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特異的性体反応1

2011/12/18 Sun 12:06

    特異的1


「九時にマッサージをお願いしたいんですけど」
 香奈は電話のコードをクネクネと指で弄りながらフロントに聞いた。
「かしこまりました。それではマッサージの方へ確認致しまして、折り返しお電話させて頂きます」
「あ、それから……」
「はい」
「強く揉んでくれる方がいいので、できれば男性がいいんですが……」
「かしこまりました。そのように伝えておきます」
 受話器を下ろした香奈は、一気に緊張がほぐれたのか、フーッ……と熱い息を吐いたのだった。
 ベッドから下りるとクローゼットの中から浴衣を取り出した。
 安いビジネスホテルの浴衣は、洗濯のりでバリバリとしており、とても着れるような代物ではなかった。
 コレ系のビジネスホテルを使う時、いつもは浴衣など絶対に着ない香奈だったが、しかし、今夜はどうしても浴衣が必要だった。
 そんな浴衣を、紙を破るようにして広げた。ビシビシとのりが剥がれていく音がなんとも心地良かった。
 広げた浴衣をベッドの上に置くと、香奈は手早く服を脱ぎ始めた。
 クローゼットの前にある等身大の鏡に、見事な胸と尻が映し出された。
 香奈は、ショーツ一枚の姿を鏡に映しながら、二十八才にしてはまだまだ肌の艶もいいし、お尻も垂れてないし、それに、横腹もキュッと引き締まってる方よね、とポツリと呟く。
 そんな自分を見つめながら両手を後に回し、肩まで伸びた髪をひとつにまとめた。髪をひっつめた事により、少し垂れてる目がキッと吊り上がる。
 そのまま細い指を白いうなじに滑らせ、ボテッと突き出した重い乳房をすり抜け、淡いベージュのショーツに指先を引っかけた。
 スルッとショーツを太ももまで下ろす。ショーツのクロッチが曝け出され、そこに丸い形をしたシミがあるのが見えた。
 栗毛色の陰毛の中に指を滑らせ、立ったまま股間に指を這わせる。
 香奈の指先に生温かくてヌルヌルとした感触が伝わった。
 この日、香奈は例の願望をいよいよ実行するつもりでいたのだった。

 先週の土曜日も、香奈はこのホテルに泊まっていた。
 それは、不倫相手である営業部の笹川と一緒だった。
 笹川との不倫関係はかれこれ二年続いていた。
 二年前、妻と別れるから、という約束で、香奈は笹川と関係を持ったのだが、しかし、笹川は一向に奥さんとは別れる気配は無く、二年間こうしてずるずると関係を続けて来た。
 しかし、先週の土曜日。いつものように駅裏の安いビジネスホテルで落ち合った二人だったが、その日の笹川はいつもとは様子が違った。
 部屋に入った笹川は、上着も脱がずにベッドに腰掛けると、素早く煙草に火を付けた。そして、煙を一服吐き出すと同時に、「別れてくれないかな……」と、香奈から目を反らしたまま呟いた。
「子供ができたんだ……」
 そう言いながら、まだ一服しか吸っていない煙草を灰皿に押し付けると、「だから……ごめんな……」とベッドから立ち上がり、一度も香奈を見ぬままそそくさと部屋を出て行ったのだった。
 二年間も関係を続けて来たと言うのに、別れはわずか二分だった。
 香奈は怒りも悲しみも無いまま、呆然とベッドに腰掛けながら窓の外に映る『つぼ八』の看板を見つめていた。そんな寂しい部屋には、笹川が吸った煙草の煙がまだフワフワと宙を漂っていた。
 一時間ほど呆然としていた。笹川と出会った時の事や、笹川に初めて抱かれた事、そして、笹川の赤ちゃんを堕ろした産婦人科の事など、まるでDVDを早送りするかのように思い出していた。
 気が付くと香奈は泣いていた。
 別に笹川の事が好きだったから泣いているのではない。笹川の事が憎くて泣いているわけでもなければ、笹川の事を恨んで泣いているわけでもない。
 ただ、漠然と淋しくなったから泣いていたのだ。
 淋しさのあまりに飲めない酒を飲んだ。普段はビール一口で顔が真っ赤になるのに、その時は缶ビールを一気に飲んでしまった。
 猛烈な吐き気に襲われ、額に脂汗をダラダラと垂らしながらベッドにひっくり返った。そして、ぐったりしながらウーウーと唸っていると、ふとベッドサイドテーブルの上の『マッサージ・四十分四千円』というプレートが目に飛び込んで来た。
 香奈は誰かと話したかった。相手は誰でもいい、とにかくなんでもいいから話しがしたかった。
 香奈はベッドの上でぐったりしたままフロント9番を押した。そして話し相手にとマッサージを呼んだのであった。

 それからどのくらい時間が経ったろうか、いつのまにか寝てしまった香奈が異様な視線に気付き、「はっ」と目を覚ますと、隣りのベッドに白衣を着た男が黙ったまま座っていた。
「お目覚めですか」
 男はそう微笑みながら、ベッドに寝転がる香奈を見下ろしていた。
「えっ?……あれ?……」
 朦朧としながらも必死に記憶を呼び起こそうとしていた香奈は、ふと、履いていたスカートがだらしなく捲れ上がり、ストッキングに包まれた白いショーツが露になっている事に気付いた。
 そんなスカートを慌てて元に戻すと、マッサージの男は「それじゃあ始めましょうか」と、ゆっくりとベッドから立ち上がった。
 しかし、既に香奈にはその気は無かった。このまま寝てしまいたい心境なのだ。
 しかし、今更、もう結構ですなどとは言えないと思った。少なくとも三十分は待たせていたはずだ。
 このままお金を払って帰ってもらおうか、と悩んでいると、男は素早く香奈のベッドに腰を下ろすと、そのまま香奈の肩に手をあて、モゾモゾと揉み始めたのであった。

 久々のマッサージは驚くほどに気持ち良かった。ここの所、連続でデスクワークに没頭していた香奈は肩こりに悩まされていたのだ。
 そんな心地良さの中、ぼんやりと部屋の壁を見つめていると、再び香奈は眠りの中へ落ちてしまったのだった。
 それからどれだけ時間が過ぎただろうか、フッと目を覚ました香奈は、ベッドの足下で男がモゾモゾしている気配を感じた。
 まだマッサージは続いていたのか……と、そう思いながらソッと顔をあげベッドの足下を見てみると、M字に開かれた自分の股がいきなり目に飛び込んで来た。
 そんなM字に開かされた股の中を、男は足首をモゾモゾとマッサージしながらジッと覗いていた。

 嘘でしょ……

 そう思いながら香奈は曲げている膝を慌てて下ろそうとした。
 するとその時、曲げていた脚の隙間から、ベッドに腰掛けている男の下半身が見えた。
 なんとその男は、ズボンを尻まで下げ、勃起したペニスを突き出しているではないか。
 香奈は、そのままの体勢で凍り付いたように固まってしまった。
 どうしよう……という激しい恐怖に襲われた。あまりにも怖すぎて、まるで金縛りに遭ったかのように身動きが取れなかった。
 男は、香奈に見られているとも知らず、勃起したペニスを上下にシゴき始めた。そして、ストッキング越しに香奈の局部の匂いを嗅いだり、足の爪先を嗅いだりとしている。
 そんな男の変態行為を、香奈は寝たフリをしながらソッと見つめた。激しい恐怖に襲われながらも、しかし、他人のオナニーを見るのは初めてであり、香奈はついついソレに好奇心を抱いてしまったのだ。
 男は、そんな香奈が寝ているかどうか確かめているのか、何度も何度も香奈の顔を覗き込んだ。その度に香奈は、薄目を開けていた瞳をソッと閉じたのだった。

(2へ続く)        

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