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手コキ姫・前編

2012/03/30 Fri 13:00

    手コキ姫1



             —1—

「5千円でいいらしいよ……」
 茂野はそう言いながら握った拳を上下に動かした。
 唐突な茂野の言葉に、不意打ちに無修正のエロ動画を見せられた時のような衝撃を受けた洋司は、止まったままシェイクのストローをキツく噛んだ。
 大きなショーウィンドウから埃っぽい夕日が差し込んでいた。そんな光りを背に受けながら、嬉しそうにニヤニヤと笑う茂野の隣りの席に、毒虫のような顔をした茶髪女子高生が乱暴に腰掛けた。
 毒虫女子高生は、席に座るなり携帯を取り出し、溜め息混じりでカチカチと携帯を弄り始めた。
 放課後の駅前マックで話すような内容ではないと思った洋司は、残っていたシェイクを一気に飲み干すと、まだハンバーガーを食べ終えていない茂野に「外で話そうぜ」と言い残し、そのまま素早く席を立ったのだった。

 その晩、さっそく茂野が教えてくれた神社に行ってみようと思った洋司は、両親が寝静まるのを確認すると、急いでパジャマを脱ぎ捨てた。
 ヨタヨタと体勢を崩しながらジーンズを履き、スタンドライトの明かりに照らされた机の上に財布の中身を吐き出した。『数学A』の教科書の上に五千円札が一枚と千円札が三枚、そして茶色く輝く小銭が数枚、鈍い音を立てて散らばった。
 八千二百五十円。
 四日分のバイト料だった。洋司の高校は、都内でも三本の指に入る有名進学校の為、バイトは厳しく禁じられていたが、洋司はここ数日前から密かに酒屋で運搬のバイトを始めていた。
 来年、東大の受験を控えていた洋司には、今こそ一分一秒でも時間が欲しい時であり、そんな中での一日四時間働いて日給二千円という酒屋のバイトはあまりにも割りの合わないバイトだったが、しかし、今の洋司には東大合格よりも先にどうしてもやっておきたい事があったのだ。

 それは『ソープランド』だった。
 中学、高校と勉強に明け暮れて過ごして来た洋司だったが、しかし東大受験をあと数ヶ月に控えたここに来て、突然凄まじい性欲に襲われては精神がぶっ壊れてしまったのだ。
 綺麗な女の人とエッチな事がしたい……。
 そんな性欲にいきなり取り憑かれた洋司は、毎晩、エロサイトのサンプル動画で猿のようにオナニーしまくった。しかし、今まで制圧されていたエネルギッシュな性欲は、そんな子供騙しでは満足してくれなかった。
 ハァハァと欲情した洋司は、遂に夜な夜な静まり返った住宅街を彷徨い始め、寝静まった住宅の物干し竿を一軒一軒物色して回った。
 たとえ生身の女の人とエッチができなくとも、せめて女の人のいやらしい匂いだけでも嗅いで射精したい……。
 そう思った洋司は下着泥棒とやらを試してみようと深夜の街を彷徨うが、しかしそうそう女の下着が干しているわけもなく、結局いつも公園の女子トイレに忍び込んでは、誰の物かもわからない生理汚物で欲望を満たしていたのだった。

 ある時、ひょんな事からそんな洋司の性癖を知った親友の茂野は、「それはマズいよ洋ちゃん……」、と、恥ずかしそうに項垂れる洋司を嗜めた。
「そんな事がもしバレたら、東大合格どころか刑務所だぜ」
 そう心配する茂野が洋司に勧めたのがソープランドだった。
 さっそく茂野はスマホを弄りながらソープランドを調べ始めた。
「隣町に『白雪伝説』っていうソープランドがあるよ。ここなら学校にバレる心配はないから安心だ」
 そう自慢げに笑いながら差し出したスマホの画面には、顔にモザイクの入った裸の女が、★で乳首を隠された大きな胸を内側に寄せながら色っぽく写っていた。
「でも……こんな金、あるわけないよ……」
 洋司は画面下の『入浴料込み三万八千円』という表示を指差しながら残念そうに呟いた。

「バイトすればいいじゃん。俺が夏休みにバイトしてた酒屋を紹介してやるよ」

 そんな事から洋司は茂野の紹介で酒屋でバイトをする事になったのだが、しかし、一日二千円のバイト料で目標の三万八千円を稼ぐには、毎日出勤したとしても十九日間は時間を取られる事になる。
 東大を目指す受験生にとって、この時期の十九日間はあまりにも痛すぎた。それに、この沸き上がる性欲を、果たして十九日間持ち耐えれるかどうかが心配だった。

 そんなある日の放課後、五日目のバイトに行こうと急いでいた洋司を茂野が呼び止めた。
「めちゃくちゃ綺麗な女が手でシコシコしてくれるらしいぞ」
 それは、茂野がいつも利用している床屋の親父からの情報だった。
 実際、床屋の親父はそのめちゃくちゃ綺麗な女にシコシコと手コキしてもらったらしいのだ。
「床屋の親父にからかわれてるんだよ」
 半信半疑で洋司が笑うと、茂野はムキになって「嘘じゃねぇよ」と小さく叫んだ。
「どうして嘘じゃないっていいきれるんだよ……」
 洋司は駅のコインロッカーからバイト用のジャージを取り出しながら呆れ顔で聞いた。
「だって、俺、見たんだもん」
「見たって、何を?」
「写メだよ。床屋の親父がその時に撮った写メをこの目でばっちり見たんだよ」
「…………」
 小さな駅のホームに電車が滑り込む音が構内に響いた。この電車に乗らなければバイトを遅刻してしまう。
「本当に見たの?」
「マジに見た。ビンビンに勃起した真っ黒なチンポを女の手がシコシコしてたよ」
 洋司はそんな茂野の言葉を聞きながら、ズラリと並んだコインロッカーの奥にあるマックの店内をそっと見た。
 けたたましく鳴り出した発車のベルを聞きながら、取り出したジャージを再びロッカーに戻した。あの糞重い瓶ビールのケースを運ぶのは、もううんざりしていたのだった。

「マックおごるよ。その話し、詳しく聞かせてよ……」

 そう言いながらロッカーの扉を閉め、マックに向かって歩き出した。背後で茂野が「女は黒い網タイツ履いてたぜ」と嬉しそうに呟き、下品な声で笑い出したのだった。



             —2—


 駐車場の水銀灯に照らされる夜の神社は、まるでお化け屋敷のセットのように不気味に浮かび上がっていた。
 深夜徘徊には馴れていた。今まで、猛烈に襲い掛かる性欲に狂わせられながら、何度深夜の街を彷徨い続けた事かわからない。
 公園の公衆便所、中学校の体育館、マンションのボイラー室に廃墟の民家。そんな薄気味悪い場所に深夜こっそり忍び込んでは猟奇的なオナニーを繰り返して来た洋司だったが、しかし、神社の入口で、鬱蒼とした森に囲まれた暗闇にぽっかりと浮かんだ真っ赤な鳥居を目にした時には、さすがの洋司も足が竦んだ。
(本当にいるんだろうなぁ手コキ姫は……)
 そう思いながら恐る恐る真っ赤な鳥居を潜り抜けた。床屋の親父たちの間では、その女は『手コキ姫』と呼ばれているらしい。

 石畳に散らばる小石をジャリジャリと踏みしめながら、正面に構える本堂に向かって進んだ。本堂へ続く石畳の脇には、古びた灯籠や狛犬の石像、そして巨大な杉の木が何本も連なり、なんとも神聖な迫力を醸し出していた。
 雨上がりのせいか、本堂に近付くにつれ、湿った古木の香りがムンムンと漂って来た。そんな本堂の前に立ち止まり、さてどうしたものかと途方にくれた。静まり返った境内に、人の気配など全く感じられないのだ。
(やっぱり、騙されたのかな……)
 そう思いながらドス黒い賽銭箱を見つめていると、ふと、本堂の脇にある奉納絵馬の裏で黒い影が動いた気がした。
 幽霊か? それとも手コキ姫か?
 心臓を激しくドクドクさせながら、無数の絵馬がぶら下がる奉納絵馬へとジリジリと近付いた。
 絵馬と絵馬の隙間から、裏に潜んでいる人影が確かに見えた。しかし、果たしてそれが手コキ姫かどうかはわからない。もしかしたら賽銭箱を狙いにやって来たホームレスかも知れないし、はたまたキツネに取り憑かれた異常者かも知れないのだ。
 洋司はいつでもダッシュできる体勢になりながら、そっと腰を屈めて絵馬と絵馬との間を覗き込んだ。

『お父さんのイボイボが早く治りますように』

 そう書かれた絵馬の下に大きな眼球が潜んでいた。その眼球は小刻みに震えながらもジッと洋司の目を凝視していた。
 おもわず叫び声を出しそうになった洋司だったが、しかしそれが何者であるのかをまずは確かめるのが先決だと、出かかった声を慌てて飲み込んだ。
 洋司は大きく息を吸い込むと、茂野から聞いていた『合言葉』をできるだけ穏やかな口調で口ずさんだ。

『♪こぉ〜こは、どぉ〜この細道じゃ〜♪』

 相手が手コキ姫なら、その合言葉に『♪天神様の細道じゃぁ〜♪』と返して来るらしい。
 しかし、その眼球は驚いたように洋司を見つめているだけで、一向に合言葉を返そうとはしなかった。
 洋司はゴクリと唾を飲んだ。
(合言葉を返して来ないと言う事は、こいつは手コキ姫ではない。ということはこいつはいったい誰なんだ。こんな夜中にこんな所でいったい何をしているんだ……)
 不気味な沈黙の中、洋司はそう思いながら背筋を凍らせた。あまりの恐怖からか、その思考は現実逃避し始め、不意に目の前の絵馬に書かれている『お父さんのイボイボ』というのは、いったいどこにできたイボの事なのだろうなどと、どうでもいい事を考えながら乾いた喉に唾を押し込んだ。

 そんな沈黙がしばらく続いた。突然、雨上がりの生温かい夜風がフワッと吹いた。頭上に聳える杉の木の枝がザワザワと音をたて、ぶら下がる絵馬が牧歌的な音色をカラカラと鳴らした。
(逃げよう……)
 そう思った瞬間、突然、絵馬の向こうから「ぷっ」と噴き出す笑い声が聞こえた。
 それは明らかに若い女の笑い声だった。踏込もうとしていた体勢を元に戻し、(もしかしたら……)と、願いを込めながらもう一度絵馬の隙間を覗き込んだ。
 そこには、真っ白な女が唇を歪ませながらニヤニヤと笑っていたのだった。

 大きな目に小さな顔。お嬢様風のファッションに身を包んだそのスレンダーな身体は、まるでファッション雑誌から飛び出して来たモデルのように、この不気味な深夜の神社には不釣合いなオーラを醸し出していた。

「その唄、なぁに?」

 女はクスクスと笑いながら、奉納絵馬の裏からソッと姿を現した。
 洋司は、この女こそ手コキ姫に間違いないと確信しながらも、「この唄が合言葉だと聞いて来たものですから……」と、照れくさそうに頭を掻いた。
「それって床屋のおじさんが言ってたんでしょ」
 女は上品な笑顔でクスクスと笑うと、「あのおじさんはね、そんな事ばかり言い振らしてるのよ。この間なんてね、ドラえもんの唄をフルコーラスで歌い出した人もいたんだから」と、その大きな目を餃子のように歪ませながら、その時の光景を思い出したかのようにケラケラと笑い出した。
 一瞬、洋司の胸に(あのタコ親父め……)という怒りがふつふつと湧いたが、しかし、目の前で笑っている妖精のような美女を見ると、そんな怒りも秒殺で消えたのだった。

 女は玉砂利を踏みしめながら洋司に近付くと、小さな顔を斜めに傾けながら「もしかして高校生?」と目を丸くした。そんな女の可愛い仕草は『ふわふわな小動物』を彷彿させた。
「……はい……高校生はダメですか?……」
 再び女はクスッと笑った。そして不意に洋司の手をソッと握った。
「ダメじゃないけど、学割は利かないよ」
 女は何故か嬉しそうにそう呟くと、不意に洋司の腕にぶら下がるように寄り添いながら、「行こっ」と本堂に向かって歩き出した。
 生まれて十七年の間、母親以外の女性の身体に一度たりとも触れた事のなかった洋司は、まるで赤ちゃんの頬のように柔らかい女の手の感触に心臓をバクバクさせながら、真っ暗な本堂の裏手へと連れて行かれた。
 本堂の裏へ行くには更に小さな階段を上らなければならなかった。
「暗いから足下に気を付けてね」
 そう優しく囁きながら階段を上り始めた女の髪から、今まで洋司が嗅いだことのない、甘い香りがムンムンと漂ってきた。
 階段を上る女の後ろ姿を見上げた洋司は、まるでフジテレビのアナウンサーのような女だ、と、その清潔感溢れる後ろ姿を見てそう思った。そんな洋司の陰茎は、既に痛いくらいに勃起していたのであった。


             —3—


 洋司が連れて行かれたのは、本堂の裏にあるコンクリートブロックに囲まれた細い通路だった。
 ブロック塀の裏には竹やぶが覆い茂り、更にその奥には児童公園が広がっていた。そこを照らす水銀灯の明かりが、竹やぶの隙間から注ぎ込み、晴れた日の木漏れ日のように通路をボンヤリと照らしていた。
 通路の真ん中で立ち止まった女は、くるりと後の洋司に振り向くと、そのままストンっと洋司の足下にしゃがみ込んだ。
「前金ね」
 女はそう囁きながら洋司のジーンズのボタンに手を掛けた。
「あ、あのぅ……」
 あまりの成り行きの早さに緊張を隠せない洋司は、しどろもどろになりながらもおもわずジーンズのボタンを外そうとする女の指を払い除けてしまった。
「なぁに?」
 女はしゃがんだまま洋司を見上げ、不思議そうに首を傾げた。
「い、いえ……あのぅ……」
 洋司はそう呟いてから下唇を噛んだ。
 尋ねたい事は山ほどあった。年齢はいくつなのか、職業は何をしているのか、どうしてこんな事をしているのか、なぜ神社なのか……。
 しかし緊張する洋司は何一つ聞く事ができない。質問をするどころか息をする事でさえ精一杯なのだ。
 そんな洋司の心を見透すように、女は怪しくニヤリと微笑んだ。

「どうしてこんな事をしてるのかとか聞かないでね。いちいち答えるの面倒臭いから」

 女はそうクスッと笑うと、再び洋司のジーンズのボタンを指で摘み、慣れた手つきでプチッと外した。
 洋司は足下の美女を恐る恐る見下ろしながらポケットの中から五千円札を取り出した。そしてそれを女にソッと差し出しながら、女のしゃがんだ股間に目をやった。スカートの中では、女の細く長い脚が、柔らかい曲線を描きながら『M』という字を作っていたのだった。


             —4—

 静まり返った深夜の神社は厳粛すぎるほどに厳粛だった。
 そんな厳粛な闇の中、竹やぶの笹が夜風に吹かれる音を聞きながらジーンズのボタンを外された。
 女は、まるで看護婦のように慣れた手つきでジーンズを太ももまでズリ下げると、綺麗にネイルされた指先でトランクスのゴムを摘んでは、不意に洋司を見上げて「んふっ」と微笑んだ。
 そんな魔性の笑みに、洋司がおもわずクラっと目眩を感じたその瞬間、女は素早くトランクスをスルッと下げた。
 半勃起したペニスが、神聖な夜風に吹きさらされた。皮から剥き出されたままの亀頭がやけに敏感になっており、生温い夜風にさえ刺激を受けていた。
 もちろん、母親以外の女に性器を見られるのは始めてだった。他人に性器を見せたいという露出願望は以前から強く、今までに何度かそれを実行しようと暗い路地で帰宅途中のOLを待ち伏せした事もあるが、しかしいざ実行しようとすると足が竦んで動かなかった。

 女はかなりの至近距離でジロジロと見つめていた。それだけで洋司はハァハァと熱い息を吐き、今にも倒れてしまいそうなくらいに興奮してしまっていた。しかし、そんな興奮とは裏腹に、極度の緊張のせいかペニスはダラリと項垂れたままだった。
 女は無言で竿の部分を摘まみ上げた。それはまるで草食恐竜の死骸の首を持ち上げるような仕草だった。
 そして、女はその裏側を悪戯っ子のような目で覗き込む。

「わっ……我慢汁で濡れてるね……」

 いつの間に放出していたのか、我慢汁はトランクスを湿らす程に溢れていた。
 女は唇をニヤニヤと歪ませながら、そんな亀頭の裏にある『人』という字に指先をヌルヌルと滑らせては、「溜ってるの?」などと、爽やかな口調で囁いた。
 他人に性器を見られるのが始めてだから、当然、触れられるのも始めてだった。
 小学生の頃から勉強勉強の毎日で、『モーニング娘。』さえもろくに知らなかった洋司は、今までまともに女の子と接した事がなかった。そんな洋司が、今、綺麗なお姉さんに生ペニスを弄られているのだ。
 洋司は凄まじい興奮に包まれていた。濃厚なアドレナリンがバクバクと溢れ出し、不意に目の前のこの綺麗なお姉さんを殺してしまいたいと思う程に、奇妙な感情に襲われた。が、しかし、そんな気持ちとは裏腹に、未だペニスは死んだ草食恐竜のままだった。

「立たないね……」

 女はそう呟きながら、その白魚のように綺麗な人差し指をカリ首に滑り込ませ、溢れる我慢汁を潤滑油にしながらヌルヌルと刺激した。

「す、すみません……緊張しちゃって……」

 そう指摘されて焦る洋司は、今にも泣き出しそうな表情で目をシバシバとさせた。

「もしかして童貞?」

 女は好奇心旺盛な目をキラリと輝かせながら洋司を見上げた。

「……そ、そうです……すみません……」

 その言葉に、女は「どうして謝るのよ」とプッと噴き出し、なにやら凄く楽しそうにクスクスと笑い始めた。
 そんな女の仕草があまりにも嬉しそうだったため、ふと洋司は(この女はもしかしたら僕に気があるのでは?)などとさえ思ってしまう程だった。
 そんな女はクスクスと笑いながらも萎れたペニスを握りしめた。そして「童貞君なんだぁ……」などと呟きながら、ペニスをおもむろにシコシコと上下し始めた。

 厳粛に静まり返る本堂の裏に、我慢汁が粘る、ぺちょ、ぺちょ、という不浄な音が小さく響いた。女の手の平には、まるで溶けたオブラートのようなヌルヌルとした液体が、無数の細い糸を作っていた。
 勃起はまだ完全にしていなかったが、しかし、それでもその快感は凄まじいものだった。このまま射精してしまうのではないかと思うくらいに強烈な気持ち良さだった。

 しかし女は、そんな洋司の心境を察していなかった。
 どれだけシゴいても一向に固くならないペニスに、女は責任を感じたのか、突然洋司を見上げると、「おっぱい見たい?」などと必要以上のサービス精神を出し始めたのだ。
 そんな予想外のサプライズに、喜びで背筋をブルっと震わせた洋司は、おもわずこう言い放ってしまった。

「おっぱいよりもアソコを見せて下さい」

 言ってしまってから、洋司の顔がカッ! と赤く火照った。一瞬、しまった! と思ったが、しかし口に出してしまった以上、もうどうにもならない。
 すると女は困惑しながら「えぇぇ……」と眉を顰めた。そして唇を小さく尖らせながら「アソコはヤダよぅ……」と苦笑した。
 そんな女の仕草と表情が、洋司の幼い心を異常に刺激した。まだこの女とは出会って数十分しか経っていないというのに、(この人の為なら僕は死ねる!)とさえ思う有り様だった。

「お願いします! これでなんとか!」

 洋司はそう叫びながら、膝で止まったままのジーンズのポケットから残りの三千円を取り出すと、それを女の目の前に差し出した。

「……でも……今日はまだお風呂入ってないし……」

 女は複雑な笑みを浮かべながら、赤ちゃんがするように顔をイヤイヤと振った。戸惑う女の口元で、並びの綺麗な真っ白な前歯がチカッと光った。

「そこをなんとかお願いします。僕、女の人のアソコを生でまだ一度も見た事が無いんです。だからお願いします。チラッとでいいですからなんとかお願いします……」

 女に向かって両手を合わせた洋司は、神頼みするかのように必死に祈り始めた。すると女はゆっくり地面に視線を落とすと、サンダルから飛び出していた自分の小指をクニクニと弄りながら、「どうしよっかな……」と唇を尖らせては、悩み始めたのだった。

 沈黙が続いた。遠くの方で暴走族が走り去って行く音が響いていた。剥き出したままの下半身を生温かい夜風がすり抜け、それと同時に背後の竹やぶがザワザワと揺れた。なんとしてもこの綺麗な女の陰部を見てみたいと思う洋司にとって、この沈黙は判決を待つ被告人の心境だった。
 女がゆっくりと顔を上げた。手の平サイズの小顔が月夜に照らされ、その美形がより妖艶に映し出された。
(まさにこの女は姫だ……)
 女の美しさにおもわず見とれてしまっていた洋司に向かって、女は恥ずかしそうにポツリと呟いた。

「じゃあ、ちょっとだけだよ……」

 女の呟く声に耳を疑った。それを心から求めていたはずなのに、いざ了解を貰うと、(マジかよ……)と怖気付いてしまった。
 女は洋司の手から三千円をソッと抜き取ると、それを足下に置いてあったポーチに押し込み、しゃがんでいた尻をモゾモゾと動かし始めた。そしてスカートの中に両手を忍ばせると、ゆっくりと洋司を見上げ、「恥ずかしいから、早く見て……」と今にも消え入りそうな声でそう呟いたのだった。

(後編へ続く)



           目次 後編

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