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番台から愛をこめて2

2010/01/01 Fri 22:41

番台2



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それからしばらくすると女将が腰を「いつっっっっっ」とさせながら帰って来た。

コーラでカモフラージュされたベタベタの毛布を見て女将が悲鳴を上げる。
このモーフはカシミアなんだよ~と、近所のスーパーで「特価780円」で叩き売りされている安物毛布をいかにも高価な物のように叫んだ。

僕は女将のお説教を聞きながらも、時間が経つにつれジーンズの中でバリバリになっていく精液が心配だった。

女将の長々と続いたお説教の後、コーラで体がベトベトになってしまいまして・・・・、とウソを付いた僕は、渋々ながらも許してくれた女将に礼を言い、風呂に入らせてもらうことになった。

そんな僕をホモ親父はコーヒー牛乳をチロチロと飲みながらジッと怪しい目で見ている。

僕はそんなホモ親父の視線を無視し、素早く全裸になると、まるで海水浴場に来た子供が海に向かって走り出すかのように大喜びで浴場へと向かった。

精液でバリバリになった陰毛にシャワーの湯をぶっかけると、乾いていた精液が湯に溶け始めゴワゴワしていた陰毛がネバネバ感を取り戻した。
まるでインスタントラーメンみたいだ。
銭湯専用の20円の固形石鹸(別名・マッチ箱)を直に陰毛に擦り付け、たっぷりと泡立ててシャワーで洗い流すと、愛と欲望が渦巻く陰毛が一瞬にしてサラサラ爽やかヘアーへと生き返った。

これで全ての証拠隠滅は終わった。
ホッとした僕は勝爺が温めてくれた湯にザブンと浸かった。
さすが釜プロと呼ばれる勝爺だ、湯の温度は丁度「いい塩梅」だ。

目を閉じたまま湯の中にアゴまでどっぷりと浸かり、フーッ・・・・・と、胸に込み上げてくる酸素の固まりを腹の底から吐き出す。
いい湯だ。
ドボトボドボ・・・という流れる湯の音に耳を澄ましながら、閉じていた目をゆっくり開くと、僕の目の前にイベリコブタ的なホモ親父が座っていた。

「わあ!」
驚いた僕はおもわず湯の中で仰け反る。

「どうだい。自分で焚いた湯に入る気分は・・・・」
ホモ親父は、浴槽のヘリに腰掛け両足をブラブラと湯に浮かせながらそう言った。
当然、股間部分にはタオルなどは掛けられてなく、ホモ親父の大きなペニスはダラリンと露出されていた。

「まぁ・・・ははは・・・」
風呂を焚いているのは僕ではなく勝爺なのだが、しかしこのおっさんとできるだけ会話を少なくさせようとしていた僕は曖昧にそう返事をしながらとにかく笑って誤魔化した。
それにしてもまた風呂に戻って来るとは・・・・何考えてんだこの親父は。

僕はホモ親父を無視するかのように再びゆっくり目を綴じた。
目の前にあるブヨブヨの脂肪だらけの親父の裸体はあまりにも醜かったからだ。

「アレ・・・ヤバいんじゃないかなぁ・・・」
目を綴じながら湯の中でジッとしている僕に、ふいに親父はそう声を掛けた。
「・・・・アレってなんです?・・・」
一瞬「ドキッ!」とした僕だったが、しかしそれを悟られないように平然とした感じでゆっくり目を開けた。
目を開けると、目の前にある親父のチンポがつい数秒前よりも少しだけ大きくなっているのがわかった。

「アレって・・・アレだよ。・・・こういう仕事ってのは信用が一番だからね・・・店の者が客のロッカーの中の物を・・・ってのはちょっとマズいんじゃないかなぁ・・・」

僕は焦っていた。
心臓をドキドキさせながら、どうしよう・・・・と完全にビビってしまっていた。

「女の、あーいうモノにキミは興味があるのか?」
親父はニヤニヤと笑いながら僕の目をギラギラと見つめた。

「・・・まあ・・・はい・・・・」
生徒指導の先生にトイレでの煙草を追及され遂に白状してしまった生徒のように、僕は申し訳なさそうにそう返事をしながら湯の中で項垂れた。

「それにしても客のモノはマズいだろ。下手すると警察問題になるぜ」
「・・・・・・・」
「ま、私が誰にも話さなければそれまでだけど・・・でも、ソレはキミにとって良い方法なのかなぁ・・・」
親父はフフフと笑いながら首を傾げた。

「・・・どういう意味でしょうか」
「今ここで、この問題を揉み消すよりも、コレを事件にしてキミにもう二度と同じ犯罪を繰り返さないようしっかりと反省してもらったほうが、今後のキミの人生の為かも知れない・・・という事だよ。キミはまだ若いんだし、今のうちにそんな変態趣味を直しておいた方がいいと思うんだがな・・・・」

要するにこのホモ親父は、僕と何かを取引しようと企んでいるのだ。
つまり、この手のアホは「黙っててやるから・・・」という常套文句で、僕から何かを奪うのが目的なのだ。
それは金か?
いや、どうせこのホモ親父の事だ、僕の身体が欲しいなんて言い出すに違いない。

僕はそんなホモ親父のミエミエな誘導尋問に、「はぁ・・・」とただ頷くだけだった。

「まぁ、キミ次第では、この件は女将にも警察にも黙っててやってもいいけどな・・・」

ほら来た。
ヤだよぅこんなイベリコ豚みたいな親父に肛門の処女を奪われるのは・・・・・
僕は無言で湯に浸かったまま、このホモ親父に身体中を舐められ、あのど太いチンポをケツの穴に捻り込まれるシーンを想像し、湯の中だというのに全身に鳥肌を立たせていた。

「どうだい。私とキミとで2人だけの秘密を作らないか?」
「・・・秘密ですか?」
「そうだ。今回の件を黙ってておいてあげる代りに、私とキミとで2人だけの秘密を作ろう・・・」
そう話す親父のペニスはグングンと大きくなって来た。まるで黒光りするナスビのようだ。

親父はギンギンに勃起させたペニスをブラブラさせながらチャプンと湯に浸かると、まるでジョーズのように湯の中をゆっくりと僕に近付いて来た。

(うわ!もしかしてここで犯されるのか!)
僕はビビりながら「いや、ちょっと・・・」と言いながら湯に浸かったまま後へと逃げる。

と、その時、ガラガラガラ・・・と浴場の扉が開いた。
いつも決まって3時になるとやって来る寿司屋の若旦那だ。

「おっ?珍しいじゃねぇか、風呂屋の兄ちゃんが風呂に入るなんて」
若旦那はさっぱりと刈上げた角刈りをカクカクさせながら、湯の中にザブッと桶を入れ、それを頭から豪快にザブーンと被った。
「ったりめぇだよな、風呂屋の兄ちゃんだって風呂ぐれぇ入らぁな、はははははは」
若旦那は自分でツッコミを入れながらも、「あらよっと!」と掛け声をあげて、ブクブクとジェット噴射している側の浴槽に飛び込んだ。

助かった。ここで若旦那が来てくれなかったら、今頃この浴槽は僕の処女の血と怒り狂ったウンコで濁ってしまっている所だった。

「ちっ・・・」
そう舌打ちしたホモ親父は、それでも僕に体を寄せて来た。
そして僕の耳元に顔を近づけると、「今夜11時、隣りのコインランドリーで待ってるから、そこでゆっくり話し合おう・・・」と鼻の頭にプツプツと汗をかきながらそう言った。
そして湯を出る直前に、再び僕の耳元に「もし来なかったら、女将に話すからな」と脅迫めいた言葉を残し出て行ったのだった。

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閉店後の脱衣場掃除を済ますと、売上げ計算を終えた番台の女将が「新ちゃんもうあがっていいわよ」と曲がった腰を労りながら奥の屋敷へと消えて行った。

銭湯は閉店後よりも開店前の方が圧倒的に忙しい。
浴槽掃除や洗い場のタイル磨きといった重労働は全て開店前の仕事で、閉店後は脱衣場を簡単に掃除して暖簾を片付けるくらいの作業しかなかったのだった。

僕は「おつかれさまです」と女将に挨拶をしながら番台の上の時計を見た。
10時51分。
ホモ親父との約束の時間まであと10分しかなかった。

僕は肩叩き専用のマッサージチェアーに腰掛けると、さてどうしようか・・・と、また悩み始めた。
正直言って行きたくない。行きたいわけが無い、僕はホモではない。
しかし、行かなければきっとあのホモ親父のことだ本当にアレを女将に話しかねない。
お客のロッカーから下着を拝借しオナニーしていたなんて事がバレたら間違いなくクビだろう。
しかも女将が大切にしている膝掛け毛布に精液をぶっかけてしまったなんて事がバレたら、給料から毛布代まで差し引かれかねないのだ。
そうなれば、金もなく住むとこも無い僕はどうすればいいのだ。

僕はもう一度時計を見ながら立ち上がった。
とりあえず行ってみよう。
行ってみて、もし無理だと思ったら逃げ出せばいいさ・・・・
僕は脱衣場の電気をパッパッと消し、そのまま隣りのコインランドリーへと向かったのだった。

隣りのコインランドリーもこの亀の湯の経営だった。
洗濯機が3台程の小さな店で、そこを利用する客のほとんどがホームレスらしき人といった、実に治安の悪いコインランドリーだった。

コインランドリーに行くと、案の定、ホームレスの親父が手洗い場で身体を洗っていた。
この手洗い場で身体を洗うホームレスは多い。洗濯と同時に身体も洗ってしまおうという考えなのだろう。
身体を洗うくらいなら別にどーでもいいが、しかし洗髪は困る。ホームレスの髪は妙にロン毛な為、床がベタベタになってしまい、それを掃除しなければならないのは僕だからである。

僕はコカコーラのベンチに腰掛けると、手洗い場で全裸になって身体を洗うホームレスをジッと眺め、もし洗髪し始めたら注意してやろうと様子を伺っていた。

時計は11時を過ぎていた。
商店街の電気も消され人通りも滅法減り、下町の夜は更けて行く。
ホモ親父はまだ現れない。
このまま現れてくれなかったらいいのに、と、僕は心の底からそう思っていた。

「うひゃ~」
洗い場のホームレスが水でビチョビチョに濡らしたタオルで脇の下を洗いながら、冷たいのか気持ちイイのか嬉しそうにそう叫んだ。
ホームレスはいつのまにか全裸だった。
生ゴミのような匂いをプンプンと撒き散らしながら全裸のホームレスが水浴びをするコインランドリーに、一般の客が寄り付くはずはなかった。

僕は何気にホームレスのペニスを見ていた。
どす黒い里芋のようなペニスだ。
銭湯で働いているという事から他人のペニスは見慣れている僕だったが、しかし、脱衣場で見るソレと別の場所で見るソレとは随分と感じが違っていた。
脱衣場のソレはどーって事ないが、しかし今のソレは妙に生々しく、とても卑猥に感じた。

ホームレスが濡れたタオルでペニスをゴシゴシと擦っているシーンを見ながら、僕は今からあんなモノをケツの穴に入れられるのかも知れない・・・と、背筋をゾ~っとさせていた。

ホモ親父がコインランドリーに来たのは15分を過ぎた頃だった。
「私はミツル。光ると書いてミツル・・・」
親父はコインランドリーに来るなりいきなりそう言って僕に握手を求めて来た。
「あぁ・・・どうも・・・・」
僕がモジモジと手を出すと、「キミは新ちゃんだよね。いつも女将がそう呼んでる」と、僕の手をギュッと握りながら黄色い歯を剥き出してニコッと笑った。

そしてミツルちゃんは全裸で行水するホームレスを見るなり、いきなり大声で「なんというエコノミックアニマル!」と嘆き、「ここは下品だ。外に出ましょう」と、僕の手を繋いだまま店の外へと僕を引っ張って行ったのであった。


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2人は手を繋いだまま夜の下町商店街を歩いた。
何度か手を離そうとした僕だったが、しかしそうしようとするとミツルちゃんは何かを察したのかギュッと僕の手を強く握り、逃がさないようにした。

ミツルちゃんと僕は手を繋いだままシャッターの降りた商店街をブラブラと歩いていた。
近所の人に見られたら大変だ。下町の噂はネットよりも早く、どんな些細な噂でも電光石火の如く飛び回る。
この下町では、ドコドコの奥さんが浮気をしているといったスキャンダルからドコドコの店はそろそろ危ないといった経済情報など様々な噂が毎日飛び交い、ある時など、床屋の倅は魚の目に苦しんでいるなどという、どーでもいい話しまでもが飛び込んで来たりして、この下町の情報網にひどく驚かされた。
そんな下町で、40を過ぎたメタボのハゲ親父と風呂屋のバイト少年が夜の商店街を手を繋いで仲良く歩いていた、などという噂が広まるのは時間の問題だった。
ホモ疑惑のある店員が働く銭湯・・・・・きっとこの町では、タイガーウッズの不倫疑惑レベルで騒がれる事だろう・・・。

そんな噂を心配した僕は、「どこに行くんですか?」とミツルちゃんに聞いてみた。
ミツルちゃんは夜風に靡くカツラを気にしながら「ん?」と僕に振り返ると、「どこに行きたい?」と加山雄三のような笑顔を僕に向け、僕の背筋をゾォ~っとさせた。

「・・・どこと言われましても・・・」
そう僕が返答に困っていると、ふいにミツルちゃんは商店街の裏でカチカチとネオンが輝いていたストリップ劇場を指差し、「キミ、若いからあんなトコ好きなんじゃない?」と、パンパンにムクんだ頬に小さなエクボを不気味に作りながら微笑んだ。

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「えぇ・・・まぁ・・・」
僕は特にストリップに興味があるわけではなかったが、しかしこんな所をいつまでもブラブラしているくらいならと思い、すかさずそう返事をした。
「ああいう店、入った事あるの?」
「・・・・いえ・・・」
「ソープとかヘルスは?」
「・・・・いえ・・・」
「もしかして、新ちゃんってドーテー?」
「・・・・・・・」
「だよね?」
ミツルちゃんはなぜか妙に嬉しそうに僕の顔に人差し指を向けながら目を輝かせている。
「・・・まァ・・・はい・・・」

「ふふふふふふふふふふふふふふふ」
ミツルちゃんはそう微笑むと、繋いでいた僕の手を離し、いきなりスキップしながら走り出した。
そして10メートルくらい離れた先で急に足を止めると、バッといきなり振り返り、僕を見つめて「だと思った!」と叫び、なぜか恥ずかしそうに「ふふふふふふふふふふふふ」とまた笑った。

死ねばいいと思った。いや、できる事なら殺してやりたい、とさえ思った。
それほどその90年代トレンディードラマ的な臭い演技は許せなかった。

ミツルちゃんはストリップ劇場の前まで小走りに走ると、ゆっくりと歩く僕に向かって「新ちゃん!早く早くぅ~!」と、象のような巨大な尻をプリプリさせながら80年代アイドルの柏原よしえのようにブリッコした。
僕はうんざりしながらも少し早足に進む。
そんな僕を見て「あと10秒でここまで来ないと新ちゃんの負けだよ~」と、軽く握った両手を口元にあてながらワクワクとしたポーズで僕を見つめるイベリコ豚。
何が勝ちで何が負けなのかワケがわからない。
わからないが、しかしふいに「負けたくない」という感情が僕に芽生えた。
「ゴォ~・・・・ロ~ク・・・・ナ~ナ・・・・」
ミツルちゃんのカウントダウンが僕を更に焦らせた。
負けるもんか!負けるもんか!
妙にムキになった僕が走り出すと、突然、僕の頭の中でZARDの「負けないで」が流れ出した。
ミツルちゃんが「ハ~チ」と叫び、ダッシュした僕はもうあと一歩手前に差し掛かった。
その瞬間、なんとミツルちゃんは「キュ、ジュ!」といきなり数字を早め、ミツルちゃんの大きな体に勢い良く走り込んで来た僕の体を受け止めながら「残念!新ちゃんの負けぇ~!」と虫歯臭い息を吐きながら嬉しそうに笑った。
そして、ハァハァと肩で息をしている僕をギュッと抱きしめながら「罰ゲームは何にしよっかなぁ~ふふふふふ」と僕の頬に唇を当てた。

サッ!と正気に戻った僕は殺意を覚えた。
今ここに刺身包丁でもあれば、僕は間違いなくこの肥満のオカマの内臓をえぐり出し、道路一面に大腸小腸を順番に並べる事だろう。
そして血まみれに横たわるヤツから戦利品としてカツラを強奪し、それを物干し竿の先に括りつけ天高く掲げては、「やあやあ我こそは・・・」と深夜の商店街を凱旋する事であろう・・・・。

冷静になった僕は、ゆっくりとミツルちゃんの腕を擦り剥けると「早く入りましょう・・・」と妙に冷たくそう言い、キョトンとしているミツルちゃんに振り向きもせず、ストリップ劇場へと入って行ったのであった。


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昭和の雰囲気が漂う・・・というか、そこはまさしく昭和の世界だった。
なぜか「森永キャラメル」と書かれた古臭い看板を掲げる料金所では、「千と千尋の・・・」に出て来た風呂屋のオバさんみたいな派手な婆様がコックリコックリと居眠りをしていた。

「大人2枚・・・」
ミツルちゃんが1万円札を婆様の前に差し出すと、ゆっくりと目を覚ました婆様はモゴモゴと入れ歯を動かせながら素早くお釣りをカウンターの上に出したのだった。

「私に付いて来て・・・」
ミツルちゃんがそう言いながら再び僕の手を握り、僕はミツルちゃんに手を引かれるようにして劇場の中へと入って行った。

劇場の扉を開けると、それまでボンヤリと聞こえていたミュージックがいきなり大音量で襲って来た。
歌の題名はわからないが、なにかとっても古臭い演歌だ。
暗幕カーテンを潜りながら広いホールに出ると、映画館のような椅子がズラリと並ぶ真ん中に、丸いステージがポツンとあり、その上では着物を着たオバさんが下半身を剥き出しにして客に汚い尻を向けながら悶えていた。

(スゲェ・・・これがストリップってやつか・・・)
僕は、その着物のオバさんは別として、そのキラビやかな照明と大音響に圧倒されていた。

呆然と立ちすくむ僕の手をミツルちゃんはグイッと引っ張った。
100席近くはあると思われるホールには、「カブリツキ」と呼ばれるステージ周辺の席に5人の客がいるだけで、広いホールは閑散としていた。
しかもその5人のうち2人は椅子にだらしなく横たわりグーグーと鼾をかいているようだった。

「汚ねぇ尻向けやがって!屁洩らすんじゃねぇぞ!がははははははは」
労務者風のおっさんがステージのオバさんに向かって野次を飛ばす。かなり酔っぱらっているようだ。

僕とミツルちゃんは、おっさん達のいる中心から少し離れた、ステージ隅のカブリツキに腰を下ろした。
椅子に座るなりミツルちゃんは無言で僕の膝にスーツの上着をソッと掛けた。
それが何を意味するのか、なんとなくはわかるが、しかしあまり深く考えたくはなかった・・・。

労務者のおっさん達に散々野次を飛ばされた着物のオバさんは、音楽が終わると同時にムクリとステージに立ち上がり、野次を飛ばしていたおっさんに向かって「死ね!乞食ヤロウ!」と吐き捨てると、挨拶もせずに幕内に引き下がって行った。

「なんでぇありゃ!・・・おい!早く次の踊り子出しやがれ!」
ヤジ親父はホールの後にあるスタジオの小窓のような所に向かってそう叫んだ。
しばらくするとジャジャーン!・・・・・というド演歌が流れ出した。
それと同時に赤や紫の照明が緩やかに点滅し始め、幕の内から着物を着たブクブクに太ったオバさんがノソノソと現れた。
「うわぁ~また豚ババアだよ~」
中心のカブリツキ野郎達は一斉に落胆する。

僕がそんなおっさんたちの姿をクスクス笑いながら見ていると、いきなりミツルちゃんの生暖かい手が僕の太ももにペタッと静かに置かれた。
ミツルちゃんはスーツの上着でその手を隠しながら、モゾモゾと僕の太ももを撫で回す。
僕は、ヤダな・・・と思いながら、できるだけその手に気を取られないよう、着物のオバさんを見つめていた。

日本舞踊なのか、それともオリジナルの振り付けなのか、太ったオバさんは扇子をハタハタと舞わせながら、ヘンテコリンな踊りを真剣に踊っていた。
「もうええから、早よオメコ見せぇや!」
プロレスラーのような肉体労働者がワンカップ片手にそう叫ぶ。
それを合図に、カブリツキにいた作業着の男達がワイワイと野次を飛ばし始めた。

そんなヤジの中、豚オバさんは踊りながらもスタジオに向かって何か合図をおくった。
その瞬間、ド演歌がブツっと止まり、続いてムード歌謡のような少しテンポの速い曲に変わった。
曲が変わると豚オバさんはニヤニヤと笑いながら着物をスルスルと脱ぎ始める。
それに合わせて労務者達も「よっ!待ってました!」などと、掛け声を掛け始めたのだった。

ふと気がつくと、ミツルちゃんのブクブクに太った手が僕のジーンズの股間をスリスリと撫でていた。
(なにしてんだよこのおっさん・・・・)
僕は、まァ触らせるくらいだったら・・・と、池袋のキャバ嬢みたいな気分で、ミツルちゃんを無視してステージを見ていた。

「立たないね・・・・」
大音響の中、ミツルちゃんが僕の耳元にポツリと呟いた。
当たり前だ!あんな豚ババアの裸見ながらデブ親父にチンポ弄られて立つわけないだろこのうすらハゲ!と僕は心でそう叫びながら、聞こえないフリをしていた。

これまた散々ヤジを飛ばされまくった豚オバさんは、音楽が終わると同時にステージの上に脱ぎ捨てられた着物をサッサと掻き集めると、カブリツキに向かって「バーカ」と捨て台詞を残し逃げて行った。

それを見た僕はもう我慢できなくなり、おもわずプッ!と吹き出す。
するとカブリツキのおっさんたちが一斉に僕を睨んだ。
「何がおかしいねんオカマ野郎!」
関西弁のプロレスくずれが僕に向かってそう凄むと、また後ろを向いて「次や次!早よせんかい!」と怒鳴った。

オカマ野郎・・・・
やっぱり僕とミツルちゃんは客観的に見るとそう見えるのだろうか・・・・
僕は酷く落ち込んだ。バカやアホなど今まで散々言われて来た僕だったが、しかしオカマ野郎は始めてだった。
もうヤダよ・・・と泣きそうになっている僕の股間を一生懸命スリスリと擦るミツルちゃん。
「なかなか立たないね・・・」
ミツルちゃんはそう呟くと、ガチャピンのような顔でニコっと微笑むのだった。


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次の曲が流れた。
今度の曲は今までのド演歌とは180度ひっくり返っていきなりポップな音楽が流れ始めた。

照明がパカパカと激しく点滅し、ステージの奥からモクモクとスモークが沸き上がって来た。
「ご来場皆様~大変長らくお待たせしました~今夜のスペシャルゲスト~華山京佳~オーンステージ!」
まるで駅のホームに流れているような鼻づまりの口調でそうアナウンスが流れると、いきなりバーンと照明が明るくなった。
ステージに広がるスモークの煙が照明に照らされ、その中に踊り子のシルエットがジャーンと浮かび上がる。煙の中からまるで美空ひばりでも出て来そうな、そんな大袈裟な登場だった。

「よっ!京ちゃん!」
「待ってました!」
「ヒューヒュー!」

煙の中のシルエットに、カブリツキの労務者達がそれまでとは違う歓喜の声援を張り上げた。
今まで眠っていたおっさんたちもいつしか起き上がり、パチパチパチ!と嬉しそうに拍手している。
(すげぇ人気だな・・・・)

スモークの中にチカチカとレーザー光線が走り回ると、バーン!という音楽と共に、踊り子がステージの前に出て来た。
扇風機でスモークが散らされ、踊り子に向けてビーム光線のような綺麗なスポットライトが当たった。

「あっ!」
僕はおもわず大声を出してガバッ!と立ち上がった。
そう、ステージの中央でキラキラと輝いているその踊り子は、なんと、いつも僕が番台にいる時にやって来る、あのお姉さんだったのだ。

呆然と立ちすくむ僕を、ステージの上でキラビやかに笑っていたお姉さんは気がついた。
お姉さんは無言で「あ!」という表情をして、真っ赤な口紅の中に真っ白な歯を浮かび上がらせながら、僕に向かってニコッと微笑んだ。

お姉さんのその様子を見て、カブリツキの労務者達が一斉に僕を睨む。
怖くなった僕が慌てて椅子に座ると、すると今度はミツルちゃんがグッと僕を睨んで来た。
「知り合い?」
50近くのオカマは、まるでヤキモチを焼く女子高生のような目をしながらそう僕に言った。
「えぇ・・・ちょっとした知り合いです・・・・」
「ふ~ん・・・」
ミツルちゃんはそう言うと、頬を大袈裟に膨らませながらプイッ!と横を向いた。

もうヤダ。こんな親父、相手にしたくねぇよ・・・・・
そう思った僕は、このヤキモチ焼きなオカマさんを無視して、ステージのお姉さんに熱い視線を送ったのだった。


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ポップな音楽が終わると、続いてムーディーなR&Bが静かに流れた。
ステージの全体が真っ青な照明で照らされ、モワッ!と大量に吹き出した真っ白なスモークにミラーボールのライトが無数に広がり、それはまるで海の中で小魚の群れを見ているように美しい光景だった。

スローなR&Bに合わせてお姉さんが静かに服を脱ぎ始めた。
さっきまで騒いでいたゴロツキ達も、今は皆、ゴクリと唾を飲み込み、ただひたすらジッと時が来るのを待っていた。

ただ一人だけ、そんな美しいステージには目もくれないヤツがいる。
そう、50を過ぎたカツラでおデブのオカマちゃんだ。
ミツルちゃんは照明が暗くなったと同時に、再び僕の股間をスリスリと触って来た。
ただ、まだスネているのか、表情は膨れっ面のままだった。

ステージのお姉さんがドレスをスルスルっと脱ぎ落とすと、真っ白な肌が紫色に照らされ、まるで人魚のように美しい体のラインが浮かび上がる。
その神秘的な姿を見て、ゴロツキ達は「おぉぉぉぉ・・・・」と一斉に唸った。

ゆっくりと振り向いたお姉さんは、先をツンと尖らせた大きな乳房を揺らしながら、ステージの前にやって来た。
それはいつも銭湯で覗き見していた裸だったが、しかし、銭湯で見るのとココで見るのとでは全く違って見えた。
美しい。その体は感動するくらい美しかった。

お姉さんはTバック1枚の姿で、中央の丸いステージに腰を下ろした。
おもわず「京ちゃーん!」と絶叫する客に、ニコッと笑顔で返しながら、カブリツキの親父達の前で艶かしく足を広げた。

ジジジ・・・・
いきなり僕のジーンズのジッパーが下ろされた。
「えっ!」と、驚いた僕がミツルちゃんの顔を見ると、ミツルちゃんは「ふん!あの女を見てこんなに立たせちゃって・・・」とプンプンと怒りながら、勃起した僕のペニスを、膝掛け代わりのスーツの上着の中でビヨン!と露出させた。
ミツルちゃんはガチガチに勃起している僕のペニスを握ると、それまでプンプンと怒っていた顔を急に綻ばせた。そしてペニスをゆっくりと上下させながら、「スーツに飛ばさないでね・・・」と小さな声で恥ずかしそうに呟いたのだった。

気持ち悪い。
滅茶苦茶気持ち悪いのだが、悔しい事にミツルちゃんのその手の動きは滅茶苦茶気持ちイイ。
ましてや、僕は今、憧れのお姉さんの裸を目の当たりにしているのだ。
おもわずイキそうになってしまう。

僕は、お姉さんの艶かしいその動きを見ながら、ふとお姉さんのパンティーに漂っていたイカのニオイを思い出す。
あの綺麗な体からあんな臭いニオイが・・・・
そう思うと、なぜかお姉さんが愛おしくて堪らなくなった。

お姉さんが小さな篭の中からペニスの形をした大きなディルドを取り出した。
お姉さんはカブリツキの親父達に向かって顔を突き出すと、ディルドをペロペロと舐め始めた。

「たまんねぇな・・・・」
暗闇の中で誰かが呟いた。
僕もたまらない・・・・

お姉さんはディルドをステージの床にペタッと貼付けると、四つん這いの姿勢でカポカポと音を立てながらディルドをしゃぶり、そしてゆっくりとTバックを下ろした。
僕の位置からは、Tバックを下ろしたお姉さんの股間が丸見えだった。
今まで僕はなんどお姉さんのアソコを想像してオナニーして来ただろうか・・・そんな夢のマンコが、今僕の目の前で照明に照らされテラテラと輝いている。

お姉さんは四つん這いのままディルドをしゃぶりまくり、そしてディルドにたっぷりの唾液を滴らせると、ゆっくりと体を起こした。
そしてジッと覗き込む親父達の目の前で、ノーパンの股間をゆっくりと広げると、その巨大なディルドの上に跨がったのであった。

「我慢汁・・・凄いね・・・・」
ミツルちゃんが僕のヌルヌルになっている尿道を指で擦りながらそう呟いた。
しかし、ミツルチちゃんの言葉などまったく耳に入らないくらい僕は頭をカッカとさせていた。
僕は、下品な親父達に囲まれながら、ディルドに激しく腰を振るお姉さんに、興奮60%嫉妬40%という複雑な心境でいたのだ。

お姉さんはディルドとアソコの結合部分にマイクを向けた。
音楽が少し絞られると、微かにクチャックチャックチャッ・・・という卑猥な音が、大きなスピーカーから溢れて来た。


その音に、誰かが「スケベな女だねぇ・・・」と呟いた。
するとまた誰かが「おまえ相当なヤリマンやろ・・・ホンキ汁出しとるやんけ・・・」とせせら笑う。

(お姉さん・・・もうヤメて・・・そんな事、もうヤメてよ・・・・)
僕は、そんな親父達のいやらしい言葉を聞く度に、頭がクラクラするくらいに嫉妬していた。
お姉さんの裸を見られるのは番台の僕だけだと今まで思っていた僕は、このあまりにも濃厚な現実が、残酷すぎた・・・・

お姉さんはヌポッ・・・とディルドを抜くと、次は僕達の方へとやってきた。
僕は慌ててミツルちゃんの手をペニスから引き離した。
「・・・どうしたの?」と、僕の顔を覗き込むミツルちゃんは、お姉さんが僕達の前のステージにやって来た事に気付くと、「な~んだ・・・」と言いながら、また不貞腐れてプイッ!と横を向いた。

お姉さんが僕の目の前のステージに静かに腰を下ろした。
お姉さんはゆっくりと股を開きながら、キラキラと輝く大きな目で僕を見つめ、ニコッとその大きな目を垂れさせた。
僕は「どうも・・・」と軽く会釈する。ミツルちゃんは相変わらずプイッ!だ。

お姉さんは開いたアソコにディルドをモゾモゾと動かしていた。
とっても見たかったが、しかし恥ずかしくてそこを見れない。

「よく来るの?」
お姉さんが真っ赤な唇を動かしながらそう聞いて来た。
「いえ、初めてです・・・・」
僕がそう答えると、お姉さんは「そう」と笑い、そしていきなり「うっふ~ん」的な色っぽい表情をした。

たぶん・・・・ディルドがお姉さんのアソコに挿入されたのだろう・・・・
見たい、凄く見たい!・・・が、僕はお姉さんのその感じた表情を見ているだけで精一杯だった。

そんな僕に気がついたのか、お姉さんは僕がアソコを見やすいようにと、急に深く俯いてくれた。
俯いたまま「あぁ~ん・・・あぁ~ん・・・」という艶かしい声を出し始めている。

僕はお姉さんの目を気にしながらも、恐る恐る視線を下に向ける。
お姉さんの先がツーンと尖ったオッパイ・・・縦長なおへそ・・・・フワッと柔らかそうな陰毛が見え・・・そして遂に、赤黒いグロテスクなオマンコが見えた。

パックリと開いたお姉さんのアソコに、大きなディルドがヌチャヌチャと音を立ててピストンされていた。
大きなディルドはお姉さんの汁でダラダラと輝き、白濁の汁が根元に向かって垂れていた。

「それでは~いよいよ~本日のメインイベント~本番まな板ショ~を行ないますので~御希望の方は~その場で踊り子さんに手を挙げて下さい~」
駅のアナウンスのような声がスピーカーから流れると、カブリツキのおっさん達が一斉に「はい!はい!」と手を挙げて叫び始めた。

本番まな板ショー。
いったいなんだそりゃ?

そう思っている僕に、ディルドをヌポッと抜いたお姉さんが「行こ」と笑いかけた。
「えっ?」と僕は戸惑う。いったいドコに行くというのだ。

僕がアタフタとしていると、隣りでプイッ!としているミツルちゃんが「行ってくれば・・・」と投げ遣りにそう言った。
「行くってドコにいくんですか?」
僕は小声でミツルちゃんに聞いた。
「・・・決まってるじゃない・・・アソコよ・・・」
ミツルちゃんがステージの奥に向かって「ふん」と鼻で示した。
見るとそこには、1枚の敷き布団が敷かれていたのであった・・・・・


               14


「来て」
ステージの上のお姉さんが客席の僕に向かって両手を差し出して来た。

僕にはもう本番まな板ショーというものが何をするのかわかっていた。
行きたい。死ぬほど行きたい。
でも、死ぬほど恥ずかしい。しかも僕はドーテーなのだ!

戸惑っている僕にお姉さんは「早く」と優しい笑顔で微笑みかける。
するとカブリツキからヤジが飛んで来た。
「ダメダメ、その坊主はホモだホモ!だから、こっちこっち!」
労務者はそう叫ぶと、はい!はい!と大声で手を挙げた。

ホモじゃあありません!ホモなのはこのカツラのおじさんだけです!
と、そう叫んでやりたい心境だった。

「・・・ダメ?」
お姉さんは子供が悲しむような表情をして僕を見つめる。

行くか?どうする?
ここで行かなければ僕は本当にホモ扱いされてしまうぞ・・・・
でもやっぱり恥ずかしい・・・・

「おい!姉ちゃん!そいつイヤや言うとるんや!早よこっち来んかい!」
関西弁のプロレスラーがそう叫びながらドン!とステージを蹴飛ばした。
「うぅ~ん・・・」
お姉さんは残念そうな顔をして、僕に向けていた手をゆっくりと下げ始めた。

「そうやそうや!こっち来いや!俺がヒィーヒィー言わしてやるからよぉ!」
作業服の男がそう叫ぶと、ゴロツキ達がギャハハハハハハハと下品に笑った。

そうか・・・もし僕が行かなければ、あいつらの誰かがステージに行くという事になるのか・・・・
それじゃああまりにもお姉さんが可哀想だ!あんなヤツラに僕のお姉さんを汚されてたまるか!

そう思った瞬間、僕はおもわず「はい!」と手を挙げてしまった。

「わあ!」
それまで悲しい顔をしていたお姉さんが急に明るく笑った。

「・・・いい・・・ですか?」
僕は一応、膨れっ面でプイッ!と横を向いたままのミツルちゃん聞いた。
「・・・・気にしなくていいよ・・・行ってらっしゃいよ・・・・」
ミツルちゃんは僕に目を合わせずにそう呟いた。

「じゃあコッチに来て」
ステージからお姉さんが笑いながら手を差し伸べた。
僕はゆっくりとお姉さんに手を伸ばし、お姉さんのそのとっても細くて柔らかい手をギュッと握った。

ムクッと席を立ち上がると、僕の膝に乗せてあったミツルちゃんのスーツの上着がパラリと落ちた。

とたんに「ギャハハハハハハハハハハ!」という下品な笑い声がホールに響いた。

なんと、席を立ち上がった僕は、勃起したペニスを出したままだったのだ。

「ヤダぁ・・・・」
お姉さんは恥ずかしそうにそう言うと、クスクスっと笑っていた。
僕は「ごめんなさい!」と何度も謝りながらペニスをズボンの中へと押し込んだ。

「・・・ねぇ、あんた・・・」
それまでプイッ!と横を向いていたミツルちゃんが、突然ステージの上のお姉さんに声を掛けた。
「はい・・・・」
お姉さんは大きな目を開きながらミツルちゃんを見た。

「このコ・・・ドーテーだからさ・・・よろしくね・・・・」
ミツルちゃんはそれだけ告げると、またプイッ!と横を向いてしまった。

「おいおい童貞だってよあの小僧!まな板で童貞喪失って情けねぇ野郎だなぁ!」
誰かがそう叫んだ。
とたんに僕の足が竦む。
よくよく考えれば、こんな所でドーテーを無くすのは・・・悲しすぎる・・・・

「どう・・・する?」
戸惑いながらお姉さんが僕の顔を覗き込んだ。
さすがのお姉さんも僕がドーテーという事を気にしているようだ。

「・・・・・・・」
僕は下を向いたままモジモジとしていた。

お姉さんが差し伸べていた手をゆっくりと下ろすと、僕の肩を優しく抱き寄せ、耳元で「ごめんね・・・」と小さく呟いた。
お姉さんの強烈な化粧のニオイが僕を更に弱気にさせた。

と、その時だった。
「ほら、男だろ!張り切って行って来い!」
いきなりミツルちゃんが大きな声でそう叫ぶと僕の尻をペタン!と叩いたのだ。

「えっ?」と振り向いた僕に、カブリツキにいた作業服の男達も一斉に何か叫び始めた。

「ドーテー坊主!とっととステージ行って男にしてもらえ!」
「ドーテー言うてくさ!相手が京ちゃんやったらなーんも恥ずかしい事なか!」
「おうよ!俺なんかドーテー無くしたのは黄金町の一発屋よ!しかもフィリピン人だぜ!」
ギャハハハハハハハハハハ!
作業服の男達はそう一斉に笑い出すと、いつしかホールの中には「ドーテー!ドーテー!」というドーテーコールが鳴り響いていた。

ミツルちゃんが僕の背中をドン!と押した。
見るとミツルちゃんは、逞しい男の顔でニカッと笑っていた。

「おいで」
お姉さんの声に僕がステージに振り向くと、お姉さんは再び僕に手を差し伸べてくれていた。

僕はホールに向かって「いってきます・・・」と笑いかけると、お姉さんのその柔らかな腕をギュッと握りしめる。カブリツキの親父達から「頑張れよ!」という拍手が巻き起こったのだった。

再びスローなR&Bが流れ始め、静かにミラボールが回り始めた。
僕はステージの真ん中に敷かれている布団の上に座らされると、オッパイを出したままのお姉さんがゆっくりとしゃがみ僕の顔をグッと覗き込んだ。

「本当に私でいいの?」
お姉さんが小さな声で囁きかける。
「も、もちろんです・・・・」
そう答える僕に、お姉さんは嬉しそうにニコッと笑ったのだった。

(つづく)

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