

 木久蔵はそう首を傾げながらも、「まぁ、なんでもいいや、その薬、俺にも売ってくれよ」と言った。
 私は「ふん」と鼻で笑いながらゆっくりと席を立つと、屑篭に投げ捨てられた妻のパンティーを摘み上げた。そして、そこに溜まった精液が溢れないように恐る恐るそれを広げると、「ヘドロは薬じゃないですよ……自然に脳に溜まる澱(おり)ですよ……」と言いながら、そのまま妻のパンティーをスルスルと履いた。
 そんな私を薄気味悪そうに見つめながら、木久蔵が「澱ってなんだよ……」と聞いてきた。
 私は恍惚とした表情を浮かべながらパンティーの両端を摘んだ。そしてそのままパンティーの端を思い切り引っ張り、クロッチを睾丸にキュッと食い込ませると、「ヘドロと呼ばれる澱は……変態性欲者だけの脳に沈殿している危険な本能なのです……」と囁きながら、パンティーから顔を出す肉棒をシコシコとシゴき始めた。
 そんな私を、ゾッとした目で見ていた木久蔵は、恐る恐る自分の頭に人差し指を向け、それをクルクルと回し始めた。そして、サムソンに向かって「あかん……こいつ完全にイッとるわ」と呟くと、そのまま「キモッ……」という捨て台詞を残してサウナから出て行ってしまったのだった。

 サウナのドアがガバッと閉まるなり、私はパンティーの上から股間に指を這わせ、ハァハァと荒い息を漏らしながら股間を弄った。
 二つの睾丸が生温かい精液の中をヌルヌルと滑った。そこにぐちょぐちょと卑猥な音を立てていると、いつしかクロッチの隙間から精液が溢れ、太ももの内側にドロリと垂れた。
 その生温かい感触が脳を刺激した。刺激された脳は更にヘドロをドクドクと放出し、たちまち私をドス黒い渦の中に引きずり込んだ。
 しかし、そんな黒い渦はいつもと違っていた。それはナポリタンとボロネーゼほどの微妙な違いだったが、いつもの黒い渦にどっぷりと浸かっていた私は妙な違和感を感じた。
 と、その時、いきなりサムソンの手が私の尻に触れた。サムソンは、妻のパンティーに包まれた私の尻をいやらしく撫で回しながら、「わかってますよ……」と、意味ありげに囁いた。
 そんなサムソンに「やめろ」と言いながら、その手から逃れようとした私だったが、しかし、尻を撫で回していた手がゆっくりと移動し、精液でグジョグジョになった股間を弄り始めると、途端に体が硬直し、私は身動きができなくなってしまった。
 
「わかってますよ……わかってますから、心配しないでください……」

 サムソンはそう囁きながら、妻のパンティーの中で木久蔵の精液にまみれた睾丸を、ヌルヌルと転がし始めた。

「な、何を、わかってると言うんですか……」

 声を震わせながらそう聞くと、「フッ」と鼻で笑ったサムソンの表情が突然変化した。それまでホモそのものの弱々しい表情をしていたサムソンの顔が、いきなり三国志の武将のようなイカツイ顔に変わったのだった。

「いいから黙ってろよ」

 言葉遣いまでも変わってしまったサムソンは私の股間を乱暴に弄った。
 そして、いきなり私をドンっと突き飛ばして椅子に座らせると、私の両足首を掴み、強引に股を開かせた。

「いきなり何をするんですか!」

 豹変したサムソンに恐怖を感じた私は、そう怒鳴りながら慌てて起き上がろうとした。
 しかしサムソンは掴んだ足首を離そうとはしなかった。恐ろしい力で両足を押さえつけながら、妻のパンティーを履いた私の股間に顔を押し付けた。

「わかってたんだ、最初からわかってたんだよ奥さん……だからジダバタするなよ、大人しくしろよ、ほら、奥さんのオマンコ、もうこんなにヌルヌルに濡れてるじゃないか……」

 サムソンはそう言いながら、木久蔵の精液でグジョグジョになったクロッチをベロベロと舐め始めた。

 奥さん。
 今、確かに私はそう呼ばれた。
 一瞬妻の顔が頭に浮かび、私の体から一気に力が抜けた。
 クロッチから這い上がってきたサムソンの舌が亀頭をコロコロと転がした。その舌感が、クリトリスを舐められながら悶えている妻の姿を浮かび上がらせ、私は異様な興奮に襲われた。
 私は、女のように「あん、あん」と悶えていた。
 その喘ぎ方は、明らかに妻を意識していた。
 いつしか私は妻になっていた。その喘ぎ方も、感じる仕草も、そしてクンニされている時に天井の一点をジッと見つめるあの癖さえも、それら全て妻の真似だった。
 そう妻に成り切りながら、ふと窓の外を見ると、湯船の中で尻を大きく開かれた妻が、背後から陰部をベロベロと舐められていたのだった。

ウツボ225

(つづく)

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変態

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