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ポルノな関係1

2012/02/18 Sat 03:29

    ポルノ1


(来た!)
 嶋田はナンバーディスプレイに表示された携帯番号を見つめながら、おもわず子機を強く握りしめた。
 呼び出し音に急かされながらも予約表を急いで開く。ブルーのファイルの予約表にはびっしりと患者の名前が書き連ねてあった。
(予約を断るとしたら、やはり下山の爺さんと加藤の婆ちゃんだな……)
 そう思いながら『六時・下山様』と書かれた箇所を指差したまま大きく深呼吸し、「うん」と深く頷きながら子機のボタンをピッと押した。
「はい、嶋田治療院です」
 感情を押し殺した声で冷静に電話に出た。
「あのぅ、先日診察して頂いた小谷ですけど……」
 嶋田は胸をドキドキさせながら「小谷さん?」とわざとらしく聞き直し、そして演出効果音としてファイルを捲る音をやたらと響かせた。電話の向こうから学校のチャイムが聞こえた。生徒達が走り回る足音が聞こえ、不意に嶋田の脳裏に懐かしい放課後の風景が甦る。
「前回、腰痛で診察してもらったんですけど……」
「腰痛……あぁ、はいはい、先週の火曜日に初診で見えられた高校生の方ですね」
「そうです。それで、まだ腰のほうが少し痛いものですから……」
「ああ、そうですか、わかりました。それじゃあ何時頃がいいですか」
 嶋田は『下山様』と書かれたページを押えたまま、再びわざとらしくページを捲る効果音を響かせた。
「いつなら空いてますか?」
「そうですねぇ……今日は予約で一杯なんだけど……あっ、丁度キャンセルが入ってました、今日の六時だったら空いてますけど……」
 そう答えた瞬間、この治療院に来る事だけが人生の楽しみだと言っていた下山の爺さんの顔が不意に浮かんだ。嶋田は胸をギュっと締め付けられたが、しかし下山の爺さんは、前回腰を揉んでいる最中に連続して放屁した。いくらケツのシマリの悪い老人と言えど、いきなり顔面に屁を吹き掛けられた時には正直言って殺意を覚えた。
 だからこれはその罰だよ下山さん……、と嶋田は心で呟きながら脳裏に浮かぶ下山の爺さんの悲しそうな顔を強引に消去した。
「それじゃあ六時に伺いますので、宜しくお願いします」
 少年は、今時の高校生にしては妙に礼儀正しくそう言うと、そのまま電話を切ったのだった。

 小谷次朗。中富商業高校二年生。先日の火曜日、腰を労りながら治療院にやって来たその少年は、まるで女の子のように綺麗な少年だった。
 少年はバスケット部のエースだった。なぜ初対面の嶋田が彼がバスケ部のエースだと知っているかというと、それは嶋田が勝手に妄想しているからだ。
(この手の顔は絶対にエースだ。この無駄のない筋肉で引き締まった細い体は、きっとバレリーナのようにクルクルと回転しながらダンクシュートを決めるに違いない……)
 ヒーロー依存症の嶋田はそう勝手に妄想しながら、あの日、制服のブレザーを脱ぐ少年のイルカのような美しい体を横目でチラチラと見つめた。
 身長推定百七十センチ。バスケ部にしてはやや小柄な体はスラリと細く、しかし三角筋は品やかに盛上がり胸板もそれなりに厚かった。
 少し茶髪なスポーツ刈りは、爽やかさの中に遊び心を感じさせ、眉も手入れしているのかキリリッと整い、そして何と言ってもその切れ長の大きな瞳はヒーロー以外のなにものでもなかった。
 そんな少年に「ここに寝ればいいですか?」と診察ベッドを指差されると、嶋田はとたんにポッと顔を赤らめ、まるでウブな女学生のように俯きながらモジモジしてしまったのだった。

 そんな嶋田は明らかにホモだった。
 三十五才独身。専門学校を卒業後、専門学校時代の先輩の鍼灸院で四年働きながらやっとマッサージ師の資格を取った嶋田は、その鍼灸院時代に男を知った。
 初めての男は、その鍼灸院に毎週通っていた大徳寺の和尚だった。和尚は嶋田にマッサージをして貰っている最中、嶋田の白ズボンの尻に手を回してはいやらしく撫で回した。最初は和尚がふざけていると思っていた嶋田はそんな悪戯を笑って流していたが、しかしある時、そうふざけていた和尚が仰向けになった瞬間、和尚のペニスがビンビンに立っている事に気付き、肩を揉んでいた嶋田は激しく動転した。
 和尚の肩を掴んだまま呆然としている嶋田に、和尚は「チンポのほうもマッサージしてくれないかなぁ」と薄ら笑いを浮かべながら、嶋田の腕にタバコ臭い息をハァハァと吹き掛けて来た。
「で、でも和尚さん……」
 狼狽える嶋田の腕に和尚の柔らかい唇がムニュッと押し付けられた。和尚の唇は毛深い嶋田の腕でゆっくりと開き、ハァハァと熱い息をソコに吹き掛けながら真っ赤な舌をネトネトと這わせた。
 嶋田は背筋をゾッとさせた。確かに嶋田はスケベだが、しかしそれは女を対象としている感情であり、まさか男に対してはそんな感情は更々なかった。
 が、しかし、和尚の生温かい舌は奇妙な心地良さを嶋田に与えた。まるで魚の尾びれのように左右に揺れながら腕を這い回るその真っ赤な舌を可愛くさえ感じ始めた。
(こんな動きでペニスを舐められたら……)
 再び嶋田の背筋がゾッとした。しかしそれは明らかに性的感情を含んだゾッであり、いつしか嶋田もそんな和尚の舌の動きに合わせ、ハァハァと熱い息を吐いていたのだった。
 そんな和尚に肛門を奪われたのは、それから一ヶ月後の事だった。
 それまで和尚はマッサージに来る度に嶋田のペニスをしゃぶったり、シワだらけの厳つい手でソレをシコシコとシゴいたりしては嶋田に熱いモノを放出させていた。
 当然、和尚は同じ事を嶋田にもさせていた。
 最初はさすがにペニスを舐める事に抵抗を感じていた嶋田だったが、しかし和尚から一万円をやるからと口説かれ、金に目が眩んだ嶋田は息を止めて和尚のペニスを口に含んだ。
 奇妙な食感だった。亀頭がこんなにツルツルした物だとは思わなかった。そのツルツルとしながらも弾力性のある新食感に嶋田は不思議な快感を覚えた。
 和尚は隣りのベッドの患者に気付かれぬよう、嶋田の口内で腰を激しく振った。ジュプっ,ジュプっ,ジュプっ、という唾液がシェイクされる音がカーテンの中で響いた。それまでねっとりと舌に絡み付いていた亀頭がとたんに凶器に変わった気がした。
 和尚は腰を振りながらも嶋田の白ズボンを膝まで降ろし、ニキビがポツポツと目立つ尻肉の谷間に指を押し込んできた。
 嶋田は焦った。ここで指浣腸されれば確実にクソが捻り出てくると、隣りのベッドで治療している先輩を気にした。
 しかし、和尚はその指を強引に肛門に突き刺して来た。恐らく人差し指の第一関節まで入っていた。無理矢理に座薬を入れられたようなその不快感に嶋田が無言で抵抗を始めると、和尚はハァハァと荒い息を吐きながら「舐めてあげるから、キミの肛門を綺麗に舐めてあげるから私の顔を跨ぎなさい」ととんでもない事を言い出した。
 抵抗していた嶋田だったが、しかし本心では肛門を舐められてみたいという気持ちが少しあった。だから嶋田は和尚に小声で言った。
「ここじゃあ先輩に見つかります」
 すると和尚は、人差し指の腹で肛門の表面をスリスリと擦りながら、「じゃあホテルでも行くかね」と呟きながら、貪よりと濁った目で嶋田を見つめたのだった。

 そんな和尚との変態行為は、週に二回のペースで国道沿いのラブホテルで行なわれていた。二人の関係にタチとウケは関係なかった。お互い均等にタチを演じウケを演じた。
 それが半年くらい続いた頃、遂に和尚との関係が先輩に知られる事になった。休日に家族とファミレスで食事をしていた先輩は、偶然にもファミレスの前にあるラブホの駐車場から出てくる嶋田と和尚を目撃してしまったのだ。
 しかし先輩は嶋田を攻める事無く、「この業界にはよくある事だから」と和尚との仲を理解してくれた。その先輩の理解が、今まで後ろめたさを引きずっていた嶋田の性癖を開花させた。
 その後、独立した嶋田は嶋田接骨院を開業した。その開業資金は全て和尚が出してくれた。しかしその頃の嶋田は和尚のペニスだけでは飽き足らなくなっていた。まるで己の芸(ゲイ)を磨くかの如く、その手のツワモノが集まるサウナや夜の公園にいそいそと出没してはその筋の鍛練に勤しんだ。
 そのうち嶋田は、ツワモノ達の間で名が売れるようになった。そして、タチウケ両刀使いの二刀流として、いつしか武蔵というニックネームまで付けられたのであった。

 そんな嶋田が、絶世の美少年である小谷次朗に胸をトキメカセないはずは無かった。
 今まで、この治療院では絶対にその性癖を出さないようにと『五輪書』などというデタラメな本まで独自に執筆しては性欲を戒めていたが、しかし、小谷次朗のその美しさにはそんな『五輪書』も何の役にも立たなかった。

(次朗君をヤリたい……そして次朗君にヤられたい……)

 嶋田は生温かい息を吐きながら時計を見た。時刻は五時半。あと三十分でそんな熱い思いを告げられるのかと思うと、嶋田は七十五才の片山のオババの脹ら脛を揉みながらも、既に勃起した太刀をベッドの端にグリグリと押し付けては合戦の準備に備えたのだった。

(2へ続く)

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