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スリル2・変態マッサージ

2013/06/13 Thu 00:02

 M字に開かされた太もも越しに、男の白衣の右肩が、ユッサ、ユッサ、と動いているのが見えた。
 男は恵美が目を覚ましている事に全く気付いていなかった。M字に開いた股間を覗き込み、目を半開きにさせながらひたすら右手を動かす行為に没頭していた。
(目を覚ましているのがばれたら殺される……)
 突発的に、そんな馬鹿げた強迫観念に囚われた。
 恐る恐る薄目を開けると、男の右手の中で蠢いている黒い物体がはっきりと見えた。それが上下に擦られる度に、黒い皮の中からテラテラと濡れ輝く赤い頭が出たり入ったりと繰り返し、まるで獰猛な爬虫類が威嚇しているようだった。
 男はクロッチに鼻を近づけ、まるで麻薬探知犬のように鼻を鳴らしながら陰部を嗅ぎ始めた。
 強烈な羞恥心に襲われた。見られるのと嗅がれるのとでは、その羞恥度は雲泥の差だった。しかもこの男は見ず知らずの他人であり、ましてその部分は、女が最も嗅がれたくない部分なのである。
 男は、そこをひと嗅ぎする度に恍惚とした表情を浮かべていた。
 その病的な男の姿に恵美は、改めて恐怖を感じた。
 が、しかし、そんな恐怖とは違う、また別の感情が恵美の胸底に涌き上がってきているのも事実だった。
 それは、言葉では表現できないスリルだった。

 これまで数々の男達と様々なセックスを経験して来た恵美だったが、しかし、自慰を生で見るのはこれが初めてだった。
 確かに、腹に出された時や顔射の際、男が手淫しているのを何度か見た事はあったが、しかし、それはあくまでもセックスの延長であり、今回のように、人に隠れてコソコソしながらやっている手淫とは全くの別物だった。
 恵美は、この初めて目にする自慰に、人間の醜さと、男の貪欲さと、異様なスリルを感じた。そしてその結末がどうなるかを見てみたいという、怖いもの見たさに駆られてしまった。
 しかも男は、自分のこの醜態を見られている事に全く気付いていなかった。だからこの状況には、監視カメラで他人のプライベートをこっそり覗いているような面白さがあった。
 恐怖心と好奇心。
 それらが複雑に入り乱れ、日頃は大人しくて気の弱い恵美に異常な興奮を与えた。
 恵美は酔っていた。しかも、松川に捨てられたというショックで自虐に陥っていたのだ。
 そんな、アルコールとストレスで壊れかけていた恵美の脳を、異常な興奮がジワリジワリと溶かし始めていた。見知らぬ男に性器を見られ、そして嗅がれるというフェティシズムな変態行為が、本来マゾヒストである恵美の異常興奮を呼び起こしてしまったのだった。

 暫くすると、男の太い指がスリスリと股間に近付き、クロッチを優しく撫で始めた。まるで原型をなぞるかのように、割れ目に沿って上下に動いていた。
 不意に男が、「濡れてる……」と呟いた。
 男は、恵美が目を覚ましていると疑っているのか、凄まじい形相で恵美の股間と恵美の顔とを交互に見た。
 恵美は思った。もし男が強姦してくるようであれば、それを素直に受け入れようと。恵美は密かに望んでいたのだ。あの黒くて太い物体が、自分の中を出たり入ったりしてくれる事を。
 そう願っていると男はショーツのゴムに指を引っかけた。そしてそれをじわりじわりと下ろし始めたが、しかし、恵美の股はM字に開いていた為、ショーツは曲がった膝で止まってしまった。
 恵美の太ももでショーツがピーンッと張っていた。露にされたクロッチにはいやらしいシミがじっとりと広がっていた。
 恵美の陰部は既にヌルヌルだった。溢れた蜜が、穴と肛門の間にある会陰にトロっと垂れ、それが肛門へと垂れて行くのが自分でもわかった。
 男はそんな股間を必死に覗き込んでいた。剥き出された性器に男の荒い息を感じた恵美は、(早く入れて)と心の中で呟いていた。
 しかし男は、一向に入れる気配を見せなかった。それどころか、いきなり数枚のティッシュをベッドのシーツの上に広げ、そこに亀頭を向けて手淫を始めたのである。
 どうやら男は、そこに射精するつもりでいるらしい。そう落胆した恵美は、いっその事、いきなりその黒い物体にむしゃぶりつこうかと考えた。
 しかし、何度も言うが恵美は小心者だった。特にセックスに対しては病的なほどに消極的で、いつも男達にはされるがままになっているM女だった。
 そんな恵美に、自らの意思で黒い物体を咥える勇気などなかった。
 四つん這いになりながら股間を覗き込んでいた男は、濡れた陰部に向かって「あああ」と小さく唸った。今まで亀頭から根元まで大振りにシゴいていたのが、いつしか亀頭だけを集中的にシゴく小振りな動きに変わっている。
 男はハァハァと荒い息を吐きながらいきなり割れ目をペロリと舐めた。溢れる汁を舌で掬い取りながら、割れ目に沿って下から上へとツルンっと滑った舌は、最後にクリトリスをコロンっと転がした。
 そんな刺激に、おもわず恵美が顔を顰めると、そこでいきなりパタパタっという聞き慣れない音が響いた。
 男はベッドに広げたティッシュの上に白濁の精液が飛び散らせていた。
「あっ、あっ、」と呻きながら、四つん這いの腰を小刻みに動かしていた。
 上下される黒い物体の先からは次々に精液が噴き出した。広げたティッシュの上には、まるでカルピスゼリーのような精液の塊がタプタプと溜まっていたのだった。

 男は精液を出し尽くすと、慌ててティッシュを丸め、それをそのままドレッサーの下の屑篭の中に捨てた。
 ズボンを履き、身形を整えると、男は急いで恵美のショーツを元に戻し、料金も貰わないまま逃げるようにして部屋を出て行った。
 一人部屋に取り残された恵美は、微かに響くエアコンの音を聞きながら天井を見つめていた。そんな恵美の胸には、レイプされた後のような屈辱感と、早漏の男と寝た後のような不満足感が燻っていた。
 恵美は気怠くベッドを滑り降りた。そしてドレッサーの下を覗き、屑篭の中から丸めたティッシュを摘まみ出した。
 それはずっしりと重かった。キャベツの葉を捲るようにして、丸めたティッシュを一枚一枚捲り始めた。
 中からプルプルとした精液の塊が出て来た。顔を近づけてみると、ほのかにクレゾールのようなキツい匂いが漂ってきた。
 急いで浴衣を脱ぎ捨て、全裸でベッドに寝転がった。
 ティッシュから精液を掬い取り、それを乳首に塗り込むと、ヌルヌルとしたその感触に、おもわず「はっ」と声が漏れた。
 一心不乱に乳首をヌルヌルと滑らせていると、不意に枕元に置いてあった携帯が鳴り出した。
 携帯の画面には『松川さん』という文字が浮かんでいた。
 しかし恵美はそれを無視した。
 再びティッシュから精液を掬い取ると、迷う事無くそれを陰部に塗り込んだ。指をピストンさせると、さっき見たあの黒い物体の動きが鮮明に蘇って来た。とたんに激しい高揚感が涌き上がり、無意識に全身がキューンっと伸びた。
 あっ、イクっ。
 そう頭の中で呟いた瞬間、恵美は、精液がべっとりと付着したティッシュを顔の上で広げた。そして、そのどこの誰かもわからない男の精液を無我夢中で舐め、激しい快楽の渦に巻き込まれた。
 恵美は何度もイッた。イッたと思ったらまたすぐに新たな波が押し寄せ、数えきれないほど連続でイッた。
 気が付くと、ベッドのシーツはグショグショに湿っていた。それが失禁なのか、若しくは潮を噴いたものなのか自分でもわからなかったが、そんな卑猥なシーツを目にすると、またしても激しい波が押し寄せて来たのだった。

(つづく)

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