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橋の下

《あらすじ》
派遣労働者として寮で暮らす二十歳の元ニート。
馴れない寮生活にノイローゼになっていた彼は、ホモの露出狂が出没するという橋へ引き寄せられた。
その橋の下で、彼は新たなる人生を知るのだった。




じんわりと移動する夜の雲を背後に、青白い月夜にヌッと聳える煙突が加藤の前に立ちはだかっていた。
そんな煙突を見上げながら路地裏を歩いていた加藤は、ドス黒い煙突が今にも倒れて来そうな錯覚に陥り、慌てて目を反らした。
薄暗い路地をしばらく行くと、朽ち果てた資材置場の壁に貼られた『キッコーマン』のホーロー看板が見えて来た。あれだな、っと思いながらその資材置場の角を曲った。遠くの方に、緑の小さな橋が見えた。それはまさしく青木達が話していた橋に違いなかった。

この付近に変態が出没するという噂は加藤の工場でも評判になっていた。そいつは、夜の十一時頃になると橋の付近に出没するらしく、そこを通りかかった男性にいきなりペニスを見せつけるらしい。それは決まって男ばかりで、女には一切見向きもしないという事だった。

そんな変態が潜んでいるという噂の橋に、加藤は恐る恐る足を進めた。
『遠くから見たらジャニーズっぽい少年だったけど、近くで見たら汚ねぇおっさんだったぜ』
っと、工場へ向かうバスの中で青木達が話していた言葉を思い出しながら、加藤は橋の周囲にジャニーズらしき少年がいないかと目を凝らした。
青木らの話しの内容では、青木はそのジャニーズのようなおっさんにペニスをしゃぶらせたらしい。

三日前の夜の十一時頃、その通りの向こう側にある『船戸飲食街』という寂れた路地で飲んでいた青木は、ホロ酔い気分で緑の橋を渡ろうとしていると、橋の袂からいきなり男が現れた。
暗闇から突然現れた男に青木が驚いていると、その男はハァハァと荒い息を吐きながら露出したペニスをブラブラと見せつけて来た。
最初は絶句していた青木だったが、しかし、酔っていた青木はそのうちそんな変態男をおもしろがり、自分もチンポを出しながら「待ち伏せとは卑怯な! 名を名乗れ!」などと、チンポを刀に見立ててふざけていると、男は突然青木の足下にしゃがみ込み、「チンポ〜、チンポ〜」と唸りながら、青木のペニスにしゃぶりついてきたのだった。
突然の出来事に慌てふためいた青木だったが、しかし、その男の尺八は異常なほどに気持ちが良く、最初は逃げようと思っていた青木も、遂には男のその舌テクに痺れてしまった。
しばらくすると、男は青木を橋の下へと誘った。男の濃厚なフェラに、もはや虜になってしまっていた青木は、迷う事無く男の後に付いて橋の下へと下りていったのだった。

薄暗い橋の下では『川崎CRS連合参上』とスプレーで落書きされたコンクリートのブロック壁が不気味に浮かび上がっていた。
男はそそくさとズボンを下ろすと、壁に両手を付きながら青木に向けて丸い尻を振った。
「中で出してもいいわよ……」
男は野太い声でそう囁きながら振り返ると、青木をジッと見つめながら自分の人差し指をじゅぷじゅぷとしゃぶり始めた。そして自分で尻肉を左右に開き、その谷間の奥でプクッと膨れている肛門の中に、唾液でネトネトに濡れた人差し指をヌッと挿入し、それをクネクネと動かした。
それを見て欲情した青木は、迷う事無く男の肛門にペニスを押し込んだ。それまで男の体など全く興味のなかった青木だったが、しかし、男の肛門を目にした瞬間、そこに入れたくて入れたくて気が狂いそうになったのだ。
ペニスを肛門に刺された男は悲鳴をあげ、狂ったように尻を振り始めた。その強烈な締り具合に身を仰け反らせた青木も唸り声をあげ、必死になって腰を振りまくった。
コンドームもつけず、生で男の肛門にペニスを入れる行為に抵抗を感じていた青木だったが、しかし、このキュッキュッと締まる肛門の快楽に包まれては、もはやそんな事はどうでも良くなってしまっていたのだった………

と、これが、加藤がバスの中で盗み聞きした青木の体験談だった。
それを、バスに揺られながらじっと聞いていた加藤は、自分もその橋に言ってみたいと素直にそう思った。
それは、加藤が男の体に興味があったからではない。
派遣社員としてこの町にやって来て半年、あれほどオナニーが好きだった加藤は一度も射精をしていなかった。
二十才の中卒。中学を卒業してからずっとニートを続けていた加藤が働きに出るのはこれが初めてだった。
こんな生活をしていてはいけないとずっと思いながらも、しかしなかなか決心がつかないでいる所を、親戚の叔父さんが勝手に派遣会社に登録し、そして加藤をこの町の電子工場に送り込んだ。
見知らぬ町で初めての労働。しかも、見知らぬ男達と狭い部屋で集団生活しなければならない加藤は、たちまち強烈なストレスに襲われた。
油臭い工場で六時間も働かされた挙げ句、食事はコンビニ弁当かインスタント麺。三人の同室者はおじさんばかりで話しも合わず、狭い部屋では屁さえする事が出来なかった。ゆっくりとPCのエロ動画を見る事もできなければ、当然、オナニーする事もできない。ここはまるで地獄なのだ。
今まで好きな時間に寝て好きな時間に起きて、三度の食事は母親が作ってくれ、オナニーもヤリたい時に何度でもできた加藤にとって、今のこの環境は、更生させるのではなく、逆に人格を破壊してしまう環境だった。
そんな環境が、加藤を、「その橋に言ってみたい」と思う異常な衝動に駆り立てていたのだった。

そんな異常性を胸に潜ませながら、加藤は静まり返った橋の上にポツンっと立っていた。
青木の話しによると、その男は橋の袂でそっと踞っていたらしいが、しかしそんな男の姿はどこにも見当たらない。
加藤は携帯の時計を見ながら、三十分だけ待ってみようと思い、緑のペンキの剥げかけた橋の欄干に凭れながら曇った夜空を眺めていた。
しかし、三十分過ぎても男は現れなかった。念の為、橋の下を覗いてみたが、そこには、スプレーで滅茶苦茶に落書きされた壁が見えるだけで、男の姿は見当たらなかった。
今夜は来ないのかもしれない、明日もう一度来てみよう。
そう思いながら加藤が橋を去ろうとすると、橋の袂にある自動販売機の裏に何者かがひっそりと潜んでいるのが見えた。
あいつだな、と、その怪しい気配からすぐにそう気付いた。
加藤は橋を渡り、自販機の前で足を止めては、わざとらしくポケットの中を小銭をジャラジャラとさせた。
百円玉を取り出し、自販機の中に並ぶ缶ジュースをゆっくりと眺めていると、不意に暗闇に潜んでいる男と目が合った。
自販機の明かりにぼんやりと照らされる男は、一見ジャニーズ系に見えたが、しかし青木の言う通り、中年のオヤジの目をしていた。
そんな男の右肩がカクカクと動いていた。加藤がソッと視線を落とすと、乾涸びたフランクフルトのようなペニスがシコシコとシゴかれているのが見えた。
しばらくそれを呆然としながら眺めていると、次第に加藤の体に変化が現れて来た。
しゅっ、しゅっ、と小気味良い音を立てながら上下にシゴかれるペニスを見ていると、いつしかその快楽が自分の下半身にも伝わり、加藤の股間がみるみると膨らんで来たのだ。
そんな加藤の変化を男は見逃さなかった。
男はニヤリと怪しく微笑むと、加藤の作業ズボンの股間にくっきりと浮かび上がる肉棒をいきなり鷲掴みにし、「しゃぶってあげよっか……」と、色声を出しながら加藤の体に寄添って来た。
男の体からは強烈なワキガの匂いが漂ってきた。
加藤はそんなワキガの香りに咽せそうになりながらも、素直にコクンっと頷いた。
男は女のように優しく微笑んだ。そして加藤の手をソッと握りしめると、男はそのまま橋の下へと下りていったのだった。

橋の下はヘドロのような悪臭に満ち溢れていた。
所々に下水管が突き出しているコンクリート壁には、赤や黄色のスプレーで殴り書きされた暴走族の落書きが殺伐と描かれ、その壁の下には一人のホームレスが段ボールに包まりながら寝ていた。
男は加藤の手を握ったまま、足下で汚水をトロトロと垂れ流している大きな下水管をひょいっと飛び越えると、小石が敷き詰められた地面にジャリッと音を立てた。
するとその音に反応し、段ボールに包まっていたホームレスがムクッと首をあげた。
ホームレスは加藤をジッと見つめた。薄暗い闇の中で貪よりと輝いているホームレスの目が『死人の目』のように見えた加藤は、歩きながらも背筋をゾッとさせた。
男はそんなホームレスを無視しながら加藤の手を引くと、太いコンクリートで出来た橋脚の凹んだ部分に加藤を押し込んだ。
その凹みは、家庭用大型冷蔵庫がすっぽりと入るくらいの凹みで、ぽっちゃり体型の加藤でもすんなりと飲み込んだ。
ザラザラする剥き出しのコンクリートに背中を押し付けられた加藤は、迫って来る男の顔を間近で見た。
男の顔が、橋の上から溢れて来る街灯の明かりにぼんやりと映し出された。顔面には、まるで大衆演劇の役者のような濃厚なファンデーションが塗りたくられ、細い目には真っ黒なアイラインがくっきりと引かれていた。
男は、加藤の額に自分の額を押し付けながら加藤の脅える目を覗き込み、ドブ臭い口臭をモワッと吐きながら呟いた。
「あんた、綺麗な肌をしてるわね……」
ぬちゃっと開いた男の唇は唾液が糸を引いていた。
男はそう呟きながら、加藤のぽちゃぽちゃとする白い頬に自分の頬を擦り寄せた。ザラザラとするファンデーションの中に無精髭のチクチクを感じた加藤は、男の肩まで伸びるその栗毛色に染めた髪の毛に違和感を覚えた。男の髪はカツラらしく、微妙に斜めにずれていたのだ。
「あんた、いくつ?」
男は加藤の股間に手を伸ばすと、硬くなった肉棒を作業ズボンの上からカサカサと擦りながら聞いた。
「……二十歳です……」
男は「ハタチかぁ……」と呟きながら作業ズボンのボタンを外し、中からペニスを摘み出した。
「あららら……あんたのチンポ、凄く小ちゃいわね……それに、とっくりセーターみたいに皮を被ってるじゃない……」
男は『とっくりセーター』などと古臭い表現をしながら、その仮性包茎の皮をテュルテュルと捲った。
「すごいチンカスね……」
男は慌ててペニスから指を離すと、人差し指に付いた白いカスを見つめながら「ちっ」と舌打ちし、そしてそれをクンクンと嗅ぎながら「うわっ」と顔を顰めた。
そんな男の仕草に居たたまれなくなった加藤が「すみません」と謝ると、男はいきなり加藤の目をジッと睨んだ。
「あんた、男とこういう事するの初めてでしょ?っていうか童貞よね?」
男の唐突な質問に、加藤は脅えながらコクンと頷いた。
「やっぱりね」と呟いた男は、ピンピンに勃起した六センチほどのペニスを見下ろしながら、「そんなチンポじゃ、女どころか男だって相手にしてくれないわよ」と苦々しく吐き捨てた。
男は、再び指先を恐る恐る嗅ぎながら、いきなり「あんたウケだわ」と加藤に言いながら立ち上がった。
「ウケってなんですか……」
加藤がそう聞くと、男はチロチロと水が流れるドブ川の端にゆっくりしゃがみ、「ウケっていうのは女役の事よ。あんたどう見てもウケだわ。ヤルほうよりヤラれたほうが似合ってるわ」と、言いながら水の中に指を突っ込んだ。
男は、まるでフィンガーボールで指先を洗うようにして、加藤のペニスを摘んでいた指をぴちゃぴちゃと洗い始めた。そして、何度もその指の匂いを確認しながら、「悪いけど、あたしもウケだから……」と気怠く笑ったのだった。

男が指を洗っているドブ川には、車輪のない自転車が半分沈みながら横たわっていた。水中から突き出したハンドルは乾いたヘドロで白くカピカピに汚れていた。水中のサドルにはあらゆるゴミが引っ掛かり、サドルに絡み付いた長いビニールの紐が、まるで友禅流しのように漆黒の水面で揺らめいていた。
ウケの意味をようやく理解した加藤は、凄まじい羞恥心に襲われながらも、足首までずり落ちていた作業ズボンを慌てて上げた。
すると男は、「あっ、でも待って」と、作業ズボンのベルトをはめようとしている加藤を制止した。
「あいつはタチよ……」
男はそう言いながら、段ボールに包まったホームレスを指差した。
いきなり指を差されたホームレスは、段ボールの隙間から不気味な目を貪よりと輝かしながら、ジッと加藤を見つめていたのだった。

急斜面の土手を、男は馴れた足取りでひょいひょいと登っていった。
男の姿が消えると、橋の下は急に静まり返り、ドブ川を流れる水の音だけがトポトポと響いていた。
加藤は作業ズボンを腰の位置で止めたまま、凹みの部分でひっそりと立ちすくんでいた。露出されたままのペニスは既にぐったりと萎れ、それは、色も形もそのサイズさえも、生まれたばかりのハムスターの赤ちゃんのように縮まっていた。
そんな格好をしたまま立ちすくんでいた加藤は、身動きができなくなっていた。一刻も早くここから逃げ出したいと思っているのに、何故か手足を動かす事が躊躇われた。
そのうち、段ボールに包まっていたホームレスがガサゴソと音を立てながら立ち上がった。まるで冬眠から覚めた熊が、餌を求めて彷徨うかのようにして、ノソノソと加藤に近付いて来た。恐怖に脅える加藤の奥歯が、自然にカチカチと音を立てて震えた。
ホームレスは加藤の目の前で立ち止まると、モサモサに伸びた眉毛の奥から、貪よりと輝く目玉で加藤をジッと見つめた。その目玉の白目は異様に黄色く、この男の肝臓がイカレてしまっているのが一目でわかった。
「初めてか……」
ホームレスは、髭に囲まれた卑猥な唇をゆっくりと動かしながらポツリと聞いた。
加藤が恐る恐る頷くと、そこで初めてホームレスの強烈な口臭が加藤の鼻を襲った。
ホームレスは無言のまま、履いていたジャージのズボンを足首まで下ろした。難民のような細い脚が現れ、その根元には、目を見張るほどに大きなペニスが、ひょうたんの如くブラブラとぶ下がっていた。
「しゃぶってみろ……」
男はそう呟きながら、小刻みに震える加藤の肩にソッと手を添えた。男の指はゴリラの指のように黒く汚れ、手の平全体には生ゴミのような匂いが漂っていた。
加藤の体は硬直した。こんな薄汚い男の陰部を舐めるなんて死んでも嫌だと思った。っというか、そもそも、なぜ僕がそんな事をしなければならないんだと怒りすら感じた。
しかし、そんな怒りは直ぐに消えた。加藤の顔を覗き込むホームレスの顔が、まるでホラーマスクを被っているかのように恐ろしく、怒りよりも恐怖の方が先立ってしまったのだ。
ホームレスは、早くしろよ、と言いながら、立ちすくむ加藤の胸に手をあてた。
積み重なる不摂生からブヨブヨに垂れていた胸肉は、今、女の乳のようにホームレスにグニグニと揉みしだかれている。
「やめて下さい……」
加藤は必死な表情で、必死にそう呟いた。
因みに、『必死』という字は、『必ず死ぬ』と書く。まさに、その時の加藤の表情も、このままでは必ず死ぬ、と思っているかのような、そんな凄まじい形相になっていた。
そんな加藤にホームレスは「ちっ」と舌打ちした。そして面倒臭そうな表情を浮かべながら加藤の足下にしゃがむと、ハムスターの赤ちゃんのような加藤のペニスを無精髭に囲まれた卑猥な唇の中にチュルっと飲み込んでしまったのだった。

思いもよらぬ展開に加藤は脅えていた。
どうせこの後、この男は「今度は俺のをしゃぶれ」と、言って来るのは火を見るより明らかだったからだ。
しかし、そうは思っていても、初めてのフェラは加藤を快楽のどん底に叩き落とした。例えフェラをしているのがホモのホームレスであろうと、加藤の体は正直だった。
ホームレスの口内でペニスをコロコロと舌で転がされていると、次第に加藤のペニスに力が甦って来た。加藤のペニスが硬くなって来たのを舌で確認したホームレスは、今度は頭をゆっくりと前後ろに動かしながら、ズルムケになった亀頭を刺激して来た。
おもわず加藤の口から「あぁぁぁ……」という深い溜め息が漏れた。加藤は感じていた。ホームレスの頭部が前後ろに動く度にプ〜ンと漂って来る生ゴミの匂いも、今の加藤には全く気にならなくなっていた。

静まり返った橋の下では、トポトポと水が流れる音と、じゅぷじゅぷとペニスをしゃぶる卑猥な音だけが響いていた。
初めてのフェラチオで脳も体も蕩けてしまっていた加藤は、「あぁ! あぁ!」と激しい喘ぎを繰り返しながらホームレスのゴワゴワの髪に両手を添えた。
(あっ、イキそう!)と、加藤が頭の中で叫んだ瞬間、いきなりホームレスが頭の動きをピタリと止めた。
ホームレスは、一触即発のペニスを、「ぷちゃ」と口から抜き取ると、泡だらけの唾液を地面にダラリと吐きながら、「今度はお前がしゃぶれ」とゆっくりと立ち上がった。
予想していた通りの展開だった。
しかし、もはや逃れられないと思った加藤は、膝をガクガクと震わせながらゆっくりとその場にしゃがんだ。
ホームレスが巨大な勃起ペニスを加藤の目の前に突き付けて来た。
血管がゴツゴツと浮き出るその獰猛なペニスを見た加藤は、ふと『エイリアン3』で、リプリーがエイリアンに追い詰められるワンシーンを思い出したのだった。
「今、俺がやったようにやればいいんだ……ほら、やってみろ……」
ホームレスはスースーと荒い鼻息を立てながら腰を突き出し、加藤の鼻先にピンポン玉のような亀頭を突き刺した。
そんなホームレスのペニスには、小学校の校庭にあった『うさぎ小屋』のような、そんな饐えた匂いがムンムンと漂っていた。
これを口に含まなければならないのかと思うと、想像するだけで吐き気がした。
しかし、「無理です」と言える状況ではなかった。ここで断れば、間違いなくこの男は発狂するだろうと思うと、そのゴリラのような黒く太い指が恐ろしくて堪らなかった。
観念した加藤は小さな口をゆっくりと開けた。プクプクと肉付きの良い頬と、丸く開いた唇は、まるで『ふぐ』のイラストのようだった。
ホームレスはそんな素直な加藤の頭を優しく撫でながら、「噛むんじゃねぇぞ……」と呟き、加藤のその『ふぐ』のように開いた口の中に大きな亀頭をスッと差し込んだ。
加藤の舌の上をパンパンに腫れた亀頭がズリズリと這いずった。亀頭の裏、すなわち『人』という字に似た尿道からは、ヌルヌルした我慢汁が滲み出ており、それが潤滑油となって亀頭は加藤の舌の上をスムーズに滑っていった。
ホームレスのペニスを根元まですっぽりと銜えた加藤は、鼻先でモウモウとする陰毛から漂ってくる生臭さに、強烈な嘔吐感を覚えた。
もう無理だ! と心の中で叫ぶが、しかし、ホームレスは容赦しなかった。腰をカクカクと振り始めたホームレスは、悶え苦しむ加藤の口の中で、巨大なペニスをピストンさせ始めたのだ。
「うぐぐぐっ!」
加藤がそう唸りながら顔を背けようとすると、ホームレスはゴリラのような手の平で加藤の顔を固定した。左右に動かなくなった顔を無我夢中で後に仰け反らせると、後頭部がコンクリートの壁にゴツッと当たった。
橋脚のコンクリートの凹みに押し込まれていた加藤は身動きできなくなっていた。まるでダッチワイフのように、口の中でペニスをピストンされまくっていた加藤は、もはや諦めるしかなかったのだった。
ホームレスは、加藤の口の中で好き放題にペニスを動かしていた。
そんなホームレスが、突然、「うぅぅぅ」と唸り始め、妙にしゃがれた声で加藤に囁いた。
「出るぞ……いっぱい出るぞ……精子が飛び出したら亀頭を舌でグルグルと舐めまくるんだ、いいか、絶対に吐き出すんじゃないぞ……」
ホームレスは、痛いくらいに頭を押さえつけながら腰を振りまくった。
加藤は必死にもがきながらも、『亀頭を舌でグルグルと舐めまくる』というのは、いったいどうやればいいんだろうと考えていた。
そう考えているうちに、ホームレスが「むっ!」と唸りをあげた。
それと同時に亀頭の先から精液がニュッと飛び出し、加藤の口内を一瞬にして生温かくさせた。
加藤は無我夢中で舌を動かし、亀頭をグルグルさせた。ホームレスは、「あぁぁ、いいぞ、いいぞ」と低く唸りながら、まるで子犬を愛撫するように加藤の髪を撫でまくった。
口を開けた状態の加藤の喉に精液が張り付き、それがヌルヌルと食道に垂れていくのがわかった。まるで寝起きの痰のように、ドロドロとした生温かい塊が舌の根元に溜っている。
ホームレスは精液を全て出し尽くした後も、ペニスを加藤の口内にゆっくりとピストンさせながら、その余韻を味わっていた。
食道に垂れていった精液は仕方がないとしても、口内に溜っている精液を飲み込むのは、なんとしても避けたかった。ホームレスがペニスを抜いた瞬間、唇に付いた唾液を拭くふりをして素早く手の平に精液を吐き出そうと加藤が考えていると、不意に、土手の草むらがカサカサと音を立て、人が下りて来る気配を感じた。

「そこ、土管があるから気を付けてね」

そんな男の声が聞こえた。ペニスを銜えたままの加藤が土手に視線を向けると、さっきの男とスーツ姿の大きな男が橋の下に下りて来るのが見えた。
ゴツゴツする石の上をバランスを崩しながらやって来たスーツの男が、ホームレスのペニスを銜えている加藤を見てギョッとした。
さっきの男が、加藤達をジッと見つながら、スーツの男の耳元に何かを囁いた。スーツの男は「へぇ〜」と頷きながら、加藤達の前を横切り、ペニスを銜えたまま身動きできない加藤の顔をチラッと覗き込んだ。
そんなスーツの男の視線を気にしながらも、無我夢中でペニスを銜えていると、頭上からホームレスの野太い声が聞こえて来た。
「早く飲みこめよ……」
加藤が恐る恐るホームレスを見上げると、ホームレスは鬼のような形相で加藤を睨んでいた。
加藤は背筋をゾッとさせた。ここで精子を飲まなければ殺されると本気で思った。
慌てた加藤が、ペニスを銜えたまま、開いていた喉をゴクンっと窄めると、自然にペニスは吸引され、尿道に残っていた精液がニュルっと漏れた。
まるで苦い薬を飲むようにして、口内に溜っていた精液を必死に飲み込むと、そこで初めてホームレスのペニスがヌルッと抜き取られたのだった。

ホームレスは、ペニスをブラブラとさせながら川辺へと向かうと、靴を履いたまま水の中に入って行った。そして足首まで川の中に入りながらそこにそっとしゃがむと、汚水にまみれた水の中にペニスを入れ、そこに絡み付いている精液と加藤の唾液をじゃぶじゃぶと洗い流した。
そんなホームレスの背中を見つめながら、加藤はソッと唾を吐いた。石の上に、精液混じりの唾液が長い糸を引いて垂れた。それを何度も繰り返した。が、しかし、何度唾を吐いても、その生臭さと異様な苦さは舌から消えなかった。
ペニスを洗い終えたホームレスが、水が溜った靴をぐちょぐちょと音立てながら戻って来てきた。ペニスを出したまま段ボールの上にドスンっと腰を下ろすと、ふーっと深い溜息をつきながら、コンクリートの凹みにしゃがんだままの加藤をジロッと見た。
「三十分待ってろ。三十分経ったら、ケツの穴に入れてやるから」
ホームレスはそう言いながら、完全に萎れたペニスを夜風で乾かしていた。

ケツの穴。その言葉を聞いた瞬間、凄まじい恐怖が加藤を襲った。
しゃがんでいた尻にソッと手をあてた加藤は、あんな巨大なモノをココに入れられたら……と、そのシーンを想像しながら、剥き出しの肛門を指先で撫でては背筋をぶるっと震わせた。
凹みに身を沈ませたまま、早くココから逃げ出さなければと焦っていると、もうひとつの橋脚の影にスーツの男が見えた。
スーツの男は、立ったままコンクリート壁に凭れ、その足下では、さっきの男が、じゅぶじゅぶと卑猥な音を立てながらスーツ男のペニスをしゃぶっていた。
よく見ると、男はペニスをしゃぶりながら自分のペニスを自分でシゴいていた。しゃがんだ男の太ももからシコシコと上下にしごかれるペニスが見え隠れし、そこからぴちゃぴちゃと湿った音が微かに響いていた。
薄明かりに浮かぶその光景は、恐怖を感じるほどに異様だった。
男が男のペニスをしゃぶり、しゃぶる方もしゃぶられる方も、互いにその快楽に蕩けているのだ。
その光景を目にしたとたん、加藤の胸の中で得体の知れないゾクゾク感が溢れて来た。半開きの唇から熱い息がハァハァと洩れ、萎れていたペニスがじわじわと硬くなって来た。
なんだこの感覚は……と、激しく興奮している自分自身に問い掛けていると、ふと、スーツの男がジッと自分を見ている事に加藤は気付いた。
スーツの男と目が合うと、スーツの男は、いきなり半開きの唇から真っ赤な舌を突き出し、加藤に向かって舌先をチロチロと動かした。
その舌の動きは、まるで威嚇するガラガラヘビの尻尾のようだった。
加藤はその舌を見つめながら、もう一度、肛門に触れた。
プクッと膨れ上がった肛門の中心はしっとりと湿り、その部分に指腹をヒタヒタと押し付けると微妙な快感が下半身に走った。
加藤はスーツの男のチロチロと動く舌先を見つめながら肛門を弄り、スーツの男に肛門を舐められるのを想像した。
快感と想像が加藤の頭の中で激しく交じり合い、加藤は勃起したペニスをシゴかずにはいられなかった。
すると、いきなり、「おい」という声が聞こえて来た。
ペニスをシゴいていた手を慌てて止め、ソッと横を向くと、潰れた段ボールの上に寝転がっていたホームレスが加藤をジッと睨んでいた。
ホームレスのペニスは完全に回復していた。真っ黒な肉棒は、ゴツゴツとした血管を荒々しく浮かび上がらせ、ドク、ドク、ドク、と小刻みに振動していた。紫色した亀頭の先からはテラテラと輝く汁を垂らしている。
それを目にした瞬間、加藤は壊れた。ビルの屋上から飛び降りたような脱力感が加藤を襲い、しゃがんでいた太ももがブルブルと震えだすと、勃起するペニスからジワっと小便が漏れた。
奇妙な興奮状態から立ち上がれなくなっていた加藤は、四つん這いのままホームレスが寝転がる段ボールへと這って行った。獣のようにハァハァと荒い息を吐きながら、勃起したペニスからは小便をたらたらと垂らしながら、自らの意思でホームレスへと近付いて行った。
四つん這いになる加藤の手が、段ボールに触れた瞬間、ホームレスは突然加藤を押し倒した。
段ボールの上に仰向けに寝かされると、膝まで下ろしていたズボンを乱暴に剥ぎ取られた。
下半身が剥き出しにされ、そのまま両脚を大きく開かされた。ホームレスはM字に開いた加藤の股の中に顔を埋め、貪るようにして肛門を舐めまくった。
ぶちゃ、ぶちゃ、ぶちゃ、っという狂気に満ちた音が響いた。その乱暴さは、まるでレイプだった。
しかし加藤はそんな乱暴さに興奮していた。その凶器のようなペニスで、内臓が滅茶苦茶になるまで犯してほしいと本気でそう思っていたのだった。

肛門に大量の唾液を塗りたくったホームレスがムクリと起き上がった。加藤をジッと見下ろすホームレスの髭は、唾液でキラキラと輝いていた。
ゴリラのような指で加藤の両足首をがっしりと握ったホームレスは、その足首が加藤の顔のすぐ横に来るぐらい持ち上げ、腰がギシギシするほどの『まんぐり返し』の体勢にした。
尻の谷間をこれでもかというくらいに開かされた加藤は、泣き出しそうなくらいの羞恥心を感じた。
そんな加藤を見下ろしながら、ホームレスは肛門に亀頭をヌルヌルと押し付け、不敵にニヤッと笑いながら「この変態がぁ……」と吐き捨てた。
その言葉に、更に羞恥心を感じた加藤がホームレスからサッと顔を背けると、薄明かりの中で、スーツの男が男を壁に押し付けながら、白く剥き出した尻にコキコキと腰を振っているのが見えた。
攻められる男は、「はっ、はっ、はぁぁぁ」と、ラマーズ法のような喘ぎ声で叫びながらコンクリートの壁にしがみつき、スーツの男は「気持ちいいか、気持ちいいか」と呪文のように何度も唱えながら男の尻をパンパンと叩いていた。
その光景に激しい欲情を掻き立てられた加藤は、乾いた喉にゴクリと唾を飲み込むと同時に思わず叫んだ。
「入れて下さい! 早く!」
加藤の声を合図に、ホームレスの大きな亀頭が加藤の肛門にメリメリメリッと食い込んだ。
凄まじい激痛が加藤の脳を貫いた。「うぐっ!」と奥歯を食いしばりながら、亀頭が肛門を通過する激痛に必死に耐えた。
しかし、そんな激痛は一瞬だけだった。亀頭がスッポリと入ってしまうと、あまりの痛さに肛門が麻痺してしまい、何も感じなくなっていた。
そのうち、ホームレスがゆっさゆっさと腰を振り始めると、固い肉棒が大腸を行ったり来たりする感触が伝わって来た。その部分に快感は全く感じなかったが、しかし、それをされているというこのシチュエーションは加藤の感情を激しく高揚させた。
ふと気が付くと、加藤は自分のペニスをシゴいていた。
薄暗い橋の下で、薄汚いホームレスに肛門を犯されながらオナニーしている自分を客観的に想像すると、加藤はたちまち激しい興奮に包まれ、おもわず隣の男の真似をして、いやらしい声を出したくなった。
ホームレスの腰の動きに合わせて「あん、あん」と声を出してみた。
すると、その声が嬉しかったのか、ホームレスは更に激しく腰を振りながら、「ほら、もってヨガってみろ」と、嬉しそうに笑った。
「あん、あん、あぁぁん!」
体を捩らせながら声を上げると、まるで自分がAV女優になったような気がした。
そんな自分自身に興奮しながら、更にペニスを激しくシゴいていると、ふいにスーツの男がヌッと加藤の顔を覗き込んだ。
「こりゃあ、なかなかの上玉だな……」
スーツの男は加藤を見下ろしながら唇の端を歪め、必死に腰を振るホームレスにそう言った。
「そうですね、まだ若いですからギュンギュンと締めて来ますよ」
ホームレスはボロボロに欠けた前歯からひゅーひゅーと息を洩らしながら、スーツの男にそう頷いた。
スーツの男は、まるで品定めをするかのように加藤を見つめながら、「気持ちいいか?」と聞いて来た。
加藤は、この悲惨な姿をスーツの男に見られているという状況に悶えながらも、必死にコクンっと頷いた。
スーツの男はそんな加藤にニヤリと微笑むと、いきなりスーツの内ポケットから財布を取り出した。そして黒い財布の中から一万円札をスっと抜き取ると、それをホームレスの胸ポケットの中にクシャッと押し込み、「この男の子、私が貰って行くから早く終わらせろ」と、再び唇の端を歪めながら笑った。
その瞬間、加藤のペニスからピュッと精液が飛び出した。この後、このスーツの男にどんな風に嬲られるのかと想像しただけで、加藤は射精してしまったのだ。
加藤の黒いTシャツに真っ白な精液がポタポタと迸った。それをホームレスとスーツの男は見下ろしながら、いやらしい笑みを浮かべたのだった。

射精の快楽に包まれながら、加藤は、もう、どうなってもいいと思った。
あの地獄のような工場に戻り、毎日死んだように単純作業を繰り返すくらいなら、このままスーツ男の性奴隷として生きた方がましだと思った。
ふと、空を見上げると、目の前にはコンクリートの橋の裏が迫っていた。老朽化した橋桁には数匹の鳩がジッと身を潜めているのが見えた。
もう、橋の下に漂うヘドロの臭いは気にならなくなっていた。ホームレスの全身から漂う饐えた匂いも、口内に微かに残る精液の苦さも気にならなかった。
このまま、この橋の下に住み着こう。
そして、あの男のように橋の上で男を誘い、この仄暗い橋の下でヤリまくられよう。
そう思った瞬間、ホームレスが「あっ! くうっ!」とスタッカートな息を洩らしながら射精した。
大腸に迸る生温かい精液の感触を感じながら、再び加藤はAV女優のような大きな声を橋の下に響かせた。
そんな加藤の大きな声に、橋桁に潜んでいた鳩が一斉に加藤を見下ろした。
加藤は今までにはない最高の気分に包まれたのだった。

(仄暗い橋の下で・完)



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