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(解説)

「たまごかけごはん」の最終章です。
六助というバカな男と直美という悲惨な女。そんな2人の「狂った人生劇場」をどうぞ最後まで見てやって下さい。




       【天誅・天に代わって罰を与えること】


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朝の埼京線は、相変わらず魂の抜け殻のようなサラリーマン達でごった返していた。
ホームに向かう六助は、そんなゾンビのようなサラリーマン達の波に流されながらも、マンションから尾行してきた直美を見失わないようにと必死にサラリーマンの波を泳いでいた。

セーラー服を着た直美を、六助とは別のもう一人の男が必死に尾行している。そう、パイポの糞刑事だ。
刑事はあたかも遅刻しそうな通勤サラリーマンを装いながら、確実に直美の背後に密着していた。
それを人の波に揉まれながら見ていた六助は、まずはホームで1枚、とばかりに、刑事が直美を尾行しているシーンを携帯カメラで盗撮した。

その携帯は、刑事が直美の部屋に忘れて行った、例の携帯である。
六助はこの携帯カメラで刑事の悪事を一部始終盗撮し、それを全国にバラ捲いてやろうと企んでいた。
その写真は、共産党、警視庁、テレビ局、新聞・マスコミ各社にバラ捲こうと計画していたが、しかし国家の圧力で揉み消される恐れもある為、ネットでもそれをバラ捲くつもりだ。あと、市民団体にもその画像を送ろうと考えている。女性人権擁護団体や痴漢被害者の会、あと、最近では「警察を取り締まる市民団体」なんていう愉快な団体もあるらしく、そこにこの画像を送ったらヤツラはさぞかし喜ぶ事だろう。六助はそれらの手によってこれが公になった時の刑事の慌てる顔を想像しながら「天誅だよ天誅・・・」と薄気味悪い笑顔を作りながら直美の尾行を続けていたのだった。

直美と刑事は、あくまでも他人を装いながら2人して6号車に乗り込んだ。
必死にサラリーマン達の波を掻き分けながらも、六助はなんとか刑事を撮影できるポジションを確保する事に成功した。

6号車の乗客はほぼ100%と言っていい程、男ばかりだった。
そんな薄汚い親父達の中に、ミニスカートで紛れ込む直美。
それはあたかも痴漢して下さいと言っているようでもあり、まさか、痴漢プロ集団の中島グループがまんまとこの囮捜査に引っ掛かるとは到底思えなかった。

そう思う六助は、親父達にギュウギュウ詰めにされながらも刑事が動き出すのを待っていた。
そう、痴漢というのは、誰かが先に手を出さない事には始まらないのである。つまり、「赤信号皆で渡れば怖くない」の心理だ。痴漢は、誰かが先に直美の尻を触り始める事により、それに対して直美が抵抗しなければ皆が一斉に手を伸ばすという集団心理が働く。その為、お祭りを開始するには、一番最初に尻を撫でるヤツ、いわゆる特攻隊が必要なのだ。

その特攻隊をやるのがこの糞刑事だと六助は睨んでいた。
囮捜査などとは何も知らない直美を、あたかも電車の中で「痴漢ごっこ」するフリをして満員電車へ誘い出し、それを車内に潜む痴漢達に見せつけては挑発する。それを見て興奮した痴漢がついついお祭りに釣られて直美の尻に手を伸ばそうモノなら、待ってましたとばかりに別の刑事が痴漢の腕を掴み現行犯逮捕。
点数稼ぎしか頭に無いケチな刑事がよくやるパターンだ。

しかしこれはもちろん違法捜査だ。日本での囮捜査は、覚醒剤等の一部を除き、基本的には違法とされている。
まして、この場合、罪もない女が「餌」に使われている。しかもそれは、刑事の「そそのかし」によって餌にされているのだ。

(これが公になれば、ヤツの刑事生命は終わりだな・・・)

六助はいつでもシャッターが押せるようにと身構えながら、電車の揺れにその身を任せていたのであった。


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薄汚い親父達に押し潰されていた直美は、かろうじて吊り革に指をひっかけるのがやっとの状態だった。

直美の目の前に立っている刑事は、そんな直美に知らん顔して天井の中吊り広告を見つめていた。

(どうして触ってくれないの?・・・)
直美は、そんな刑事の目を不思議そうに覗き込んだ。
電車の中では絶対に話し掛けないでくれ、と、刑事から厳しく言われていた直美は、声は掛けないものの視線でその意思表示をする。
しかし、そんな直美の合図を無視するかのように、刑事は知らん顔をしたままひたすら中吊り広告を見つめていたのだった。

そんな直美の背後では、先程から何か様子のおかしい中年男性がモゾモゾと動いていた。
その中年男性は電車が揺れる度に大袈裟に体を直美に押し付けて来る。そしてその際に直美の髪や首筋などで、犬のようにクンクンと鼻の音を鳴らしては匂いを嗅ぐのだ。

刑事は犬歯でパイポをカリリリリッ・・・と齧りながら、直美の真後ろにいる犬男をチラチラと見つめ、その見覚えのある犬男の顔に、最強痴漢集団・中島グループのメンバーである事を認識した。
そんな犬男が直美の体に触れるのは時間の問題だった。このままいけば、我慢できなくなった犬男が直美のミニスカートの尻を撫でるのは火を見るより明らかであった。
しかし、刑事は、こんな下っ端の痴漢一人を検挙しようとは鼻っから考えていなかった。
刑事が狙っているのは、直美の斜め後で白々しく週刊大衆を読んでいる白いハンチング帽を被った男、そう、痴漢の帝王と呼ばれる中島太郎ただ1人なのである。

中島を確認した刑事は、彼を誘導するべく、いよいよ囮捜査に乗り出した。
電車の揺れに身を任せながら、刑事は直美のミニスカートの太ももにソッと手の甲を触れさせた。
このピチピチとした白い太ももは、痴漢達を狂わせるには十分の「餌」だと、刑事は直美の肌を手の甲に感じながら確信した。

刑事の手の甲が、ジワリジワリと股間に向かって上がって来た。その感触を、ゴクリと唾を飲みながら感じていた直美は、既にアソコをヌルヌルに潤わせていた。刑事の手が直美の太ももの上でゆっくりと反転すると、その細い指は制服のミニスカートの中へ、まるで獲物を狙う蛇のようにゆっくりと忍び込んで来た。

六助はそんな刑事の指の動きを見逃さなかった。携帯をスボンのポケットの位置で固定すると、直美の下半身に向けてシャッターを切った。携帯のシャッター音は鈍い音を立てた。昨夜、コンビニで万引きしたアロンアルファーで携帯のスピーカー部分を完全に埋めてしまったはずなのに、しかしそのシャッター音はホッチキスを押した時のような音を立てた。だが、その音は完全に電車の音に掻き消されている。シャッター音に誰も気付いていない事を確認した六助は、ここぞとばかりにシャッターを押しまくり、直美のスカートの中に手を入れる刑事の姿を連射したのであった。


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パンティーの上からクリトリスを弄られていた直美は、ワレメから溢れ出した汁がクロッチに溜り、それが布を滲み出しては今にも太ももにツツーっと垂れるのではないかとヒヤヒヤしていた。
しかし、刑事の指はそんな直美に容赦しなかった。愛液が溜るクロッチを素早くズラし、そのドロドロに濡れているオマンコのヒダをピチャピチャと弄り始めたのだ。
直美はハァハァと熱い息を吐きながら刑事の胸に顔を押し付けた。そして刑事にしか聞こえないくらいの小さな声で「指・・・入れて・・・」と呟く。

刑事は、そんな直美を知らんフリしながら、中吊り広告をジッと眺めては中島太郎の動きに注意していた。中島太郎は、週刊大衆を読むフリをしながらも、刑事が直美のスカートの中に手を入れているのをコッソリ見ていた。しかし、そう簡単には中島太郎は釣られてくれない。そのうち、直美の背後にピッタリと密着していた犬男が釣られて来た。

犬男は直美の髪に鼻を押し付けながら、直美のミニスカートの中に手を入れた。直美の尻をパンティーの上から執拗にスリスリと撫でると、直美の耳元に「いい尻してますね」と囁いた。その声に挑発されたのか、隣にいた男もこっそり手を伸ばして来た。その男は見間違えるくらい長嶋茂雄によく似ている。刑事は、その青髭をポツポツと生やした長嶋茂雄似の痴漢を横目で見ながら、彼が、中島グループのナンバーツーである、通称「サード」だと認識した。

犬男が直美の耳元に卑猥な言葉を囁き掛けていると、その隙にサードが直美のパンティーを引っぱる。そして、持っていた眉毛カット用の小さなハサミで直美のパンティーのサイド部分をチョキンっと切ると、電光石火の早業で股間からパンティーを引き抜き、直美をノーパンにしてしまった。

プロの腕前を見せたサードは、引き抜いたパンティーを素早くポケットに入れると、直美の体には指ひとつ触れないまま、人混みの中へとその身を潜らせた。サードは女の体には興味がない。サードの役目はターゲットをノーパンにする事が目的であり、その報酬としてその引き抜いたパンティーを手に入れる事だった。
そんなサードと入れ替わるようにしていよいよボスである中島太郎が直美の背後に迫って来た。

これが、ヤツラ中島グループの手口だった。最初に犬男が特攻を仕掛け、イケると判断したら、次にサードが相手をノーパンにする。準備が全て整ったところでグループのボスである中島太郎のお出ましというわけだ。
他の痴漢達は中島太郎が楽しんでいる間は絶対に手を出して来ない。中島太郎は巧みな指技と巨大ペニスで何度も何度も相手をイカせると、そのヘロヘロになった無抵抗な獲物を弟子達に与えてやるのだ。相手は既に中島太郎の指技でメロメロになっているため、まず抵抗して来る事は無かった。中島太郎は、相手を完全に「まな板の上の鯉」にしてしまってから弟子達に与えているのだ。だから痴漢初心者の弟子達でも安心してゆっくりと痴漢を楽しむ事ができたのだった。
そんな中島グループのその連係プレイは、まるで野生のライオンが獲物を狙う手口そのものであった。

いよいよボスが登場して来た事で、刑事は緊張を隠す為かやたらとパイポをカリカリと齧った。
そんな刑事の胸に顔を埋めていた直美は、いきなりノーパンにされた事で恐怖と興奮が入り乱れていた。
すかさず中島太郎の手が、濡れたワレメを剥き出しにした直美のスカートの中へと忍び込んで来た。
ついに中島太郎は動いた。
しかし刑事はまだ動かない。
中島太郎という痴漢は、狙った獲物は必ず本番をヤルと言われている。そしてどんな女でも瞬く間に潮を噴かせてしまうという伝説まで持っている男だ。それを知っていた刑事は、中島太郎が直美のオマンコにペニスを入れた瞬間を狙っているのだ。ペニスを、たとえカリ首の先を少し入れただけでも、それはもう立派な強姦罪だ。痴漢と強姦とでは罪の重さが全く違い、車内強姦を摘発できたとなればこの刑事の点数は、欽ちゃんの仮装大賞の如くブンブンブンブンと上がるのである。

入れろ・・・早くブスッと入れちまえ・・・・

刑事はパイポを鳴らしながら、中島太郎が動くその瞬間を静かに待ちわびていたのだった。


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しかし中島太郎はなかなか動かなかった。
直美に魅力が無いのか、それとも警戒しているのか。
刑事は、ただ直美の性器を弄ってばかりいる中島太郎にイライラしながらも、ひたすらその時を待っていた。

しかし、そうもゆっくりはしていられなかった。いつ、中島太郎が電車を降りてしまうかわからないのである。
ここでせっかくの大物を逃がしてなるものかと、刑事は中島太郎を挑発してやる事にした。

刑事はわざと中島太郎に見えるようにして、直美の胸を堂々と弄った。
直美は刑事の胸に顔を押し付けながらクンクンと子犬のような声をあげている。
堂々と直美の制服を捲り上げ、おもむろにブラジャーを露出されると、背後にいた犬男がふへへへへと嬉しそうに笑いながら直美を羽交い締めにした。

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胸を曝け出された直美の体にどこからともなく無数の手が伸びて来る。
それは恐らく、中島グループとは関係のないフリーの痴漢達の手に違いなかった。
しかし、刑事はまだ刑事の本性を出さない。狙いは中島太郎の本番行為1本であり、検挙しても点数の低いチンピラ痴漢など相手にしている暇はないのだ。

しかしそれでもなかなか中島太郎は動こうとはしなかった。直美のオマンコを弄った指の匂いをクンクンと嗅ぎながら、ニヤニヤと他の痴漢達のプレイを眺めているだけなのだ。

(くっそう・・・余裕見せやがって・・・)
刑事はメラメラと燃え上がった。
火が付いた刑事は、余裕をかましている中島太郎をギャフンと言わせてやろうと、他の痴漢達が見ている前で、いきなりズボンのチャックを下ろすと巨大なペニスを剥き出しにした。
(どうだ中島太郎・・・おまえがヤらないなら俺がヤってしまうぜ・・・)
刑事は剥き出しの勃起ペニスを中島太郎に見せつけながら挑発する。
そして、直美のミニスカートを捲り上げると、下腹部にクッキリと浮かび上がる縦割れの線に沿って、亀頭をスリスリと擦り付けたのであった。

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ハァハァハァ・・・と荒い息を吐きながら、縦割れのワレメにスリスリと擦り付けられる亀頭をジッと見下ろす直美。突然、犬男がスルスルとしゃがみ込み、背後から直美の尻肉を両手で開くと、目の前に露出された小さなアナルをペロペロと舐め始めた。それに挑発された別のフリーの痴漢が、自分もやらなければ損だとばかりに直美の肩を抱きしめると、レロレロと舌を伸ばしながら直美にディープキスをした。

それは凄まじい光景だった。必死でシャッターを押す六助は、もう見ているだけでパンツの中はベタベタになっている。

刑事は中島太郎とふと目が合った。
中島太郎は、直美のワレメに亀頭を擦り付けている刑事を見つめながら、小さな声で「グッドジョブ!」と笑った。
その馬鹿にされたような仕草に、とたんに刑事の頭にカーッと血がのぼる。

刑事は、別の痴漢とディープキスしている直美の頭を押さえ込むと、そのまま直美をしゃがませた。
そして直美の唇にペニスの先をグチュッと強引に押し付けた。
いきなり目の前にしゃがみこんだ直美に、既にそこにしゃがんでいた犬男は嬉しさのあまりうひひひひひっと大きな笑い声をあげた。そしてノーパンでしゃがんだままの直美の股間に手を入れ、パックリと押し広げられたオマンコにヌプヌプと指を差し込んだ。
おもわず「あぁぁ!」っと小さく叫んだ直美の口に、刑事は強引にペニスを押し込む。
直美はしゃがんだ股間を犬男に弄られながら刑事のペニスを必死にしゃぶった。そしてこのままここで全員に犯されてもイイとさえ思った。

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(ふふふふ・・・自尊心が傷つけられてんじゃねぇのか中島太郎よ・・・・悔しいか、主役を盗られて悔しいか・・・ならば犯せ、この変態女を今すぐココで犯しまくるんだ!さぁ、さぁ、どうした痴漢の帝王さんよ!)

刑事はそう心で叫びながら挑発的な視線を中島太郎に向ける。

そんな中島太郎は、しゃがんでいる犬男を靴の爪先でツンツンと蹴った。
そしてヒョイっとアゴをしゃくると、「代われ」という合図を送った。

いよいよだ・・・いよいよ痴漢の帝王が動くぞ・・・・
刑事はゴクリと唾を飲み、そして直美をゆっくりと立たせた。
いつの間にか直美の背後には中島太郎がピッタリと張り付いていた。
中島太郎はズボンから石焼きイモのようにゴツゴツとしたペニスを剥き出しにすると、一瞬、挑戦的な目を刑事に向けて来た。
刑事と中島太郎が直美を挟んで睨み合う。

「・・・俺は埼京線の中島太郎というモンだ。あんたなかなかいい度胸してるじゃねぇか・・・どうだい、俺達のグループに入らねぇか?」

中島太郎は刑事にそう呟きながら、いきり立った石焼きイモを直美の尻肉の谷間にグッと押し込んだ。

(今だ!)と、刑事が思った瞬間、少し離れた場所から「チカンだ!そのおっさんチカンだ!」という声が車内に響いた。

「えっ?」と刑事が振り向くと、そこには、先日、窃盗容疑で逮捕した長岡六助が、自分に指を差しながら大声で叫んでいるではないか。

「こいつだこいつ!このオトコはさっきからそこの姉ちゃんにチカンしてたぞ!俺はちゃんと証拠の写真も撮ってるぞ!みんなこのオトコを捕まえろ!チカンだぞチカン!」

六助は携帯を高く掲げながら、興奮のあまり小便を洩らしながら大声で叫んだ。
そう、もうこれ以上、直美を汚されるのに我慢できなくなった六助は、撮影の事よりも何よりも、あまりの怒りで頭がパニッくってしまい、ついつい大声でそう叫んでしまっていたのだった。

刑事が六助の顔を見ながら「ちっ!」と舌打ちをする。
そしてふと見ると、そこにいたはずの中島太郎は既に姿を眩ましてしまっているではないか。

(この泥棒やろう・・・・)
怒りが爆発した刑事は、目の前の乗客を突き飛ばし、六助の前までズカズカと行くと、中島太郎を取り逃がした腹いせに、叫びまくる六助の襟首を鷲掴みにした。

「わあ!みんな見ろ!チカンが開き直ったぞ!おい!誰か110番に通報しろ!わあ!誰か助けてー!」
ここぞとばかりに大袈裟に叫ぶ六助。
しかし、車内のサラリーマン達は、六助を助けるどころか、逆に六助を鋭い目付きで睨んでいる。
「なんだなんだみんな!どうしたんだ!こいつは社会の敵だぞ!チカンなんだぞ!誰か早く捕まえろよ!」
そう叫ぶ六助の後で、犬男がふふふふふふっと笑った。
「なにが可笑しいんだテメー!」
六助が犬男にそう叫ぶと、犬男は更に大きな声で笑いながらこう言った。

「ここにいるのは全員チカンですがなにか?」

車内にドッと笑いが広がった。

六助はゲラゲラと笑う痴漢集団に囲まれながら「えっ?」と固まる。

刑事が固まる六助の肩にゆっくりと手を回した。そしてパイポをカリカリと鳴らしながら顔を近づけると、「これ、俺の携帯だよな・・・とりあえず、窃盗の現行犯だから、よろしくな」と、脅える六助の目をおもいきりギロリと睨み、六助の手から携帯電話を奪い取った。


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電車は渋谷駅に到着しようとしていた。
刑事に肩を組まれたままの六助は、電車のブレーキの音を聞きながら直美に振り返る。
しかしそこに直美の姿は無かった。

慌てた六助が「おい、オンナがいなくなってるよ、大丈夫のかよ」と刑事に聞く。
刑事はパイポをカリカリと鳴らしながら「知らねぇよ、っんなもん・・・」と大きな溜息を付き、中島太郎という大物を寸での所で取り逃がしてしまった絶望感にガクリと首を項垂れた。

「知らねぇって、テメーがオトリに使ったんだろ、あのコをノーパンのままでこんなトコに1人で置いて行っちゃ危ねぇだろ」
六助の言葉が終わらないうちに、刑事は「っせぇなぁ・・・」と吐き捨て、そして六助の坊主頭を鷲掴みにすると、「泥棒のテメーがそんな事心配しなくたっていいんだよバーカ」と言いながら六助の頭をバチン!と叩いた。

電車の扉が開く。
「ほら、行くぞ・・・」
刑事が六助を電車の外に追いやった。
「でも、オンナはどうすんだよ、このまま放っておくのかよ!」
「っるせぇって言ってんだろコソ泥野郎!テメーは窃盗の現行犯で逮捕されてんだガタガタ言わずに付いて来たらいいんだよ!」
刑事がそう怒鳴りながら六助の背中をドン!と押すと、六助は勢いを付けてホームに倒れた。
それを見ていた制服の警官が慌てて駆け寄って来る。
刑事は、警官達に警察手帳を示すと「こいつ泥棒だ、連行してくれ」と気怠そうに言った。

プルルルルルルルルルっという、けたたましいベルの音と共に電車のドアがプシューっと閉まった。
「オンナはどうすんだよ!」
そう叫びながら立ち上がる六助に、警官が飛び掛かる。
六助の前を通り過ぎて行く電車の中に、ひとりだけポツンとセーラー服を来ている直美の姿が見えた。
直美は4人の男達に四方を囲まれながら苦しそうに天井を見上げていた。
「チカンだよ!チカン!ほら、あれ見ろよ!」
六助が警官の一人にそう叫ぶが、警官達は「わかった、わかったから」と六助の体を引きずった。

パイポをカリカリと鳴らす刑事は、直美を乗せた電車が走り去って行くのを見つめながら、「バイバーイ」と戯けながら呟き、「ふっ」と鼻で笑った。
そして隣に立っていたもう一人の刑事にすかさず振り向くと「しかし残念だったよな、もう少しの所で中島の野郎を確保できたのになぁ」と笑った。

その瞬間、六助がキレた。
「ぶっ殺す!」
六助はそう叫ぶと、警官の腕を振り払いながら刑事の背中に突進し、おもいきりジャンプすると刑事の背中目掛けて飛び蹴りを喰らわせた。

「うわっ!」
背中を突き飛ばされた刑事は、ホームを走り抜ける車両のボディーに体当たりした。勢いを付けた電車は刑事を凄いスピードで跳ね返す。吹っ飛ばされた刑事は駒のようにクルクル回転しながらホームのベンチへ激突した。

ホームが騒然とした。
「部長!」と叫びながら、ベンチの中で砂埃をあげてはひっくり返っている刑事に駆け寄る部下。

いきなり六助の頭にゴッ!という鈍い音が響いた。
振り向くと若い警官が警棒を握りしめたままブルブルと体を震わせている。すると突然六助の頭から生暖かい液体がヌルヌルと溢れ出し、六助の視界を真っ赤に染めた。

「殺人未遂の現行犯だ!逮捕しろー!」
血まみれのパイポ刑事が、六助を指差して叫んでいた。パイポ刑事の片目は潰れ、その飛び出した目玉を部下がワナワナと震えながら手で掬い取っている。

うおーっ!っと叫びながら警官が警棒を振りかざして来た。「わあ!」っと六助が顔を覆うと、警棒は頭を掠め、右の耳を激しく打ち付けた。キーンと耳鳴りがし、一瞬にして右耳が聞こえなくなった。

六助は耳を抑えながら、わー!わー!と叫び、無我夢中で腰に挿していた刺身包丁を抜き出した。
鋭く光る刺身包丁が剥き出しにされると「こらぁー!」っと一斉に警官達が大声を出した。ホームに居た者達が蜘蛛の子を散らすかのように逃げまとう。

六助は、無我夢中で刺身包丁を出してしまったものの、この後、どうしたらいいのかわからなくなった。
悲鳴をあげて逃げまとう者達を見つめながら、「ヤベェよ・・・」と呟いた。
ふと見ると、六助の目の前にいた若い警官は六助に拳銃を向けていた。若い警官の両腕がワナワナと震えているのが妙に怖い。

「あのよぅ・・・」
六助は冷静になって若い警官に話し掛けた。
「・・・撃つぞ・・・動いたら撃つからな・・・・」
若い警官は六助の頭に銃口を向けながら声を震わせる。

「撃てぇ!ぶっ殺せ!」
飛び出した目ん玉を、ポッカリと穴の空いた目の中に必死に押し込もうとしているパイポ刑事が叫ぶ。
「撃つなよ!テメー撃ったらぶっ殺すぞ!」
六助は拳銃を構える警官に包丁を突き付けながら叫ぶ。

遠くの方から物凄い数のパトカーのサイレンが聞こえて来た。六助は、包丁をかまえたまま、顔面にダラダラと垂れ落ちる血をペロリと舐めながら、今頃、直美はどうなっているだろう、と、ふと泣きそうになった。


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「主文。被告人を懲役6年に処す」

落語家のような顔をした裁判官が、高い所からボソリとそう呟いた。

(6年か・・・未決入れて5年6月ってとこだな・・・)

六助は、落語家のような裁判官が何やらダラダラと朗読しているのを聞きながら、思ったよりも軽い刑に、おもわず「サンキュー」と言いそうになった。

ニヤニヤしながら後を振り向くと、傍聴席に、眼帯をした刑事が悔しそうにパイポをカリカリと鳴らしていた。
パイポ刑事を見つけた六助は、被告人席から傍聴席に向かって「鬼太郎!鬼太郎!」と、目玉親父の真似をした。片目を失ったパイポ刑事は更にパイポをガリガリと齧りながら拳を握る。

落語家のような裁判官は眠たそうに判決理由を長々と朗読していた。
おもわず、もういいから、と言いそうになるのを必死に堪える六助。

「・・・よって、被告人を懲役6年とする」
やっと朗読が終わったようだ。朗読中、10回以上大きなアクビをしていた六助は、やっと終わったその朗読に、まるで映画を観終えた観客のように、あ~あ・・・と大きな背伸びをした。

朗読を終えた裁判官は、そんな六助をジロリと睨むと、「被告人、何か言いたい事は」と、簡易的に呟いた。恐らく、この裁判官も早く帰りたいのだろう。

六助は背伸びをしたままもう一度傍聴席に振り返った。
そしてパイポをギリギリと噛み千切る刑事に向かって叫んだ。

「天誅!」


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1週間。いや2週間ぶりかも知れない。
直美はそう思いながら、少しだけ開けた窓の外に顔を出し、何週間ぶりかの外の空気を吸った。


毒蛇さんと埼京線で痴漢ごっこをした日、マンションに帰って来た直美を見知らぬ男が待ち受けていた。
車から降りて来た男は、部屋に入ろうとする直美を呼び止め、「直美さんですね?」といいながら警察手帳を直美に見せた。
「・・・なんですか?」
顔を引き攣らせた直美が尋ねると、その刑事は、「うん、ちょっとお話を聞きたいから、署まで来てもらえますかね?」と卑屈な笑顔を見せた。
直美は、つい今まで埼京線で中出しされまくっていたばかりだ。何人の男達に中出しされたかわからないが、ノーパンの下半身からは、今だにタラタラと白濁の精液が垂れ流れて来る始末なのだ。だからとりあえずシャワーを浴びたかった。
「着替えて来ても・・・いいですか?」
直美がそう聞くと、その刑事は、直美の極ミニの制服をいやらしそうに見つめながら「どうぞ」と鼻で笑ったのだった。

連れていかれた警察署で、直美は、毒蛇さんが室田和之という刑事さんだった事を知らされた。そしてその室田和之さんが、直美が住むマンションの2階に住んでいる長岡六助という男に殺されそうになったという事を聞かされた。
そして直美と室田刑事の関係をしつこく聞かれた。
肉体関係、金銭関係、出会った場所、電車の中で室田と何をしていたのか、室田には奥さんと2人の子供がいる事を知っていたのか・・・。あれやこれやと矢継ぎ早に質問されるが、しかし、直美は、毒蛇さんが刑事さんだったというとこから、その刑事の質問はもうほとんど聞いてはいなかった。

数日後、再び警察署に呼び出された直美は、太った女の刑事から、いきなり「電車の中で室田刑事を誘惑した事あるよね?」と聞かれた。
「・・・・・・・・・」
黙ったまま下を向いていると、太った女刑事は、「あんた痴女なんでしょ?」と少し笑いながら言った。
「いえ・・・・」と、直美が顔をあげると、太った女刑事はもう笑っていなかった。もの凄く怖い目で直美を睨みつけながら「痴女も痴漢と同じ犯罪だからね」とボソリと呟いた。
瞬間、直美は、もしかしたらこの女刑事さんも毒蛇さんと関係があったのかも・・・と、ふと思った。

警察での取調べは連日行なわれた。
もう完全に答える気力を失った直美は、再びヒキコモリの世界へと舞い戻る。そんな直美の元へ何度も刑事がやって来て「呼出しに応じないなら逮捕状出すよ」と脅した。
それでも直美はもう外に出たくなかった。これ以上、人と会うのは絶対に無理だった。そのまま刑事の呼出しを無視して部屋に閉じ篭っていると、いつの間にか刑事はマンションに来なくなった。

部屋の中に閉じ篭ったままの直美は、もう何も考えたくなかった。母親からは何度も電話が掛かって来たが、電話に出る事無くそのまま電源を切った。
また直美は以前と同じヒキコモリの世界へとどっぷり浸かった。いや、あれだけ好きだったネットもやる気が失せてしまった直美は、もしかしたら以前よりも重症かも知れない。

直美は少しだけ開いた窓に口を挟みながら、スーハースーハー・・・・と何度も深呼吸をした。
外の空気を吸うと頭がスッキリするような気がする。
何度も何度もスーハーしながら、ふと直美は、「本物の毒蛇さんっていったい誰なの?」と、微かな小声で呟いた。
そしてまたスーハースーハーと深呼吸すると、「また、毒蛇さんが助けてくれないかな・・・」と呟く。

「室田刑事は片目が潰れてしまったんだよ!」

女刑事の叫び声がいきなりフラッシュバックした。怖くなった直美は、バタン!と窓を閉めると、そのままベッドに潜り込んだ。

「あんたが電車の中で室田刑事をそそのかしたんだろ?室田刑事はそう言ってるんだよ!」

いくら耳を塞いでも女刑事の叫び声は消えてはくれない。

「室田刑事の奥さん、泣いてたわよ。あんたを殺してやりたいって泣いてたわ」

耳を塞ぎながら、アーアーと声を出すが、それでも女刑事の声は聞こえて来る。

「あんたが室田刑事をそそのかさなけりゃ、片目を失う事もなかったのにね・・・」

もうイヤ!と頭を掻きむしりながら、服を着たまま浴室へ飛び込み、冷水のシャワーを頭にぶっかける。
強烈な冷たさが頭をジンジンと麻痺し、直美の頭の中の嫌な物がゆっくりと消えて行く。
直美は冷たいシャワーを延々と頭に浴びながら、そのまま声を出して泣いたのだった。


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長野刑務所に赤落ちとなった六助は、あまりにも鼾がうるさいという事から、すかさず夜間独居房に移されていた。
しかし、鼾がうるさいというのは嘘である。消灯と同時にガー!ガー!とやらかすアレは六助の演技だった。なぜそんな演技をするのか?それはもちろん夜のセンズリを誰にも邪魔されずにスルためだった。

消灯後、六助はいつものように、小さな蛍光灯がボンヤリと灯る天井を見つめながら、おにぎり煎餅柄の布団に包まっていた。消灯の10分後に見回りが来る事を知っていた六助は、早く見回りが終わってくれないかと、悶々としながら天井を見つめていた。
この刑務所では、センズリは基本的に禁止されていた。センズリをしている所を見つかると、なぜだか「自傷行為」という規律違反を問われ、懲罰になりうる危険性もあった。

薄暗い蛍光灯をジッと見つめていると、カツ・・・コツ・・・・という静かな足音が廊下に響いて来た。
この足音はビリケンだな?
六助は、看守の足音でそれが誰なのか当てる事ができた。
ビリケンの足音がゆっくりと六助の房へ近付いて来る。
(早く行け・・・早く行って・・・)
足音を聞きながら、六助は布団の中で勃起したチンポを弄った。

やっとの事で、ビリケンの足音が遠離って行くと、六助はこっそり布団を抜け出し、洗面所の横に備え付けられている戸棚へ足を忍ばせた。その戸棚には歯ブラシやちり紙などが綺麗に並べられている。その中から小さなタッパを取り出した六助は、5枚に束ねたちり紙を2束を持って再び布団に潜り込んだ。

布団の中で静かにタッパの蓋を開ける。タッパの中には、特別に許可されている「貼り絵」をする為の「糊」が、そのゼラチン状の塊をプルプルと揺らしていた。
いひひひひひ・・・静かに笑いながら糊をネチョッと指で掬うと、それを布団の中でビンビンに勃起するペニスに擦り込んだ。
ヒンヤリと冷たい糊の感触が、パンパンに腫れた亀頭を優しく包み込む。「あぁぁぁ・・・」と悶えながら、ペニス全体に糊を伸ばす。そのまま糊を潤滑油に、クチャ、クチャ、とシゴく。シャバのペペローションとまではいかないが、しかし、それに近い快感を得る事ができた。

六助は、そんなセンズリ時には、いつも直美の事を想い描いた。
「たまごかけごはん」のエロ画像。大沼公園のレイプ。満員電車の痴漢・・・。そんなエロくて楽しかった直美との思い出を思い出しながら、糊の感触に身を捩らせた。

(直美・・・娑婆に出たら必ず迎えに行くからな・・・・)

直美との再会を想像し、ついでに直美のアナルを舐めるのを想像しながら、そこで六助はふと気付く。

(・・・迎えに行くったって・・・・よく考えたら、直美は俺の事知らねぇじゃん・・・・)

六助の手がピタリと止まる。
薄暗い蛍光灯を見つめながら、そう言えば、俺は、直美とは一度も喋った事ないんだ・・・と、思い、なんだか無性に笑えて来た。

「俺・・・いったい何やってんだ?」

クスクスと笑いながらそう呟くと、笑いが止まらなくなって来た。

「俺、口も聞いたコトねぇ女に惚れてたんだ」

クックックックッ・・・・と、更に笑いが込み上げて来た。

「なのに、男の目ん玉潰して懲役まで来ちゃったよ!」

ギャハハハハハハハハハ!と布団の上を笑い転げると、いきなり「コラぁ!」という声が廊下に響いた。

「あひっ!」と慌てて布団に潜り込む。が、しかし、ビリケンの目は節穴ではない。
「おまえ、ちょっとこっちゃ来い・・・」
視察孔と呼ばれる監視穴から目だけギロギロと覗かせるビリケンは、ジッと六助を見つめている。

「はい・・・・」
のっそりと布団から出て来た六助はチンポをブラブラさせたままだった。
「ヘンズリけ?」
ビリケンは六助のチンポを見つめながら聞く。
「はい、ヘンズリです」
六助は懲罰覚悟で項垂れた。

「・・・その、白いのは何け?」
ビリケンは六助のチンポでバリバリに乾いた糊を指差しながら、不思議そうな顔をしている。

「これは・・・・糊です」
「糊?・・・糊って、紙を貼る糊け?」
「・・・はい」
「へぇ~・・・考えたもんだなやぁ~・・・糊ねぇ・・・・」
ビリケンは感心しながらそう頷くと、「まぁええ、早よ寝れ」と静かに視察孔をパタンと閉めた。

(えっ?・・・懲罰ナシ?・・・)
そのまま呆然としていると、再び廊下から「早よ寝れって」というビリケンの声が聞こえた。

六助は廊下のビリケンに深々と御辞儀をすると、おもいっきり笑い出したくなるのを堪えながら布団に潜った。
そしてビリケンの去って行く足音をジッと聞きながら、(あいつ、ぜってぇ糊オナニー、マネするぞ)と想像すると、またしても猛烈な笑いが込み上げて来たのだった。


               46


1年が過ぎ、また春が来た。その頃、ようやく精神が落ち着いて来た直美は、近所ならば軽い散歩が出来るようになっていた。
その日、近所の保育園の周りをブラブラと散歩していると、保育園のグラウンドの隅に小さな男の子が2人と赤い服を着た女の子がいるのが見えた。
直美はフェンス越しに園児達を見つめながら、ポカポカとした春の陽気に心を弾ませていた。

しばらく進むと、グラウンドの隅にいた3人の園児から、「すげぇ!」という声が聞こえた。
(ふふふ・・・なにが凄いの?・・・)と、優しく微笑みながら直美がひょいとフェンスの中を覗き見ると、そこには赤い服を着た女の子がジッとしゃがんでいた。女の子は小さなワレメを曝け出しながらシャーっとおしっこを飛ばし、それを2人の男の子が目を爛々と輝かせながら覗き込んでいた。
直美は、ふとその女の子と目が合った。
女の子は直美の目をジッと見つめたままワレメからおしっこを噴き出し、そして突然「みんなあっちに行ってよー」と言って泣き出した。

1人の男の子がおしっこが噴き出すワレメに指を差した。一直線に噴き出していたおしっこは、角度を変えて男の子の腕に飛び散る。
それを見ていたもう一人の男の子が「きったねー!」と叫びながらグラウンドを走り出した。
腕におしっこが飛び散った男の子は、しばらくおしっこで濡れた腕をみつめていたが、ハッと我に返ると、いきなり「あわーっ・・・」と泣き出したのだった。


部屋に帰ってからも、直美はあの時の園児達を思い出して、1人でクスクスと笑い転げていた。
可笑しくて可笑しくて、それを誰かに伝えたい。
直美は、ふと、パソコンに目をやった。
あの事件があってから、一度もパソコンは開いていない。「たまごかけごはん」はあの時のまま、止まったままだった。

直美はまだクスクスと笑いながらも、その勢いでパソコンのスイッチを押した。ボワーン・・・・という懐かしい起動音が部屋に響き渡る。

久しぶりに握ったマウス。そのカーソルは無意識にブックマークへと走り、そして「たまごかけごはん」を開いていた。

画面から黄色い懐かしい光が溢れ、直美に降り注いで来た。
最初から記事を読み始める。
たった1年前のブログなのに、もう何十年も前の出来事のように懐かしい。
途中から毒蛇が現れた。毒蛇の指令を読んでいると、あの時の整体師や痴漢達の顔が鮮明に浮かびあがり、ふいに胸がキュンとした。
次々にブログを読んで行くと、ついに最後のページ。そう、今から約1年前、室田という刑事と出会った5月7日に辿り着いた。
(確か、あの時、整体から帰って来た私は、毒蛇さんに褒めて欲しくて、5月7日の記事に「ただいま帰りました」と、一言だけ入れたはずだ・・・)
マウスを動かし、5月7日の記事を開くと、そこには「ただいま帰りました」と、淋しそうに一言だけ書き記されていた。

(この時私は、毒蛇さんからのコメントをずっとずっと待っていた。でも毒蛇さんからのコメントはいつまで経っても入って来なかった・・・・そして、その代わりに、室田という刑事が現れた・・・・)

直美はふと思った。もしあの時、毒蛇さんがコメントを入れてくれてたら、私は室田刑事とは・・・・と。

その時、ボンヤリ見つめていた5月7日のコメント欄に、(1)と、表示してあるのが目に飛び込んで来た。
「!・・・・・・・」
直美の胸が激しく鼓動を打った。間違いでしょ?間違いよね?と、何度も何度も心に叫びながら、コメント欄をカチッ!とクリックしたのだった。


               47


ゴメンよ



直美ちゃん、今まで本当にゴメンよ。俺はあんたの事、玩具みたいに考えていたから、今まで変な事ばかりさせてきた本当にゴメンよ。
今、本気であんたの事が好きになってしまったみたいだ。好きになってから謝っても遅いんだけど、でも本当にゴメンよ。
だからもう変な事はさせない。もうさせたくない。だから明日、埼京線の電車に乗るのはやめてくれ。
今、あんたの目の前にいる毒蛇って男、あれはニセモノだ。あいつは痴漢を取り締まる室田という刑事だ。
あいつは毒蛇の名前を騙ってあんたの事を利用しようとしている、あんたに痴漢のオトリ捜査をさせようとしているんだ。
俺もあんたには変な事をさせたけど、でも俺の場合はあんたに興味があったからで、だけどあいつは自分の出世のためにあんたを利用しようとしているケチ臭い野郎なわけで、どっちも良くないんだけど、でもあいつは刑事だからあいつのほうが悪いに決まってる。
いいかよく聞けよ、あんたはあの室田刑事に騙されているんだ。だから明日埼京線に乗るのはやめろ。いいか、これが毒蛇からの最後の指令だ。明日、埼京線には絶対に乗るんじゃねぇぞ。
じゃあな。俺はもう二度とあんたの前には現れないと思うけど、元気でな。お母さんとお父さんを大事にしろよ。お母さんに心配かけるなよ。あと、2階の204号室のボケ老人は馬鹿だから気を付けろよ。
これからもこっそりこのブログ見ると思うからちゃんと更新してくれよな。じゃあな。

2010/05/07 金 18:38:49 | URL | 毒蛇


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このコメントは、六助が直美の部屋に侵入した日、直美の部屋から持ち去った室田刑事の携帯電話から投稿したものだった。

直美はこのコメントを何度も何度も読み直し、そしてその度に何度も何度も声を出して泣いた。
直美は、今まで生きて来て、一度だって他人に「好きだ」と言われた事はなかった。そんな自分に「好きだ」と言ってくれた人。
直美はキーボードにポタポタと涙を垂らしながら、毒蛇さんっていったい誰なの?と、何度もコメントに向かって問い質した。
しかし、1年前のそんなコメントはもう何も答えてくれない。


               48


お返事遅れてごめんなさい



約束を破ってごめんなさい。私、あの日、ブログを見てなくて・・・・
あの時、毒蛇さんのコメントを見ていれば、あんな事件は起きなかったのにと今更ながら悔みます。

私は毒蛇さんの指令のおかげで暗い生活から脱出する事が出来ました。
そして今も、毒蛇さんのこの1年前のコメントを読んで、もう一度やり直そうという気持ちになりました。
毒蛇さんに助けられてばかりです。本当にありがとうございました。

今でも、毒蛇さんは「たまごかけごはん」を見てくれているのかな?
もし、私のこのコメントに気付いてくれたら、一言でいいからお返事下さい。
私はいつまでもいつまでも、この「たまごかけごはん」で毒蛇さんのコメントを待ってます。

2011/05/02 月 20:41:49 | URL | 直美



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マンションのドアを開けた。
爽やかな夜風が直美の頬を通り過ぎて行く。
1年前の毒蛇のコメントを読み、何かがふっきれてスッキリした気分だった。

部屋の外に出て大きく背伸びをすると、誰かがマンションの影にサッと隠れた。

「・・・お母さん?」
その見覚えのあるボストンバッグを抱える影に、直美は優しく声を掛けた。

しばらくして、暗闇の中から戸惑うように母親が現れた。

「・・・お母さん。いつもありがとう・・・私、もう大丈夫だからね・・・」
そう言って母親の手からボストンバッグを受け取ろうとする直美に、1年ぶりに娘の声を聞いた母親は「直美ちゃん・・・」と目を潤ませた。

そのまま、直美は母親を実家まで送る事にした。母親は「もう遅いからいいよ」と言うが、しかし母親はとっても嬉しそうだった。

母親を実家まで送ると、直美はそのまま遠回りをしてマンションへ帰る事にした。
なんだかこのままマンションに帰るのはもったいない気がしたのだ。
シャッターの閉まった駄菓子屋の前で、銭湯帰りの少年達がガチャガチャの箱を揺すっている。少年達の横を通り過ぎると、少年の頭から、エメロンシャンプーの匂いがふんわりと漂って来た。
少年達から見えない所まで来ると、直美は路地に誰もいない事を確認して、こっそりスキップをしてみる。数ヶ月前、夜中に突然目が覚めて、もうスキップができなくなってしまったのではないかという恐怖に襲われた事があった直美は、今こうしてちゃんとスキップできる自分になんだかとっても嬉しくなった。

そのままスッキップしてどんどん進んで行くと、タバコ屋の前にエンジンを掛けたままの車が止まっているのを発見し、慌ててスキップを中止した。
(見られたかしら・・・)
直美はとたんに恥ずかしくなり、そそくさとその車を通り過ぎようとした。
するとタバコ屋の影からいきなり男の人がヌッと現れた。
男は「すまねぇんだけんど・・・」と直美を呼び止める。
男はライターの火をカシカシと擦りながら、申し訳なさそうに頭を掻いている。
「・・・なにか?・・・」
そう言って振り向く直美は、他人と言葉を交わすのは1年ぶりだ。
「あのさ、たばこ買おうと思ってよ、ポッケから財布出したんだけんどよ、そん時、ケータイ落としちゃったらしいんだっぺな・・・悪りぃんだけどよ、あんたのケータイでオラのケータイにデンワしてくんねぇべか?」
男はカシャカシャとライターの火で地面を照らそうとしているが、ライターの金具部分が熱いらしく、その度に「あちち!」と叫んでいた。
「でも・・・私、携帯持ってないんですぅ・・・」
「あんだって?今時ケータイ持ってねぇっぺか?」
そう言って男がライターの火を直美の前にソッと照らす。

ライターの火に照らされ、互いの顔が見えた瞬間、2人はほぼ同時に「あっ!」と叫んだ。

そう、その訛りのあるおじさんは、1年前、大沼公園で出会ったヤクザさんだった。

「おめぇ、あん時のめんこい姉ちゃんでねぇべか!あれから全然遊びに来ねぇっからよ、心配してたんだっぺ」
ヤクザさんは嬉しそうに直美の肩をポンポンと叩いた。

「・・・ところでよ」
ヤクザさんはいきなり声を沈める。
「・・・おめぇ、ホントにケータイ持ってねぇんべか?」
直美はコクンと頷いた。
「そーりゃ困っただなや・・・こんなトコにケータイ落としたまんだだとよ、誰かに踏んづけられっちまうべ」

ヤクザさんがボリホリと頭を掻きながらそう言うと、ふいに自動販売機の隅で、山下清の「裸の大将」の着メロが鳴り出した。

「あっ!おらのケータイだ!」
ヤクザさんは地面を見たまま「どこだどこだ」とウロウロと歩き回ると、自販機の隅でミドリ色のランプが点滅しているケータイを見つけ「あったぁ!」と嬉しそうに叫んだ。
ヤクザさんはケータイに出るなり「今大変だったンだべ!それどころじゃなかったんだべさ!うるせー阿呆!」と叫び、ピッ!と携帯を切ると、「母ちゃんだ」とポツリと呟いた。

それまでジッと黙ったままこの変なヤクザを見ていた直美は、いきなり「ぷっ!」と噴き出した。
「どうした?」
ヤクザさんは突然笑い出した直美を不思議そうに見つめる。

ヤクザさんに見つめられたまま、腹の底からおもいっきり大笑いした直美は、それでもゲラゲラ笑いながら、ヤクザさんに向かって言った。
「今、お忙しいですか?」
ヤクザさんは、不思議そうな顔をしたまま「いんや、ケータイめっかったからもう忙しくねぇっぺ」と首を振る。
「もし、よろしかったら、どこか遊びに連れてってくれませんか」
ヤクザさんは直美のその言葉に目をクリクリとさせた。
「・・・ダメですか?」
ヤクザさんはブルブルっと頬を震わせながら顔を振ると、「よし、オメコでもすっぺか?」と直美の顔を見つめて愛くるしい笑顔を見せた。
直美が「うん!」と笑うと、ヤクザさんは嬉しそうに直美の背中を押しながら「早よ乗れ、ホテルまでぶっ飛ばしてやっから、早よ乗れ」と直美を助手席に乗せる。

慌てて運転席に飛び乗ったヤクザさんは、助手席でクスッと笑っている直美に、「ちょっとでいいからよ、ここでちょっとだけ舐めさせてくれねぇが?」と、直美に両手を合わせて拝んだ。
「えっ?ここで?」
「んだ、あんためんこいから、もうホテルまで我慢できねぇっぺよ、な?頼む、この通りだ」

そう言いながらヤクザさんは、助手席に座る直美のジャージのズボンとパンティーをスルスルっと同時に下ろすと、「恥ずかしいよぅ・・・」と呟きながら下半身に手をやる直美の手をどかせ、真っ白な肌の中にチロチロっと陰毛が顔出す股間にムフムフっ!と顔を押し付けた。

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「あぁぁん・・・」と笑いながら直美は、自ら股を開いた。
ヤクザさんは更に激しくムフムフっ!と言うと、パックリと開いた直美の股間に真っ赤な舌をニョロッと伸ばした。

助手席のシートに背中を凭れさせる直美の前を対向車のライトが向かって来た。
直美は車内に響くピチャッ、ピチャッ、っという音を聞きながら、ふと、(毒蛇さんって・・・いったい誰だったんだろう・・・)と思い浮かび、通り過ぎて行く対向車のライトを見つめていた。

ヤクザさんが膣のビラビラを下品に舐めながら「濡れてきたっぺ・・・濡れてきたっぺよ」と呟いた。
その声に、直美の胸の奥で眠っていた欲望が、急に火が付いたようにムラムラと沸き上がって来た。
興奮する直美は、ヤクザさんが舐めやすいようにと片足を助手席の窓まで高く持ち上げた。
ヤクザさんの舌が膣の中へと侵入して来た。
その舌は、今まで見知らぬ男たちの男根で擦られて来た膣壁を労うかのように、優しく癒してくれた。
もっと奥まで、もっと奥まで舐めて・・・という腰を突き出す直美。

そんな欲望に包まれながら見知らぬおじさんの舌に身を溶かす直美は、車の天井をボンヤリ見つめていた。

(もう・・・毒蛇さんに指示されなくても・・・1人で大丈夫・・・・)

直美はそう思いながらソッと股間に視線を下ろす。
ヤクザさんが必死で陰毛の中へ顔を埋めていた。

(・・・今まで他人の目すら見れなかった私が、今、こうして他人の前で股を広げている・・・・でも、これが私の社会復帰の第一歩なの・・・・。あわてない、あわてちゃダメ。こうして色んな人に抱かれながら、ゆっくりゆっくり時間を掛けて普通の女に戻って行くのよ・・・ねっ毒蛇さん・・・)

ジロッと見上げたヤクザさんと目が合った。

「・・・気持ち良くねえっぺか?」

ヤクザさんは、直美の陰毛に鼻の穴をくすぐられながら、鼻をムズムズとさせてそう聞いた。

「うぅん、とっても気持ちイイよ」

直美がそう笑うとヤクザさんも嬉しそうに笑った。

ヤクザさんの舌がゆっくりと下り始めた。ヤクザさんは直美のいやらしい汁が垂れる肛門をチロチロと舌先でくすぐり、そして肛門をチューチューと音を立てて吸った。

狭い座席で快感に身を捩る直美は小さな声を洩らす。

そして、ふと思った。

今まで私にエッチな指令を出していた毒蛇さんというのは・・・もしかしたら私自身だったのかも知れない・・・・

と・・・・。

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(音量注意)


(御挨拶)

グダグダと長いだけの長編小説を最後まで読んでくれた皆様、本当にありがとうございました。
文章も構成も実に支離滅裂な作品になってしまいましたが、皆様に楽しんで頂きたい一心で、GWを返上しつつ一生懸命書かせて頂きました。
今後も皆様に笑ってボッキしていただけるような作品をガンガンと書いて行きたいと思っていますので、こんな変態親父ではございますが、どうか応援の程、宜しくお願い致します。

尚、この作品の発案者でございますビリケンさんと、そして「たまごかけごはん」に沢山の応援コメント&メールをくれた皆様、本当にありがとうございました。この場を借りて、深く深くお礼申し上げます。

(たまごかけごはん/目次)
第1章/下着泥の章 
第2章/洗脳の章 
第3章/強姦の章  
第4章/痴漢の章  
第5章/恥骨マッサージの章
第6章/寝取られの章
最終章/天誅の章 

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