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さよなら地下鉄1

2012/05/19 Sat 02:10

さよなら地下鉄1



朝から凄まじい光景を目撃した。
朝の満員電車の奥の隅。
吊り革に捕まる僕のすぐ目の前で、サラリーマン風の男が、若い女のスカートの中に強引に手を入れていた。

スカートの中を弄られる女は、今にも泣き出しそうな表情で俯いていた。
男は素知らぬ顔して窓の外を見つめながら、スカートの中でモゾモゾと手を動かしている。

それは明らかに痴漢だった。

痴漢を目撃するのは生まれて初めてだった。
エロサイトのサンプル動画で何度か見た事はあるが、しかし本物の痴漢を目の当りにするのは初めてだ。

素直に焦った。
目の前で人が殺されるシーンを目撃したかのような恐怖に包まれた。
背筋がゾクゾクとし、無意識に膝がガクガクと震えた。

(あの人を早く助けてあげないと……)

露骨な状況に衝撃を受けながらも、そんな正義感が湧いてきた。
汗びっしょりの手で必死に吊り革に掴まりながら、どうやって助けようかと悩んでいると、不意に男と目が合った。

男はカミソリのような鋭い目で僕を睨んだ。
そして僕の全身を舐め回すように見回すと、唇の端を微かに歪ませながら「ふん」と笑った。
それはまるで、オマエの顔は覚えたからな、と、言っているような目つきだった。
そして「ふん」っという笑いは、高校生のガキが俺様に逆らうのか?という余裕の笑みに思えた。

僕は男に暗に脅迫された。
男のその鋭い目つきと余裕の笑みで、僕は完全に恐怖に包まれてしまったのだった。

関わらないようにしようと視線を窓の外に向けた。
来年、大学受験を控えている僕は、今ここで痴漢裁判などに巻き込まれるわけにはいかなかった。

それに、この男に逆恨みされるのも嫌だった。
僕は心を無にして、その悲惨な状況を黙殺した。
教室の窓からも見える見慣れたビルが通り過ぎて行くのが見えた。
あと数分で駅に着く。
駅について電車を降りれば、またいつもの生活に戻るのだ。

この電車内での出来事は忘れよう。これは夢なんだ。
必死に自分にそう言い聞かせながら現実から目を反らし、流れ行く窓の外の風景を見つめていると、不意に僕の耳に「やめて下さい」と小声で呟く女の声が飛び込んで来た。

目は誤魔化せても耳は誤魔化せなかった。
とたんにやるせない気持ちに陥った僕は、下唇をギュッと噛みながら項垂れた。
汚れたスニーカーの爪先を見つめながら、一刻も早くこの時が過ぎてくれる事を必死に祈った。
しかし女の声は、ガタンタタン、ガタンタタン、っという電車の音に混じりながらも、更に僕の耳に侵入してきた。

女は泣いているようだった。
「いや、やめて」と小声で訴える声の合間合間には、喉をひくひくとさせる悲しい音が聞こえた。
その音が僕の良心をじわじわと責めた。
胸が締め付けられる思いがした。

しかし僕は動けなかった。
これだけ大勢の人の前で、堂々と犯罪を犯すこの男が怖くて怖くて堪らなかった。
男は異常者に違いない。
先日も、女子高生に痴漢している異常者に「やめろよ」と注意したばっかりに、いきなり電車のホームに突き落とされて殺された大学生がいたばかりだ。

僕は項垂れたまま自分を殺していた。
異常者には関わり合いたくない。
今の僕は僕ではなく、ただの蝋人形なんだとそう自分に暗示を掛けて、ひたすら俯いていた。

ふと僕の腹に何かが当たった。
僕の鳩尾部分で、何かがリズミカルにグイグイと動いている。
ソッと薄目を開けた僕は、グイグイと押される腹部を見た。
なんと、僕の腹をグイグイと押しているのは男の肘だった。
白いワイシャツに包まれた男の肘が、僕の鳩尾辺りをグイグイと押していたのだ。

僕はそんな男の肘を恐怖に包まれながら見つめていた。
この男はいったい何をしているんだろうと、恐る恐る視線を辿らせて行くと、男の手首が女の下着の中にスッポリと入っているのが見えた。
なんとこの男は、女の下着に堂々と手を押し込み、女の股間を生でもぞもぞと弄っていたのだ。

それを見た瞬間、凄まじい恐怖に襲われると共に、何とも表現のしにくいモヤモヤとした感情が僕の心に芽生えた。
凄まじい目眩を感じながらも、僕の乾いた唇からはハァハァと荒い息が漏れ始めたのだった。

女は白い下着を履いていた。
僕の位置からは、白地にキラキラと光る縦縞のラインまでもが、はっきりと見る事ができた。

下着は、押し込まれた男の手でもっこりと膨らんでいた。
男の指が下着の中でモゾモゾと動いているのが見えた。

男の指がどこをどうやって弄っているのかなんとなく想像がついた。
女はその部分を触れられないようにしているのか、必死に腰をくねらせるその姿は、まるでオシッコを我慢しているようだった。

「感じてるのか?」
「ほら、指が入っちゃったよ」
「こっそり、ちんぽ、入れてあげようか?」
そんな卑猥な言葉がボソボソと聞こえてきた。
いやらしく囁く男は、女の白い頬にハァハァと荒い息を吹き掛けながら、もう片方の手で自分の股間を揉んでいた。

女は、まるで雑巾を絞るかのように顔をクシャクシャにさせながら、必死に泣き声を押し殺していた。
二十代半ばの綺麗な人だった。
高級なブティックでセレブ相手に高額なブランド品を売ってそうな、そんなアパレル系の上品な女だった。

きっとこの女は、今朝家を出る時、まさか自分がこんな目に遭わされるとは思ってもいなかっただろう。
突然、見ず知らずの男に陰部を弄られ、大勢の人の前で恥辱を受けるとは、夢にも思っていなかったはずだ。
そんな女の今の気持ちを想像すると、可哀想だと思う半面、何やらSMチックな感情が僕の胸でざわざわと蠢いた。

僕の中から正義感などというものはすっかり消え失せていた。
この女が恥辱を受ける姿をもっともっと見てみたいという破廉恥な感情だけが渦巻いていた。

そんな僕のペニスは痛いくらいに勃起していた。
カバンで股間の膨らみを隠しながら、勃起したペニスをカバンの裏側にグリグリと押し付けては小さな快感を味わっていたのだった。

下着の中の男の掌は、まるで女の股間を鷲掴みするかのように股間にぴったりと張り付いていた。
そして指だけがグニグニと動いている。
その指が動く度に、張り付く男の手と女の股間に微かな隙間ができた。
その隙間を上からソッと覗き込むと、男の掌の中でわさわさと蠢く陰毛が見えた。

男の指は女の股間でL字に折れていた。
その位置からして、指は確実に女の性器に挿入されているようだった。
それが何本挿入されているかまではわからなかったが、しかし、女のその苦しそうな表情を見れば、それが一本や二本ではない事が想像できた。

女は切れ長の目をギュッと瞑っていた。
男の指が動く度に、薄い瞼がピクピクと痙攣し、上品なツケマツゲが小刻みに揺れていた。

僕は勃起したペニスをカバンに押し付けながら、項垂れる女にソッと顔を近づけた。
栗毛色の髪の中に白い頭皮が見えた。
甘いリンスの香りが微かに漂ってきた。

突然、女の頬がピクッと動いた。
「嫌です……」
女は押し殺した声でそう呟いた。

僕は恐る恐る女が呟いた先に視線を移した。
女の白い太ももにドス黒い肉棒が突き刺さっていた。
それは紛れもなく男のペニスであり、紫色した亀頭の先は我慢汁でテラテラに輝いていた。

「早くしろ」
男はそう囁きながら女の小さな手を掴むと、強引にペニスを握らせた。
女の指には力が入っていなかったが、しかし、女の五本の指の中には、黒々としたペニスがしっかりと差し込まれていた。

男は女の手首を掴みながら、ペニスをシコシコとしごかせた。
男の黒いペニスが女の白い手の中で踊っていた。
黒い皮が上下に行ったり来たりしているその光景は、ストレートに僕の脳を刺激した。

(僕もシゴきたい……)

そう思いながらペニスをカバンにグリグリと押し付けていると、電車は最後のカーブに差し掛かった。

このカーブを曲れば僕の高校がある駅だった。
あと一分もしないうちに僕はこの電車を降りなくてはならない。
最後まで見届けたかった。
男の精液が女の白い太ももに迸るシーンまで見ていたかった。

電車が止まるなり、女は男の腕から強引に抜け出した。
プシャーっとドアが開き、人の群れがドッと動き出すと、男は慌ててズボンの中にペニスを押し込んだ。

女はそのまま人の波に流されながら電車を降りた。
汗でグッショリと湿った吊り革から手を離した僕も、その人の流れに乗りながらホームへと押し出されたのだった。

(2へ続く)

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