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スリル3・深夜の露出

2013/06/13 Thu 00:02

 二十五才、独身。
 恵美は二十七才までには結婚したいと思っていた。
 だから奥さんとは別れるという松川の言葉を信じ、二年間性奴隷にされながらも必死に耐えてきたのだが、しかし一週間前の夜、不意に松川からあまりにも無情な別れを告げられた。
 あの晩、恵美は、自暴自棄になって飲めない酒を飲んだ。酔ってマッサージを呼び、寝たふりをして性器を見せた。
 マッサージ師は恵美の股間を覗き、匂いを嗅ぎ、そしてそこを舐めながら自慰をした。
 そのマッサージ師がホテルの屑篭に捨てていったティッシュ。
 それを屑篭から取り出した恵美は、ティッシュに溜まっている精液を性器に塗り込んだ。そしてそれをぺちゃぺちゃと舐めながら、見るも無惨な変態オナニーを繰り返してしまったのだった。

 自分の醜い本性に気付かされた恵美は、あの晩から激しい自己嫌悪に陥っていた。
 あの時の自分の醜態を思い出す度に脳が痒くなった。それは、脳に無数の蟻がウヨウヨと群がっているような感覚であり、逃げようの無い苦痛だった。
 会社をずっと無断欠勤していた。昼はマンションに閉じ篭り、カーテンを閉め切った部屋で一人ウンウンと唸っていた。
 そして深夜になると、こっそりマンションを抜け出し、二十四時間営業の巨大スーパーに繰り出した。
 それは精神科医が教えてくれた、気が狂わないための治療だった。
 この精神科医は、いわゆる『ひきこもり』状態にある恵美に深夜散歩をさせ、気分転換させるのが目的だったのだが、しかし、今の恵美に『深夜』は逆効果だった。

 深夜二時。その日は、隣町にあるスーパーにまで足を伸ばした。
 静まり返った駅の向こうに、『大安売りの殿堂』と輝く看板が見えてきた。
 闇の中でキラキラと輝くネオンに引き寄せられる恵美は、まるで外灯に集る夜蟲のようだった。
 ソワソワしながら店内に入った。小学校のグラウンドほどある巨大な店内には、このスーパーチェーンの自社ソングがリピートで鳴り響いていた。
 客は大勢いるのだろうが、しかしあまりにも店内が広すぎて閑散としているように見えた。
 そんな巨大店内をウロウロと歩き回りながらスリルを探した。
 既にデニムのミニスカートの中はネチネチしていた。歩く度にノーパンの股間が擦れ、いやらしい汁がネチネチと粘ついていた。
 誰もいないカー用品のコーナーを歩いていると、家電コーナーに展示されている巨大テレビの前に、四十代後半のサラリーマン風の男がポツンと立っているのが見えた。
 終電に乗り遅れたのか、くたびれたスーツにネクタイをだらしなく弛め、展示テレビで垂れ流しにされている深夜のお笑い番組をぼんやりと眺めながら、ヤマザキの菓子パンを齧っていた。
 スリルだった。あの堕落した風体とあのヤケクソ気味な態度は、恵美に激しいスリルを与えてくれた。
 わざと男の視界に入る位置で足を止めた。どうでもいい電子レンジを覗き込みながら、ミニスカートのお尻を男に向けた。
 電子レンジのアクリルの扉に背後の男が映っていた。それを横目で確認しながら、恵美は更にお尻を突き出すと、男はすぐに喰い付いて来たのだった。
 深夜の巨大スーパーには病んだ客が多かった。特にこの地区にはそんな客が多く、若い女がふらりと立ち寄れるような雰囲気ではなかった。
 そんな深夜の巨大スーパーで、素足にミニスカートを履いたユルい女が一人でふらふらしていれば、たちまち病んだ男達の暇つぶしにされてしまうのは火を見るよりも明らかだった。
 しかし、恵美にとってそんな男達こそがスリルだった。このスリルが、恵美の壊れかけていた精神を、かろうじて支えてくれていたのだ。
 スリルを見つけた恵美は、背後の男に尻を突き出したままその場にしゃがみ込んだ。そして電子レンジのアクリルの扉に映る男を確認しながら、しゃがんだ股をゆっくりと開いた。
 肩幅まで大きく股を開くと、その頃には、既に背後の男の姿は消えていた。
 恵美の予想通り、男は家電コーナーの隣りにあるペット用品コーナーへと移動し、ラックの隙間から恵美のスカートの中を覗き込んでいた。
 恵美がノーパンだという事に気付いた男は、ギョッと目を見開いたまま動かなくなっていた。
 恵美は、男の視線に気付いていないふりをしながら、何食わぬ顔で電子レンジの説明書をパラパラと捲っていた。しかし、恵美の陰部は既にスリルに刺激されており、ねっちょりと開いた割れ目からトロトロの汁を溢れさせていた。
 説明書の端からソッと見ると、ラックの隙間に男の血走った目が爛々と輝いていた。そんな危ない視線に背筋をゾクゾクさせながら、下腹部にキュッと力を入れると、膣口がヒクッとしゃっくりをし、そこに溜まっていた汁がトロっと零れた。
 それは肛門へと滑り、ピカピカにワックスがかけられている白い床にニュッと糸を引いて落ちた。そんな雫を見下ろしていた恵美が視線を上げると、いきなり男と目が合った。
 男は目を反らさなかった。
 ラックの隙間から恵美をジッと睨んでいるその目は、もはや完全に獣と化し、人間としての理性を失っているようだった。

 足早にスーパーを出ると、少し遅れて男がスーパーから飛び出して来た。凄まじいスリルに煽られた。この瞬間のスリルが恵美には堪らなかった。後を付いて来る男を横目に、通りの向こうにある大きな学習塾へと渡った。学習塾の駐輪場に潜り込み、奥の闇に向かって歩き出すと、不意に背後から「ねぇ」と声を掛けられたのだった。

 赤い自転車のサドルに両手を付かされ、背後から陰部を弄られた。
「おまえ、変態なんだろ……」
 そう何度も耳元で囁かれながら、背後から肉棒を挿入された。
 そんな男の息は納豆のような匂いがした。腰を振る度に男の頭皮の饐えた臭いが漂い、スリル感を更に高めてくれた。
 まるで野良猫のように扱われた。握り潰さんばかりに乳房を鷲掴みにされ、尻を平手で叩かれながら「もっと腰を振れ」と叱られた。
 そんな男の肉棒は、子供用の魚肉ソーセージのように細く、そして短かった。恵美が腰を振る度に、その貧弱な肉棒は穴の中から何度もヌルっと抜け、結局フィニッシュは中出しされないまま尻と太ももの裏に飛ばされた。
 しかし、今の恵美には、テクニックやペニスのサイズなど、どうでもよかった。こうして惨めに陵辱されるというスリルさえ得られれば、それで満足なのであった。

 そんなスリルを味わえるのは巨大スーパーだけではなかった。
 ホームレスが屯す公園や、痴漢が多発する公衆便所。駅地下にあるオールナイトの映画館や、ドライブインにある大人のオモチャ店など、スリルはあらゆる所に潜んでいた。
 いつしか恵美は、危険な場所で危険な男達を挑発し、危険な精液を中出しされるという危険なスリルが病み付きになってしまっていた。
 そんな恵美は、日に日に精神が蝕まれていった。スリルを得れば得るほど恵美の精神状態は狂ったが、しかしそれをわかっていても、そのスリルはやめられなかった。
 皮肉な事に、精神科医が教えてくれた『気が狂わないため』の唯一の方法が、『気を狂わすため』の方法になってしまっていたのだった。
 そんな、異常をきたした恵美が次に選んだスリルは、朝の満員電車だった。
 深夜から朝へと移行したという事は、精神医学的に考えれば精神的復興の兆しがあるように思えたが、しかし、現実はそんなに甘くなかった。
 闇夜に晒す裸体よりも、白昼堂々裸体を晒すほうが明らかにスリルなのであった。

(つづく)

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