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マリちゃんとおっちゃん4

2009/11/20 Fri 00:24

マリちゃんとおっちゃん4



 
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それからというもの、私はいつも一番最後に風呂に入るようになりました。
理由はもちろん、マリのパンティーチェックです。

新陳代謝が活発な女子高生マリは毎日違うニオイで私を楽しませてくれました。



そんなある日の事でした。
地方の取引先へ商談に伺っていた私の携帯電話に、突然マリから電話が掛かって来ました。
私は取引先の専務と商談中でしたが、しかし、仕事中にマリから電話が掛かってくるなど初めての事です。
しかも私が地方に出張中している事はマリも知っているはずです。
私は何か事故でも起きたのか?と心配になり、専務に事情を説明し席を外すと、廊下で「もしもし」と電話を取りました。

「あ、パパ?」
「いったいどうしたんだね」
「あ、仕事中だった?ごめん、後で掛け直す」
「いや、いいよ、今席を外したから・・・・で、どうしたんだ?」
「うん、あのね、パパに預かってもらってる100万円、あれ今すぐ必要なの」
「・・・・そんな大金をどうするんだい?」
「うん、実はね、ネイルアーティストの専門学校に行こうと思ってるんだけど、その学校の受付が今日締め切りだったの。マリ、うっかり忘れちゃってて、まだ入学金を納めていないの・・・・」
「・・・その入学金は今日中に収めなければならないのかい?」
「うん。本当は1週間前までで締め切りだったんだけどね、なんとか学校に頼み込んで、今日中に収めてくれるなら特別に許可しますって言ってくれたの」
「・・・・そうか・・・・しかし、私は出張中だし、困ったな・・・・」
「うん。だからどーしようかと思って・・・パパに電話掛けたの・・・」

会議室のドアがカチッと開き、同行していた副社長が「キミ、何をしてるんだ、早く戻りなさい」と一言私を叱り、またカチャッと消えた。まるでモグラ叩きゲームのモグラのようだ。

「わかった。じゃあね、貯金通帳と印鑑の場所を教えるから、自分でお金を下ろして来なさい。いいかい、よく聞くんだよ、私の部屋の机の・・・・」

私はマリに貯金通帳と印鑑の場所を、何の疑いもせず教えました。

取引先との商談も無事終え、私と副社長は最終の新幹線で東京に戻りました。
その間、何度もマリに電話をしていたのですが、マリは一度も電話にはでませんでした。
恐らく、入学の手続きやなんかでバタバタしているんだろう、などと安易に考えておりましたが、しかし夜になってもマリは電話には出ませんでした。

私が自宅マンションに付いた頃には、既に時計の針は10時を過ぎておりました。
「ただいま・・・」と居間に入ると、マサコと龍仁がコタツで寝転びながら煎餅を齧っていました。
「あれ?マリは?」
私が誰と無くそう尋ねると、寝転がったままの龍仁が「逃げた」と一言呟きました。

「逃げた?どこへ?」
私はコタツの前にゆっくりとしゃがみながらマサコの顔を見る。
「ちっ!知らないわよ!前から家を出たい出たいって言ってたから、出て行ったんでしょ!それよりちょっとそこどいてよ、今いいトコなんだから!」
マサコはテレビの前の私を力任せに突き飛ばした。
この女は自分が腹を痛めて生んだ子よりも水谷豊の刑事ドラマのほうが大切なのだろうか・・・・

焦った私はマリの部屋に飛び込みました。
ベッドやステレオなど大きな荷物はあるものの、クローゼットの中はもぬけの殻で、いつも机の上に置いてあったお気に入りのノートパソコンも消えてなくなっておりました。

「マリ・・・・・」
私はマリの香りがまだ残る部屋に愕然としゃがみ込み、ベッドの上に転がっている主人をなくしたミッキーマウスのぬいぐるみをただボーゼンと見つめていました。

「男だよ。姉ちゃん変な不良と付き合ってたからね。そいつに金持って来いっていつも言われてたから、きっとそいつにどっかに売り飛ばされちゃったんだよ。ぐふふふふふ」
ガリガリ君を喰わえた龍仁が、ヘラヘラと笑いながら愕然とする私の背中にそう呟きました。

「キサマ!それでも弟か!」と、握り拳の私が立ち上がる。
今日こそは許さん!と、パッと振り向くと、ガリガリ君を喰わえた龍仁はヘラヘラと笑いながらもポロポロと涙を流しておりました。

(くそう!・・・・こいつも私と一緒か・・・・)

私は龍仁の肩を優しくポンポンと叩くと、やりきれない気持ちのまま自分の部屋に飛び込みました。

(なぜだ!どうしてなんだマリ!)

私は力任せに柱を殴りつけました。
拳が砕けたのではないかと思うくらい物凄く痛くて、そこでハッ!と目が覚めました。

(通帳と・・・印鑑・・・・)

私は焦りながらも通帳と印鑑をしまっておいた机の引き出しを開けました。
あの通帳の中には私がこれまで20年間、血が出るような思いで溜めた全財産が入っているのです。
しかし、現実というのはなんと残酷なのでしょうか、通帳と印鑑はものの見事に消えておりました。

そして通帳の代りに1枚の手紙が入っておりました。
そう、マリからの手紙です。

『パパへ
ホントにホントにごめんなさい。
マリはパパだけが大好きでした。
さようなら。
ホントにごめんなさい。
            まり』

私は久しぶりに声を出して泣きました。
今まで涙を流した事は何度もありますが、しかし声を出して泣くというのは少年時代以来だと記憶しております。

いえ、全財産を盗られて泣いたのではありません。
マリにもう会えないのかとそう思うと、底知れぬ悲しみが胸の底から湧いて来て、声を出さずにはいられなかったのです。

マリ・・・・せめてもう一度、もう一度だけでいいから・・・おまえの顔が見たいよぅ・・・・・

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翌日、銀行に行きますとやっぱり私の貯金は全額引き出されていました。
私は晴れて一文無しです。

項垂れてマンションに帰ると、居間でマサコがいつもの煎餅をバリボリと食いながらテレビを見ていました。

もう、この家には何の興味も無い・・・・

とたんにそう思った私は、無性に「どですかでん」が見たくなり、部屋からDVDを持ち出すとマサコが見ていた安物のドラマをブチっと消し、DVDをセットしました。
「またソレかい・・・ったく、よく飽きないねぇ・・・」
バリボリと煎餅を齧りながらマサコが悪態をつきます。

「どですかでん・・・どですかでん・・・・どですかでん・・・・」
テレビの画面には電車キチガイと呼ばれる少年が力強い声を張り上げながら電車を走らせる姿が映し出されました。
少年のその「どですかでん・・・」という力強い声は、傷ついた私をあたかも励ましているかのように聞こえます。

「そういえばさぁ・・・・」
グビビビ・・・とお茶を啜るマサコが、ふいに邪魔をします。
「あんた、マリの貯金、預かってんだろ・・・」
マサコはバリバリと煎餅を齧りながらテレビを見つめたままそう言いました。
「そんなもん、あるわけないだろ・・・・」
「ふん、嘘おっしゃい。私は知ってんだからね、アンタがマリの貯金を預かってた事・・・。持ってんだろ?いくらかコッチにも回しなよ」
マサコは奥歯に詰まった煎餅をチッ!チッ!と言わせながら貧乏揺すりを始めました。
まるでチンピラです。

「ないよ。全部マリが持って行った・・・・私の貯金と一緒にね・・・」
マサコのチッ!がピタリと止まった。
「・・・本当かい・・・」
「こんな事、嘘で言えるか・・・・」
「ほ、本当に1500万全額持ってかれたのかい!」
「あぁ、正確には1582万円、ぜーんぶ持ってかれたよ!」
「くっそう!あの小娘め・・・・・」
マサコは持っていた煎餅をバリっ!と砕くと、悔しそうに怒り狂いました。

「自分の娘をそんなふうに言うんじゃない!」
「ふん!何が娘さ!あのガキは私が腹を痛めて生んだ子じゃないよ!あのコソ泥娘はね、前の夫の連れ子だったんだよ!それをここまで私が育ててやったのに、あの小娘、恩義を忘れやがって・・・・・」
マサコは猛獣のようにうううううっと呻きながら拳を握っていました。

マリがマサコの本当の娘ではないという事実を初めて知った私でしたが、しかし大して驚きもありませんでした。
それ以前に、マサコのような女からマリのような女が生まれる事自体おかしいと感じていた私は、驚きよりも「やっぱりな」という納得の方が強かったのでした。

「で、アンタ、警察には通報したのかい」
「・・・するわけないだろ・・・」
「どうしてだい!赤の他人に1500万円もの大金を盗まれたんだよ!今ならまだ1500万円戻って来る可能性はあるよ!そう簡単にそんな大金使えるはずもないしね!ほら、何やってんのさ!早く警察に電話しなよ!」

「・・・・・・・・」
「アンタ、何考えてんのよ・・・・」

「・・・もう、いいだろ・・・私もこれで一文無しだ・・・キミが欲しいものはもう何も残っていないよ・・・」
私はコタツにゴロンと横になりながら投げ遣りにそう言いました。
「・・・だからなんだい。何が言いたいのさ・・・」
粉々になった煎餅を拭きもせずマサコは寝転がる私を睨んでいます。

「だから、もう私といても何も楽しい事はないだろう・・・キミも出て行きたかったら出て行っていいよ・・・」
私はもう何もかもが嫌になっていたのでした・・・・



その3日後、家を追い出されたのはマサコではなく私のほうでした。
マサコは父が残してくれたこのマンションを慰謝料だといいながら取り上げ、無一文になった私を無惨にも追い出したのです。

しかし、もう争う気にもなりませんでした。
父の残してくれたマンションを手放すのは辛かったですが、しかし、この女と縁が切れるのであればそのくらいの痛みを伴っても仕方がないだろうと諦めました。

友人にワケを話し、いくらかの金を借りた私は、築40年のボロアパートを借り、ひとり淋しく余生を送っています・・・・・


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猛烈な朝の日差しが六帖一間のアパートの部屋に容赦なく降り注いでいました。
薄いカーテンは何の意味も無く、煎餅布団に転がる私を直射日光が突き刺して来ました。

「暑っ・・・・・」
汗だくの私は、まるで砂漠の遭難者のようにヨロヨロになりながら窓に向かいます。
サーッと役立たずの薄いカーテンを引くと、昨夜、一晩中暑い暑いと騒いでいたホームレスがパンツ一丁で路上で寝ていました。

悪くない朝だ。

早いもので、マンションを追い出されて4ケ月が過ぎようとしていました。
ここの暮らしにも随分馴れました。
隣りの酔っぱらいは夜な夜な暴れ、暴走族はうるさく、毎晩のようにパトカーと救急車が走り回る・・・ゴキブリとネズミとホームレスだらけのそんな腐った街でしたが、そんな世界を今まで知らなかった温室育ちの私にとっては実に新鮮な街でした。

今、いたって幸せです。

他人様から見れば、天から地へと叩き落とされたような私の人生ですが、しかし、それほどこの暮らしは地獄ではございません。
いや、逆に天国と言ってもいいくらいでございます。

というのも・・・・・


「うぅん・・・・パパ・・・暑くて死にそう・・・・」

そうです、私の煎餅布団の隅で汗だくになっているマリが一緒にいるからです。


「ほら、こっちに来てごらんよマリ。窓から朝の清々しい空気が入って来るよ」
私は雑誌を団扇代わりに煽ぎながら、汗だくになって横たわるマリを優しく見つめます。
「ねぇパパ・・・そろそろクーラー買おうよぅ・・・暑くて死んじゃうよ・・・・」
マリはカモシカのような長い足をくの字に曲げながら、畳の冷たい部分を足でバタバタと探しています。
多分、再び眠りにつこうという魂胆なのでしょう。



盗んだ1500万円を持ってマリが私の前に現れたのは、私がマサコと離婚して3ヶ月が経った頃でした。
マリは友達の家を転々としながらこっそり学校に通い、卒業と同時に私の会社に私を尋ねて来たのでした。

再びマリと再会できた事が嬉しくて堪らなかった私は、その1500万はマリにあげるから自由に生きるといいよ、と涙ながらに言ってやったのでした。

しかしマリはそれを頑として拒否しました。
そして、このお金が無くなればパパとママは離婚するだろうと私はわかっていたの、と逃げた理由を話してくれたのです・・・・

そう、やはりマサコは最初から私の1500万円が目当てで結婚したようでした。
マサコはマリが高校を卒業すると同時に私から1500万を奪い取り、家族3人で逃亡するという恐ろしい計画を立て、それをマリに打ち明けていたのです。
それを聞かされたマリは、それではあまりにもパパが可哀想だとマサコと口論になった末、マリは家を飛び出したというワケでした。

「だからこのお金はパパのお金よ」と私に渡した金が入っているその紙袋は、いつか私がマリに買ってやったジーンズが入っていた紙袋でした。

「マリ・・・2人で一緒に暮らさないか・・・・」
感極まった私は、あまりにも唐突に愛の告白をいたしました。
もう失うものが無くなったオヤジの勢いという奴です。

「でも・・・もうパパとマリは他人なのよ・・・・」
それが私のラブコールなどとは夢にも思っていないマリは、淋しそうにそう呟きました。

「いや、籍なんか今から入れればいいじゃないか!」
私はマリの細い肩を掴みました。
「・・・・そんな事・・・できるの?」
マリは素っ頓狂な顔をして私を見つめます。
「あぁ、簡単だよ。2人が結婚すればいいんだよ!」
私のカツラの中はまるで蒸気が湧いているかのように激しく蒸れておりました。

「・・・けっ・・・こん・・・・?」
マリの大きな瞳が更に大きく開きました。

「ああそうだ!私はマリの事が好きだ!愛している!だからマリをお嫁さんに欲しい!」
私はカツラからダラダラと大量の汗を垂らしながら、織田裕二顔負けのプロポーズをしてやったのです。

「・・・・・・・・・」

しばらく沈黙していたマリは、いきなりプッ!と吹き出しました。

そうでしょう。当たり前でしょう。
45のハゲ&歯槽膿漏のメタボ親父と17才の激カワ少女です。
いくらデタラメな愚人の小説とはいえ、これはあまりにも非現実過ぎます。

ケラケラと笑うマリを見つめながら、私が「やっぱりダメか・・・」と苦笑いすると、マリは私の頭を指差し「パパ、カツラがズレてるよぅ!」と大きな声で笑っていました。

「あは・・・はははははは」
私は開き直ってカツラを引き千切ってやりました。
すると私のハゲ頭の上に張り付いている両面テープを見て更にマリは笑うのです。

私はついでに「こんなのはいかが?」と尻肉を開きアナルを露出させ下痢グソを噴出させてやろうかと思いましたが、しかし、フラれたとはいえまだ私はマリを愛しています、愛する女に下痢グソなど・・・・

と、躊躇っておりますと、やっと笑いが治まってきたマリは、まだ喉をヒクヒクさせながらも「じゃあマリはこれからパパの事、なんて呼べばイイの?・・・アナタなんて呼ぶの、マリ、照れくさいよぉ・・・」と優しく微笑んだのです。

「えっ?・・・じゃ、じゃあ、私と、けっ、結婚してくれるのか?」
ハゲ頭にガムテープをくっ付けた親父が渡り鳥のような裏声でそう叫びます。
「・・・うん。パパがいいなら・・・私はいいよ」
マリは照れくさそうにそう言うと、また私の頭を見てプッ!と吹き出したのでした。




「マリ・・・・マリ・・・・そろそろ起きなさい」
私は煎餅布団でスヤスヤと寝息を立てる下着姿のマリをゆっくり抱きしめました。
「うぅぅぅぅん・・・・まだ眠いよぅ・・・・・」
マリは覆い被さる私の体から抜けようと体を横に向けます。
「さぁ、早く起きなさい。これから一緒に電気屋に行こう」
私はマリの体を押さえマリのプヨプヨのオッパイを揉みました。

「・・・電気屋さん?」
マリがキラキラのネイルが施された爪を輝かせながら不思議そうに私の顔を見つめます。
「そうだ、電気屋さんだ。電気屋さんに行って、最新型のクーラーを買って来よう」
「えっ!ホント!」
マリは寝転んだまま大きな瞳をパチっと開けました。

「あぁ本当だとも。ついでにマリが欲しいっていってたドライヤー、それも一緒に買って来よう」
私には必要の無いドライヤー。

「ホントに!あ~んパパありがとう!」
マリは余程嬉しかったらしく、カモシカのような長い足を畳の上でバタバタとさせた。
「だから早くシャワー浴びて着替えなさい。今からなら次の電車に間に合うから」
私がそう急かすと、マリはヒョッイ!と立ち上がり「了解!」と元気よく返事をすると着替えを持って嬉しそうに浴室へ走っていきました。

マリ。
天涯孤独のひとりぽっちのマリ。
でももう一人じゃない。
変態でオヤジでケチで古い映画ばかり見ているハゲのカツラのこんな私だけど、一生、死ぬまで一緒にいよう・・・・

いや、いてくれ・・・・・

そんな事を思いながら薄汚い天井を眺めていると、いつしか着替え終わったマリが扉の隙間からそんな私を見てニヤニヤ笑っていました。

「パパ・・・なに考えてたの?」

「・・・なんだっていいじゃないか、ほら、早くしなさい、ノロノロしてると電車に間に合わなくなるぞ!」
私がそう言いながら立ち上がると、マリは更にニヤニヤしながら「ははぁん・・・さては、また電車ん中でマリにチカンする作戦でも考えてたんでしょ~・・・」とキラキラ輝く白い歯を見せました。

「うっ!」と私は、心臓にナイフを突き刺されたように止まってしまいました。

「うふふふふ。でも、アレ、結構コーフンしたよ。カッパの師匠さんには悪いけどね・・・ふふふふふ」
マリは怪しくそう笑うと、スキップしながら私に抱きつきました。


・・・・なんだよ・・・あのチカン、バレてたのかよ・・・・・・・


(おわり)

《←目次》



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