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マニアックに行こう!1

2012/05/19 Sat 00:32

    マニア1




《本編》
 中年男の亀頭がダラダラと赤光りしながら僕の顔に近付いて来た。
 閉じた唇にソーセージのような感触が触れた瞬間、陰毛に漂う加齢臭と亀頭に溢れる恥垢臭という現実が、問答無用で僕に襲い掛かって来た。
 こんなはずじゃなかった。
 僕はこんな事がしたい為に女装してきたわけではない。
 甘かった。爽やかな男の子とのファンタジーな出会いを夢見ながら女装に耽っていた僕は甘過ぎた。
 所詮、僕はオタクの高校生に過ぎなかった。
 現実の厳しさや恐ろしさから目を背け、二次元の世界ばかりに浸りながら現実を黙殺してきた僕は、まだこの世の中の本当の姿を何も知らないただのガキだったのだ。

 中年男は、荒い息をハァハァと吐きながら、百姓のようなガサガサの手の平で僕の頬を撫でた。
「ほれ、早よしゃぶれや……」
 オヤジの酒臭い息が僕の顔にモワッと降り掛かった。
 ネットによくあるBL小説ならば、この場合、もっとロマンチックな言葉と、そして薔薇のガムのような甘い香りが切なく漂って来た事だろう。
 しかし、現実は歯槽膿漏混じりの酒臭い息と、『しゃぶれや』というダミ声だ。
 こんな悪臭漂う変態親父ではなく、イルカのようなウォーターボーイズと、甘く切ない禁断の愛欲を楽しみたかった。
 しかしもう遅い。この状況で今更後悔してみてももう遅いのだ。
 僕は息を止めたままゆっくりと口を開いた。
 ブヨブヨとした、まるで巨大なグミキャンディーのような感触が僕の口内に広がる。
 息ができなかった。臭すぎて気持ち悪すぎて絶対に息などできない。
 そのまま息を止めてウグウグと悶え苦しんでいると、中年男は「舌を使えよ……ほらぁ、アイスキャンディーみたいにペロペロとしゃぶるんだよ……」と言いながら、隣りでぐったりと寝ている静香のスカートの中を弄り始めた。
 僕は決心した。スーッと鼻でおもいきり息を吸い、強烈な悪臭を肺一杯に吸い込むと、そのままグッと息を止めては真っ赤な亀頭に舌を這わせた。
 気持ちが悪いけどそうしなければならなかった。そうしなければ、きっとこの中年男は静香に矛先を向けるに決まっているのだ。
 だから僕が頑張らなければならなかった。この中年男をここで満足させさえすれば、こいつは静香には手を出さないだろう。
 そう決心した僕は、ぷちゃ、ぴちゃ、という卑猥な音を鳴らしながら亀頭の隅々にまで舌を這わせた。
 中年男はハァハァと荒い息を吐きながら僕をジッと見下ろしていた。そして、「さすがは女装変態の兄ちゃんだな……なかなか上手いじゃねぇか……」と目を細めながら呟くと、いきなり腰を振り始め、僕の口の中にペニスをズボズボとピストンさせたのだった。

             ※

 僕が初めて女装したのは、今から二ヶ月程前の事だった。
 それまでも同性を意識してはいたけれど、でも、実際に行動に移すまでの勇気はまだ無かった。
 そんな勇気を僕に与えてくれたのは、一本の動画だった。
 その動画はFC2動画のアダルトカテゴリの中にある『女装で射精』という動画で、『KEN』という十七才の少年がOLファッションに身を包みながらオナニーをし、ストッキングの中でジワっと射精するという実にマニアックな内容だった。
 KENは僕と同い年だった。スレンダーな身体も、弱々しい腰つきも、そしてペニスの形まで良く似ていた。
 僕はそんなKENに感情移入した。僕もKENみたいに女装して気持ち良くなりたい。
 そんな気持ちは日に日に抑えられなくなり、遂に僕は女友達の静香の部屋から、こっそり衣類を拝借してしまったのだった。

 静香は僕が通う高校の2年生だった。
 大きな目とちっちゃな体がとても可愛い女の子で、学校の男子達からはアイドル級の人気を誇っていた。
 静香もオタク系女子だった。
 毎週アキバのカラオケボックスにネットで集めたソレ系のオタク男達を集め、有料の個人撮影会を催してはかなりお小遣いを稼いでいた。
 そんな静香だったから、その衣装の量は膨大だった。
 しかも種類が豊富で、アニメキャラやヴィジュアル系、看護婦や花魁の着物やディズニーの着ぐるみといった変わったコスプレ衣装まで取り揃えていたのだった。
 その日、静香の家に遊びに行くと、しばらくして静香がコンビニに行ってくるね、と部屋を出て行った。
 チャンスだと思った僕は、衣装が押し込まれているクローゼットを物色した。
 そんな大量の衣装の中から、僕はあえて普通の女の子の衣類を選んだ。
 白いワンピース。膝がちょこんと顔を出す正純系のヒラヒラワンピース。そんな静香の普段着であるワンピースを慌ててカバンの中に押し込んだ。
 静香は、僕が同性愛感情を抱いている事を知っていた。そしてそんな僕の異常性欲を静香は理解してくれていた。だから、素直に「貸して」と頼めばきっと二つ返事で静香はそのワンピースを気持ち良く貸してくれたろう。が、しかし、その時の僕は、さすがに女装とまでは恥ずかしくて口に出せなかったのだ。
 そんな僕は、静香に悪いと思いながらも、ついでにブラとパンティーも頂いてしまおうとクローゼットの棚の引き出しを開けた。
 するとクローゼットの隅に大きな紙袋が置いてあるのに気が付いた。それは、静香がアキバの撮影会の時にいつも衣装を持ち運んでいる紙袋だった。
 昨日は日曜日。いつもの撮影会の日だ。
 僕は紙袋の中をソッと覗き、その中に撮影会で着たらしき衣装がギッシリと詰まっているのを目にした。
 なぜか妙に性的興奮を覚えた。
 撮影会で着たこの衣装には静香の汗や体臭が染み込んでいる。そんな静香の匂いが染み付いた衣装を、静香ファンの男の子達は喉から手が出る程に欲しくて堪らないはずだ。
 そう思うと、この衣装がとても尊いものに感じられた。
 この衣装を身に付け、静香ファンの男の子達に優しくも荒々しく愛撫されたい。
 僕はそんな想像と共にペニスを固くさせながら、その紙袋の中身を引きずり出した。
 しかし、その衣装は『魔法使い少女』だった。かなり現実離れしたゴシック・アンド・ロリータだ。これでは女装とはいえない。
 僕は素直にその衣装を諦めた。そしてそれを再び紙袋の中に押し込もうとすると、衣装の中から何かがポトッと床に落ちた。
 それは、静香の使用済みパンティーだった。しかもそれはコスプレ用の下着ではなく、随分と履き古したと思われるイチゴ柄の綿パンツだった。
 高まる興奮を必死に抑えながら、手に取ったパンツをゆっくりと開いた。パンツのクロッチには、アキバのアイドルである静香の、『絶対に人には見せてはならない秘密の黄色い汁』が、恥ずかしそうにべっちょりと付着していた。
 そんなシミに僕は素直に感動した。そして迷う事無くその使用済みパンツをカバンの中に押し込んだのであった。

 こうして女性の衣類を手に入れた僕は、家族の者達が寝静まるのを見計らい、その夜、遂に念願の少女に変身した。
 フワフワした白いワンピースは、まるでベビー服のように繊細で柔らかかった。それを生肌に感じるだけで、僕のペニスの先にはカウパー腺液がニトーっと糸を引いていた。
 使用済みパンツを履くのはさすがに勿体無い気がした。まずはたっぷりと静香の匂いを嗅ぎ、ペロペロと味を堪能したい。だから、今ここで僕の匂いをそこに付けてしまってはいけないのだ。
 僕はノーパンでワンピースを着ると、そのままベッドに寝転がっては大きく股を開いた。
 気分は静香だった。ジャニーズ系の男の子に股間を愛撫される静香を想像しながら、僕は静香を演じた。
「ユウキ君、そこはダメ……静香、恥ずかしいよぅ……」
 静香の口調を真似ながら呟き、ワンピースの中からニョキッと突き出したペニスをゆっくりとシゴく。ちなみに『ユウキ』というのは、僕がいつも愛読しているブログのBL小説『キミの股間はさくらんぼ』の主役の名前だ。
 高揚しながらシコシコとペニスをシゴくと、開かれたワンピースの股間からクチュクチュクチュとカウパー腺液がいやらしい音を立てた。
 すかさず僕の頭の中でユウキ君が呟く。
「静香……もうこんなに濡れてるよ……」
 ユウキ君はそう囁きながら、開いた股間に顔を埋めた。
「ヤダ、ユウキ君やめて、そんなことしちゃヤダ」
 僕はそう首をイヤイヤと振りながら、枕元に置いておいたイチゴ柄のパンツを素早く手に取ると、今度はクンニリングスするユウキ君の気分になりながら、パンツの黄色いシミに鼻を近付けた。
 そんなパンツのシミは、アイドルの静香からは想像できない強烈なニオイだった。
 それはまるで学校の男子便所の、小便がビシャビシャと飛び散ったアンモニア臭漂う小便器。そこに、細かく削った濃厚なパルメザンチーズをパラパラと振りかけ、最後に小さじ一杯の醤油を垂らしたような、そんな独特なニオイをその黄色いシミは発していた。
(くせっ……)
 頭の中でそう思っても、しかしそれを口に出してはいけない。そう、ユウキ君は純粋ラブなBL小説の主人公であり、正統なBL小説ではそんな下品な表現は絶対にNGなのである。
 だから僕は、必死に自分を誤魔化しながらも、そのアンモニアチーズの香りを「とってもHな香りがするよ……」などと美化し、息を止めたままチロチロと舌を伸ばしたのであった。

 そんな女装オナニーが三日間続いた。
 静香はワンピースやイチゴ柄のパンツが盗まれた事に気付いていないらしく、学校ではいつものように接してくれた。
 教室で静香とお喋りしていると、僕の脳裏にふとアンモニアチーズの香りが甦る事があった。
 そんな時は異様に興奮した。今、静香のそのスカートの中では、あの濃厚なアンモニアチーズの香りがムンムンと漂っているのだろうかとリアルに想像すると、お目目パッチリな静香が可愛い分、妙な残酷感がヒシヒシと芽生え、居ても立ってもいられなくなった僕は、トイレの個室に飛び込んではシコシコとオナニーしてしまったのだった。

 そんな三日目の放課後、いきなり静香が僕に携帯の写メを見せて来た。
「見て見て」
 そう笑う静香の携帯画面には、どことなく違和感のある女の子達が3人映っていた。
「この子達、誰?」
「んふふふふっ……誰だと思う?」
「うぅ~ん……誰だろう……」
 僕がそう首を傾げると、静香はニヤニヤ笑いながら「これぜーんぶ男の子よ」と僕の顔を覗き込んだ。
「えっ! うそっ!」
 そう驚く僕は、彼らが男だと言う事はなんとなくわかっていた。しかし、僕はわざと知らないふりをした。
 それは、もしかしたら静香は、僕がワンピースやパンツを盗んだ事に薄々感づいており、女装した男の子達の写メを僕に見せる事によって、その時の僕の反応を確かめようとしているのではないかと思ったからだ。
 が、しかしそれは僕の思い過ごしだった。
 静香はただ単に僕を喜ばせようと、それを見せてくれただけだった。
 そんな静香が大きな瞳を爛々と輝かせながら言った。
「ねぇねぇ、秀人君も女装してみない?」
 言葉に詰まった僕は目が点になった。
「実はね、今度の土曜の夜、アキバのいつものカラオケボックスでこの女装子達とみんなで飲むの。だからね、秀人君も女装して一緒に行こうよ」
「…………」
「ね、ね、いいでしょ? 私にお化粧させてよ。秀人君だったらもともとの顔が綺麗だしスタイルもいいからさ、化粧したらすごく可愛くなるよ絶対」
「で、でも、僕……女の服とか持ってないし……」
「そんなの私が貸してあげるわよ。カツラもヒールも貸してあげる」
 そう笑いながら僕の顔を覗き込んだ静香は、突然声を潜めると、「ショーツも貸してあげるから」と、何やら意味ありげにニヤリと微笑んだのだった。

 土曜日の夕方、僕は静香の家に向かっていた。
 僕のカバンの中には、静香の部屋から盗んだ白いワンピースが詰め込まれていた。
 静香から女装を誘われてからというもの、僕はこの2日間、ノイローゼになりそうなくらいに苦しんだ。
 それは、静香の白いワンピースを盗んだ事による罪悪感だった。
 静香という女の子は本当にいいヤツだ。僕が同性愛感情を抱いている事を知っていながら、一度だって僕を色眼鏡では見なかった。
 むしろ静香はそんな僕の良き理解者であり、僕の異常な苦しみをいつも親身になって聞いてくれたほどなのだ。
 そんな静香のワンピースを盗んでしまった。今になって心が痛くて痛くて堪らなくなった。だから今日、この女装を機会に、白いワンピースを盗んだ事を打ち明け、素直に詫びようと思った。
 もちろん白いワンピースは返すつもりだ。そしてワンピースの弁償金として一万円も支払おうとも思っている。
 しかし、さすがにパンティーを盗んだ事だけは言えないと思った。それは、静香自身も、あれだけ汚れていたパンティーを盗まれたと知ったら相当なショックを受けると思ったからだ。
 だからパンティーの件については、このまま黙っていようと思ったのだった。

 そんな暗い気持ちのまま静香の部屋へ行くと、ドレッサーで化粧をしていた静香が、鏡越しに僕を見つめながら「早かったんだね」と笑った。
「うん……実は、静香に謝らなくちゃならない事があって……それで早く来たんだ……」
 僕がそう言うなり、静香は慌てて僕に振り返った。そして焦った口調で「もしかして、今になって怖じ気づいたとか言うんじゃないでしょうね」と、ジロリと僕を睨んだ。
 僕は静香を見つめながらゆっくりと首を左右に振った。
「じゃあなに?」
 リスのように首を傾げる静香に、僕は白いワンピースが押し込められたカバンを突き出しながら言った。
「実は……これ……この間、黙って借りてしまって……」
 そう言いながら恐る恐る白いワンピースを取り出すと、静香は急にホっとした表情をして「なぁんだ、その事か」と、また鏡を覗き込んだ。
「そ、その事かって……」
 愕然としながら僕が聞くと、静香は大きな瞳にアイラインを書きながら「うん。秀人君が持って行った事、知ってたよ」とポツリと呟いた。そして黒いラインでくっきりと強調した目を鏡越しに僕に向けると、「知ってたから、今夜の女装会に誘ったんじゃない」とニヤッと笑った。
「やっと秀人君も芽生えてくれたかってね……私、ちょっと安心してたの」
 静香はドレッサーの椅子の上で体をクルリと僕に向けた。
「だってね、あのままだと、きっと秀人君、ジメジメとした変態君になっちゃうと思ったんだもん。ほら、三組にいた池ノ橋君みたいに……」
 静香は、なぜかお姉さんのような大人の顔で優しく微笑んだ。

 その、三組の池ノ橋というのは強烈なホモ少年の事だった。デブで色白で根暗な池ノ橋は、生徒達から「トド」と呼ばれては嫌われていた。
 そんな池ノ橋は、夜になると野球部やサッカー部の部室に忍び込んだ。部員達のロッカーを物色しては、汗臭いタオルや忘れ物の靴下などの匂いを嗅ぎながらオナニーをしていたのだ。
 ある時、野球部員の坂山が忘れ物を取りに夜の部室に来た。そこで偶然にも池ノ橋のオナニーシーンを目撃してしまい、驚いた坂山はすかさず池ノ橋のその醜いオナニーシーンを携帯でムービー録画した。
 まさか録画されているとは夢にも思っていない池ノ橋は、全裸で部室の中を歩き回り、まさにトドのような野太い奇声をあげながら、泥に汚れた誰かのスパイクに大量の精液をぶっかけていた。
 そんな動画はたちまちネットで公開された。もちろんモザイクは無く、池ノ橋の顔も性器もそして飛び散る精液もバッチリと公開された。
 それを知った池ノ橋はそのまま逃げるようにして学校を辞め、どこかに姿をくらました。
 池ノ橋が学校を辞めて半年。風の噂では、池ノ橋は今、24時間のサウナやオールナイトの映画館などに入り浸っているらしい。
 卒業生の誰かが、深夜映画館の片隅でホームレスらしきオヤジのペニスをしゃぶっている池ノ橋を見たというが、その信憑性は定かではない。

 そんな池ノ橋を例に挙げた静香は、未だお姉さんのような目で僕をジッと見つめながら、
「女装を楽しむってのは一般常識からすれば変質者かも知れないけど、でも池ノ橋君みたいにジメジメした変態君よりはずっとずっと健康的だと思うわ。だから、秀人君が私のワンピースを持っていったのを知った時ね、私、ああこれで秀人君は池ノ橋君みたいな変態君にならなくてすむってね、ふふふふ、とっても嬉しかったの」
 と、満面の笑顔で微笑んだ。
 確かに、静香が言うように、最近の女装と言うのはファッション化して来ている。女装しながら普通に街を歩いていても、昔のように変質者扱いされないのだ。
 むしろ、今の女装というのは、「性癖」というより「感性」として受け取られるようになっており、一部の繁華街では、女装は流行の最先端として見られているのが現実だった。

 ワンピースを盗んだ僕に「嬉しかったの」と言ってくれる静香は、さすがアキバで絶大な人気を誇るアイドルだけはあった。
 常識や概念に捕われない、そんな『垢抜けた性格』が彼女の魅力なのだ。
 この時僕は、静香の熱狂的なファンになる大勢のオタク達の気持ちが、今改めてよくわかった。
 僕は静香に向かって深々と頭を下げながら、心から「ありがとう」と呟いた。
 すると静香は急に顔色を曇らせながら「ただ……」と唇を尖らせた。
 そして僕の顔を恥ずかしそうにチラチラと見つめながら、
「パンツは……ヤダ……。恥ずかしいから、もう盗まないでね……」
 と、頬をポッと赤くさせたのだった。

 さっそく静香は、クッションの上に座った僕の前にスッとしゃがむと、何やら乳液のようなものを僕の顔に塗り始めた。
「これは何? これがファンデーションっていうの?」
 メイクの仕方を学ぼうとしていた僕は、ドレッサーの鏡に映る自分の顔を横目で見つめながら静香に聞いた。
「これは下地だよ。最初にこうやって下地を作っておけば、メイクの乗りもイイし、それにメイクが長時間崩れたりしないのよ」
 静香はそう呟きながら、僕の額や頬や鼻の頭にヌルヌルとしたクリームを塗りたくった。
 僕がメイクを覚えようとしているせいか、静香はひとつひとつ丁寧に教えながらメイクを進めていった。
 そんな静香と僕はかなり接近していた。静香がメイクの説明をする度にチューインガムの香りを漂わせた静香の生息が、僕の鼻孔を優しくくすぐった。
 僕が生粋の同性愛者だという事で安心しているせいか、静香は完全に無防備だった。
 Tシャツの襟首の隙間からは薄ピンクのブラジャーが見え、同時に真っ白な胸の谷間も見る事ができた。
 胸だけではなく下半身もオープンだった。ミニスカートのまましゃがんでいる静香の股間は、まるで和式便器でおしっこするかのように豪快に開いていた。
 ブラジャーとお揃いの薄ピンクのパンティーが、食い込んだワレメの縦線をほんのりと浮かび上がらせ、陰毛らしき影も微かに浮かんでいた。
 確かに僕は同性愛感情を抱くホモだ。しかし、静香の生息と胸の谷間、そして股間に薄らと浮かぶワレメのスジに心が動かされないわけではない。
 ホモと言っても所詮は高校生の少年だ。そりゃあ僕だって、静香の性器を見てみたいし、そこにペニスを入れてみたいと思っているのも事実だ。
 そんな僕は、接近する静香に妙な感情を抱いていた。それは性欲というよりも、愛情に近い感情だった。
(僕は……静香の事を愛してるのだろうか……)
 とたんに複雑な気分になった。
 僕は四組の大石健司君が好きなはずだ。大石君になら何をされてもいいとさえ思っている。なのに、どうして今、こんなに静香の事を切なく思ってしまうんだろう。
 そう考えながら、ドレッサーの鏡に映る、みるみると変わっていく自分の姿を見つめていると、細いペンで僕のマユゲを描く静香がポツリと呟いた。
「あのパンツ……どうした?」
 ストロベリー系のチューインガムの生息がフッと僕の鼻をくすぐった。
「あれは……まだ持ってるけど……」
 恐る恐るそう呟くと、静香は眉間にキュッと皺を寄せながら「ヤダぁ、捨ててよ」と僕の目を覗き込んだ。
 そしてしばらくの間、僕の目をジッと見つめていた静香は、ゆっくり僕の目から視線を反らすと、蚊の鳴くような小さな声で「見た?」と聞いて来た。
 僕は戸惑った。『見てない』と言えば、それはあまりにも嘘臭い。が、しかし、『見た』と答えたら静香を傷つけてしまう事になる。
 僕はなんと答えていいものかと悩んだ。
 悩んだ挙げ句、「実は、まだ見てないんだ」と答えた。
「僕にとって静香の下着は……とってもとっても大切な物だから……だからビニール袋に入れたまま……楽しみに取ってるんだ……」
 そうデタラメを言った瞬間、静香は、一瞬顔を真っ赤にして「ヤダ!」と叫んだが、しかし、まだ見られていないという事を素直に信じたのか、しばらくすると安堵の表情を浮かべた。
「そのまま見ないで返して。ね、お願い」
 そんな静香の悲痛な願いに、僕は曖昧にコクンっと頷きながら、「明日、持って来るよ……」と答えたが、しかしどうしようかと焦った。
 静香のイチゴのパンティーは、僕の精液でバリバリなのだ。

 安心した静香は、再びメイクを再開させた。
 元々切れ長の目がアイラインとツケまつげで更に強調され、僕の目はまるで歌舞伎役者のような目になっていた。
 頭にネットが付けられると、ほんのりと茶髪のカツラが被せられた。サラサラとしたストレートな茶髪は華奢な肩まで伸びていた。
「衣装はどれがいい?」
 そう言いながら静香がクローゼットを開けた。
 僕はそんなきらびやかな衣装を前にしながら、そっとカバンに手を伸ばすと、そこから例の白いワンピースを取り出した。
「これがいい……」
 そんな僕を見て、静香は「んふっ」と変な笑みを浮かべた。
 今日まで散々着用し、そして変態的なオナニーを共に繰り広げて来た白いワンピースを僕は着た。その着方があまりにも馴れているせいか、静香はそんな僕を見てまたしても「んふっ」と微笑んだ。
 最後にワンピースの肩紐をスルっと肩に引っ掛けると、遂に僕は念願の女装を遂げた。
「すごい! 本当に可愛いわ秀人君!」
 静香は感情的にそう叫びながら等身大の鏡を僕に向けてくれた。
 そこには今まで見た事の無い女がポツンと映っていた。
(本当に……僕?……)
 そう思いながら右手を頭の上に乗せると、鏡の中の女の子も同じように頭に手を乗せていた。
「秀人君って……女装すると桐谷美玲みたい……」
 静香は、まるで自分の事のように喜びながら、嬉しそうに「んふっ」と微笑んだのだった。

(2へ続く)

《←目次へ》《2へ続く→》

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