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145観光タクシー

《解説》
短編下着泥棒シリーズ・タクシードライバー編。
車内に旅行カバンを置きっぱなしにして観光する客。そんな旅行カバンに淫らな妄想を描く下着マニアなタクシードライバー。




 所謂、セレブと呼ばれる類いの若い奥さんだった。
 スラリと伸びた脚はカモシカのように細く、後部座席で組んでいるその真っ白な生脚は村上の動悸を著しく乱していた。
「わあぁ……綺麗な海……」
 そう目を輝かせながら奥さんが後部座席の窓を開けた。
 タクシーの車内に生温い海風が入り込み、奥さんの甘い香水の香りがより一層濃厚に村上の鼻をくすぐった。
「この辺りは海水浴もできるんですよ。夏になると地元の子供達があの岩山から飛び込んだりしてね、それはそれは賑やかなもんですよ」
 村上はそう笑いながら、カーステレオのボリュームをほんの少しだけ上げた。スピーカーからは、キラキラと輝く春の海を演出するかのように爽やかなBGMが流れ出した。

 村上はこの村で個人タクシーを営んでいた。
 人口三万人足らずのこの小さな漁村で、タクシーを使う者などほとんどおらず、利用者のそのほとんどは他所からやってきた釣り客か、若しくは昨年オープンしたばかりのリゾートホテルに宿泊する観光客だけだった。
 その日の朝も、村上はリゾートホテルから呼出しが掛かっていた。
 そのリゾートホテルはこの村に唯一ある宿泊施設で、この村には珍しい瀟酒な作りのホテルだった。外資系の会社が高級リゾートホテルとして建てたらしく、その一泊の宿泊料金は村上の一ヶ月の売上げを軽く上回っていた。
 そんなホテルに泊まる客は金持ちばかりだった。洗練された都会的センス溢れるブルジョアな人達ばかりで、そんな人達をタクシーに乗せる度に、この見窄らしい漁村を見られるのが恥ずかしくて堪らなかった。
「この村は何の取り柄もない村ですけど、海だけは綺麗なんですよ」
 海を見つめる奥さんに、村上がいつものように捻くれた言葉を呟くと、いかにも大手企業の重役らしき旦那さんが、「海岸に下りてみたいんだが、無理かね」と突然言い出した。
「いやぁ、この辺は岩がゴツゴツしてるばっかりで、とてもじゃないですが海岸まで辿り着けませんよ」
 村上はそう言いながらも、即座に「ここから二十分ほど先に国定公園の遊歩道がありますが、そこだったら海岸に下りる事は可能なんですけどね」と呟いた。
 あまり強調して言うと押し売りのように受け取られてしまう為、さりげなく呟いた。
「どうする? せっかくだから行ってみるか?」
 旦那が野太い声で妻に聞いた。
「行きたいわ」
 すかさず妻が声を踊らせた。
 急遽、タクシーは遊歩道へと進路を変更した。これで今日の売上げが増したぞと、ハンドルを握る村上の頬が自然に緩んだのだった。

 そんな遊歩道へ向かう途中、奥さんの携帯電話が鳴り出した。
 奥さんはバッグの中から携帯を取り出すと、突然旦那に向かって「堀江産業の生島会長です」と堅苦しい口調で呟き、そのまま携帯をピッと鳴らした。
「お世話になっております、秘書の飯島です。只今、先生にお代わり致しますので」
 そう言いながら奥さんは旦那さんに携帯を渡した。
 そんなやりとりを運転席から伺っていた村上は、そこで初めてこの二人が夫婦ではない事に気付いた。電話の内容からして、男は代議士か何かで、女はその秘書のようだった。

(美人秘書を連れて高級リゾートホテルに泊まる代議士か……)
 そんな三流週刊誌の記事のような言葉が村上の頭に浮かんだ。こんな綺麗な秘書と高級ホテルに泊まるなんて俺にとったら夢のまた夢だと思いながら、バックミラーに映る秘書を羨ましそうに見つめた。
 男の手が秘書の太ももの上に置かれていた。昨夜、あのリゾートホテルの一室で、秘書の陰部をその芋虫のような指で弄りまくったんだろうなと思うと、卑猥な妄想が次々に頭に浮かんで来た。
 大きなベッドで細い脚をM字に開かされた秘書は、先生恥ずかしいと呻きながらも、クリトリスを転がす先生の厚い舌に身を捩る……
 不意に先生が秘書の華奢な身体を押さえ込みながらバンバンと腰を振る。
 村上は、(中出ししたのか?)とバックミラーで先生を見る。
 先生は窓に映る海を見つめながら産業廃棄物の話しをしていた。
 続いて、(先生の肉棒にヒィヒィとヨガリ声をあげながら何度もイッたのか?)と秘書を見る。
 秘書はバッグからファンデーションを取り出し、手鏡を覗き込みながらパタパタしていた。
(おまえら、生々しいんだよ……)
 そう吐き捨てながら村上は前を向いた。遊歩道はもうすぐ目の前だった。

 国定公園に着くと、そのまま海の見下ろせる駐車場に入った。
 相変わらず人気は無く、駐車場には一台も車が止まっていなかった。
 後部座席では、先生がまだ電話で話していた。村上は、その電話の内容があまりにも複雑だった事から、ここは席を外した方が良さそうだと思い、秘書にそれをソッと告げるとそのまま車の外で待つ事にした。
 運転席を降りると、生温かい海風が村上の耳をゴワワワワワワっと襲った。
 相変わらず風が強かった。特にこの頂上の駐車場は風が強く、そこに並ぶ杉の木も皆同じ方向に傾いてしまっているくらいだった。
 村上は煙草を吸おうと、遊歩道の入口にある石塔へと足を進めた。
 石塔を風よけにして百円ライターをシュッシュッと擦るが、しかしあまりにも風が強過ぎて百円ライターでは全く歯が立たなかった。
 諦めた村上がタバコを箱の中に戻すと、不意に背後から「すみませーん」という声が聞こえてきた。
 振り向くと、秘書がデジカメを片手にこちらに向かって走って来た。
「写真撮って頂けます?」
 秘書は海風に栗色の長い髪を靡かせながら村上にデジカメを渡した。
「お連れ様はよろしいんでしょうか?」
 それを受け取りながらタクシーの先生を見る。旦那様と呼ぼうか先生と呼ぼうか悩んだ挙げ句、お連れ様と呼んだ。
「いいです。まだ電話してますから」
 秘書はそう微笑みながら石塔に歩み寄ると、石塔を風よけにするようにしてポーズを取ったのだった。

 デジカメ越しに見る秘書はやはり美しかった。どこかの大きな会社の社長令嬢のように上品だった。
 バックミラーでは気が付かなかったが、こうしてマジマジと見ると年齢はまだ若いだろうと思った。二十八、いや二十六歳くらいか。
 しかし、いずれにせよ、あの先生と呼ばれる男は五十近くの中年だ。見た目は綺麗でも、この女の心と体は汚れきっている、と、村上はデジカメを覗き込みながらそう思った。
 数枚の写真を撮ってデジカメを秘書に返すと、海風に煽られた髪から高級なリンスの香りがフッと村上の鼻孔をくすぐった。
 秘書は駐車場の手摺から海岸へと続く遊歩道を覗き込み、「うわぁ、綺麗」と興奮しながら海に向かってデジカメのシャッターを切りまくっていた。
 そんな秘書の白いスカートが風にバタバタと靡いていた。華奢な背中と小ぶりな尻と、まるで子持ちししゃものように細いふくらはぎを見つめる村上は、死ぬまでに一度でいいからこんなイイ女を抱いてみたいとゴクリと唾を飲んだのだった。

 しばらくするとタクシーのドアがバタンっと閉まる音が聞こえた。振り向くと、突風に顔を顰めながら先生が歩いてきた。
「海岸まで随分と歩かなくちゃなんないんだなぁ」と海岸へと続く遊歩道を見下ろしながら先生が呟くと、秘書が先生の出っ張った腹をポンポンと叩きながら「たまには運動しなくちゃ」と白い歯を見せた。
(昨夜散々運動してるくせに……)
 村上はそう心で呟きながらも、急な坂道が多いから足下には十分気をつけて下さいねと、遊歩道の入口へと二人を誘導したのだった。

 二人が楽しそうに笑いながら遊歩道を下りて行くのを駐車場の手摺に凭れながら見ていた村上は、再びポケットからタバコを取り出した。
 が、しかしここで百円ライターが活躍してくれるはずがなく、諦めてタクシーで待つ事にした。
 海岸へと続く遊歩道はくねくねと曲がりくねっているため、タクシーの中からも歩く二人の姿を見る事ができた。そんな二人を眺めながらタバコを消すと、ふと後部座席に置いたままの秘書のバッグが目に飛び込んで来た。
(どうせスケベ先生におねだりして買って貰ったバッグなんだろうな……)
 高そうなバッグを見つめながらそう思った村上は、ゆっくりと遊歩道の二人に目をやった。
 二人はまだ遊歩道の真ん中辺りをヨタヨタと歩いていた。そこから海岸まで約五分。海岸で散歩するのが十分として、帰りは再び十分掛かる。という事は、最低でもあの二人はまだ二十分間はタクシーには戻って来ない。
 村上の胸に熱いモノが込み上げてきた。以前、同じように女子大生のグループをこの遊歩道に案内した事があった。その時、上戸彩によく似た女子大生のボストンバッグを物色し、そこから黄色いシミの付いた下着を発見した事がある。
 上戸彩似の女子大生の黄色いシミをペニスに擦り付け、そこに大量の精液を注ぎ込んだ時のあの興奮が、今、再び村上の胸に熱く甦ってきたのだ。
(犯してやる……)
 村上は熱い息と共にそう呟くと、後部座席に手を伸ばした。秘書のバッグを運転席へと移動させ、もう片方の手で既に固くなっている肉棒を鷲掴みにした。
 遊歩道を警戒しながらバッグのジッパーをゆっくりと開けた。買ってまだ間もないのか、バッグの中から高級な牛革の匂いが漂ってきた。

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(※この画像は、読者の五月雨さんから投稿して頂いた画像です)

 バッグの中には革製のスケジュール帳や書類封筒が綺麗に整頓されていた。靴下や食べかけのポテトチップスの袋やドライヤーなどが押し込まれていた上戸彩似の女子大生のボストンバッグとは雲泥の差だった。
 そんな書類やスケジュール帳を慎重に掻き分けながらバッグの底を覗く。上戸彩似の場合、目当ての下着は小さなポーチに押し込められていた。だからポーチ系の小袋を探したのだが、しかしそれらしき物は見当たらなかった。
 そんなバッグの中には、小さな革製のポシェットらしきものがもうひとつ入っていた。随分と高価そうなポシェットであり、恐らく議会で使われる重要書類等が入っているのだろうとあまり興味を示さなかった。
 そんなバッグの中には、

■ハンカチ(エルメス)
■カルティエのライター(恐らく先生用)
■キスミントガム(ホワイトサワーミント)
■ 内用薬(川野レディースクリニックの袋に入った錠剤)
■キーケース(ルイ・ヴィトン)
■メガネケース(中身はシャネルのサングラス)
■付けマツゲ(片方だけ)
■紙おしぼり(JRのロゴ入り)
■ 財布(現金六万二千円・ゴールドカード四枚)
■ iPod(恐らく個人用)

 と、目当てのブツは見当たらない。
 村上は「糞っ」と吐き捨てながら、取り出したブツを慎重に元に戻した。
(あの女は昨夜から下着を替えていないのか?)
 そう思いながら、海岸で戯れる二人を見つめた。
 仕方なくエルメスのハンカチを摘まみ上げると、ダッシュボードからポケット双眼鏡を取り出した。双眼鏡で秘書を眺めながらこのハンカチの中に射精してやろうと考えたのだった。

 双眼鏡を覗き込むと、長い髪を靡かせながら裸足で波打ち際を走る秘書がいた。それはまるで七十年代の恋愛映画のワンシーンのように臭かった。
 バッカじゃねぇの、と呟きながらペニスを捻り出す。我慢汁で湿ったペニスをシコシコとシゴキながらハンカチを鼻に押し当てると、不意に頬を何かがカサカサと引っ掻いた。
 見るとそれは『HERMES』と書かれた小豆大のシールだった。と言う事は、コレは新品のハンカチという事である。
 こんなモノ、センズリのネタになるかっつーの! と海辺で戯れる二人に吐き捨てながら、ハンカチをバックの中に戻し、続いてiPodを取り出した。
 村上自身、iPodを使っていた。半年前、セールスにやって来たソフトバンクの若造に『観光案内なんかには凄く役立ちますよ』などと綺麗な画像を見せつけられながら勧められ、ついつい購入してしまった。
 結局、観光案内なんかに一度も使った事はなく、まんまとあの若造の口車に乗せられたと後悔していたが、しかし、今やっとiPodにしてて良かったと思う時が来た。
 馴れた手付きでiPodのスイッチを入れた。指先でロック解除を撫で、『写真』のアプリを人差し指で押す。
 画面に小さな写真がパラパラパラっと映し出され、村上はこの中にエロい写真はないものかとそれを指先で移動させた。
 九十四枚の写真の中から怪しい写真を見つけた。何やらテレビの『警察24時』で犯人が取り押さえられるワンシーンのような写真だった。
 なんだこりゃ? と思いながらその写真を開いた。開いた瞬間、村上は「あっ」と呟いたまま絶句してしまったのだった。

 ベッドの上で取り押さえられているのは、まさしく秘書だった。
 ストッキングの股間部分だけを破かれ、薄ピンクのパンティーをズラされ、横向き半バックの体勢でペニスをズンズンと突かれていた。
 しかし、ペニスを差している男は先生ではなかった。一見、どこにでもいるウダツの上がらないサラリーマン風の男だった。
(いったいこれはどう言う事だ?)
 村上は、画面の中でマラソンを終えたばかりのランナーのように汗だくになっている秘書を見つめながら考えた。
 このダサい男が秘書の彼氏だとは思えなかった。ブランド物に身を固めた代議士の美人秘書とこの男とではどう見ても釣り合わないのである。
(このセックスには愛が感じられない……)
 そう思いながらも、どうしてこの写真一枚だけが保存されているんだろうと頭を悩ませた。
(あまりにも無防備すぎる。代議士の秘書たる者が、こんな危険な写真をうっかり消し忘れるだろうか……それに、この写真はいったい誰が撮影したんだ?)
 そう思った瞬間、卑猥な笑顔を浮かべながら撮影している先生の姿が浮かんだ。
(こいつら、かなりの変態だぞ……)
 ハァハァと荒い息を吐く村上は、画面の中で苦しそうに悶えている秘書を見つめながらペニスを激しくシゴいた。もしかしたら、あの変態代議士は自分にも秘書をヤらせてくれるかも知れない、とそのシーンを妄想しながら、我慢汁でヌルヌルになった尿道に人差し指を擦り付けた。
 ねちゃねちゃとイヤらしい音を車内に響かせながら、村上はその画像を自分のiPodに送信した。この写真をネタにして秘書に迫ろうという魂胆だった。
 それには秘書や代議士の身元を調べなければならなかった。バッグの中の書類を見れば彼らの名前や住所が書いてあるだろうと思い、革製のポシェットを取り出した。
 ジッパーをギギギッと開け、ガマ口をパカッと開いた。その瞬間、バラの香水の甘い香りがふわっと広がった。
 ガマ口を開かれたポシェットの中には、探し求めていた下着がふんわりと横たわっていたのだった。

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(※この画像は、読者の五月雨さんから投稿して頂いた画像です)

 代議士の秘書に相応しい高級そうな下着だった。ソフトな肌触りとテラテラと青く輝く生地。女房が履いているゴムの伸びたボロ布のような腐ったパンツとは大違いだった。
 興奮する村上は双眼鏡を覗いた。海辺に立つ先生は、またしても携帯を耳に押し当てながら何やら気難しい顔をしていた。秘書はスカートの裾をたくし上げながら砂浜で波と戯れている。
 先生が電話をしているという事は、そろそろ帰って来る恐れがあった。あれほど風の強い砂浜ではまともに携帯電話など使えないからだ。
 そう焦った村上は、駐車場に誰もいない事を確認すると急いでズボンを膝までズリ下げ、シートを半分だけ倒した。
 解放されたペニスが天井に向かってビーンっと反り立った。
 パンティーを摘まみ上げながらペニスを大きく上下にシゴくと、乾いた唇から『あぁぁぁ……』という卑猥な声が洩れ、自然に両脚がピーンッと伸びた。
 快楽に下半身を痺れさせながらパンティーをゆっくりと開き、隠れるようにして踞っていたクロッチを曝け出した。

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(※この画像は、読者の五月雨さんから投稿して頂いた画像です)

 紺色のクロッチに、まるで雨漏りしたかのようなシミがジワッと広がっていた。
 しかし、オリモノにしてはこのシミの量は尋常ではなかった。女性の性器から分泌されるオリモノという物が、通常どれくらい分泌されるのかなど一介のタクシードライバーにわかるはずはなかったが、しかし、それにしてもこの量は多すぎると村上は思った。
(これは明らかにエロ汁だ)
 そう確信した村上は、そのシミに指先を押し当ててみた。きっと朝のシャワーで履き替えたのであろう、そのシミはまだじっとりと湿っていた。
 と言う事は、あいつらは朝っぱらからネチネチと変態行為に耽っていたのか? と首を傾げた村上は、嫉妬と憎しみを込めてペニスを力強くシゴいた。
 シートに凭れながら下着を目の前で開いた。それはまるで暇なタクシーの運転手が漫画の本を読み耽っているような光景だった。
 改めて広げて見るとシミは広範囲に広がっていた。それは秘書のワレメを大きくはみ出しており、欲情したエロ先生が下着を付けたままの秘書の股間を執拗に弄りまくった形跡だと村上は読み取った。
 目覚めのベッドで、いきなり股間を愛撫される秘書が『ふん、ふん』と喘ぐシーンが村上の脳裏に浮かんだ。そんな秘書の顔を思い出しながら濡れたクロッチを鼻に近づけた。
 プンっとチーズの香りが鼻についた。それは強烈な粉チーズ臭ではなく、焼きたてのピザから漂う、まろやかなチーズ臭だった。
 このチーズ臭はきっと昨夜の中出しの残り香に違いない、っと不敵に微笑んだ村上は、そこをクンクンと嗅ぎながら再びiPodの変態画像を開いた。
 ベッドの上で汗だくになりながら悶える秘書を見つめ、そのシミに舌を伸ばす。
 シミは無味だったが、しかしそのヌルッとした感触はしっかりと舌先に伝わってきた。
(あぁぁぁ、あぁぁぁ、ヤラせろ、俺にもヤラせろ、おまえの乱れたオマンコを俺のペニスでぐちゃぐちゃに掻き回してやる……ハァハァハァハァ……)
 そう呻きながらクロッチをベロベロと舐めた。今、全くの赤の他人の分泌物を舐めているんだと実感すると、その興奮は更に勢いを増した。
 クロッチのヌルヌル感が消えるまで舐めまくると、唾液で湿ったクロッチをペニスに押し付けた。そしてテラテラ生地の下着でペニスをスッポリと包み込むと、再びiPodの画面を見つめながらペニスを激しくシゴいた。
 iPodの画面に指を置き、その結合部分をアップにした。グロテスクな陰部に、真っ赤な亀頭がヌポッと突き刺さっているのが目に飛び込んで来た。その感触を妄想しながら、下着に包み込んだペニスからゴシゴシと音を立てた。
 そんな結合部分から、白くてヌルリとした汁が垂れているのが見えた。その汁はいったいどっちの性器から出た物なのかと想像した。
(女だったらかなり感じている証拠だ。男だったら中出しした証拠だ)
 そう思った瞬間、村上の脳裏に閃光が走った。亀頭が異常に敏感になり、尿道をドクドクと走る精液の感触が指に伝わってきた。
 
「うっ!」っと唸った瞬間、それまで亀頭にザラザラと擦れていたクロッチの感触が、急にヌルヌルに変わった。
 再び、「うぐっ!んふっ!」と車内に短い叫び声が響いた瞬間、同時に、ピーンと伸ばした足がアクセルを強く踏んでしまい、突然ブオオオオンっとエンジンが唸った。
(マズい!)
 咄嗟にそう思った村上は、射精の余韻を味わう間もなく慌てて海岸に目をやった。が、しかし、さっきまでそこにいたはずの二人の姿が消えている。
(嘘だろ!)
 そう焦りながら遊歩道を見ると、入口の石塔の前にポツンと立つ二人が、いきなりアクセルを空吹かししたタクシーを呆然と見つめていた。
(あわわわわわわわわ)
 村上は慌ててペニスから下着を引き抜いた。大量の精液がドロッと溢れた。条件反射でそれを避けようとした村上は、伸ばした足で再びアクセルを強く踏みしめてしまった。
 ブオォォォォォォォンっとタクシーが激しく震える中、村上は運転席に散らばるハンカチやiPodを慌ててバッグの中に押し込んだ。
 と、その時、慌てる村上の肘がギアに当たった。ガタッとギアが移動し、『D』と表示された部分で止まった。
 ガクン!っと車体が揺れた。力一杯空吹かしされていたエンジンは勢いをつけてタクシーを急発進させた。
「わっ!」と思った瞬間、タクシーは駐車場の手摺に激しく激突した。そしていとも簡単にその手摺を突き破ると、目の前に広がる急な遊歩道を、樹木をバサバサとなぎ倒しながら下って行った。
 それはまるでジェットコースターのようだった。村上は「うがぁぁぁぁぁ」と必死に叫びながらも、ただただハンドルにしがみ付くしか方法はなかったのだった。

 急斜面を滑り降りたタクシーは海に向かった。しかし運良く砂浜にタイヤを取られ、みるみるとスピードを緩めて行くと、波打ち際で静かに停止した。
 ハァハァハァハァっと激しく肩を揺らす村上のすぐ目の前に、春の穏やかな海が広がっていた。
 波の音だけがひたすら続く中、「大丈夫ですかー!」という秘書の叫び声が聞こえてきた。振り向くと、秘書はウサギのように小走りしながら遊歩道を駆け降りていた。
 村上は大きく深呼吸すると、車内に散らばった秘書のブツをバッグの中に押し込んだ。急斜面を急降下したのだからバッグの中がグシャグシャになってて当然だ、と自然な流れで証拠隠滅できた事に安堵した。
 間一髪の所でパンティーオナニーを見られる事なく逃げ切った村上は、ざまあみろ、と呟きながらタクシーから降りた。
 穏やかな波の音を聞きながら、遊歩道を慌てて下りて来る代議士と秘書を待った。しばらくするとハァハァと息を切らせながら降りて来た秘書が「怪我はありませんか?」と近付いてきた。
 一瞬、iPodの中の苦しそうに悶える秘書の顔が浮かんだ。
「申し訳ございません……」
 村上がそう項垂れると、やっと到着した代議士の先生が開口一番「警察はまずいぞ」と村上の顔を睨んだ。
 恐らく警察に事故処理されて秘書との不倫旅行が発覚するのを怖れているのだろう、代議士は「警察ではなく『JAF』を呼びなさい」と秘書に叫んだ。
「本当になんとお詫びをしていいものか……」
 そう項垂れる村上を横目に、秘書がタクシーの後部座席のドアを開けた。シートに四つん這いになりながら座席の下に転がっていたバッグにソッと手をやる。
「いったい、キミは何をやってたんだね。どうしていきなり急発進なんかしたんだ」
 代議士は顔を顰めながら村上の顔を覗き込んだ。
「はい。お客様の姿が見えましたので、入口までお迎えに上がろうと車を移動させた所、ついアクセルとブレーキを間違えてしまいまして……」
 最もらしい嘘を付いた。
 そんな村上の嘘に、代議士がしょうがねぇなと大きな溜息をつくと、その隣りで秘書がバッグのジッパーをギギギッと開けた。
 iPodを開いた秘書が「えっ?」と首を傾げた。
「どうしたんだ」とiPodを覗き込む代議士。
「これ、私のiPodじゃない……」
 そう顔を顰めながら秘書がiPodの画面を代議士に向けた。iPodの画面には『メール送信済み』というメッセージが表示され、同時にその送信されたメールの画像が画面一杯に映し出されていた。
 代議士は慌ててiPodを奪い取ると、「ど、どういう事だ」と、カリリリリッと音を立てながら必死にiPodを操作し始めた。
 そのiPodが自分のモノだと発覚するのが時間の問題だと思った村上は、この時ほど、iPodを勧めたあのソフトバンクのセールスマンを憎いと思った事はない。

(下着泥棒シリーズ・観光タクシー・完)

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