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知らんぷり

2012/11/17 Sat 04:25

知らんぷり

《あらすじ》
看護婦の夜勤には、知らんぷりしろというものが三つあった。
幽霊。患者のオナニー。院内性交。
それを先輩から聞かされた新任看護婦は、果たして初めての夜勤でその三つを知らんぷりできるだろうか・・・
エログロホラーの決定版。




看護婦の夜勤には、見ても知らんぷりしろというものが三つあった。
初めての夜勤の日、私はその三つを先輩から教わった。

ひとつは幽霊。
深夜の病棟では当たり前のように怪現象が起きるらしい。
無人のベッドのナースコールが鳴ったり、その日に亡くなった患者さんが廊下を徘徊していたといった古典的なものから、無人の個室でお婆ちゃんが怒り狂っていたとか、振り返るとズラリと並んだ無数の青い顔がナースステーションを覗いていたなど、身の毛もよだつようなものまであるらしい。
もしそんな怪現象に出会しても知らんぷりしているようにとキツく言われた。
「そんなのをいちいち相手にしていたらこっちの精神がやられちゃうからね」、と、先輩はクスッと微笑んだ。

もうひとつは患者のオナニー。
特にこの外科の男性病棟は多いらしく、見回り中にそれに遭遇する確率は非常に高いと先輩は腹を抱えて笑った。
オナニーに遭遇すると、ほとんどの患者は慌てて寝たフリを決め込むらしいが、しかし中には横暴な患者もいるらしく、性器を見せつけて来たり、手伝ってくれとなどと言って来るセクハラはまだ可愛いほうで、凄いのになると、看護婦が覗き見していたなどと難癖をつけては、病院側に賠償金を請求する者までいるという。
だから、そんなオナニーに遭遇しても知らんぷりして素通りするようにと言われた。
「あと、ついでに言っておくけど、若い男性患者とはあんまり親しくしない方がいいわよ、晩のオナニーのおかずにされちゃうからね」、と、先輩は言いながらクスッと笑った。

そして最後のひとつが、看護婦の院内性交だった。
性交相手は様々らしく、医師と看護婦、患者と看護婦、そして看護婦同士と、三流官能小説顔負けのシチュエーションが本当にあるらしい。
患者とのそれはほとんどが病室らしいが、しかし医師とのそれや、看護婦同士のそれは、非常階段や倉庫、職員用のトイレや仮眠室とそこらじゅうでヤルらしい。
「看護婦はストレスがハンパじゃないから気持ちはわかるんだけどさぁ、でも更衣室とかでヤられるのは困るのよね、ばったり出会した時なんてこっちが焦っちゃうわよ」と、またしても先輩は、そんな凄い事を平然と言いながらケラケラと笑ったのだった。

そんな三つの知らんぷりを先輩から教えられた私は、たちまちこの業界が恐ろしくなった。
中学生の時から白衣の天使に憧れていた私は、病気で苦しんでいる人を助けたいという素直な気持ちでこの業界に入った。
まさかそこに、幽霊やオナニーや乱れた性行為が待ち受けているなど想像もしていなかった。
しかし、これが現実なんだ、と自分に言い聞かせた。
綺麗事ばかり頭に描いていた未熟な自分が無性に可哀想に思えた。


いよいよ夜勤初日の日がやって来た。
初めての夜勤の日は、先輩看護婦が付き添いをしてくれる事になり、不安だった私はホッと肩を撫で下ろした。
が、しかし、私の付き添いをしてくれる事になったのは増田さんだった。
看護婦六年目の二十七才。夜勤に関してはベテランの先輩だったが、しかし私は憂鬱だった。
無口で乱暴でいつもムスッとしている増田さんは、私が最も苦手とする先輩だったからだ。

準夜勤の前田さんから引き継ぎ交代を終えた私と増田さんは、そのままナースステーションで待機していた。
案の定、増田さんは一言も口を聞こうとせず、ムスッとしながら携帯ばかり弄っていた。
夜勤が初めての私は、何かしなくてはと気が焦り、ただジッと待機しているのが苦痛で堪らなかった。

深夜0時。いよいよ最初の夜間巡回の時間がやって来た。
壁に掛けてある懐中電灯を二つ手にした私は、携帯を弄っている増田さんに「お願いします」と御辞儀をしながら懐中電灯を差し出した。

増田さんはチラッと私を見て、すぐにその視線を携帯に戻した。
そしてひと言、「まだ早いわよ」と言われた。
私はモジモジしながら「でも、マニュアルには……」と増田さんの顔を覗き込んだ。
増田さんはハァァァと大きな溜息を付くとクルッと私に顔を向けた。私はその顔に、昼間よりも化粧が濃くなっていると違和感を覚えた。

「巡回時間は私が決めるから。あんたは私の指示があるまでマンガでも読んどきなさいよ」

そう言ってまた携帯に視線を戻した。
私は口答えできぬまま、黙って点滴の管をクルクルと巻く作業をした。結局、深夜二時まで一度も巡回はしなかった。

二時なってやっと携帯をパタンと閉じた増田さんに、恐る恐る懐中電灯を差し出すとおもいきり無視された。
「懐中電灯はいらないんですか?」と私が聞くと、増田さんは「馬鹿じゃないの」と小声で呟き、手ぶらで廊下をスタスタと歩き出した。
増田さんにはマニュアルは通用しないらしい。

慌てて懐中電灯を壁に戻し、増田さんを追った。
やっと増田さんの背中に追いつくと、いきなり増田さんがピタリと足を止め、クルッと振り返った。

「こっちは私がやるから、あんたは南側を巡回してちょうだい」

増田さんはそう言いながら反対側の廊下を指差した。
その口調と仕草に、ふと高校生の時に見たお芝居、『邪馬台国の卑弥呼』を思い出した。
でも……と言い掛けた私は慌てて口を噤んだ。
女王卑弥呼の命令は絶対なのだ。

私は一人で南側の病室を巡回した。
幽霊でるな、幽霊でるな、と子供のように呪文を唱えながら薄暗い廊下を静かに進んだ。
深夜の病院の廊下は想像していた以上に薄気味悪く、富士急ハイランドのお化け屋敷でも途中リタイアしてしまうほどの私は、ビクビクしながら廊下を進んだ。

病室に入ると、今度は、オナニーするな、オナニーするな、という呪文に変わった。
ズラリと並んだベッドをカーテンの隙間からひとつひとつ覗いて回った。
深夜二時という時間帯のせいか、オナニーしている患者はひとりもおらず、全員が夢の中だった。

全ての病室を回り終えると、素早くナースステーションへと向かった。
しかし増田さんはまだ戻って来ていなかった。
私が巡回した南側より、増田さんが巡回する北側のほうが明らかに病室の数は少なかった。まして北側は半分が個室であり、私より増田さんのほうが早く終わって当然だった。

私は、何かを忘れているのではないかと焦った。
きっと何かを忘れているんだと慌ててマニュアルを見直そうと思ったが、しかしそれよりも実際に増田さんの巡回手順を見せて貰った方が早いと思い、私は北側の病室へと向かった。

左側が二人部屋で、右側が個室だった。
左右一部屋ずつドアを覗き、増田さんを探して進んだ。
そして最後の個室のドアをソッと開いた時、中に人の気配を感じた。

私は音を立てないよう、静かに病室に入った。
音を立てて患者が目を覚まそうものなら、後で増田さんにどんな嫌味を言われるかと思い、息さえも止めて足を忍ばせた。

その個室は、中島さんというロン毛の青年の部屋だった。
何故か、個室なのにベッドカーテンが閉められている。
カーテンの中には青い光りがぼんやりと灯っていた。
その青い光りは、睡眠障害の患者に使われる最新医療器の青いLEDライトで、この病院の全個室に備え付けられていた。

そんな青い光りに包まれたカーテンの前で、私はある音を聞き、慌てて足を止めた。
カーテンの中から聞こえて来るその音は、まるで小さな子供がソフトクリームを食べているような、ぺぷぺぷとした音だった。
息を押し殺したままジッと耳を澄ましていると、そんな音の合間合間に、ハァ,ハァ、という荒い息づかいが聞こえ、その瞬間、先輩が教えくれた、見ても知らんぷりしろの第三項目が頭に浮かんだ。

見てはいけない……
知らんぷりしよう……

そう自分に言い聞かせながら一刻も早くこの病室を立ち去ろうと思った。
しかし、ベッドに背を向けようとした瞬間、カーテンの切れ目の隙間が私の目に飛び込んで来た。
強烈な好奇心が私を襲った。
他人の性行為などネットでしか見た事が無く、その未知の世界を覗いてみたくて堪らなくなった。
音を立てないように大きく深呼吸すると、私はカーテンの隙間に向けて一歩進んだ。

そっと腰を屈めてカーテンの隙間を覗いた。
カーテンの中はまるで熱帯魚の水槽のように青く、神秘的な空気が漂っていた。
ベッドに横たわる中島さんの縞模様のパジャマが見えた。
そして、中島さんの股の間で、猫のように踞りながらペニスを銜える増田さんが目に飛び込んで来た。

増田さんは患者の顔をジッと見つめながら、口にペニスをカポカポと出し入れしていた。
中島さんは、増田さんの顔が上下する度に、足をスリスリさせながら、野太い息を吐いていた。
不意に増田さんが銜えるペニスの肉感が私の口内に甦って来た。

二年前、看護婦の国家試験を受けると決めた私は、三年間付き合った彼氏ときっぱり別れた。水商売のアルバイトをしていた彼は生活も性格もだらしなく、忙しい看護婦には足手まといになるだけだと思ったからだ。

その後、男とは全く縁がなく、セックスも二年以上していなかった。
その間、沸いて出て来る性欲は自慰で治めていた。
元彼は生活にだらしない男だったが、しかしセックスは良かった。
だからそんな元彼の腰の動きや、黒くて太いペニスを思い出しては自慰に耽っていたのだった。

そんな元彼のペニスの肉感を不意に思い出してしまった私は、美味しそうにじゅぶじゅぶとそれをしゃぶる増田さんを羨ましく思った。
増田さんは顔を斜めに向けながら、亀頭の裏をチロチロとくすぐり、そして、中島さんの股に顔を押し込んでは、手でそれをシコシコとシゴキながら睾丸や肛門までも舐めていた。

中島さんはそんな増田さんを見下ろしながら、「もう無理だよ……イカせてよ……」と、情けない声で呟いた。
すると増田さんは再びペニスに顔を戻し、真っ赤に腫れ上がったペニスをペロペロといやらしく舐めながら囁いた。

「今日は生理だから……お口で我慢してね……」

増田さんはその言葉を合図に、激しくしゃぶり始めた.
ジュポッ、ジュポッ、と吸い付きながらピストンし、伸ばした右手で中島さんの乳首を弄っていた。

「あぁぁ、ダメ、出る……」

中島さんの両足がピーンと伸びた。
増田さんは中島さんの顔を見つめながら、「飲んであげるからいっぱい出してね」と素早く告げると、ペニスの竿を指で摘み、そこをシコシコと上下に動かしながら亀頭だけをパックリと銜えた。

「くぅあぁぁぁぁ……」

中島さんの体は猫が背伸びするかのように伸びた。
増田さんはシコシコとシゴく手の動きを止め、ペニスを一気に飲み込んだ。そして、ゆっくりと顔を上下に動かしながら、美味しそうに喉をゴクリと鳴らしたのだった。

これが、夜勤の初日に受けた洗礼だった。
初日から、いきなりこれほどの衝撃を受けた私は、益々この業界が怖くなった。
あんなもの見なければ良かった……
心からそう思う私は、今になって、あの時先輩が教えてくれた『知らんぷり』を守っていれば良かったと激しい後悔の念に駆られたのだった。

そんな出来事があってから、私は中島さんの個室に行く度に妙な緊張に襲われた。
もちろん中島さんは私が覗いていた事など知る由もなく、私への対応は普通だったが、しかし私は、彼の勃起したペニスを見た事があれば、射精している姿もまとも見ているのだ。普通には対応できるはずがない。
中島さんの体温を測る時も、点滴を交換する時も、常に私の視線は中島さんの股間を行ったり来たりしていたのだった。


              


次の夜勤の日がやって来た。
今回からは付き添いも無く、全て一人でやらなければならなかった。
十時にナースステーションへ行くと、丁度、青柳先輩が引き継ぎ日報を書き終えた所だった。

「三〇八号室の金田さん。点滴の点下速度はわざと遅くしてるから、交換時も六〇滴でお願いね」

青柳先輩は事前に用意してある金田さんの点滴を指差しながら言った。

「あと、個室Bの荒谷さんなんだけど、夕食後から頭がボーっとするらしくてね、かなり具合が悪いらしいの。九時に様子を見に行った時はなんともなかったんだけど、もし、あんまり辛そうだったらこの睡眠導入剤を飲ませてあげて」

青柳先輩はそう言いながら、四角いパッケージに入った睡眠導入剤を、『個室B荒谷』と書かれたピルケースの中に入れた。

「ただ、この睡眠導入剤はかなり強力なものだから、できるだけ飲まさないほうがいいんだけどね……」

「そんなに強い薬なんですか?」と、驚きながら私がそう聞くと、青柳先輩は唇を尖らせながら「震度五強でも起きないと思うわ」と呟き、クスッと笑いながら白い歯を見せたのだった。

そうやって引き継ぎが終わった。青柳先輩も帰って行き、いよいよ私一人の夜勤が始まった。
最初の巡回の前に、ガーゼ交換のカート整理と緊急薬剤のチェックを終わらせた。
その間に、三〇一号室の水田さんからナースコールが鳴り、汗で湿ったガーゼと包帯を交換した。この間のナースコールはその一回だけだった。

そうこうしていると時刻は午前0時になろうとしていた。
そろそろ最初の巡回の時間だと、私は壁にぶら下げてあった懐中電灯を手にした。初日の日、増田さんから馬鹿にされたが、しかし、臆病な私には懐中電灯という物のは実に心強い味方だった。

ナースステーションを出ると、エレベーターの前にグレーのトレーナーを着た男がポツンと立っていた。
「どうしましたか?」と尋ねながら近寄ると、その男は個室Bの荒谷さんだった。

「頭がボーッとしてなかなか眠れないんだ……」

荒谷さんはそう言いながら頭を両手で抱えた。

正直、私は厄介だなっと思った。
この人は以前にも深夜に問題を起こしていた。
なんと病室で隠れて酒を飲み、泥酔状態で病棟を徘徊していたのだ。
その時の飲酒理由も、今回と同じ「眠れなかったから」というものだった。

私の夜勤の日にまた酒を飲まれては堪ったもんじゃない。
そう思った私は、青柳先輩から「できるだけ飲まさないように」と言われていたにもかかわらず、すかさず「睡眠導入剤を飲みますか?」と聞いた。
すると荒谷さんは、真っ赤に充血した目をギロッと私に向け、「頼む」と、野武士のように唸ったのだった。

荒谷さんに睡眠導入剤を渡すと、私は五分遅れで夜間巡回を開始した。
最初に集団部屋が連なる南側を回った。
薄暗い廊下を照らす懐中電灯の灯りは、まるで廃墟を徘徊しているような気分にさせ、余計怖くなった私は慌ててスイッチを消した。
しかし懐中電灯を消すと、非常階段看板の緑の灯りと非常ベルの赤い灯りが廊下に反射し、まるでホラー映画のワンシーンのように気味が悪かった。

私は背筋をゾクゾクさせながらも、早く巡回を終わらせてしまおうと廊下を歩く足を速めた。
しかし、病室に入るとそんな恐怖は少し和らいだ。
カーテンの中から人々の寝息が微かに聞こえ、そこに人がいるんだと思うとたちまち恐怖は消え、ほっとした安心感に包まれた。

そうやって集団部屋を全て回り終えると、次は北側の二人部屋へと向かった。
二人部屋や個室を巡回する場合には特に『音』に注意するようにと言われていた。
大勢の人がいる集団部屋と違い、個室は音が響くため患者を起こしてしまう事があるらしく、その為、ドアを開ける時も細心の注意を払って静かに開けるようにとマニュアルにもそう書いてあった。

私は、二人部屋の三一六号室の前で足を止めると、一秒に一センチの割合で静かにドアを開けた。まるでコソ泥のようだ。
中を覗くと、奥のベッドのカーテンがぼんやりと明かりを灯していた。手前のベッドは空で、この二人部屋は上田さんという中年男性が一人で使用していた。

横向きの体が入るだけのスペースを確保すると、そのままゆっくりとドアをすり抜けた。
足音を忍ばせながらベッドに近付き、カーテンの隙間からソッと覗いた。

カーテンの隙間を覗いた瞬間、私の体が氷のように硬直した。
上田さんはベッドの上に座っていた。
ベッドの上にいやらしい雑誌を何冊も広げ、剥き出しにしたペニスをピーンっと突き立てていた。
雑誌をペラペラと捲り、その度に突き出したペニスをシコシコとシゴき、パイプベッドをギシギシと軋ませた。
それは明らかにオナニーだった。

私の膝がガクガクと震え始めた。
頭の隅で、『知らんぷりするのよ』っという先輩の声が聞こえた。
しかし私は動けなくなっていた。
初めて目にした男の人のオナニーに、恐怖と好奇心が激しく入り乱れていたのだった。

何冊もの雑誌をペラペラと捲っていた上田さんは、遂に一冊の雑誌を手にした。
それは、大きな胸を揉みしだかれる女のグラビア写真だった。
開いたそのページを間近に見ながら、凄い早さでペニスをシゴキ始めた。
セックスのスピードしか知らない私は、男の人のオナニーはこんなに早くピストンするのかと驚いた。

「あぁぁ、ダメ、やめて、そんなとこ触らないでぇん……」

上田さんはペニスをシゴキながら、オカマのような口調でそう呟いた。
おもわず吹出しそうになった私は必死に堪えた。ここで笑ったら殺される、と何度も自分に言い聞かせながら、ギュッと下唇を噛み締め我慢した。

すると上田さんは、今度は地声で「イクよ……顔にぶっかけるよ……」と囁くと、いきなりその雑誌をベッドの上に広げた。
そして両膝を立てながら、あうっ、あうっ、とオットセイのような声を張り上げると、雑誌のグラビアの女の顔をめがけて射精したのだった。

病室を抜け出すと、そこで初めて大きく息を吸った。
凄まじい疲れがどっと背中に伸しかかって来た。
足を振らつかせながら、赤いランプが輝く非常ベルの下にソッとしゃがんだ。
射精シーンが頭から離れなかった。パタパタっと音を立てて雑誌に飛び散るその音も、まだ耳の奥にしっかりと残っている。

「もういや……」

私はそう呟きながら、ナースサンダルから突き出る親指をギュッと摘んだ。
初めて目にした男のオナニーシーンはあまりにも衝撃的で、私をどっぷりと鬱に陥れた。
この心境は、増田さんのフェラシーンを目撃した時とは少し違っていた。
上田さんのオナニーは、あまりにも馬鹿馬鹿しく、あまりにも悲しすぎた。
キムタクも松潤もオナニーする時は、やはり上田さんみたいにオットセイのように呻きながら、ぴゅっぴっゅと精液を飛び散らすのだろうか、と思うと世界中の男が白痴のように思え何もかもが嫌になった。

しかし、そう思う一方で、カッと燃えるように熱いものが胸の奥にムラムラと沸き上がっていた。
その感情がなんなのか自分ではよくわかっていた。わかっている分、自分自身も上田さんのような白痴に思えてならず、激しい自己嫌悪に陥った。

しゃがんだままスカートの中を弄ると、案の定、ストッキングの上からでもそこがどうなっているのかがわかった。
どうしてあんな気持ち悪いものを見てこうなるのよ、と、指先を股間の中心部にソッと押し付けた。
中にはかなりの量が溜っていたらしく、ストッキングの網目からヌルヌルの生温かい汁が、まるでスポンジの泡が滲み出るようにジワっと溢れた。

廊下を歩く度に下着の中がねちゃねちゃした。
一刻も早く下着を取り替え、このモヤモヤを消し去りたかった。
急いで巡回を終わらせてシャワーを浴びよう。
そして……久しぶりにオナニーしてみよう……
そう思うと、胸に燻っていた自己嫌悪がぼんやりと薄くなり、足取りが軽くなった。

二人部屋の巡回を終えると、続いて個室に向かった。
個室Aのドアをソッと開けると、ドアの隙間から甘ったるいアロマの香りが漏れて来た。
個室Aの加藤さんはアロマに凝っていた。自宅から持ち込んだ超音波式加湿器にアロマを入れては、常に甘い香りを個室に漂わせていた。

加藤さんの寝顔を確認すると、隣の個室Bへ向かった。
個室Bの荒谷さんは、さっき睡眠導入剤を渡した患者だ。

部屋には蛍光灯が煌々と輝いていた。
カーテンを覗くと、荒谷さんが鼾をかいて眠っていた。
余程苦しかったのか、自力でベッド脇の酸素マスクを引っ張り出し、それを口に装着したまま眠っていた。

あの睡眠導入剤が相当効いたのか、あれだけ眠れないと愚図っていた荒谷さんは、まるで死んだように深い眠りについていた。
乱れた布団を直してあげようとベッドに近付くと、枕の下に茶色い瓶が見えた。驚いてそれを引き抜くと、なんとポケットウィスキーの瓶だった。

私は慌てて酸素マスクをズラし、荒谷さんの息を嗅いだ。
病人特有の口臭に混じり、アルコールのキツい臭いが鼻を刺した。
さっき見た時は酔っているような感じは無かった。それに酒臭くもなかった。と言う事は、このウィスキーは睡眠薬を飲んだ後に飲んだに違いなかった。

中身がほとんど無くなっている瓶を見つめながら、私は背筋をゾッと震わせた。
荒谷さんが飲んだ睡眠薬は、青柳先輩も心配していたように、かなり強力な薬だった。
そんな薬とアルコールを同時服用すれば睡眠薬の効果は更に増強され、呼吸停止や貧脈などを引き起こしては死んでしまう事もありうるのだ。

焦った私は、すぐに青柳先輩の携帯に電話を掛けた。
電話に出た青柳先輩に事情を説明すると、青柳先輩はパニくる私にケラケラと笑いながら、「そんなに心配しなくても大丈夫よ。震度五強で起きないのが、震度七まで起きないようになっただけの事よ」と、更に大きな声で笑った。

安心しながら電話を切った私は、酸素マスクの中でガーガーと鼾をかいでいる荒谷さんに「バカ」と吐き捨てた。
そして「もう、心配したんだからね」とベッドのパイプをサンダルの先で蹴飛ばし、布団の上から荒谷さんの腹をパン! と叩いた。

と、その時、ふと固い物が私の掌に当たった。
私の脳裏に、布団の中に大量に隠されているウィスキーの瓶が浮かび、私は慌てて布団を剥いだ。
しかしそこには何も無かった。
今の固い感触は何だったんだろ……と首を傾げながら布団を元に戻そうとした時、荒谷さんの股間で膨らんでいる棒状のモノが目に飛び込んで来た。
そのあまりの大きさに目を見開いた私は、思わず喉にゴクリと唾を飲み込んだのだった。

夜勤初日に先輩が教えてくれた『三つの知らんぷり』。
幽霊を見ても、オナニーを見ても、そして院内性交を目撃しても、全部知らんぷりするようにという先輩の教え。
しかし、私は既にそのうちの二つを目撃しながら、知らんぷりができなかった。
そして今、目の前で隆々と反り立つ患者の肉棒さえも、私は知らんぷりできなくなっている。
しかし、患者の肉棒を知らんぷりしろとは先輩は言っていなかった。
そう、その知らんぷり三ヶ条の中には、患者の肉棒は含まれていない。

私は恐る恐る荒谷さんの股間に手を伸ばした。
青柳先輩は震度七でも起きないと言った。震度七というのがどれくらいの揺れなのかわからなかったが、軽く撫でるくらいなら目を覚まさないだろうと思い、ジャージの股間でピーンッとテントを張っている肉棒を優しく握った。
懐かしい感触を掌に感じた。
このコリコリとした熱っぽい筋肉の感触は何年ぶりだろう。

五本の指をニギニギと動かしているうちに、いつの間にか手首を上下に動かしていた。
元彼によくこれをやらされた。バスの中や映画館、公園のベンチやファミレスのテーブルの下といった、わざわざ大勢の人がいる前でこっそりやらされた。
それをやらされている時は死ぬほど恥ずかしかったが、しかし、その後のセックスは狂ったように燃えた。そんな私を、元彼は『Mの気がある』といつも笑っていた。

私は過去に三本のペニスしか知らなかった。その中でも元彼のモノは大きい方だと思っていたが、しかし、今ここで握っている荒谷さんのペニスの方が明らかに大きく、そして固かった。

(いったいどんな形をしているんだろう……)

そんな好奇心に駆られた私は、ペニスを握りながらソッと荒谷さんの顔を見た。
酸素マスクからグーグーと鼾を洩らしながら眠る荒谷さんは、青柳先輩の言う通り、大地震が来ても起きそうにない雰囲気だった。

ゴクリと唾を飲み込んだ私は、荒谷さんの閉じた目をジッと見つめながらジャージのズボンのゴムに指を掛けた。
見るだけ。チラッと見るだけよ。
そう自分に言い聞かせながらズボンのゴムを睾丸辺りまで下げた。
中から縦縞のトランクスが現れた。そのトランクスのおしっこをする部分が少し開いており、そこから焦げ茶色の肌がチラッと見えた。

心臓が破裂しそうなほどにバクバクしていた。
そのトランクスの隙間に指をソッと入れ、指先でその肉をスリスリと擦ってみた。
柔らかい皮の中にコリコリとした固い筋肉があり、表面には浮き出た血管がゴリゴリしていた。
その感触に我慢できなくなり、私はトランスクのおしっこをする部分のボタンを素早く外し、中で窮屈そうにしていたペニスを摘み出したのだった。

褐色の肉棒が爛々と輝く蛍光灯に照らし出された。
紫色の亀頭がゆで卵くらいに腫れていた。十八センチ、いや二十センチはあろうかと思われるペニスは、私の手首ほど太かった。
その隆々とした力強さにおもわず見とれた。
このペニスを見ながら、そして弄りながらオナニーしたいと素直にそう思った。

ペニスを生で握った。バットのゴムクリップを握った時のように固く、血管がドクドクと脈打つのが指に伝わって来た。
そのままベッドの横にしゃがんだ私は股を大きく開いた。
右手でペニスを握りながら左手を股間にあてると、既にストッキングまでヌルヌルに湿っていた。

ペニスを上下にシゴいてみた。上まで行くと弛んだ皮が亀頭をスッポリと包み込み、根元まで下げると亀頭が歪に突っ張った。
そんなペニスを真正面に見つめながらストッキングの中に手を入れた。
クロッチはシロップに浸したかのようにヌルヌルに湿り、クロッチの隙間から指を入れると、まるで吸い込まれるかのように指が膣の中に滑り込んだ。

「んんん……」

そう唸りながら膣壁のザラザラした部分を指腹で擦った。
カサカサカサっとペニスをシゴく音が個室に広がり、不意にさっき見た上田さんのオナニーを思い出した。
シゴいているうちに、亀頭の先の外尿道口から尿道球腺液がタラタラと垂れている事に気付いた。
眠っていても我慢汁は出るんだと驚きながらも、ならば眠りながらでも射精は可能なのだろうかとふと思った。

元彼にしゃぶらされ、口内にぴゅっぴゅっと勢い良く飛び散る射精の感触が甦った。
週刊誌のグラビアに飛び散った上田さんの精液、喉をゴクリと鳴らしながら精液を飲み込んだ時の増田さんの恍惚とした表情。
そんなシーンが次々に頭に甦り、異常な性欲に襲われながら「ハァァァ」と深い息を吐いた瞬間、尿道球腺液で濡れた亀頭が私のすぐ目の前に迫っている事に気が付いた。

もう我慢できない。
そうドキドキしながら唇を開き、真っ赤な舌を突き出した。
パンパンに薄い皮が張った亀頭をペロリと舐めた。
無味だったが、亀頭の周辺にはスルメのような饐えた匂いが漂っていた。
そんな匂いが更に私を興奮させた。やはり私は元彼が言うようにMなのだろうか、とそう思いながら、私は尿道球腺液が溢れる外尿道口を舌先でチロチロと舐めまくったのだった。

口一杯にペニスを頬張ると、浮き出た血管が前歯に引っ掛かった。
口一杯に肉感が広がった。大量の唾液が溢れ出し、顔を上下に振るとジュルルルルルっと下品な音を立てた。
溜らずもう一本の指を膣に入れた。
三本の指で膣を掻き回しながらジュルルルルルっと繰り返していると、早くも絶頂が訪れて来た。

ペニスを銜えたままイキたいと思った。
出来る事なら口内にぴゅっぴゅっと射精を感じながらイキたかったが、しかしもう我慢できなかった。
頭の中で「あっ、いくぅ」と呟くと、心地良い痺れが下半身を襲った。
太ももの内側がヒクヒクと痙攣し始めた。しゃがんだまま「うぐっ」と腰を撓らせると、強烈な快感と共に尿道からジワっとおしっこが漏れ、愛液とおしっこがショーツの中でぷちょぷちょと音を立てた。

凄まじい爽快感が私を包み込んだ。
こんなに気持ちの良いオナニーは生まれて始めだった。
唾液の糸を無数に引きながら、銜えていたペニスをヌポッと抜いた。
唾液に輝く亀頭を見たら、もう一度オナニーしたくなってきた。
しかし、まだ巡回が残っていた。
ここで時間を食うわけにもいかず、私は素直にそれを諦めながらソッと立ち上がろうとした。
と、その時、ベッドに手を付いた私の腕を、荒谷さんのゴツゴツした手がいきなり掴んだのだった。

「なにやってるんだ、あんた……」

荒谷さんは酸素マスクを口に嵌めたまま唸った。
荒谷さんの目はイチゴのように赤く充血しており、意識も朦朧としているようだった。

「ご、ごめんなさい」

そう私が手を引っ込めようとすると、荒谷さんは凄い力でそれを阻止し、そのままムクリとベッドに起き上がっては酸素マスクを剥ぎ取ったのだった。

荒谷さんは剥き出しになった自分のペニスをしばらく眺めていた。
強烈な睡眠薬とアルコールで意識が朦朧としているのか、荒谷さんは何度も眠りそうになりながら、唾液が滴るペニスを眺めていた。

チャンスだと思った私は、すかさず誤魔化そうとした。

「荒谷さん、眠ったままおしっこをしちゃったみたいですよ……今、下着を取り替えようとしていたんです……」

そう言いながら、再び手を引こうと恐る恐る力を入れると、それに気付いたのか、荒谷さんは再び私の手を強く引いた。

私の体がベッドに前のめりになった。ベッドのパイプがガガッと音を立て、ベッドの端に置いてあった酸素マスクが床に転がった。
荒谷さんは、凄い力で私をベッドの上に引きずり上げた。
そして私の身体を素早く仰向けにさせると、そのままスカートの中に手を入れて来た。

「ダメです荒谷さん! やめて!」

両脚をもがきながら、捲れ上がったスカートを必死に下ろそうとした。
荒谷さんは無言のままストッキングのゴムを摘み、ミシミシと激しい音を立てながら一気に下げた。ストッキングとショーツが同時に足下まで下げられ、私の陰毛が蛍光灯の下に晒された。

一瞬の早さで膣に指を入れられた。
既に潤っていた私の膣は、そんな荒谷さんのゴツゴツした指を素直に受け入れた。
その指が蠢き始めると、イッたばかりで敏感になっていた私は、ビクン!っと体を跳ね上げながら、おもわず「あんっ!」と叫んでしまった。

それを同意だと思ったのか、荒谷さんは右手でぐちょぐちょと指を動かしながら左手でナース服のボタンを外し始め、ほとんど黒目のない三白眼で私を睨みながら、「気持ち良くさせてあげるよ」と呟いた。
そんな荒谷さんの声は、ボイスチェンジャーを重低音にしたような不気味な声だった。

強烈に酒臭い息が私の胸に漂っていた。
ブラジャーを強引に上げて乳首をレロレロと舐める荒谷さんは、赤く充血した三白眼で私を睨みながらペニスを握り締めた。
私は自らの意思で両脚をカエルのように開いた。もはや私は、早くそれを入れて欲しくて気が狂いそうになっていた。

ゆっくりと体を起こした荒谷さんは、カエルのように開いた私の太ももを手で押さえ付けると、陰毛がわさわさと生え茂る穴にペニスを押し込んできた。

肉の塊がズッズッズッと私の膣壁を開いて行った。
これでもかというくらいに膣は広げられた。
ギチギチに押し込められた肉棒がゆっくりとピストンし始めた。
私の脳天を何かが貫き、強烈な快感が全身を走り抜け、おもわず私はおしっこを洩らしながら泣き出してしまったのだった。

私が個室Bから解放されたのは、病棟の廊下が朝の青い光りに染まった頃だった。
私はナースステーションに戻るなり慌ててPCを覗き込んだ。
ずらりと表示されている部屋番号には、ナースコールを押した時に点滅する赤いマークは記されておらず、私はホっと胸を撫で下ろした。

ナースコールのスピーカーを仮眠室に切り替えシャワーを浴びた。
荒谷さんは合計六回も射精した。全て中出しだったが、私は幸い安全日だった為、素直にそれを受け止めた。
しゃがんだままシャワーを膣に吹き掛け、下腹部に「んふっ」と力を入れると、中から大量の精液が出て来た。
タイル床にダラダラと溢れる精液は、湯の熱により分裂し、まるでタピオカのように小さく固まりながらコロコロと排水口へ転がって行った。

シャワーを出ると、五時半を回っていた。
テレビからみのもんたの『朝ズバ』を垂れ流しにしながら、溜っていた書類を一気に片付けた。

六時半を過ぎると、朝の看護婦達が清々しい髪を靡かせながら続々とナースステーションに集まって来た。
最後の日報を書き終えた私がホッと一息付くと、そこに青柳先輩がやって来た。

「あれからどうだった荒谷さん」

やはり気になっていたのか、青柳先輩は周囲を気にしながら小声で聞いて来た。
私は荒谷さんの激しい腰の動きを思い出しながらも、「大丈夫でした。ぐっすりと眠っています」と嘘を付いた。
安心の笑顔を浮かべた青柳先輩は、あの野郎、今日と言う今日はとっちめてやるからな、と戯けると、とりあえず様子見てくるわ、と言い捨て、ナースステーションを出て行った。

いつの間にか、テレビは『めざましテレビ』に変わっていた。
テレビから聞こえて来る、「六時五十五分、六時五十五分」というナレーションを合図に、看護婦達が朝礼の準備をし始めた。

と、そのとき、廊下を走るスリッパの音が聞こえた。
そこに集まっていた全員が何事かと一斉に振り返った。

「大変です! 荒谷さんの呼吸が停止してます!」

そう叫ぶ青柳先輩の顔は朝の空のように真っ青だった。
それを聞いた私の顔は夕日に染まったように真っ赤だった。
看護婦達が一斉に廊下に飛び出した。


その後、私も青柳先輩も責任を問われる事は無かった。
しかし、荒谷さんを死に追いやったのは、明らかにウィスキーに気付かず睡眠薬を飲ませた私の不注意であり、また、引き継ぎでそれを確認できなかった青柳先輩の不注意でもあった。
本来ならば、私達二人はそれに相応しい責任を負わされて当然なのだが、しかし、私達は一切責任を問われる事は無かった。

それは何故か?

その真実を婦長から聞かされた時、私と青柳先輩は同時に息を飲み込んだ。

なんと、荒谷さんの死亡推定時刻は夕食直後だったらしい………



看護婦の夜勤には、見ても知らんふりしろというものが三つあった。
初めての夜勤の日、私はその三つを先輩から教わった。
ひとつは幽霊。
もうひとつは患者のオナニー。
そして最後のひとつが、看護婦の院内性交だった。

新任看護婦の私は、夜勤二日目にして既にその三つを目撃した。
しかし、その三つとも、私は知らんぷりできなかった。

数ヶ月が過ぎると、ようやく私は知らんぷりが出来るようになって来た。
若い患者のオナニーも知らんぷりした。
倉庫で医師と抱き合う看護婦にも知らんぷりした。
そして……

深夜三時。二時の夜間巡回から戻った私は、冷蔵庫から缶コーヒーを取り出すと、窓口のデスクに座りながら日誌を開いた。
午前二時と書かれた欄に『異常なし』と書き込むと、爪を気にしながら缶コーヒーの蓋を開けた。

クピクピクピ……
静まり返ったナースステーションに缶コーヒーを喉に流し込む音が響いた。
缶コーヒーを唇から離すと、エレベーターの前にグレーのジャージを着た荒谷さんがポツンと立っているのが見えた。
荒谷さんと目が合った。
荒谷さんの目はイチゴのように真っ赤に充血し、ほとんど黒目のない三白眼だった。

「頭がボーッとしてなかなか眠れないんだ……」

荒谷さんの低い声が廊下に響いた。
私は再び缶コーヒーを傾けながら、クピクピクピ……っと音を立てた。

「頭がボーッとしてなかなか眠れないんだ……」

「頭がボーッとしてなかなか眠れないんだ……」

「頭がボーッとしてなかなか眠れないんだ……」

「頭がボーッとしてなかなか眠れないんだ……」

荒谷さんは壊れたレコードのように何度も同じ事を呟いていた。

そんな荒谷さんを、私は知らんぷりした。


(知らんぷり・完)

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