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泥亀沼6

2011/11/30 Wed 12:23

    泥亀6

 ソファーの上のおばさんに巨大チンポを突き立てたおじさんが飛び掛かった。それはまるでシマウマに飛び掛かったライオンの如く荒々しく、シマウマのおばさんはいとも簡単にライオンのおじさんに捩じ伏せられ、その獰猛な突起物を突き刺された。
「あぁぁん!」
 おばさんが絶叫した。その声は僕の時の声とはスケールがまるで違い、凄い迫力だった。
 おじさんがガンガンと腰を振る。ソファーがガクガクと激しく揺れ、滅茶苦茶に犯されるおばさんは「おまんこ! おまんこ!」と意味不明な言葉を叫び出した。

(これが本当の強姦魔だ……)

 僕はおじさんのその凄まじい迫力に圧倒されながらも、その荒々しい大人のセックスに釘付けになっていた。
 そんなおじさんが腰をガンガンと振りながら、絶叫するおばさんに呟いた。

「おまえ、あのガキのチンポで感じてたんだろ? あん? 」

 僕は一瞬ドキッとした。今まで優しかったおじさんが急変し、僕の事を「ガキ」呼ばわりしたからだ。

「どっちなんだよ! 感じてたんだろあのガキのチンポでよ! 正直に言えよ!」

 おじさんはおばさんの髪の毛を鷲掴みにし、腰を振る動きに合わせておばさんの頭をガンガンと振った。

「ごめんなさいあなた! ごめんなさい! あっ、イクぅ!」

 そう絶叫するおばさんは、時々白目を見せながらもまるで失神しているかのように身体をピクピクと痙攣させている。
 とたんに怖くなった。僕のせいで、おばさんがこの豹変した強姦魔に殺されるかも知れない、と本気でそう思った。

「ふざけんなこの変態女! おまえは誰でもいいのか! あんなガキにでも平気でヤらせるのか! おら! 島田ともヤッたんだろ! 本当は秋山にもこうやってヤらせてたんだろ! おら! 正直に白状しろ!」

 おじさんは真っ赤な顔をしながらそう叫び、おばさんの尻を何発も何発も平手で叩いた。おばさんは叩かれる度に「もっと!」と矛盾な叫びを上げ、そして唐突に小便を噴き出してはソファーをビシャビシャに濡らした。

 そんな光景を目の当りにしていた僕も、おばさんと同様に小便を洩らした。凄く怖かった。この後、自分も同じ目に遭わされるのではないかと怖くて怖くて泣き出しそうだった。

「俺と秋山のチンポとどっちがいい! 正直に言ってみろ!」

 そんな声を聞きながら、僕は床に脱ぎ捨てられている自分のズボンとTシャツを手にした。そして慌てて運動靴を履いていると、不意におばさんが「秋山さんのチンポのほうが大っきい! あなたごめんなさい!」などと叫び、更におじさんを激怒させる結果となった。

(おじさんのチンポの方が大きいって言っとけばいいじゃないかバカ)

 僕はそう思いながら、ズボンとTシャツを抱えたまま小屋を飛び出した。
 慌てて飛び出したせいで足がもつれ、そのまま泥亀沼の泥の上にベタン! と激しく転倒した。フルチンの股間に泥が冷たかった。
 嫉妬に激怒したおじさんが今にも小屋から飛び出して来そうだった。そんな恐怖に駆られた僕は必死になって泥の中をもがいては立ち上がり、泥をびちゃびちゃと蹴りながら全速力で走った。
 後の小屋から「もっと! もっと! おまんこ突いて!」というおばさんの絶叫が聞こえて来た。そんな声を聞きながら、僕は山道の脇の雑木林の中へ飛び込んだのであった。

 全裸で泥だらけな僕は、雑草の中を野ネズミのように駆け巡った。広場の方向はなんとなくわかる。とにかく広場まで逃げ、そこでズボンとTシャツを着てそのまま自転車に飛び乗ろう。
 そう考えながら雑草の中を駆け巡っていると、いきなり雑草が途切れ、ポッカリと穴の開いた空間に飛び出た。

「うわっ!」

 その空間で寝転んでいた男が、いきなり飛び出して来た僕に驚き、そう叫びながら慌てて飛び起きた。

 そこはビニ本と使用済み下着が隠されていた例の空間だった。そしてそこで、このビニ本の所有者と思われる男が、今まさにオナニーしている真っ最中だった。

「だ、誰だ!」

 男はいきなり飛び出して来た全裸で泥だらけの僕に、恐怖の表情を浮かべながら震える声でそう叫んだ。
 そう叫ぶ男。どこか見覚えのある男だった。僕は追い込まれた野ネズミのようにジッと構えながら、この男は誰だったかを必死で思い出す。

「な、何の用だ!」

 男はそう叫びながら、剥き出しにしているチンポをズボンの中に押し込んだ。そしてチンポを押し込んだその指の先を、無意識にクンクンと嗅ぎ始めた。

「あっ!」と、僕はその「嗅ぐ」仕草で瞬間的に彼を思い出した。

「池之又君!」

 僕がそう叫ぶと、池之又君はいきなりバタバタと慌てはじめ「あんたなんか知らない!」と大声で叫びながら忙しなくビニ本をゴミ袋の中に押し込み始め、そして小さく「プスっ」と屁をした。
 相変わらず池之又君は狂っていた。中学を卒業してから印刷工場に働きに行ったと聞いていたが、この時間にこんな所でオナニーしている所を見ると、きっとまた印刷工場をクビにされたんだろうなと思った。
 池之又君はゴミ袋の中にビニ本と使用済み下着をパンパンに押し込むと、それをまるでお宝物のように大切に抱え、雑草の中へ潜って行った。
 雑草がガサゴソと動いていた。僕はもう一度「池之又君!」と声を掛けると、いきなり走り出したのか雑草が激しく揺れ出した。

「ベトコンだ! ベトコンだぞ!」

 そう叫びながら雑草の中を逃げて行く池之又君は、泥亀沼に向かって走っていった。
 僕はふと、ビニ本が詰め込まれたゴミ袋を抱える池之又君と、あの裏ビデオのおじさんとおばさんが、唐突に泥亀沼の畔で出会すシーンを想像し、おもわず笑えて来た。
 ケラケラと笑いながら再び広場に向かって雑草の中を進んでいると、雑草の中に白いボールが転がっているのを発見した。
 それはまさしく僕が打ち込んだホームランボールだった。

          ※

 あれから三十年。
 僕は今でもあの泥亀沼の出来事はハッキリと覚えている。
 あの時のおばさんの息づかい、おばさんのベベ汁の匂い、初めてのフェラチオと初めてのセックス。そのどれもこれも鮮明に覚えている。
 そして今更ながら、あの時のおじさんの怒りというのが、夫婦間でよくある『嫉妬プレイ』というものだった事も、今ではちゃんとわかっている。
 あれから何度か泥亀沼には足を運んだ。中学生の頃はあの小屋でおばさんを思い出してはオナニーし、そして高校生になると彼女をあの小屋に連れ込んでは、おばさんを思い出しながらセックスした。
 しかし、社会人となり、東京に出て来てからというもの、一度も泥亀沼には足を運んでいない。

 あの小屋はまだあるんだろうか?

 そんなノスタルジックな気分から、ある時、ネットで『泥亀沼』を検索してみた。が、しかし、やはりど田舎のマイナーな沼だけあり、『泥亀沼』に関する記事は見当たらなかった。
 ただ、ひとつだけ何やら変な記事を発見した。
 それは『昭和の秘蔵ズリネタ』というサイトだった。そこに『泥亀沼……』という言葉が表示されていたのだ。
 僕は、なんだろうコレ? っと思いながらそのサイトを開いた。
 そこには昭和の時代を飾った、ビニ本やアダルトビデオなどがズラリと紹介され、そしてそれらが高額で販売されていた。その中の『裏ビデオ』というカテゴリに『泥亀沼』というタイトルを発見した僕は、ゾクゾクしながらそれを開いた。

『泥亀沼の少年』

 そのタイトルを見た僕は息を詰まらせた。もしかしたら……と考えると全身の毛穴が開き、そこからジワッと嫌な汗が滲み出て来た。
 その裏ビデオが販売されていた時期も、やはり丁度その頃だった。
 そこに記されているビデオの紹介ストーリーも、あの時僕が経験したあの卑猥な出来事と全く同じなのだ。
 そして、このサイトを運営する管理人のコメントを読んだ僕は絶句した。

(この裏ビデオはマニアの間では有名すぎる名作中の名作ですね。少年の少年らしからぬ腰の動きがもう堪りません。実は、この『泥亀沼』というのは私の地元でありまして、当時、若かりし頃の私もこの沼の近くの雑木林に隠れては、よくシコシコとセンズリしたものです(笑)現在は完全にお蔵入りとなっている幻のビデオですが、今回は特別にこの昭和の名作をオークションしちゃいます。価格は五万円からスタート! 尚、ダビング回数が多いため多少のノイズはあしからず)

 そんな管理人のコメントを読みながら愕然としていた。
 あの時の夢のような出来事が、まさか知らないうちにビデオとなって出回っているとは……
 書斎の前の廊下を子供達がドタバタと走り去って行く足音が聞こえた。妻が廊下から「あなた、子供達とお風呂入るからね」と書斎の僕に叫んでいる。
 このビデオがもし子供達に見られたら、と思うと僕の心臓は激しく暴れ回った。
 慌てて現在のオークション価格を見た。公開されてから2日間で七万円の値が付いていた。
 僕はこの管理人のメールを開いた。
 十万、いや二十万払ってでもこのビデオは手にいれなくてはならないのだ、それを管理人に伝え、金を払うからとこのオークションの中止をさせなければ、と必死に思いながらその管理人のメールアドレスをふと見ると、そこには『IKENOMATA@』と書いてあった。

 このビデオを販売していたのは明らかにあの池之又君だった。
 池之又君がどうやってこのビデオを入手したかはわからないが、しかし、少なくとも池之又君はこのビデオの主人公が僕である事を知っているはずだ。

 ふと、泥亀沼の雑木林の中を、ビニ本を詰め込んだゴミ袋をサンタクロースのように抱えながら、「ベトコンだ、ベトコンだ」と走り去って行った池之又君の後ろ姿が甦った。

 僕はおもわず「プッ!」と噴き出しながらも、池之又君のメールに書き込んだ。

「三十年前の貴重なビデオを持っています。泥亀沼の雑木林の中で、盗んだ下着でオナニーしている変態少年のビデオです。いくらで買い取ってもらえますか?」

 と………。


(泥亀沼・完)




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