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笑う原爆(前編)

2011/07/01 Fri 11:20

笑う原爆1



               1

 マサオ。
 中学の時のあだなは原爆。
 ブヨブヨにたるんだ顔。女のように細く軟弱な首と手首と指。
 肩幅は異常に狭いくせに腹はでっぷりと突き出し、正面から見るとまるでひょうたんのようだった。
 全体的に痩せているくせに脂肪はたっぷりと付いているというこの醜い体型は、明らかに長年の不摂生からなる変形だった。
 見た目は50を超えてそうな老け顔だったが、しかし実際は32才。
 中学からヒキコモリになった彼は、親のコネで私立の高校に入学せさてもらえたが、しかし、学校へは入学式に1度行ったっきりでそれ以来2度と学校へ行く事はなかった。その後、自宅の部屋で自主監禁の日々が続き、ネットとアニメだけが彼の世界を征服した。
 高校三年生の時に突然父が死んだ事により、それまで学校に行かずとも払い続けていた学費がいよいよ払えなくなり高校を中退。
 その後もヒキコモリは続くのだが、23才の時、近所の団地の物干し場から女性の下着を盗もうとしている所を、部活帰りの野球ユニホームを着た男子中学生たちに発見され、マジックでマユゲをラクガキされた野良犬の如く、やんややんやと追い回された挙げ句、いきなり金属バットで脛を叩かれひっくり返っていた所を携帯電話で通報されあっけなく現行犯逮捕。
 取調べで、盗もうとしていた下着の持ち主が還暦を過ぎたオカマである事実を刑事から聞かされたマサオは、「とんでもない過ちを犯す所でした」と項垂れながら反省するが、しかし、それから2年後、25才になった彼は、公園で遊んでいた3才の幼女の股間をデジタルカメラで撮っていた所を幼女の母親に発見され、絶叫するその母親の声に集まって来た近所の魚屋や電気屋、そして荒くれの職人達に取り押さえられた挙げ句、なぜかその場で全裸にされ、そのブヨブヨの体に殴る蹴るの暴行を加えられてはそのまま通報されて再び逮捕された。
 そんな彼の部屋からは、大量の女性用下着と、女子高生のカバンや上履きなど数百点が押収され、それらを盗んだ物であると素直に認めた彼は執行猶予付きの有罪判決を受けたのだった。

 そんな悲惨なマサオに転機が訪れたのは、マサオが30になった時だった。
 母親の兄、いわゆる叔父が経営するコンビニの深夜店員として雇ってもらえる事になったのだ。
 しかし、今まで社会不適合者として1人で吉野家にも入れなかったマサオには例えコンビニの店員といってもかなりのハードルだった。
 しかし、そのコンビニは、閑静な住宅街の中にポツンとあるコンビニだった為、夜ともなると客はほとんど来ない。
 そんな事から、叔父はヒキコモリの彼のひとつの職業訓練の場になればいいと、この仕事を彼に与えてくれたのだった。
 しかし、マサオのその腐り切った心に根付いた怠け癖は、そんな叔父の優しさを踏みにじった。
 マサオには、そのコンビニが社会復帰する為の職業訓練の場などという考えは毛頭無く、彼にとったらその深夜のコンビニは遊び場に過ぎない。
 そう、マサオは清掃といった業務は一切せず、夜な夜な商品を食い漁っては雑誌を読み耽り、レジの裏の事務室で朝までグッスリと寝ている始末なのだ。
 しかもマサオは、せっかく叔父が与えてくれたこの場を、事もあろうに犯罪の場として活用し始めた。
 それが、コンビニのトイレに仕掛けた盗撮カメラだ。
 マサオは朝のうちにカメラを録画用に切換え、昼間の客が利用するトイレの中を全て録画した。
 そして、深夜になると録画したそのVTRを眺めながら、トイレの汚物入れから持ち出した使用済み生理用品を舐めたりチンポに擦り付けたりしてはオナニーするという、実に悪質で且つ猟奇的な犯行を繰り返していたのだ。
 そんなマサオが集める盗撮VTRは莫大な量に上った。
 近所の女子高生を筆頭に、コンビニの裏にあるマンモス団地の奥さん達やオフィスビルのOLたち。そして深夜にフラっと現れるヤンキー娘や水商売のお姉さん達など、そのVTRは各ジャンルに分かれ、それが保存されているマサオのパソコンは、そこらのアダルトサイトなどよりもずっとずっと充実しているのだった。

 ある時、マサオはその膨大な量のVTRの中に、必ず3時になるとこのトイレにやってくる少女を発見した。
 その少女は小学5、6年生だろうか、いつも学校帰りにこのコンビニに立ち寄り、なにひとつ買い物もしないのにちゃっかり小便だけして出て行くのである。
(子供のくせになんという悪質な・・・)
 マサオはそんな少女に怒りを覚えた。そして、ここはひとつ大人の自分がしっかりと教えてやらねばならないとブヨブヨの二重アゴで深く頷いたのだった。
 そんなマサオは、少女がコンビニに立ち寄る3時近くになると、こっそりコンビニの角の自販機に身を隠し、少女がコンビニにやって来るのを静かに待ち伏せしていた。
 昼のバイトの香川さんにバレてはいけないと、マサオは帽子を深く被りサングラスなどをかけながら変装しているが、しかしそれはどっからどーみてもマサオだった。
 そうしていると、れいの小学生が赤いランドセルの鈴をチャリチャリと鳴らしながらコンビニに向かって歩いて来るのが見えた。
 マサオはそんな小学生の前に立ち塞がった。
 足を止めた少女は、そんなマサオを黄色い帽子の中からソッと覗き、たちまちギョッと目を開いた。
「キミ、この時間になるといつもコンビニのトイレ使ってるよね?」
 マサオがトドのような二重アゴを揺らしながら少女にそう聞くと、少女は脅えた目をしながらコクンと頷いた。
「コンビニは公衆便所じゃないんだよ。だから、お買い物しないのならもう使っちゃダメ」
 マサオはそう言いながら、なぜか両手を広げて少女を通せんぼした。
「だって、おウチが引っ越ししたから遠いんだもん。おウチまで我慢できないんだもん」
 少女は既におしっこがしたたいのか、両足をバタバタと脚踏みさせながらそう言った。
「でもダメ。これは社会のルールなんだ。ルールを守れない子は大きくなったら隔離施設に入れられてしまうんだ。そうなってもいいのかい?」
 少女は「カクリシセツ?・・・」と言いながら首を傾げた。
 このセリフは、マサオがいつも叔父から言われている説教のひとつであり、マサオは叔父の言葉を真似してみたのだ。
「とにかくダメなものはダメなんだ。だから我慢しなさい」
 マサオがそう言うと、尻をモジモジさせていた少女はいきなり走り出した。
 少女はマサオの忠告通りコンビニを通り過ぎ、鈴の音をチャリチャリと鳴らしながら商店街を駆け抜けて行く。
 そんな少女の後をマサオは身を潜めながら追跡した。きっとあいつは近くのホームセンターのトイレでやらかすつもりだ、と、予想しながら、もしそうだったら今度こそゲンコツを喰らわせてやると、肉まんのような握り拳を作りながらマサオは少女の後を追ったのだった。
 そんな少女は、ホームセンターに付く前に細い路地に駆け込んで行った。そしてその路地を少し進んだ先にある大きな廃工場の裏の雑木林の中へと駆け込んで行った。
(あの野郎、立ちションベンするつもりだな)
 環境問題には非常にうるさいマサオは、自分が立ち小便するのは許せても他人が立ち小便をして地球を汚すのが許せなかった。
 そんな少女の後を追って雑木林の奥へと進むと、廃工場の裏に鬱蒼と生え茂る緑の中にポツンと白い尻が浮かんでいるのが見えた。

(それ見ろ!やっぱり地球を汚してる!)
 マサオは猛烈な怒りを覚えたが、しかしその白くて真ん丸な少女の尻と、そこからビシャシャシャシャと聞こえて来る小川のせせらぎのような音に突然胸を打たれたマサオは、おもわずその茂みの中にサッと身を隠した。
(生だ・・・生の小便シーンだ・・・)
 マサオはデジカメを持って来ていない事を酷く悔みながらも、地面の雑草に顔を押し付けながらも少女の尻の下を覗き込んだ。
 しかしその距離からは微かに水が噴き出すのが見えるくらいで、肝心の「噴き出ている箇所」を見る事が出来ない。
 マサオは迷う事なくそのまま匍匐前進した。生え茂る雑草を掻き分けながら、まるでコモドオオトカゲのように地面を這うマサオ。
 そんな忍び寄るマサオに気付いた少女が慌てて振り返った。
「ヤダぁ!来ないでぇ!」
 急には止まらない小便をシャーシャーと噴き出しながら少女が喚く。
 そんな少女の丸い尻に到着したマサオは、そのまましゃがんでいる少女の股間を覗き込んだ。
 びっくりするくらいに綺麗なピンク色がマサオの目に飛び込んで来た。それは、今までマサオが見て来た、あの腐ったイソギンチャクのような女性器ではない。そう、少女のそれはまさしく桜貝がふんわりと口を開いているような、そんな幻想的でファンタジックでディズニーチックな可愛い女性器だったのだ。
 しかし残念な事に少女のそこから噴き出す小便は、いきなり桜貝をヒクッとさせたかと思うと、そのままピタリと止まってしまった。
「あっち行ってよ!」
 少女は尻を覗き込むマサオにそう叫びながら慌てて木綿のパンツを履こうとした。
 そんな少女の手をマサオはギュッと掴んで止めた。
「キミは、小便をしてマンコを拭かないのか!」
 マサオのその言葉に少女は震えた声で「だってぇ・・・」と呟いた。
 少女はマサオのその力強い手に完全に脅えてしまったのだ。
「ダメだ。小便をした後は綺麗に拭かないと病気になる」
 マサオは中腰にしゃがんだままの少女の桜貝をジッと見つめながら言う。
「だってティッシュペーパー持ってないんだもん・・・」
 少女は今にも泣き出しそうな声で身体を震わせた。
「それじゃあ仕方がない。今度だけお兄ちゃんが拭いてやる・・・」
 マサオはそう言いながら中腰のままの少女の尻を自分の顔に引き寄せた。
「今度からはちゃんとポケットティッシュを携帯しておくように・・・」
 なんとマサオは、そう言いながら少女の桜貝にしゃぶり付いたのだった。

 マサオが女の性器を舐めたのはこれで三度目だった。
 一度目は初めて入ったファッションヘルスだった。その時の、あの、薄汚いフィリピン人のドリアンのようなアソコのニオイは今でもマサオの脳裏にトラウマとして残っている。
 二度目は初めて呼んだデリヘルだった。あの時、あの、どこかの難民のようにガリガリに痩せた中年女のナマコのような色をしたマンコは、今でも時々マサオの夢に出て来ては、眠っているマサオを酷く唸らせた。
 そんな地獄絵図のようなマンコ舐め経験しかなかったマサオにとって、この少女の桜貝は、ふいにつけたテレビ番組が「アルプスの少女ハイジ」の最終回だった時のように、底知れぬ感動をひしひしと与えてくれた。
 ぷちゃ、ぷちゃ、ぷちゃ、ぷちゃ・・・・・
 大型犬が水を飲むかのように大きな舌を小刻みに動かしながら、閉じた桜貝を舌で押し開いてはその奥にある生肉を隅々まで味わった。
「ヤダよぅ・・・・」
 少女が泣き出した。
 マサオはそんな少女が逃げないように、その小さな体を腕で押えながら少女の桜貝だけでなく肛門までもチュパチュパと味わった。
 マサオは少女のその個所から味が消えるまで舐め尽くすと、ズボンの中で固くなっているペニスを確認した上で、そっとズボンのボタンを外した。
「キミがこんな所でオシッコをしたなんてみんなにバレたら、キミはクラスの皆からイジメられちゃうよ・・・」
「もうしないから、ねぇ、もう帰るぅ!」
 そうもがく少女の体を押えながら、「だから、お兄さんが誰にも内緒にしといてあげるから、ね、ちょっと大人しくしてて・・・」と、ズボンを素早く下ろし、潰れた大福餅のような小さな包茎チンポをニョキッと突き出した。
「ヤダ、ヤダ」
 そう脚をバタバタさせる少女を抱き上げ、そのまま工場の裏のブロック塀まで少女を連れて行き、そこに少女の体を押し付けた。
「痛くしないから、ね」
 そう言いながらマサオは、背後から少女の桜貝に潰れた大福餅を押し付けた。
 しかし、当然ながら、濡れてもいない、ましてそんな経験をした事のない少女の桜貝は、今までマサオが相手にして来たような激安風俗嬢のようなわけにはいかなかった。
 マサオの軟弱なチンポはその強行に口を閉じる桜貝を前に、ツルンっと少女の尻肉へと弾き飛ばされてしまう。
 少女が「イヤだあー!」と叫び出した。
 焦ったマサオはもう何でもいいやと少女の尻肉にペニスを擦り付け、後から少女のぺったんこの胸や、まだ発育していない男のような乳首を触りまくった。

 すると瞬きもしないうちに、その少女のコリコリとした尻の谷間に擦り付けられるペニスがジンジンと熱くなって来た。
 イク瞬間には是非ともこの少女と濃厚なディープキスで舌を絡め合わせたいものだとそう考えるマサオは、コキコキと腰を振りながら少女の顔を後ろに向かせた。
「チューしよ、チューしよ・・・あぁダメだ、イクぅ!」
 出来損ないの芋虫のような包茎の先から精液がドロッと溢れた。マサオの場合、皮がバリアしているため通常人のようにピュッ!とは飛ばない。
 そんなマサオのドロドロの精液は少女の尻を伝わり、地面の雑草の上にボタボタと滴り落ちた。
 マサオはジンジンとした快感に包まれながら、少女の小さな口に舌を押し込んだ。
 その瞬間、少女は問答無用でその舌をガリッ!と噛んだ。
「うひゃあぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
 飛び上がったマサオは、口から血を吐きチンポから精液をドロドロ出しながら、その場にひっくり返った。
「死ね!豚まんじゅう!」
 少女は残酷にもそう叫びながら慌ててパンツを履き、ついでに足下に転がっていた拳大の石を鷲掴みにすると、それをマサオの額目掛けておもいきり投げつけた。
「ゴッ!」
 石はマサオの額に見事に命中した。いきなり目の前がフッと真っ暗になりそのままガクッと力を落とした。
 薄れてい意識の中、遠離って行く少女のランドセルの鈴の音を聞いていたマサオは、額からタラタラと流れて来る血を舌に感じながら、これで当分の間コンビニのバイトを休む口実が出来たなどとこの後に及んでも密かにそう微笑んでいたのだった。


               2


「だって見ろよ!僕のオデコはこんなに凹んじゃっているんだぞ!こんなオデコをしてまでも僕にあのコンビニのカウンターに立てというのかキミは!」
 マサオは荒れ狂う獅子のようにそう叫ぶと、テーブルの上に置いてあった象印魔法瓶を床に叩き付けた。
 象印魔法瓶の蓋が割れ、中からシュッと湯気が噴き出した。
「あらあら・・・」
 マサオの母はそんな魔法瓶を拾い上げながら、「あちちちちっ」と湯気に触れた指を慌てて耳たぶに押し付けた。
 この世の中で、唯一マサオが威張れるのは、この年老いた母1人だけだった。
「なんでだよ!」
 再びマサオが叫んだ。
「なにがだい?」
 マサオの母はそんな荒れ狂うマサオを見つめながら優しく微笑んだ。
「だからぁ、なんで今、あちちちちって言いながら耳たぶを摘んだんだよ」
 マサオはくっきりと凹んだオデコを指で擦りながら母に聞いた。
「さぁ、どうしてだろうねぇ・・・みんな昔から熱い物を触った時は耳たぶを摘んでいたけど、本当、どうしてなんだろうねぇ、不思議だねぇ・・・」
 マサオの母はそう言いながら不思議そうに首を傾げて「うふふふっ」と笑った。
「そんなの迷信だバカ!」
 マサオはそう叫びながら、まるで、わかってくれない父親に「お父さんなんて大嫌い!」と走り出す女学生のように悲観的に駆け出すと、そのままドカドカと階段を上り自分の部屋に飛び込んだのだった。
 部屋に飛び込んだマサオは、階下のテレビで「笑っていいとも」のオープニング曲が流れていたのを思い出し、そのままパソコンの前に慌てて腰を下ろした。
 そしてマウスを握ると、それまで母親に怒鳴っていた事もすっかり忘れ、いつものアダルトサイトへと飛んで行ったのだった。
 マサオのオナニーは計画的だった。
 ある時、一定時間を経過していないと快楽が得られないという法則に気付いたマサオは、それまでの「したくなったらする」という牧歌的なオナニーの考え方を改め、最低でも5時間の間隔を保とうと決めた。
 そんなマサオのオナニーは、昼・夜・深夜という流れで正確に行なわれ、そのリズムは父親が死んだ時であろうと変わる事はなく、今後も、たとえ大地震が来ようとも母親が危篤状態であろうとも変わる事はないだろう。
 マサオはお昼の御勤めの如く、慣れた手つきでアダルトサイトを物色し始めた。
 凹んだオデコがズキズキと痛むマサオは、その怒りをぶつけるかのように残虐なSMサイトへと飛ぶ。
 そこには、荒縄でグルグル巻きに縛られては、その荒縄の隙間からひまわりのように大きな乳倫をパンパンに張らせた熟女の画像が映っていた。
(女なんてグチャグチャにしてしまえばいいんだ!)
 マサオは凹んだオデコを撫でながら、その画像に挑発されては妄想の中で女達をグチャグチャにしてやった。
 しかし、本来SMなどという高度なプレイをした事がなかったマサオにとって、そのような非現実的な妄想は瞬く間に気分を萎えさせ、それ以上のフィニッシュにまで導かれるまでには至らなかった。
 もっと身近で親近感のある被虐的なエロスはないものかと、惨めな皮かむりを左手でシゴきながら次々にアダルトサイトを物色して行くと、ふいに見慣れた光景が映る動画にさしあたった。

『万引き女子高生にお仕置きするコンビニ店長』

 そんなタイトルが記された動画は、コンビニの事務所らしき場所で、項垂れている女子高生に青白ストライプの制服を着た店長らしき男が「警察呼んでもいいんだぞ!」と迫りながら、女子高生のスカートの中に手を入れていると言う、なんとも今のマサオの状況と心境にはもってこいの内容だった。
 実際に自分にも起こりうるその動画に、激しく感情移入したマサオは、ソレ系の動画を何十本と連続で見まくってはリアルな妄想に煽られ、そしてしわくちゃの皮の中からトロトロと精液を射精したのであった。
 そんなマサオは、皮の先にティッシュのカスを点々と残したままズボンを履くと、まるで宝くじにでも当たったかのように「お母さん!お母さん!」と叫びながら階段を下り、そして居間でぼんやりと大岡越前を見ていた老いた母親に向かって「僕、やっぱり今夜からバイトに行くよ!」などと、32才にして少年のような明るい笑顔でそう叫び、老いた母親にひとときの安堵を与えてやったのであった。


               3


 PM8:00。
 レジのマサオは、出勤前のキャバ嬢らしきケバい女や、明日の朝食の食パンを買いに来た近所の主婦などをボンヤリと眺めながら、万引きしろ万引きしろ・・・とその女達に向かって念力を送っていた。
 しかし、そんなマサオの念も空しく、誰一人として万引きをしてくれない。
(どうなってんだこの国は。もっともっと万引きしなきゃダメぢゃないか!)
 そうイライラしたマサオは、万引きをしないヤツには制裁を加えてやる!と奥歯をグリっと噛んだ。
 その制裁というのは、レジでお金を払う客に向かって、わざと唇の左側に隙間を作り、その歯茎がジクジクと膿んでいる左奥歯から深く息を吐きながら、「ありやとございやしたぁ・・・」と客の顔めがけてその口臭を吹き掛けるという、実に質素な制裁だった。
 そんなマサオの口臭を嗅がされた客の中には、露骨にマサオの顔をギロッと睨み返すオヤジや、慌てて口と鼻を手の平で覆いながら顔を背ける女、又ははっきりと「臭さっ!」などと口走る男子高校生など、そのリアクションは多種多様であった。
 そんな客を見る度にマサオは、己から発せられる口臭を赤の他人に嗅がせる事によりヤツラを撃退してやったのだという奇妙な自己満足に浸り、挙げ句にはそれを『口臭ビーム』などとこっそり名付けては、気に入らない客がレジに来る度に密かにそれを浴びせては、嫌がる客の顔を見てまるで勝ち誇ったかのように優越感に浸っていたのであった。
 そんなマサオは、夜ピークと呼ばれている時間帯の客を、忙しくもハァハァと口臭ビームを吐きかけながら全て裁ききると、遂に誰もいなくなった空っぽの店内を見渡しながら、「結局誰も万引きしてねぇーしぃ」と、少しキムタクの口調を意識しながら声に出して呟いた。
 この夜ピークと呼ばれる時間帯を過ぎると、あとは朝までポツポツとしか客は来ない。
 まぁ、通常の従業員としてはなんとも気楽な時間帯なのではあるが、しかし今のマサオは従業員というよりも、もはやハンターだ。そう、今のマサオはコンビニ店員というよりも、万引き犯を取り締まる万引きGメンと化してしまっている為、客がポツポツとしか来ないこの状況ではなんにもおもしろくないのである。
 しかも、たとえ万引きを目当てにした客が今ここに来たとしても、こんなに店内がガラガラ状態では万にひとつも万引きはしないだろうと、過去に何度も万引きを犯して来たマサオは、その実体験からそう思った。
 万引きというのは、満員電車の痴漢やスリによく似て、本来、人が大勢いる場所で密かに行なわれる悪事なのである。
(騙された!)
 マサオは、誰もいない店内を忌々しく見つめながらレジカウンターの裏を草履の爪先でガンっ!と蹴飛ばした。
 レジの上に置いてあったおでんの保温器が揺れ、茶色く澱んだツユがステンレスの保温器からポチャっと垂れる。
 マサオは、そんなムシャクシャした気分のままレジ裏の事務所へと向かうと、素早くPCを立ち上げ、さっそくあの『万引き女子高生にお仕置きするコンビニ店長』というサンプル動画ブログを開いた。
 そしてそれがアップされている記事を見つけ出すと、そのコメント欄に『某コンビニ店員』という名前で『このシチュエーションは誠に非現実的であり誠に遺憾だ』などと政治家の抗議文のようなコメントを書き込み、その他にもソレ系の動画がアップされているサイトを見つけ出しては、次々に批判コメントを書き込みまくった。
 そして怒り狂うマサオは、遂にアマゾンにまで飛び、そこに紹介されている『万引き主婦・脅迫レイプ』というタイトルのDVDのカスタマーレビュー欄にまで侵入しては『まんまと騙されました』といったタイトルで散々中傷しまくった。
 それでも気が治まらないマサオは、実際にそれらDVDを作っている制作会社を調べあげ、そこに直接抗議メールを送ってやろうと、そのメルアドを調べ始めた時、不意に事務机の上に置いてある店内監視モニターに、セーラー服を着た1人の少女の姿がボンヤリと映っているのが目に飛び込んで来たのだった。

 監視モニターに映るその少女は明らかに挙動不審だった。
 ラックに並ぶ商品を眺めながら通路を歩き回る少女は、何度も何度も無人のレジをチラチラと見たり、又は天井の監視カメラにチラチラと目線を向けては上目遣いにカメラを見ていた。
(そっか・・・・)
 握りしめていた汗だくのマウスから手を離したマサオは、その小さな監視モニターを自分に向けながら呟いた。
(店員がいないと思ってるんだな・・・)
 そう巨大な頬肉をニヤリと釣り上げたマサオは、もしかしたら奇跡が起きるかもしれないと期待を胸に抱きながら、そのまま息を殺して監視モニターを見つめた。
 そんな少女は、監視カメラと無人のレジにチラチラと視線を向けながらも、パンや菓子など次々と商品を手にした。
 そんな少女の右手には、ビニールの大きな袋がぶら下がっている。
 マサオは、その大きなビニール袋を見つめながら、早く入れろ!そこにポロッと入れてしまえ!と、激しいパワーを監視モニターから送った。
 少女は商品を手にしたまま、挙動不審に店内をウロウロと歩き回り、トイレの前にあるラックの影で不意に足を止めた。
 どうやらこの少女は、その場所が監視カメラの死角である事を知っているらしい。
(こいつ・・・プロだな・・・)
 少女が消えた監視カメラを見つめながらマサオは細く微笑んだ。
 しかし、そんなマサオはモニターから彼女が消えたというのに少しも同様を見せなかった。
 マサオは全く落ち着いた面持ちで「ふふふふ・・・俺を舐めんなよ・・・」っと呟くと、右手に持っていた携帯をパカッと開き、なにやらピッピッとボタンを押し始めた。
 しばらくすると、マサオの画面にパッと何かが映し出された。
 なんとその画面には、その少女の直下型逆さ撮りパンチラがボンヤリと映っているではないか。
 そう、マサオはラックの最後尾、いわゆるジュースなどが入っている冷蔵庫の前の通路を『パンチラ通り』などと勝手に名付け、このコンビニにある4つのラックの最後尾の床にパンチラ用の盗撮カメラをまんまと仕掛けていたのだ。
 まさかそんな所にパンチラ用の盗撮カメラが仕掛けられているとは夢にも思っていない少女は、手に持っていた商品をビニールの袋の中にさりげなく落とした。
 マサオはそんなモニターに向かって、まるでJリーグのサッカー選手がゴールを決めた時のような情熱的なガッツポーズを取ると、いきなりデタラメなサンバを踊り出しては事務机の角に膝をぶつけ、「痛っ!」と前屈みになった所で今度は机の角に凹んでいた額をぶつけ、あまりの痛さに「泣きっ面にハチ!」などと叫びながらも七転八倒したのであった。


               4


 その少女が素知らぬ顔をしてレジの前を通り過ぎて行くのを、マサオは事務所のドアの影からジッと見つめていた。
 過去、テレビで放映された『万引きGメン』を見ていたマサオは、万引きと認めるには店内では声を掛けてはならない、というGメンの手口を思い出していた。
(外に出てからだ・・・ヤツが外に出た所を『すみませんが、何かお忘れになってませんか?』と声を掛け、すかさずギュッと右手首を掴みながら『ちょっと事務所に来て下さい』と言うんだ・・・うひひひひ・・・)
 日頃は捕まる側ばかりのマサオにとって、捕まえる側が楽しくて仕方ないのだ。
 そんなマサオが見ているとも知らず、少女はそのまま自動ドアの前に立った。
 ヴィィィィと自動ドアが開き、少女が一歩外に出た瞬間、額にピンポン玉ほどのタンコブを作ったマサオは、誰に言うわけでもなく「只今より確保します!」とそう叫ぶと、レジの裏から飛び出した。
 自動ドアの向こう側にいた少女が気配に気付いて振り向くと、いきなり額が『日の丸』になった男がこちらに向かって猪突猛進して来るのを愕然と見つめ、「あわわわ・・・」とアゴを震わせながら後退りした。
 マサオは、半年ぶりに散歩に連れていってもらえる大型犬の如く、ハァハァと興奮しながら外に飛び出すと、そこでブルブルと震えている少女に向かって「何かお忘れになってますよね!」と叫びながら少女の細い手首をおもいきり掴んだ。
「痛い!」
 少女は小さくそう叫びながらその手を引こうとするが、しかしマサオは死んでもこの手は離すものかという勢いで手首を握りしめ、「お忘れをお忘れしておりませんよね!」などと支離滅裂に叫びながら少女を店内に連れ込もうとした。
「怖い!やだぁ!」
 少女はそう叫びながら、散歩に行きたくない小型犬の如く、引っ張られる腕に足を踏ん張りながらも尻をヤダヤダと振った。
「ややっ!キサマ抵抗するのかこの大泥棒め!」
 マサオは少女の細い肩をもう片方の手で押さえ付けると、そのまま少女の体を自分に引き寄せようと引っ張った。
 その拍子にマサオの手が少女の胸へと落ち、そのセーラー服の上からでもムニュっと柔らかい感触を感じたマサオは、額のタンコブを更に膨張させては興奮したのであった。

 コンビニの奥の事務所PM11:25。
 マサオがふんぞり返る事務机の横の補助椅子に座る少女は、ぐったりと項垂れていた。
「キミ、万引きしたよね?」
 マサオは単刀直入に聞いた。
「・・・・・・」
 少女は今にも泣きそうな表情でジッと一点を見つめたままだ。
「キミが万引きしたのは全部このカメラで録画されてるんだよ?・・・さ、正直に白状しなさい」
 マサオが優しくそう言うと、少女は大きな目に涙をウルウルと浮かべながら「ごめんなさい・・・」と白状したのだった。
 少女が持っていたビニールバックの中から出て来たのは、菓子パン2ヶとプリン1ヶとハイチュウ2ヶだった。
 マサオは「他にはないの?」と言いながら、少女の手からそのビニールバックを引ったくった。
 ビニールバックの中を覗き込んだマサオは、その中から匂って来る、ストロベリーのような匂いにおもわず亀頭をズキンとさせた。
 ビニールバックの中には、数枚のCDが散らばり、その奥に筆箱とノートと、そして数学の問題集が入っていた。
「塾の帰り?」
 ノートを取り出しながらマサオが聞くと、少女はコクンと頷いた。
 そのノートをパラパラと捲りながら「どこの高校?」と聞くと、少女はそのまま黙りこくった。
「・・・キミが素直に答えないなら警察を呼ぶよ」
 テレビで観た万引きGメンを意識しながら、シリアスな態度でマサオがそう呟くと、少女はブルブルブルっと首を横に振った。
「じゃあ正直に答えなさい。どこの高校だい?」
「・・・・島宮中学です・・・・」
 それを聞いたマサオは、おもわず「フーッ」と鼻から興奮息を吐き出した。
「キ、キミは中学生か・・・で、何年何組?名前は?」
「・・・3年B組・・・松本ミミです・・・」
「3年生って言ったら、キミ、受験生じゃないか」
「・・・はい・・・」
 マサオは心の中でバンザイ三唱していた。
(こんなに遅くまで塾に通う受験生。きっと受験に必死なんだろう。って事は、当然この事が学校にバレるのは絶対的に困るよな・・・・)
 マサオはそんな事を考えながら、これは間違いなくヤれるぞ!と確信した。
 マサオはあらゆる妄想に駆り立てられながら少女をジッと見つめた。
 よくよく見れば少女のその顔は非常に幼かった。
 しかし、体はそれなりに発育していそうだ。胸もそれなりに膨らんでいるし、補助椅子に押し付けられている尻も弾力性がありそうだ。
 それに何よりもこの制服から伸びる生足が堪らない。
 さっき盗撮カメラで見たには、確かこの少女の下着は木綿の白だった。
 もしかして処女か?まだオマンコを誰にも弄られていないのか?
 舐めたい。素直に塾帰りの美少女中学生のオマンコを舐めたい・・・・
 そんな事をあれやこれやと妄想しながら、マサオは少女をジッと見つめながら「どうする?」と聞いた。
 少女はゆっくりとマサオを見つめながら、プックリと膨らんだその唇で「どうする?・・・」とオウム返しに呟いた。
「ああ。一応、キミのやった事は犯罪だからね。キミは未成年だし、やっぱり担任の先生に来てもらわなくちゃならないね・・・」
 マサオは遠回しにそう言いながら少女の反応を探る。
 少女はマサオのその言葉に一瞬「ギョ」とし、「お母さんじゃダメですか?」と悲痛な表情でマサオを見た。
 少女のその言葉により、少女は学校には知らされたくないという事が判明した。その一方で、母親ならばバレてもいい、という事も判明した。だからマサオは、母親ラインをぶっ千切る方向に話しを進める。
「いや、お母さんとかじゃダメなんだよ。この場合、キミを教育する立場にある責任者に来てもらわないとね。だから担任の先生か、もしくは学校責任者に来てもらわないと困るんだよ」
「えぇ!どうしてお母さんじゃダメなんですか!」
「そんな事、僕に言われても知らないよ。これはウチの会社で決まっているマニュアルなんだ。社会人なら会社、学生なら学校、に通報するってね、マニュアルにそう書かれてんだよ」
 マサオは事務机の中からマニュアルを取り出し、それをバンバンっと机に叩き付けながらそう言った。
 もちろん、そのマニュアルにそんな事は書いてない。
「お願いします、学校には言わないで下さい・・・」
 少女は項垂れたまま涙をポタポタと太ももの上に垂らす。
 そんなテラテラと濡れて輝く少女の太ももを見つめながら、マサオは少女に言った。
「まぁ、キミも受験を控えてるんだし・・・こんな事で高校受験をパァにしたくはないよね・・・」
 マサオのその言葉に、少女は「お願いします!許して下さい!」と叫びながら顔をあげ、その涙で濡れる大きな瞳でマサオを見た。
 少女と目が合うなりマサオ言った。
「僕の言う事なんでも聞く?」
 「えっ?」とすかさず少女の顔が強張った。
「僕の言う事を聞くんだったら・・・学校には内緒にしておいてあげてもいいけど・・・」
 そうニヤニヤと笑うマサオの不気味な笑顔を見つめながら、少女は「ひくっ」と小さなしゃっくりをしたのだった。

(つづく)

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