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反抗期1

2010/04/23 Fri 10:16

69反抗期

(解説)
おんぼろアパートの窓から見える白く大きなお屋敷。
僕はそんな裕福な家庭をアパートの窓からこっそり覗き見しながら、反抗期の娘と上品なお母さんに欲情していた。
反抗期の娘のアソコの匂い……上品な奥さんのアソコの匂い……
妄想に取り憑かれた僕は、遂にアパートの窓から飛び出したのだった。




              1

「だって、ママが洗えって言ったんじゃない・・・」

夏の夕暮れ時。この時間になるといつも鳴き出す蝉の声。
僕は蝉の声に包まれながら、アパートの窓の下から聞こえて来る少女の声にそっと耳を傾けた。

「お肉を洗ってなんて言ってないわよ。ママは、じゃがいもを洗ってって言ったのよ」

お母さんらしき人の呆れた声が帰って来た。

肉を洗ってしまった少女に苦笑する僕は、夏の熱を含んだ畳からゆっくりと身体を起こすと、そっと窓の外を覗いた。
窓の外には白い大きなお屋敷。一面の芝生が夕暮れ時のボンヤリした空の明かりに照らされ濃厚な深緑に輝いていた。
庭に向き合うようにして作られているキッチンの窓は開け放たれ、僕が覗いている2階の窓からは、キッチンの流し台で泥だらけのじゃがいもをジャバジャバと水道で洗っている少女の手先が見えた。

「マリちゃんももう高校生になったんだから、そろそろ料理の事もちゃんと覚えないと・・・」

ガスコンロの前で何かをコトコトと煮込んでいるお母さんらしき人がじゃがいもを洗う少女にそう小言を呟くと、水道水を更にバシャバシャさせながらじゃがいもを不器用に洗いだした少女は「じゃあお肉は洗わなくてもイイの?」と、開き直るような口調で聞いた。

「当たり前じゃない、お肉を洗うなんて非常識よ・・・」
お母さんらしき人が鍋の中を菜箸で突きながら更に呆れたようにそう答えると、少女は「そんなの変よ」と、洗い終えたじゃがいもをオレンジのザルの中へゴロっと転がした。

「もう・・・まだ泥がいっぱい付いてるじゃない・・・丁寧に洗いなさいよ・・・」
お母さんはザルの中のジャガイモを左手で転がしながら呆れてそう言うと、「もうお台所はいいから、お庭の芝生に水をやってきて頂戴」と、少女を手からザルを取り上げたのだった。

僕はそんな裕福な家庭の夕暮れ時のキッチンを覗き見しながら、まるでお芝居を見ているような感覚に取り入られた。大きな白い家と芝生が敷き詰められた広い庭。「お台所」や「お庭」と、言葉の始めに「お」を付けたがるお上品なお母さん。そしてパックに入った精肉を洗い、肉を水浸しにしてしまった無知なお嬢さん。

僕は、こっちのほうがおもしろそうだぞ・・・と、読みかけの江戸川乱歩を畳の上に放り投げると窓の外に身を乗り出し、隣の203号室の開けっぱなしの窓から漂って来る蚊取り線香のニオイに咽せながらも、階下に広がる上品な家庭を眺める事にした。



僕が住んでいるこのアパートは築40年という年代物で、木造2階建てのその姿はまるでホラー映画のセットのように所々が不気味に朽ち果て、あまりの老朽化からか来年には取り壊しが決定されていた。
取り壊しが決定されているこの老朽アパートに僕が引っ越して来たのは1週間前。わざわざこんなボロアパートに越して来た理由は、「礼金敷金無し。但し1年間」という条件に惹かれての事だった。

僕には仕事がない。だから僕という人間を語るには「26才無職」の一言で尽きる。
幸い、このアパートを「1年契約」で借りられた事により「住所不定」だけは免れたが、しかしこのまま行けば1年後には確実に「住所不定無職26才のホームレス」というプロフィールとなる。
26才という若さでホームレスになるのはあまりにも悲惨すぎると、毎日頑張って仕事を探しているのだが、しかしこの不景気では重労働なアルバイトすら回って来ない有り様だった。

金も仕事もなく、彼女も友達もいない。まして実家からは勘当された僕には頼る物もなければ頼る者もいない。
行列のできる職安に通うのも疲れた僕は、残り少ないアパート暮らしを満喫するべく、1日中この老朽アパートに閉じ篭ってばかりいたのだった。



「メルン!おいで!」
今にも崩壊しそうなボロアパートの下で、少女の元気な声が谺した。
深緑色した芝生へ少女が飛び出すと、少女の後から茶色いプードルがトコトコと付いて来た。
少女のショートパンツから伸びる真っ白で細く長い足が、薄暗くなった夕暮れ時の庭にパッと輝き、それはまるで漆黒の闇に包まれた森でひとつだけその身を輝かせている毒キノコのように美しかった。

プードルを従えた少女は、庭の隅でちょこんとしゃがみ、キュッキュッと音を立てながら水道の蛇口を捻る。しばらくすると、広い庭からシュッシュッシュッという音が響きだし、芝生に植え込まれていたスプリンクラーが散水を始めた。
その音に脅えるプードルを見つめながら嬉しそうに笑う少女。

水を吹き出すスプリンクラーに「ひやっ」と驚いたプードルが脅えながら庭中を走り回ると、「メルン!おいで!」と何度も呼びかける少女。しかし、必死に逃げまとうプードルは少女のその声が耳に入らないらしく、庭の茂みに突入してはまた飛び出しと繰り返す。
そのうちだんだんと少女がキレ始めた。
「メルン!」と怒鳴るように叫んだ少女は突然ギュっと下唇を噛むと、足下に転がっていた小型犬用のゴムボールを握りしめ、それを走り回るプードルに向けて投げつけた。

そのボールの投げ方がまた愉快だった。いつの時代も女の子はボールの投げ方が下手糞だが、その少女のボールの投げ方は特にヘタクソで、まるで昔のクジラ穫り漁師が「槍」を投げ放つようなそのホームで投げられたゴームボールは、一瞬少女の頭の上でふんわりと宙に舞うと、そのままポトッと少女の足下に落ちた。
それを見ていた僕はとたんに「ぐぶっ」と笑いを堪え、吹き出さないようにと必死に口元を押さえながら窓に身を屈めた。
足下に転がるボールを見つめる少女は、細い体をブルブルと震わせながら怒り心頭し「メルンのバカ!」と言いながら足下のボールをおもいきり蹴飛ばした。
ひぐらしの鳴き声が谺する夏の夕暮れの空に少女のサンダルだけが飛ぶ。
僕は我慢出来ずに畳に倒れ込むと、薄っぺらな座布団に顔を押し付けながら爆笑した。

そんな少女を、6帖1間の蒸し暑い部屋からこっそり眺めては爆笑していた僕は、いつの間にかジャージの下でアレがコリコリと固くなっているのに気がついた。
僕は埃っぽい座布団に顔を押し付けたまま、最近オナニーをしたのはいつ頃だったかとふと考える。
基本的に性の捌け口をオナニーとしていた僕は、朝昼晩にごはんを食べるように、オナニーも就寝時に1発だけという規則正しいオナニーをしていた。
しかし最近はそんな日課のオナニーも御無沙汰している。なぜなら、オナニーのネタが無いからだ。
そう、ごはんの場合なら例えおかずがなくとも腹が減れば米だけでも空腹を満たそうとするものだが、しかしオナニーの場合は違った。オナニーはおかずがなければ例え性欲がムラムラと沸き上がって来ていたとしてもヌケないのである。
しかし、僕の財布の中身はとっくに底を尽きている。エロDVDどころかコンビニの三流エロ雑誌すら買えない状態だ。だから僕は随分前からオナニーをしていない。

僕は窓の外から聞こえて来る、「メルン!早くこっちにおいで!」という少女の投げ遣りな声と、情緒溢れるひぐらしの鳴き声を聞きながら、ジャージにくっきりと浮かび上がるその形をなぞるようにして、人差し指で上下にくすぐってみた。
とたんに下半身がゾクゾクと騒ぎ始め、脳髄に温かい蒸しタオルを当てられたような心地良さが広がった。

電気も点けていない薄暗い部屋の中で、僕はゆっくりとジャージのズボンを降ろす。ズボンの中から慌ててポロンと飛び出す勃起したペニス。シミだらけの天井に向かってキリンの首のような長いペニスが聳え立っていた。
仮性包茎のペニスは亀頭を皮で押さえ付けられ苦しそうだった。僕はコリコリとするペニスの先を指で摘み、ゆっくりと皮を剥いては苦しそうな亀頭を解放してやる。
剥き出しになった亀頭は、汗なのか脂なのか何だかわからない液体でテラテラと小豆色にその身を輝かし、解放された悦びにカリ首をグングンと開き始めた。
そんな、露出された亀頭からプ~ンと饐えたニオイが夏の生暖かい風に乗って漂って来た。
男の夏の匂いだ。
その汗とも脂とも知れぬ液体をクチュクチュと音立てながらペニスを上下にシゴくと、亀頭に渦巻くその据えたニオイは更に強烈なニオイを発し、僕が寝転がっている周囲に重く漂った。

「マリの言うこと聞いてくれなくちゃ、もう遊んであげないんだからね・・・」
窓の下から、そんな少女の穏やかな口調が飛び込んで来た。
同時にクゥン・・・クゥン・・・という甘えた犬の声がする。どうやら少女は無事にプードルを確保出来たようだ。

窓の下の少女の仕草を妄想しながら、薄暗い天井を見上げたままペニスを上下にシゴいていた僕は、そう言えば・・・と、ある事にふと気付いた。

僕はムクリと起き上がると、赤ん坊のように畳をハイハイしながら押し入れに向かった。
そして押し入れの中にある段ボールをガサゴソと漁り、薄暗い押し入れの中で銀色にキラリと輝く物を手にした。

それは「ポケット双眼鏡」と呼ばれる小さな双眼鏡だ。半年ほど前、競馬場の売店で800円で購入した玩具だった。なけなしの給料を競馬に注ぎ込んだ僕は、その双眼鏡で必死に走る馬を見つめながら「2ー6!2ー6!」と叫び、そして一文無しになった。

あくまでも玩具の双眼鏡ではあるが、しかしそれはなかなかよく見えた。
僕はそれを握ったままキリンの首のようなペニスをブラブラとさせながら窓際へとハイハイする。
そして窓際の壁に身を隠しながら、ポケット双眼鏡でそっと少女を覗き込んだ。

小さなプードルを芝の上に寝転がせ、戯れ合うプードルの腹を激しく撫でる少女は、「メルンはいい子ね」と呟いている。
そんな少女の顔をアップにする。これは玩具の双眼鏡のくせにズームが付いている優れものなのだ。

まるでアニメに出て来そうなその大きな黒い瞳はキラキラと輝いていた。
少女は僕が今まで見て来たオンナの中でも上戸彩に匹敵するくらいの可愛さだ。
その「メルン」と甘く囁く少女の唇は、まるでゼリーのようにプルンと身を震わせ、そしてその中から微かに覗く前歯は、育ちの良いお嬢さんらしく綺麗に整い、びっくりするくらい白かった。

僕は双眼鏡を覗き込みながら、もう片方の手でゆっくりとペニスを握りしめた。そして妄想の中で少女のあの柔らかそうな口の中に舌を入れる。
とたんにゾクゾクとした快感が僕の太ももの内側を走った。僕は微かに悶えながら双眼鏡を少女の細い首筋から胸に移動させた。
少女の真っ白なTシャツに薄っすらとブラジャーの形が透けて見える。その胸は決して大きくはないが、しかしプードルの腹を擦る振動で微妙に揺れるその胸は手の平にスッポリと収まるくらいの丁度いいサイズのようだ。
僕は少女の乳首を想像しながら、それを口に含むかのように唇でチュウチュウとさせては、更にハァハァと双眼鏡を下へと向ける。
薄っすらとした夕暮れの明かりの中に、短パンから剥き出す少女の真っ白な太ももが飛び込んで来た。
クラクラと目眩を感じながらも、しゃがんでいる少女の股間に双眼鏡のズームをドアップにする。

「マリちゃん、あなたいつまでそんなとこにいるの。早くおウチに入ってお夕食食べちゃいなさいよ」
相変わらず言葉の先に「お」を付けるのが好きな上品なお母さんの声が白い屋敷の中から聞こえて来た。

「なによ、さっきはアッチ行けって言ったくせに・・・ねぇメルン・・・」
少女はお母さんの言葉を無視したまま、腹這いになるプードルの顔に自分の顔を密着させながら呟いた。

コンソメ系の香りがキッチンの開けっ放しの窓からコトコトと漂って来た。花柄の鍋つかみを両手に嵌めたお母さんが、そのコンソメ系の香りを漂わす鍋をガスコンロから持ち上げた。
お母さんは鍋を手にしたまま「マリちゃん、早くいらっしゃいよ」と庭へと叫びながら、スリッパの音を轟かせては台所の奥へと消えて行った。

そろそろフィニッシュを決めた方が良さそうだと思った。少女の姿が家の中へと消えて行ってしまってからではオナニーの気持ち良さが半減する。僕は少女を見つめながらイキたかったのだ。

双眼鏡を少女のショートパンツの股間にズームインしたまま、足下に転がっていたティッシュの箱から数枚のティッシュを抜き取ると、手探りでソレをペニスに被せた。
寝転がるプードルに顔を寄せる少女の股間は大股開き状態だった。開かれた股間の白い太ももとショーパンツに少しだけ隙間がある。もう少し前屈みになってくれればその隙間の中が見えるのに・・・と僕は少しイライラしながらも、少女の股間を覗き込みながら、ティッシュを被せたペニスにパサパサという激しい音を響かせた。

「マリちゃん!いいかげんにしなさい!」
とうとう上品なお母さんのカミナリが落ちた。
と、同時に僕は少女に向かって「あ、イク・・・」と小声で呟いた。
そして慌てて双眼鏡の先を移動させ、最高に気持ちイイ瞬間を少女のその可愛い顔でキメようとした。

上品なお母さんのカミナリを受けた少女は、それまでプードルに向けていた愛らしい目を急に険しく「キッ!」と釣り上げ、白い家を見つめたまま「くそババア・・・」と小さく呟いた。

少女のその表情を見た瞬間、僕の尿道に精液がドピュッと走った。
僕は太ももをスリスリと寄せ合いながら爪先をピーンと伸ばし、少女のその「キッ!」と険しい目を見つめたまま「マリちゃん・・・」と低く呟く。
ペニスの先に被せていたティッシュがみるみると湿って来た。そのヌルッとした感触を指に感じながら僕は深い闇の底へと堕ちて行く。

「マリちゃん!」
キッチンの明かりを背に受けた上品なお母さんがそう叫びながら縁側に現れた。上品なお母さんの顔は逆光ではっきりとは見えないが、しかし縁側に浮かび上がったそのシルエットは、まるでモデルのようにスラッと背が高く小さな顔だった。

「パパが帰って来たら叱ってもらうわよ!」
上品なお母さんはエプロンに包まれたウェストをキュッとくびれさせながら、庭の少女に向かってそう言い放った。
「勝手にすれば・・・」
少女はプードルを抱きながら立ち上がると、片方だけ履いたサンダルのまま玄関に向かって走り出した。
「マリちゃん、ごはんは?!」
上品なシルエットが慌てて少女にそう叫ぶと、少女は「いらないよバーカ」と捨て台詞を吐きながら白い屋敷の中へと消えて行った。
どっぷりと日が暮れた薄暗い庭に、お母さんの上品な溜息が静かに溢れたのであった。


               3


翌朝、数週間前に面接をしたコンビニから突然連絡を受けた。
いきなり朝早くに電話を掛けて来たコンビニの店長は「もう一度面接したいんだけど時間ありますか?」と、夜勤明けの気怠そうな声でそう呟いた。
とたんに煎餅布団から飛び起きた僕は「ありますあります!時間ならたっぷりあります!」と元気よく叫ぶ。
電話を切った僕は、共同の洗面所で踊るように顔を洗いながら、これで今夜のメシはなんとかなるぞ、と、ニンマリと微笑んだのだった。

そんな僕を見て、隣の部屋に住んでいる蚊取り線香中毒の親父が「なんかイイ事あったんか?」と、後から声を掛けて来た。
蚊取り線香の匂いがどっぷりと染み込んだヨレヨレのパジャマを着たその親父は、栄養失調気味な子猫を抱きながら死んだ魚のような目をしてジッと僕を見つめていた。
この親父は、先月、女房と子供に捨てられたばかりだ。今はゴミ捨て場から拾って来たこの子猫と同居している、まさしく「捨て猫と捨て親父」という「捨てられカップル」だった。

「ええ。仕事が決まりそうなんですよ」
僕が嬉しそうにタオルで顔を拭きながらそう答えると、捨て親父は「じゃあ金貸して」と目の縁にカリカリの目糞をぶら下げたままそう呟いたのだった。


少々カビ臭いビジネススーツを着込んだ僕は、完璧なる面接準備をし終えると、台所にドサッと置いてある生ゴミの袋を手にした。
今日は生ゴミの日なのだ。
ゴミ袋を抱え、部屋を飛び出した僕は、慌ただしく靴音を響かせながらアパートの階段を降りていると、階段の真下から獰猛なゴリラのような顔をしたおばさんがジッと僕を見ていた。

「今朝は早いのねぇ」と弛んだ頬をジンワリと揺らすこのおばさんは、一階に住む大家さんだ。

「おはようございます」と素早く頭を下げると、僕はあたかも急いでいる風を装い、階段を下りる間、わざとらしく何度も腕時計を見た。

「早くしないと、ゴミ、行っちゃうわよ」
階段の下のおばさんは慌てる僕をジッと見つめながらそう呟き、ゴリラ目を不気味にギョロっとさせる。
この人は本当はとっても親切な人なのだろうが、しかし笑顔というものを知らないらしく、その為いつも何かに怒っているような感じを漂わせている人で、だから僕はこの人がとっても苦手だった。

僕はゴリラのような顔をした大家さんにペコリと頭を下げると、また腕時計を覗き込みながらそそくさとその場を去った。

通りに出ると、前方に緑色のゴミ収集車がグワングワンというエンジン音を響かせながら停車していた。
次々に収集車の中へ投げ込まれて行く黒いゴミ袋を見つめながら、ゴミ袋を抱えた僕の足は小走りになる。

アパートの隣にある白い大きな家の塀沿いに走る僕は、塀が途切れたその家の門の前で、「パパぁ早くしてよぉ」という声にふと足を止めた。

昨日の少女が、ガーデニングに囲まれた玄関の前で自転車に跨がっていた。
少女は玄関口に向かって「早くぅ!」と叫んでいる。

僕は自転車に跨がる少女の後ろ姿を見つめながら、右手に握っていた黒いゴミ袋をギュッと強く握った。

サドルに跨がる少女のミニスカートから、朝の太陽に照らされた真っ白なパンティーが健康的に輝いている。

少女のパンティーに心を奪われた僕は、ゴミ収集車が走り去って行く音にさえ気付かず、そこにポツンと1人立ちすくんでいたのだった。



面接は見事に不採用だった。

ゴミ収集車を追いかけ、隣の町まで走ってしまった僕は、店長が指定した時間を大幅に送れるという失態を犯してしまい、夜勤明けでイライラしていた店長を更に激怒させてしまったのだ。

その帰り道、僕は途方に呉れた。ポケットの中の所持金は58円。バスも電車も使えない僕は、アパートまでの道のりを50分もかけてはトボトボと歩いて帰って来たのだった。

アパートに付くと、腹が減り過ぎて死にそうな僕は、とにかく水を死ぬほど飲んだ。
甘みが欲しかったので、共同洗面所に置いてあった誰かの歯磨き粉を水に溶かし、ミントの香りをスースーさせながらそれを何杯も飲んだ。

カビ臭い畳の上にドテッと倒れ込んだ僕は、蒸し風呂のようにムンムンと熱気を帯びる部屋の中で今後の事を自分と相談した。

やはり自殺かね?・・・・
僕が僕の中の僕に尋ねると、僕の中の僕は、「しかないみたいだね・・・」と返事をした。

閉め切っていた真夏の6帖1間は、スーツを着たまま畳に倒れ込んでいた僕を、確実にムワムワと蒸して行く。
そのうち身体中の毛穴からジワジワと汗が噴き出し、額で玉となった汗が畳に落ち、ポタポタという不吉な音を立て始める。そんな音を聞きながら酸素不足となった僕は思考回路が停止した。
薄れて行く意識の中、羽を毟られたニワトリが蒸し器の中で蒸されていく姿をふいに想像した僕は、朦朧としながらもまだ食欲はあったのだ。

静まり返ったアパートには、畳の上に滴る僕の汗の音だけが、まるで時計の針の音のように正確に響いていた。
そんな音を聞きながら深い闇へと落ちて行きそうだった僕の耳と鼻に、生きる希望を与えてくれる懐かしい音と匂いがどこからか伝わって来た。

その音はマナ板に包丁がぶつかる、トン、トン、トン・・・という台所の音だった。そしてその匂いは、紛れもなくカレーの匂いだ。

僕はアパートの隣の裕福な家庭から聞こえて来るその懐かしい響きに耳を傾けながら、同時にそのほんのりと匂って来るカレーの香りを嗅いでは、田舎のお袋を思い出していた。

死ぬ前に温かいカレーが喰いたい・・・・・

そう思った瞬間、僕の中のもう一人の僕が大賛成した。

その音と香りによって生気を取り戻した僕は、寝転んだまま汗だくのスーツを脱ぎ捨てた。
面接前に何十回となく鏡の前で付け直していたネクタイをものの数秒で引き千切り、肌にピッタリと張り付いた下着をまるで水着を脱ぐかのように苦労しながらやっと脱ぎ捨てると、全裸になった僕はアパートの窓を静かに開けた。

生暖かい夏の風が窓の隙間からふんわりと忍び込んで来た。同時にカレーの刺激的な匂いも迷い込んで来る。

昨日と同じように窓辺に腰を下ろすと、壁に身を隠しながらこっそりと窓の下を覗いた。
隣の家のキッチンに、昨日と同じ柄のエプロンをしたお母さんの姿が見えた。
お母さんは一人で黙々と野菜を切り、それを皿に盛りつけてはサラダを作っている。
みずみずしい真っ赤なトマトが白いまな板の上で鮮明に輝いていた。

お母さんはサラダを盛りつけ終わると、ガスコンロに置いていた鍋の蓋を開け、オタマで鍋を掻き回し始めた。しばらく時間をおいて、強烈なカレーの香りが僕の鼻を襲った。

僕はそんな刺激的な匂いに包まれながらも、夕食の支度にしては少し早すぎないか?と、余計なお世話をする。だってまだ昼の3時なのだ。

そうこうしているうちに、キッチンを離れたお母さんがふいに庭に現れた。

夏の太陽に照らされた上品なお母さんは「見事に美しい女」だった。
手足が妙に長く、まさしく8頭身と呼べるようなモデル体型だ。その均等の取れた小顔に不釣り合いなほど大きな瞳と、ツンっと通った鼻筋。そして小さくもなく大きくもない肉質豊かな唇にはテカテカと輝くグロスが塗り込められていた。

歳はいくつくらいなんだろう・・・娘が高校1年生だと言ってたから・・・37、8、9?くらいだろうか・・・
それにしても完璧な美人だ・・・

そう思いながら僕は、お母さんのその整った顔立ちをぼんやり眺めながら、無意識にも露出したままのペニスをモミモミと揉んでしまっていた。

庭に出て来たお母さんは、さっそく庭に転がったままの犬の玩具を拾い始めた。
昨日、反抗期のマリちゃんが散らかした玩具の後片付けを始めたお母さんは、昨日マリちゃんが飛ばした片方のサンダルを茂みの中から拾い上げクスッと笑った。

僕はそんなお母さんの笑顔を見つめたまま、すかさず畳に転がったままのポケット双眼鏡を手探りで探し出し、それを両目に当てた。
マリちゃんもいいが、お母さんもいい。2人は僕にとって最上級のオナニーのオカズだ。

庭のお母さんは、緑が茂る1本の植木の前にしゃがみこむと、その植木に乱雑に伸びていた枝葉をプチプチと千切り始めた。千切った枝葉をちりとりの中へと積み重ね、千切っては捨て千切っては捨てとそれを延々と繰り返した。

双眼鏡で覗いている僕は、そんな上品なお母さんのしゃがんでいる下半身に釘付けだった。
しゃがんだままの姿勢で枝葉を千切ろうとする時、微かにお母さんの腰が浮いては同時にスカートの中がチラッと垣間見えるのだ。

上品なお母さんは、スカートの奥で清潔そうな真っ白な下着を輝かせていた。きっとその下着はフロント部分がレースになっていて、その清純さからは想像もできないような卑猥な陰毛がモサモサと渦を巻くのが見えるそんないやらしいショーツであろう・・・などと勝手に妄想しながらペニスをシゴく僕は、汗だくになりながらもお母さんのスカートの中を最大ズームで覗いていたのだった。

するとそこにガタン!という自転車の音が響いた。
僕は慌てて双眼鏡から目を離すと、肉眼でその物音がした方を見つめた。

「あらマリちゃん、今日は早かったのね」
しゃがんだまま門に振り向いたお母さんは、玄関脇に自転車を止める少女にそう呼びかけた。

「・・・うん」
チラッとお母さんを見たマリちゃんは、相変わらずムスッとしている。

「マリちゃん、今日はママ、いつもの『お花のお稽古』の日だから、夜はいないからね」
お母さんはゆっくりと立ち上がりながらマリちゃんにそう言った。
マリちゃんは自転車からカバンを取り出しながら「ふーん・・・」と気のない返事をひとつする。
「今夜はパパも遅くなるみたいだし、お夕飯はカレーを作っておいたから、後で一人で食べてね」
お母さんが優しくそう告げると、マリちゃんは「あっ、そう・・・」とツン!と返事をしたまま、コツコツと玄関へ消えて行った。

そんなマリちゃんの背中を眺めながら、お母さんは「ふっ」と小さな溜息を付いた。
そしてちりとりの中で山のように積み上げられた枝葉を庭の隅に置いてあるゴミ箱の中へとザラザラザラっと捨てると、「さてとっ、準備しよっかな」と独り言を呟きながら白い屋敷の中へと消えて行ったのであった。


               4


夕暮れ時になると、またいつものように蝉の鳴き声が遠くの方から聞こえて来た。
隣に住む蚊取り線香中毒の親父から、その蝉が「ひぐらし」という名前だと教えて貰った僕は、その名から「その日暮らし」という言葉を連想した。
「蝉は3日しか生きれないっていうからね・・・その短い命の3日間は、ああやって必死に叫びまくって静かに死んでいくんだ・・・叫ぶ為に生まれて来た蝉・・・果敢ないねぇ・・・・」
ひぐらしの鳴き声に包まれながら夕涼みをしていた蚊取り線香中毒者は、窓の外に広がる夏の夕暮れ空を見つめながらポツリとそう呟いた。
それを隣の窓で聞いていた僕は、「そうですね・・・」と返事はするものの、しかし猛烈な空腹に襲われながら畳に踞り、蝉どころの話しでは無かった。

かれこれ10杯以上は水を飲んでいた僕は、この空腹を水で誤魔化すのはもう無理だった。
限界に達した僕は、ポケットの中の全財産58円を畳の上に散りばめ、取りあえずその金で「うまい棒」を5本買う事に決めた。
近くのコンビニへ行く為に、空腹で朦朧としながらも必死にジーンズを履く。

と、その時だった。
蒸し風呂のように暑い6帖間に立ち上がった僕の目に、隣の家のキッチンの光景が飛び込んで来た。

煌々と明かりに照らされたキッチンではマリちゃんが悪戦苦闘していた。
マリちゃんは皿に盛ったごはんの上に、あつあつカレーをぶっかけていたが、しかし皿を持つマリちゃんの指先にあつあつカレーがポチッと滴り落ち、とたんに「あちっ!」と小さな悲鳴をあげたマリちゃんは、皿ごとそれを床に落としてしまった。
そして「もう・・・・」とブツブツ呟きながら、床に散らばるカレーとライスを雑巾で一気に鷲掴みしたマリちゃんは、迷う事無くそれを雑巾ごとポリバケツの中にバサッと捨ててしまったのだった。

その瞬間、僕はおもわず「あっ!」と声を上げてしまった。例え床に散らばろうと、例え雑巾で包まれようと、今の僕にはそのあつあつのカレーライスは1億円に値するほどの価値があるのだ。

そんな僕の気持ちも知らず、マリちゃんは新しく皿に盛ったご飯の上にダバっとカレーをぶっかけると、それを持ったまま奥へと消えて行った。
マリちゃんのトントントンと走るその足音が、開けっ放しのキッチンの窓から響いて来る。しばらくすると二階の窓にパッと電気が付いた。マリちゃんは二階にある自分の部屋にカレーを持ち込んだのだ。

ピンク色のカーテンが爛々と輝くマリちゃんの部屋を見つめながら、すかさず僕は考えた。
今ならあのポリバケツに捨てられたカレーは間に合う・・・。
そう思った瞬間、僕の体は何者かに操られるかのように、勝手に動き出していたのであった。


               5


窓の手すりにぶら下がりながら隣の家の塀に降り立った僕は、誰にも見られていない事を確認すると、そのまま芝生の上へと一気に飛び降りた。
裸足で芝生の上に着地した僕は、その芝生が想像以上に固かったため、着地と同時に膝を崩し、おもわず芝生の上で柔道の受け身をしてしまった。

初めて踏込んだ憧れの庭は、いつも上から見ていたよりも随分と狭く感じた。
尻や背中に付いた芝生をパタパタと払いながら立ち上がった僕は、身を屈めながらキッチンへと向かう。
裸足だったため、靴音が二階のマリちゃんに聞かれる心配はなかったが、しかし歩く度に裸足の裏に突き刺さる芝生がとっても不快な気分にさせた。

開けっ放しのキッチンの窓から家の中を覗いた。
その昔、トレンディードラマというものが流行ったが、この家はそんなトレンディードラマに出て来そうなとってもおしゃれなインテリアがキラキラと輝いていた。

今、この家にはマリちゃんしかいない事を僕は知っている。そして、ママは「お花のお稽古」でパパは遅くなるという事も盗み聞きして知っていた。
だから、二階のマリちゃんにだけ気をつけていれば、簡単にカレーライスを手に入れる事ができるのだ。

キッチンの窓から忍び込もうとしていた僕は、もしかしたらと思い、キッチン横の勝手口のドアノブを回してみた。
果たしてドアはすんなりと開いてくれた。
なんという幸運の持ち主なんだ僕は。

僕は足の裏に芝生のカスをいっぱい付けたまま、勝手口からキッチンへ忍び込んだ。
キッチンに立つと、カレーの匂いと共にこの家庭の独特な匂い、例えるなら「高価な石鹸」のような香りがプ~ンと漂って来た。
その上流家庭の匂いに包まれながら、目の前に広がるドラマのセットのような豪華なインテリアに目を奪われた僕は、しばらくの間ボーっと立ち尽くしていた。

金目の物は山ほどあった。リビングにデカデカと飾ってある絵画など、今の僕ならこの絵画を叩き売った金で恐らく10年は暮らして行けそうな、それくらい高価な代物に違いない。
今なら盗める。
僕はリビングに並べられている高価な品々を見つめながら葛藤していた。

しかし、それよりもなによりもまず腹が減って死にそうだった。あまりの空腹に額には脂汗まで滲み出ている始末なのだ。

僕はマリちゃんがさっきカレーを捨てたポリバケツの蓋を静かに開けた。とたんに旨そうなカレーの香りがプ~ンと漂って来たが、しかし同時に生ゴミ独特の酸味の利いた刺激臭も後から加わった。
雑巾に包まれたカレーは、その他の生ゴミ達にまみれながら既に生ゴミと化していた。
(これはちょっと食えねぇぞ・・・)と、僕は、静かにポリバケツの蓋を閉めると、ガスコンロへゆっくりと視線を移した。

コンロの上には、上品なお母さんがいつも使っているポップな柄の鍋つかみが2つ並べておいてあった。
その横に、水滴で曇るガラス蓋の鍋。ガラス蓋の中では黄色が掛かった茶色い物体が息を潜めていた。

(よし。喰おう)
僕は決心した。どうせここまでやっちゃったんだ、今さら何もゴミ箱の中を漁らなくとも、あつあつのカレーを口一杯に頬張ってやろうじゃないか。
そう思いながら鍋のガラス蓋を持ち上げる。蓋の水滴が雨の雫のようにボタボタと鍋の中へと落ち、同時にほんわかとした優しいカレーの香りが僕を包み込んだ。

そのとき、突然、二階からバタン!とドアの音が響いた。
蓋を手にしたままハッ!と僕が振り返ると、階段を下りてくる「トン、トン、トン」という軽快な足音が聞こえてくるではないか。

(マズい!)
慌てた僕は、蓋を鍋に静かに置くと、2、3度無意味にキョロキョロとし、そしておもわずキッチンの奥にあるドアへ近付くと、そのままソッとドアを開けては暗闇の中へ身を隠す。
音を立てぬよう慎重にドアを閉め、そしてキッチンが見えるようにほんの少しだけ隙間を空ける。
僕が身を潜めたと同時に、間一髪で「ふんふん♪ふんふふん♪」という鼻歌がキッチンから聞こえて来た。

まぎれもなくマリちゃんだった。
もう日が暮れているというのにまだ制服姿のマリちゃんは、だらしなく食べ残したカレーの皿をゴトッと乱暴にダイニングテーブルの上に置くと、皿の上にあった銀色のスプーンがチャリンという音を立ててテーブルの上に転がった。

マリちゃんは冷蔵庫の中からパック入りの牛乳を取り出すと、なんと、それをそのまま口を付けてゴクッと一口飲んだ。
先日、牛乳パックをラッパ飲みしている所をお母さんに見つかったマリちゃんは「お行儀が悪いわよ!グラスに注いで飲みなさい!」と叱られていたばかりだというのに、どうやらこの娘には馬の耳に念仏だったらしい。

マリちゃんは牛乳パックを冷蔵庫に投げ入れると乱暴に冷蔵庫のドアを閉めた。そして「あぁ~あ・・・」と長い両手を上げて背伸びをしながら大きなアクビをする。アクビをしたまま隣のリビングまで行くと、そのまま倒れ込むかのようにしてリビングの真っ白なソファーにドカッと崩れ落ちたのだった。

僕が潜んでいるドアからリビングは丸見えだった。という事は、アッチからも僕は丸見えという事だ。目の前のキッチンからマリちゃんが離れた事にはひとまず安心したが、しかし、マリちゃんがリビングにいる以上、僕はこの空間から脱出する事は不可能だった。

ところで、ここはドコなんだ?
僕は身を潜めている暗闇の空間を見回しながら、その空間に漂っている猛烈な洗剤の香りに鼻をクンクンとさせた。
ほんの少しだけ開いている隙間から、僕が潜む暗闇の中へ、まるで光線のようにキッチンの光が洩れていた。
その光線に照らされていたのは、ロボコンのような形をした最新式の丸い洗濯機だった。


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リビングでやたらめったらテレビのリモコンを押しまくってはチャンネルを変えているマリちゃんを、ほんの少しだけ開いている隙間からもう一度確認した僕は、当分はマリちゃんに動きはないだろうと安心し、身を潜めていた脱衣場の奥へと足を忍ばせた。

バスルームに続いている脱衣場には、大理石張りの大きなヨーロピアン調の洗面所が堂々と置かれていた。その冷たく輝く大理石の洗面所の隅にさりげなく置いてある大きな石鹸には、「CHANEL」と彫り込まれ、同じく大理石の壁にぶら下がっているハンドタオルにはセリーヌのロゴが刺繍されている。
僕のアパートの共同洗面所とは大きな違いだった。僕のアパートの共同洗面所は、カビが生えた木机にボコボコにヘコんだステンレスが張り巡らされ、下の扉を開けると大量のシロアリがウジャウジャしている。石鹸はこの夏に大家さんがお中元にくれた「牛乳石鹸」で、擦り切れたペラッペラのタオルには「山室酒店」と恥ずかしそうに印刷されているのがかろうじて読み取れた。

僕はその豪華な洗面所を眺めながら、この上流階級な人々に激しく嫉妬し、そして激しく羨んだ。
と、同時に、こんな上流階級な人達への好奇心がムラムラと湧いて来た。
セレブ・・・セレブ・・・セレブ・・・・
僕はあの上品なお母さんと、わがままなマリちゃんを頭に思い描きながら心で呟く。

気がつくと僕は、無意識のうちに洗濯機の蓋を静かに開いていたのであった。

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ステンレス色に輝く洗濯機の底には、花柄プリントの下着がパックリと口を開いて転がっていた。
この地味な柄でありながらもどこかエレガントな雰囲気を漂わす上品な下着は、きっと上品なお母さんの下着に間違いないだろう。

僕は迷う事なくそのロボコンのような最新型洗濯機に手を入れ、底でしんなりと身を横たえている上品なお母さんの下着を手にした。
絹のように柔らかいその生地はひんやりと冷たく、随分前からここに放置されていた事実を物語っていた。
下着全体を掌に包み込み、まるでシンナー遊びをするかのように掌の中の下着を鼻と口に押し付けてはスーッ・・・と息を吸った。
上品なお母さんの下着からはこの洗面所と同じ高級な石鹸の香りがした。

しかし・・・と、僕はいやらしく笑う。
たとえ表面は高級な石鹸で誤魔化そうとも、しかし内面まではさすがのセレブも誤魔化せないだろう・・・そう、セレブでも貧乏でもアソコの匂いはみんな同じなんだ・・・・

僕は不敵に笑いながら、まるで恥ずかしがる上品なお母さんの股を無理矢理押し開くかのような気持ちで、下着を被虐的に広げた。

真っ白なクロッチに黄色い縦シミが殴り書きされていた。
(それ見ろ・・・)と僕は心の中で上品なお母さんを侮辱しながら、クロッチに顔を近づける。
(奥さん・・・そんな上品なナリしてるくせに、随分と下着を汚しているじゃないか・・・)
僕は薄明かりにクロッチを照らしながら、黄色いシミを見つめては下品に囁く。
とたんに上品なお母さんのあの白ネギのように細くて白い足が僕の脳裏に浮かんで来た。
僕は想像の中でその白くて細くて長い足を強引に開き、パックリと開いた上品なお母さんの性器にまるで犬のようにクンクンと鼻を近づける。
そんな想像をしながらクロッチに染み込む上品なお母さんのシミを静かに嗅いだ。
ツーンとしたアンモニアの香りが僕の鼻に広がる。この匂いはズバリ「おしっこ」の匂いだった。

僕は以前、キャバクラでアルバイトをしていた事があるのだが、閉店後、店の後片付けを一人でしていた僕は、こっそりキャバ嬢達の更衣室に忍び込んでいた。
だらしないキャバ嬢達はロッカーの鍵は掛けない。ロッカーの中はまるで独身男の押し入れの中のように衣類が押し込められており、酷いヤツになると使用済みの下着をそのままポンと放っていくヤツもいた。
僕はそんなだらしないキャバ嬢達のだらしないパンティーのニオイを嗅ぎながらだらしなくセンズリをした。
その店のキャバ嬢達はヤリマンが多く、ヤリマンキャバ嬢のパンティーのシミは言葉に言い表せないくらいの汚れようで、不思議な事にそのニオイは、全員が統一して「さきいか」のニオイがした。

そんな事から、僕は少しばかり「女性の下着の匂い」に関しては詳しいのだが、しかし、この上品なお母さんのシミからは、あの下品な「さきいか」の香りは検出されず、ただひたすらに「おしっこ」のニオイが漂っているだけだった。

僕はとたんにその「おしっこ」のニオイが高級なニオイに感じられて来た。
おしっこのニオイとは、つまり「小便の残り汁」である。
上品なお母さんの「おしっこ」を想像する僕は、上品なお母さんと「おしっこ」というそのギャップにムラムラと激しく興奮した。

僕はジーンズの中から破裂しそうなくらいに勃起しているペニスを取り出した。
そして上品なお母さんの「おしっこ」のシミをペロペロと舐め、舌先に強烈な塩分を感じながら、上品なお母さんの高血圧を心配した。

僕の唾液で湿った上品なお母さんのシミ部分にペニスの先を擦り付ける。
そしてペニス全体を下着で包み込みながら、激しく上下に動かした。

とたんに絶頂が沸き上がって来た。僕はペニスをシゴきながら、このまま下着の中に中出ししてしまおうかどうしようか悩む。
しかし、今ここでイッてしまうのは少しもったいない気がした。どうせここまでやったのならもう少し楽しまないと損だという気が芽生えて来たのだ。

僕は上品なお母さんの下着をパサッと洗濯機の中へ落とすと、そのまま洗濯機の中に顔を突っ込んでは中を物色した。

そう、この中にはマリちゃんの下着もあるはずなのだ。
それまで僕の頭の中でリピートされていた「セレブ・・・セレブ・・・」という言葉は消え失せ、今は「女子高生・・・女子高生・・・」という言葉が破裂しそうなくらい溢れかえっていた。

洗濯機の中に、マリちゃんの下着らしき柄や生地は見当たらなかった。その代わりといってはなんだが、お父さんの下着らしき物を発見したので、とりあえずセレブなお父さんの下着も見ておこうかとそれを取り出した。
しかしその下着はセレブとは程遠く、白いブリーフの隅にウチの親父と同じ「グンゼ」のマークが付いていた。
しかもその白ブリーフの股間部分には薄っらと黄色いシミが付いていた。想像力が豊かな僕は、そんなシミ付き親父ブリーフを見つめながら、(きっと上品なお母さんがお父さんの股間を弄った時にできた、我慢汁のシミだろう・・・)などと勝手に思い込み、更に、その部分を上品なお母さんが白魚のような細い指で弄っていたのだろうと想像すると、いてもたってもいられなくなった僕はおもわずそのシミ部分を顔に押し付けた。
とたんにプ~ンと香ばしい香りが僕の鼻を襲った。
そう、その香ばしい香りはまさしくウンチのニオイだ。
慌ててブリーフを広げ直してみる。すると、僕が嗅いでいた場所は、股間ではなくその反対の尻の方ではないか!
頭に来た僕は「なにがセレブだこのウンコちびり親父め!」と心で叫びながら、セレブなお父さんのブリーフを洗濯機の中へ投げ捨てた。

と、その時、ドアの向こうから「えぇ~!誰がそんな事言ってたのよぉ~!もしかしてB組の松尾?」という、なにやら楽しげな声が聞こえて来た。

足を忍ばせ息を殺し、ソッとドアの細い隙間を覗き込む僕。

煌々とライティングされた豪華なリビングのソファーに制服姿のマリちゃんが座っていた。
マリちゃんは携帯電話を耳に当てながら、テレビのリモコンを押しまくり、チャンネルを変えまくっていた。

「でもさぁ、松尾ってドーテーだって噂じゃない」
マリちゃんは携帯にそう声を潜めると、とたんにケラケラと笑いながらソファーの上で楽しそうに足をバタバタさせた。

その時、バタバタと足を揺らすマリちゃんの足の付け根に、僕は白く輝く聖地を目撃した。
ギョッとした僕がドアの隙間から更に目を凝らしていると、マリちゃんは「でも、でも、松尾のお兄ちゃんってカッコいいよね、飼ってる犬はブサイクだけど」などとケラケラ笑いながらソファーの上で体育座りとなり、その制服のミニスカートの中をおもいきり僕に向かって開帳したのだった。


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この屋敷に忍び込んでかれこれ30分が経とうとしていた。
いつの間にか消え失せた食欲は今は性欲へと変わり、我慢汁で指を濡らす僕はリビングのマリちゃんの股間に釘付けになっていた。

僕の目の前でパンツを曝け出してはケラケラと笑っているマリちゃんは、いつもアパートの上から盗み見している時のマリちゃんよりもずっとずっと可愛かった。
僕がいつも盗み見しているマリちゃんは、いつも何かに怒っていた。それが少女の反抗期というものなのかどうかは知らないが、しかしマリちゃんのお母さんに対するその態度は尋常ではなく、まるでお母さんを敵でもあるかのようにいつもお母さんに敵対心を剥き出しにしていたのだ。
僕は、ケラケラと明るく笑うマリちゃんを見つめながら、あのいつもマリちゃんには苦心させられている上品なお母さんが急に可哀想になって来た。

(そんなマリちゃんには少々手荒なお仕置きが必要だな・・・・)
そう思った僕は、得意の空想の中で目の前のマリちゃんを屈辱してやる事に決めた。

いや、本当にレイプしようと思えばこの状況なら出来ない事はない。
大理石の壁に掛けてあるセリーヌのハンドタオルで顔を隠してここを飛び出し、そしてキッチンの上に転がったままの包丁を手にしては「殺すぞヤらせろ!」と凄めば、あんなガキん子のマリちゃんなんてすぐに泣き出し素直にパンツを脱ぐだろう。
しかし、僕にはレイプは無理だ。そもそも僕は小心者であり、今、こんな風に他人の家へ忍び込んでいる事すら不思議なくらいなのだ。まあ、これはあまりの空腹に耐えかねての犯行だったから無我夢中で忍び込んでしまったのであるが、しかし普通ならば僕にはこんな大胆な事はできない。僕はコンビニの「うまい棒」を1本万引きすることすらできない小心者なのだ。
だから今回はレイプはしない。いや、できない。

幸い、僕には想像という凄い武器がある。想像ならば誰にも迷惑は掛けないし法律に引っ掛かる事もない。
まして無料だし、それに想像は好きな事がやりたい放題なのだ。
だから今回は僕の想像だけでこの小説を進めて行きたいと思っている。
だからと言って諸君、早まるな。早まって『ナオミの世界びっくりグチュグチュオナニー日記』などという下品なブログに飛ぶんぢゃない!
・・・心配は無用だ、僕のこの狂った想像力を信じてくれ。
この小説を、きっと諸君が気に入るようなド変態な小説に仕上げてみせる。
だから僕を捨てないでくれ。僕を見捨てて『みっちょんの!アナルからお花が咲いたよあらクッサイ!』などという馬鹿げたスカトロ小説ブログへと飛ぶのはやめてくれ!頼む!騙されたと思って最後まで読んでくれ!そして最後に拍手のボタンをポチッと押してくれ!なっ!頼むよオサムちゃん!・・・・


・・・本題に戻ろう。


脱衣場のドアの隙間からリビングのマリちゃんを覗いていた僕は、マリちゃんの股間にぴったりと張り付いた白いパンティーに目を凝らしながらペニスをシゴいていた。
そんな僕はもうすぐにでもイケる状態だった。生の女子高生のパンチラという今世紀最大のズリネタにありついた僕は、マリちゃんがいつ足を閉じてしまうかと脅えながらも「イキ場」、つまり射精の瞬間を模索していた。

そんな僕は、ふと「どこに精液を飛ばそう?」と考えた。
このまま射精してしまえば、僕の精液は脱衣場のドアに激しくその身を散らすであろう。
しかしそうなると掃除が大変だ。いや、そのまま精子をぶっかけたままシカトして逃げちゃう手もあるが、しかしここでバレてしまっては、今後この家庭が厳重な警備になることは火を見るよりも明らかだ。
そうなればもう二度と潜入する事は不可能となってしまうのだ。
まして、この家庭は裕福だ。金に糸目をつけず、ドアに飛び散った精液をDNA鑑定する可能性もなきにしもあらずだ。こんな事でDNA鑑定などされ、お縄を頂戴するなんてあまりにも馬鹿げている。

僕は薄暗い脱衣場の中で、精液の受け皿を探した。
恐らくどこかの引き出しを開ければティッシュの箱があるのだろうが、しかし、今ここで引き出しの音を立てるのは危険すぎる。
だからここは、ティッシュという既成概念を取払い、それ以外の物を精液の受け皿にする事を考えよう。

そんな事を考えながら脱衣場をキョロキョロしていると、洗濯機の横の棚の下に「白いカゴ」が押し込められているのを発見した。
そう、それは紛れもなく「脱衣カゴ」と呼ばれる、下着フェチの変態共の間では「びっくりカゴ」と崇められている尊いカゴだった。

静かに大きく深呼吸した僕は、ドキドキと胸を激しく鳴らす鼓動を感じながら、ススっとそのカゴを棚から引き抜いた。

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まさしく「びっくりカゴ」だった。
それはまるで土佐藩出身の漂流民・ジョン万次郎が、ゴールドラッシュ期のカリフォルニアで初めて金塊を掘り当てた時のように、僕は驚きと感激に包まれた。

それは紛れもなくマリちゃんの下着だと思われた。いや、その大きさ、その黒ラメ入りのデザイン、そしてそのセクシーなスタイル、これはどう見ても、ギャル系女子高生のパンティー以外のなにものでもないのである。

僕は素早くカゴの中からマリちゃんのパンティーを取り出すと、すかさずソレを顔面に押し当てた。
マリちゃんのパンティーは全体が香水の香りに包まれていた。その香水の中にマリちゃんの体臭ともとれる汗のニオイが微かに交じっている。この汗のニオイはプロでなければ嗅ぎ分けれないほどの微臭だった。

僕はマリちゃんのパンティーを手にしたまま、再びドアの前で腰を下ろした。そして慎重にドアの隙間を覗き込む。

「んでね、その後、井上先輩に廊下であった時にさぁ、マリは援交やらないの?なんて遠回しに誘われてさぁ、逃げるの大変だったのよ」

リビングのマリちゃんは、今、自分の使用済み下着が他人に弄ばれようとしている事など何も知らず、呑気に援交の話しなどしている。そして相変わらずテレビのリモコンをカチカチと押しまくっては飽きもせずチャンネルを変えまくっていた。

ただ、残念な事に、ソファーの上のマリちゃんはもう体育座りではなく、ソファーの上に寝転がってはだらしなくも右足をソファーの背凭れに乗せている。それはまるで堕落したチンパンジーのような姿勢だった。

しかしその背凭れに引っ掛けられた右足の隙間から、かろうじて白いパンティーは見る事ができた。
僕はマリちゃんのミニスカートの中と握りしめたパンティーを交互に眺めながら、ゆっくりとペニスをシゴいた。

マリちゃんの下着のクロッチには、白くカピカピとしたカスが付着していた。クロッチが黒い分だけそのカピカピはよく目立つ。
(母は黄色で娘は白か・・・・)
僕は心でそう呟きながらも、あえて「父は茶色」とは言わなかった。

僕はそのカピカピのシミを鼻の頭まで持って来ると、ソファーの上のマリちゃんを見つめながら、スッとニオイを嗅いだ。
とたんにキーン!という衝撃が脳に走る。かなり強烈なそのニオイは、過去にキャバ嬢のロッカーで嗅いでいた時と同じ「さきいか」のニオイだった。

(ふん・・・そんな可愛らしい顔をしていながら、おまえはヤリマンだったのか・・・・)
僕はその強烈なニオイを嗅ぎながら、マリちゃんの大きな瞳をジッと見つめた。



ここで断っておくが、「さきいか」のニオイが即ち「ヤリマン」だとは僕は断定してはいない。
これはあくまでも、マリちゃんがヤリマンであって欲しいという僕の性的願望から捏造した感情に過ぎないのであって、事実とは異なる、つまりフィクションだ。
だから、諸君の妻や彼女のアソコのニオイが「さきいか」のニオイだったとしても慌てる事はない、それはヤリマンなのではなく、要するに「不潔」なのだ。
念の為、アソコが「さきいか」の香りがする女性の方、若しくはその彼氏や旦那からクレームが来た時の為に、ここにそう記しておく。



僕は迷う事なくマリちゃんの白いシミをペロッと舐めた。
舌先がピリっと痺れ、同時に塩っぱい味覚が口の中に広がった。
これは上品なお母さんの「おしっこ」とは違い、正真正銘のオリモノだった。

とかく女子高生という生き物はむやみに新陳代謝が活発な為にオリモノの生産が盛んである。
いつでもどこでもヤツラはパンツにオリモノをくっ付けては馬鹿ヅラしているのだ。

僕はそんなマリちゃんのオリモノを舌先でチロチロと味わい、その強烈な「さきいか」の香りを口一杯に感じた。そしてソファーの上のマリちゃんをジッと観察しつつペニスをシコシコとシゴきながら、変態大妄想へと突入していったのであった。

(後半へ続く)


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